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第2章 切迫
8 Gは禁句
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「刑事さん…だよね?えーとお名前は……」
朱美と名乗った店長が浦安の顔を覗き込んだとき、この女、お水慣れしてるな、と弓削は思った。朱美は弓削たちと反対側に座る客と話していて二人の声は聞こえていなかっただろうが、隣りの駅で事件が起こったことは当然知っているだろうし、雰囲気から二人が刑事だと当たりをつけるのは容易だろう。そしてあんな愁いを帯びた顔で覗き込まれたら浦安さんだって……
「当たり。浦安です。二年前はお世話になりました」
満面の笑みを朱美に向けた浦安に、ほら、と思う。あんなのは相手に喋らせる初歩中の初歩のテクニックだ。弓削はずっと自分の話が遮られている状況に面白くない顔をしながら、二人のやり取りを見守っている。そんな彼女の胸中を慮ることなく、浦安はずっと目尻を下げた顔を朱美に向けていた。二年前といえば鮫島家の一家惨殺事件が起こったときで、浦安も弓削も捜査に参加した。このバーに来るのは弓削は始めてだったが、浦安はその当時もここに来ていたのだ。
「あー、うんうん、覚えてます覚えてます。あんときはこちらこそお世話になりました」
ペコンと頭を下げる朱美に、うそつけ、と弓削は心の中で突っ込んだ。ブラウンアッシュのロングボブを揺らしながら首を傾げる仕草があざとい。弓削は浦安がなかなかこちらの話に集中してくれないのを苛立った。しかし浦安の朱美にした次の質問に、実は彼が捜査の延長線でここに来ていたことを思い知らされる。
「ここに、忌野君もよく来てるって聞いたけど、最近も来てるの?」
忌野とはこの店の近くの派出所に勤務する巡査だ。実は忌野にはある疑惑が持ち上がっていて、鮫島の家の事件が無かったらその調査を弓削の班がすることになっていた。
「いまわの?誰だっけ?」
朱美が首を傾げたとき、浦安は一つのボトルを指差した。そこにはボトル棚の右端の、比較的背の高いボトルが置かれたその一番前に、下半分に何やら英字がズラッと書かれているウィスキーがある。ボトルネックには忌野の名前がしっかり書いてあった。浦安はきっと、店に入った時点であのボトルに目をつけていたのだろう。
「あーあ!ヨウちゃんかあ~。いっつも下の名前で呼んでるから分かんなかった」
朱美のわざとらしい声が響く。
「よく来られてますよ。前回はえーと、いつだったかなあ~?確か…三日前とか?」
「あれ、ブッカーズだよね?忌野君はいつもあれを?」
「はい。ヨウちゃんはいつもあれ取ってくれます。て、やだあ、まこっちゃん、何か取り調べみたい」
「あれ?俺の名前…」
「はい、グワシのまこっちゃん!ね、ちゃーんと覚えてるでしょ?」
グワシのまこっちゃん…一体何の二つ名なのだと白い目で浦安を睨む。浦安はバツの悪そうに弓削をチラッと見ると、しきりにきれいに刈り込んだ短髪を掻いた。薄くなった前髪はすでに汗でキューピーみたいになっていた。
「ねえねえまこっちゃん、一体この町どうなってんの?二年前の惨殺事件も驚いたのに、またおんなじ場所で殺人とか。しかも今話題の連続殺人だっていうじゃない?ちょっとさあ、怖いんですけど」
朱美はまるで忌野の話題から逸らすように、眉を寄せてそんなことを捲し立てる。まあこの町の住人としては気になるのは当たり前か。相手はその事件を担当してるであろう刑事なのだ。
「う~ん、それはホントに申し訳ないと思ってます。今回も一日も早く犯人を上げる所存であります」
浦安がおどけた口調で敬礼をし、朱美が吹き出す。
「何それ、ルパン三世の銭形警部?」
「やつはとんでもないとのを盗んでいきました!あなたの心です!」
「あはは、似てる似てるぅ~!」
二人でキャッキャやっているのを鼻白んだ目で眺める。ふと、浦安の肩越しに、向こうのカウンター端からこちらに視線を向けている黒い大きなカラスのような姿を捉えた。まだそれほど酔っていないはずだと目を擦り、カウンターから顔を突き出して浦安の左端を見る。そこには弓削たちが入ってきた時からいた先客が一人座っているのだが、改めて見ると全身真っ黒だ。黒い長袖のワンピースの肩にはこの暑いのにフェザーショールをかけている。ショールからは黒い羽毛がみっちりと生えており、それがカラスのような姿に見えたのだ。頭には大正時代のモダンガールが被るような黒いクロッシェ帽、帽子からは黒い網状のチュールが下に垂れて目元を隠していた。目元は隠れているのだが、そこからはっきりと自分を見る視線が感じられた。
弓削が一点を見つめて固まっているのに気づき、浦安も自分の左隣りを見る。そこに座っていた先客を見ると、その奇異な格好の客をしばし見つめる。二人の視線に気づき、朱美がああと呟くと、黒いカラス姿の方に手をかざし、
「五月山天冥さん。今日、A県への旅行から帰って来たのよ」
と紹介してくれた。そして朱美は五月山に向き、
「こちらはK署の刑事さん」
と紹介した。両者はペコンと頭を下げ合う。五月山の後ろには確かに大きめのキャリーバッグが壁にもたせかけてあった。キャリーバッグの色も黒だ。
「あの、暑くありません?その格好」
弓削が無遠慮な質問を投げかけると、
「冷房、苦手なんです」
と、蚊の鳴くような声で返す。澄んだアルトの声だった。そしてすうっと、弓削の方に長くて細い腕を差し向けた。小枝のような指先が指しているところを辿ると……
弓削は自分の胸を見下ろす。なるほど、先程から感じていた姿勢は自分の胸を見ていたのだ。
「何カップ?」
五月山がポツンと聞き、
「じ…G、です」
と、弓削は屈辱に耐えるような顔で答える。おおーと、朱美が感嘆の声を漏らす。そして見比べるように五月山の胸を見た。
「天冥さんのぺったんこの胸とは大違いだね」
「朱美ちゃんそれ、セクハラです」
五月山が朱美に返す言葉を聞き、いや、あんたが胸に話を持っていったんだろうが、と弓削は食って掛かろうとした。が、慌ててズボンのポケットからハンカチを取り出した浦安が仕切りにこめかみあたりを拭いながら、
「いやあ~それにしても今年は暑いねえ。私ら捜査員にはきつくてかなわんよ」
と、朱美に話題転換を促すように白々しい声を上げた。浦安は弓削が胸の話を極端に嫌うのを知っている。署でも弓削を胸のことでからかった署員と彼女が喧嘩するのを何度も止めていた。弓削の方も浦安のそんな気遣いが分かり、出かかった言葉をゴクゴクとビールと共に飲み下す。そしてジョッキが空になると、焼酎をロックで出すよう朱美に頼んだ。
「で、今日はどんな捜査をやってたんだい?」
ようやく浦安が自分の話を聞く態勢に戻ってくれ、弓削はさっきの苦々しい思いを上乗せして感情剥き出しに語った。
「聞いて下さいよ!今日はずっとセフィロトの入り口を車で張って出入りする人をカメラでパシャパシャ撮ってたんですけどね、あのヤロウ、車中でずっと自分の気持ち悪い恋愛観を語ってくるんですよ!学生のコンパかって!あんなことより自分、青井の行確(行動確認)に回りたいです。だってあいつ、明らかに怪しいじゃないですか!?」
「ちょっと!滅多なこと言わないように」
浦安は荒れ気味な弓削の声を制した。他に二人しかいないとはいえ、捜査上のことを漏らすわけにはいかない。幸い朱美はまた五月山と話し込んでいる。それを見て、浦安は安堵とも失望とも取れるため息をついた。弓削が担当するかどうかは別として、浦安自身も青井の行確は必要だと考えている。だが、現状の捜査ではそこに人員は投入されていなかった。
時刻も10時を回った頃、ボックス席に店の常連が入ってきた。それを期に、浦安が弓削にそろそろ帰ろうと言う。弓削の家はK署のあるK駅から都会方向に四駅のところにあるのだが、今夜からしばらく禍津町の公民館に寝泊まりすることになっていた。禍津町からK署まで車で30分ほどかかり、毎回そんな移動していては大変だろうと町長が仮の宿舎として提供してくれたらしい。二年前の捜査ではそんなことは無かったので、公安調査庁から何らかの政治的な手回しがあったのかもしれない。
少し飲むピッチが速かったことを、重い頭で今更ながら反省した。浦安に応じて腰を上げかけた時、ふいに右耳に寄せられた黒い顔に気づく。ボックス席の奥にあるトイレに立った五月山が弓削の後ろを通りかかりしな、耳元に顔を寄せてきたのだ。そしてそのよく通るアルトボイスで囁いた。
「あなた、死相が出てるわよ」
朱美と名乗った店長が浦安の顔を覗き込んだとき、この女、お水慣れしてるな、と弓削は思った。朱美は弓削たちと反対側に座る客と話していて二人の声は聞こえていなかっただろうが、隣りの駅で事件が起こったことは当然知っているだろうし、雰囲気から二人が刑事だと当たりをつけるのは容易だろう。そしてあんな愁いを帯びた顔で覗き込まれたら浦安さんだって……
「当たり。浦安です。二年前はお世話になりました」
満面の笑みを朱美に向けた浦安に、ほら、と思う。あんなのは相手に喋らせる初歩中の初歩のテクニックだ。弓削はずっと自分の話が遮られている状況に面白くない顔をしながら、二人のやり取りを見守っている。そんな彼女の胸中を慮ることなく、浦安はずっと目尻を下げた顔を朱美に向けていた。二年前といえば鮫島家の一家惨殺事件が起こったときで、浦安も弓削も捜査に参加した。このバーに来るのは弓削は始めてだったが、浦安はその当時もここに来ていたのだ。
「あー、うんうん、覚えてます覚えてます。あんときはこちらこそお世話になりました」
ペコンと頭を下げる朱美に、うそつけ、と弓削は心の中で突っ込んだ。ブラウンアッシュのロングボブを揺らしながら首を傾げる仕草があざとい。弓削は浦安がなかなかこちらの話に集中してくれないのを苛立った。しかし浦安の朱美にした次の質問に、実は彼が捜査の延長線でここに来ていたことを思い知らされる。
「ここに、忌野君もよく来てるって聞いたけど、最近も来てるの?」
忌野とはこの店の近くの派出所に勤務する巡査だ。実は忌野にはある疑惑が持ち上がっていて、鮫島の家の事件が無かったらその調査を弓削の班がすることになっていた。
「いまわの?誰だっけ?」
朱美が首を傾げたとき、浦安は一つのボトルを指差した。そこにはボトル棚の右端の、比較的背の高いボトルが置かれたその一番前に、下半分に何やら英字がズラッと書かれているウィスキーがある。ボトルネックには忌野の名前がしっかり書いてあった。浦安はきっと、店に入った時点であのボトルに目をつけていたのだろう。
「あーあ!ヨウちゃんかあ~。いっつも下の名前で呼んでるから分かんなかった」
朱美のわざとらしい声が響く。
「よく来られてますよ。前回はえーと、いつだったかなあ~?確か…三日前とか?」
「あれ、ブッカーズだよね?忌野君はいつもあれを?」
「はい。ヨウちゃんはいつもあれ取ってくれます。て、やだあ、まこっちゃん、何か取り調べみたい」
「あれ?俺の名前…」
「はい、グワシのまこっちゃん!ね、ちゃーんと覚えてるでしょ?」
グワシのまこっちゃん…一体何の二つ名なのだと白い目で浦安を睨む。浦安はバツの悪そうに弓削をチラッと見ると、しきりにきれいに刈り込んだ短髪を掻いた。薄くなった前髪はすでに汗でキューピーみたいになっていた。
「ねえねえまこっちゃん、一体この町どうなってんの?二年前の惨殺事件も驚いたのに、またおんなじ場所で殺人とか。しかも今話題の連続殺人だっていうじゃない?ちょっとさあ、怖いんですけど」
朱美はまるで忌野の話題から逸らすように、眉を寄せてそんなことを捲し立てる。まあこの町の住人としては気になるのは当たり前か。相手はその事件を担当してるであろう刑事なのだ。
「う~ん、それはホントに申し訳ないと思ってます。今回も一日も早く犯人を上げる所存であります」
浦安がおどけた口調で敬礼をし、朱美が吹き出す。
「何それ、ルパン三世の銭形警部?」
「やつはとんでもないとのを盗んでいきました!あなたの心です!」
「あはは、似てる似てるぅ~!」
二人でキャッキャやっているのを鼻白んだ目で眺める。ふと、浦安の肩越しに、向こうのカウンター端からこちらに視線を向けている黒い大きなカラスのような姿を捉えた。まだそれほど酔っていないはずだと目を擦り、カウンターから顔を突き出して浦安の左端を見る。そこには弓削たちが入ってきた時からいた先客が一人座っているのだが、改めて見ると全身真っ黒だ。黒い長袖のワンピースの肩にはこの暑いのにフェザーショールをかけている。ショールからは黒い羽毛がみっちりと生えており、それがカラスのような姿に見えたのだ。頭には大正時代のモダンガールが被るような黒いクロッシェ帽、帽子からは黒い網状のチュールが下に垂れて目元を隠していた。目元は隠れているのだが、そこからはっきりと自分を見る視線が感じられた。
弓削が一点を見つめて固まっているのに気づき、浦安も自分の左隣りを見る。そこに座っていた先客を見ると、その奇異な格好の客をしばし見つめる。二人の視線に気づき、朱美がああと呟くと、黒いカラス姿の方に手をかざし、
「五月山天冥さん。今日、A県への旅行から帰って来たのよ」
と紹介してくれた。そして朱美は五月山に向き、
「こちらはK署の刑事さん」
と紹介した。両者はペコンと頭を下げ合う。五月山の後ろには確かに大きめのキャリーバッグが壁にもたせかけてあった。キャリーバッグの色も黒だ。
「あの、暑くありません?その格好」
弓削が無遠慮な質問を投げかけると、
「冷房、苦手なんです」
と、蚊の鳴くような声で返す。澄んだアルトの声だった。そしてすうっと、弓削の方に長くて細い腕を差し向けた。小枝のような指先が指しているところを辿ると……
弓削は自分の胸を見下ろす。なるほど、先程から感じていた姿勢は自分の胸を見ていたのだ。
「何カップ?」
五月山がポツンと聞き、
「じ…G、です」
と、弓削は屈辱に耐えるような顔で答える。おおーと、朱美が感嘆の声を漏らす。そして見比べるように五月山の胸を見た。
「天冥さんのぺったんこの胸とは大違いだね」
「朱美ちゃんそれ、セクハラです」
五月山が朱美に返す言葉を聞き、いや、あんたが胸に話を持っていったんだろうが、と弓削は食って掛かろうとした。が、慌ててズボンのポケットからハンカチを取り出した浦安が仕切りにこめかみあたりを拭いながら、
「いやあ~それにしても今年は暑いねえ。私ら捜査員にはきつくてかなわんよ」
と、朱美に話題転換を促すように白々しい声を上げた。浦安は弓削が胸の話を極端に嫌うのを知っている。署でも弓削を胸のことでからかった署員と彼女が喧嘩するのを何度も止めていた。弓削の方も浦安のそんな気遣いが分かり、出かかった言葉をゴクゴクとビールと共に飲み下す。そしてジョッキが空になると、焼酎をロックで出すよう朱美に頼んだ。
「で、今日はどんな捜査をやってたんだい?」
ようやく浦安が自分の話を聞く態勢に戻ってくれ、弓削はさっきの苦々しい思いを上乗せして感情剥き出しに語った。
「聞いて下さいよ!今日はずっとセフィロトの入り口を車で張って出入りする人をカメラでパシャパシャ撮ってたんですけどね、あのヤロウ、車中でずっと自分の気持ち悪い恋愛観を語ってくるんですよ!学生のコンパかって!あんなことより自分、青井の行確(行動確認)に回りたいです。だってあいつ、明らかに怪しいじゃないですか!?」
「ちょっと!滅多なこと言わないように」
浦安は荒れ気味な弓削の声を制した。他に二人しかいないとはいえ、捜査上のことを漏らすわけにはいかない。幸い朱美はまた五月山と話し込んでいる。それを見て、浦安は安堵とも失望とも取れるため息をついた。弓削が担当するかどうかは別として、浦安自身も青井の行確は必要だと考えている。だが、現状の捜査ではそこに人員は投入されていなかった。
時刻も10時を回った頃、ボックス席に店の常連が入ってきた。それを期に、浦安が弓削にそろそろ帰ろうと言う。弓削の家はK署のあるK駅から都会方向に四駅のところにあるのだが、今夜からしばらく禍津町の公民館に寝泊まりすることになっていた。禍津町からK署まで車で30分ほどかかり、毎回そんな移動していては大変だろうと町長が仮の宿舎として提供してくれたらしい。二年前の捜査ではそんなことは無かったので、公安調査庁から何らかの政治的な手回しがあったのかもしれない。
少し飲むピッチが速かったことを、重い頭で今更ながら反省した。浦安に応じて腰を上げかけた時、ふいに右耳に寄せられた黒い顔に気づく。ボックス席の奥にあるトイレに立った五月山が弓削の後ろを通りかかりしな、耳元に顔を寄せてきたのだ。そしてそのよく通るアルトボイスで囁いた。
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