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第6章 変化
10 女子が集まれば恋バナ
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三人で作ったカレーがいい感じに出来上がった頃にはすでに外は真っ暗になっていた。タバコを吸おうと庭に出た時、すでに天冥以下セフィロトの面々の姿は無かった。昼間に組まれていたブロックの台座には幅の広い針葉樹の葉が編み込まれ、一つの大きなオブジェのように庭の真ん中を占拠していた。ダイニングに戻って、あの人たちも一緒にカレーを食べたらよかったのにと言うと、
「ああ、あの人らは暗くなるまでに戻らないといけないから」
と、朱美がすげなく答える。天冥もセフィロトまで着いて行き、住職は今頃町長たちとの会合で飲んだくれているのだろうと言う。ダイニングテーブルでは三人だけの食卓となった。時刻は8時を回ったところ。捜査員たちは一度K署に戻り、これから捜査会議を始めるだろう。抱えている事件も多くなり、きっと会議も長引くと思われる。浦安係長以下K署の強行犯係の主任たちはその後で飲みの名目で内々の情報交換をすると言っていた。自分はくだらないプライドのためにその飲み会を辞退したが、やはり一度みんなの顔を見ながら一連の報告は聞くべきだったかなとも思った。そういえばノワールの他の住民は何をやっているのだろう。全員一通り聴取はされたと思うが、拘置までは誰もされていないはずだ。何人かこっちに手伝いに来てくれたら自分ももう少し自由に動けるのに、そんな思いで聞いてみる。二人、特に紬は、カレーに惜しみなく入れた高級肉の味に顔を綻ばせてすでにスプーンを運んでいた。食卓では朱実が冷蔵庫から取り出した茶色い瓶をグラスに傾け、いい感じに泡立たせたビールを弓削の前に置いた。
「お疲れさーん!食べよ食べよ」
「あたしもその麦のジュースがいい~!」
「あんたは未成年なんだからダメでしょ」
「いやーだー!あたしだって頑張ったもん!一杯だけ!ね?一杯だけー!」
駄々をこねる紬にため息をつき、一杯だけだからねと紬にもビールを注いでやる。二人を見ていると、仲のいい姉妹という感じがする。いや、ノワールの女性陣は皆、家族のように距離感が近い。天冥が長女、朱実が次女、乃愛が三女で紬が末っ子ってところか。
「「かんばーい!」」
二人が掲げたグラスに、弓削も合わせる。疲れているのか、一杯目が極上の喉越しだったが、浦安からの飲み会を断っているのだ。ほどほどにしないとと自分に言い聞かせる。くぅ~と喉を鳴らせ、二杯目を注いでくれる朱実にさっきの疑問をぶつける。
「ねえ、他のノワールの住人たちはこっちには来ないの?」
「うーん、こちとら手は多い方がいいのは山々なんだけどね、まず駿佑と乃愛はダメね。夏のコミケの準備で大わらわのはずだから」
「え、夏のコミケって?」
「知らない?コミックマーケットっていって、日本では結構有名な同人誌即売会なんだけどさ、これが夏と冬の二回あって、夏は盆と重なるのよ。駿佑ってばそのコミケの売り上げで一年の生計のほとんどを立ててるもんだからね、そこは外せないの。乃愛はその手伝いと、当日はコスプレして会場を賑わせるのよ。乃愛がいるといないでは売り上げ全然違うらしいよ」
「あたしも!あたしもコスプレして出たーい!」
「あんたはこっちにいなくちゃダメでしょ?あーまあ、でもこっちはその頃は祈祷だけか。ま、臨機応変ってとこね」
「やーりい!あたし、行くもんね~」
紬はカレーでギトギトにさせた唇を広げて笑う。鼻の頭にカレーを付けているのが可愛い。
「あとはあ、傑さんはさあ、あんな感じでマイペースでしょ?もしこっちに来たってどうせあーたらこーたらウンチク垂れて頭痛くなるからさ、好きにさせとけばいいのよ」
好きにさせとけば、と言われても四條畷も行確対象の一人なのだ。なんとかして彼にもコンタクトを取らなければならない。
「あの人って普段は何をやってるの?」
朱実に聞いてみるが、
「仕事は塾の講師でしょ?それ以外は山に入って岩石とか集めたりしてるみたいよ。草太もたまに突き合わされてるって。もともとあの人、すごい大学の講師だったのよ。で、そこの教授とトラブって追い出されたって。あんな性格だからね、研究は出来ても人付き合いは苦手なんじゃない?」
と、完全に他人事だ。
「あとは~あいつか。もう一人の変人、弾正ね。あいつはアキさんと結構仲良かったからね、今こそ探偵の本領を発揮してやるって、息巻いてるわ。自分の手で犯人を暴き出してやるって。きっと草太も今頃はあいつに助手として振り回されてるわね、可哀想に」
三国の名前が出て、チクッと胸が傷んだ。朱実も紬も同じ住人が一日前に亡くなったというのにあっけらかんとし過ぎではと違和感を覚えたが、天冥の話では二人とも今朝は大泣きしていたと言う。弾正のように直接犯人に憤りを感じているようには見えないが、やっていることは三国までも犠牲になった死の連鎖を自分たちなりに止めようとしている。天冥の言うようにもし今の科学を超越したことが起こっているなら、過去を掘り起こす刑事の仕事よりも今ここでこうやって神頼みしていることの方がよっぽど有効なのかもしれない。寺という場所の雰囲気に飲まれたのか、弓削は自分の仕事を否定してしまうような、そんなことを考えてしまっていた。
食事後は順番に風呂に入り、十畳ほどある母屋の客間に三つ並べて布団を敷いた。たまに修行に来た若い僧が泊まることもあり、客人用の寝泊まりの装備はまるで民宿並みだ。広い窓には遮光カーテンというよりも学校の視聴学室で使うような分厚い暗幕が引かれている。そうしないと部屋の電灯に引き寄せられて様々な虫が入りこんでくるらしい。三人は客用の簡易浴衣に袖を通し、川の字に敷いた布団の上にそれぞれあぐらをかいている。まるで旅行だねーとはしゃいでいた紬が、急に声のトーンを落として真顔になった。
「前に泊まった時のことなんだけどね、夜中にカタカタ、カタカタって乾いた音がして目が覚めたの。何かな~って辺りを見回しても何にもいなくてね、起き上がると音もしなくなるわけ。気のせいかと思ってまた寝るでしょ?そうするとまた、カタカタ、カタカタって。どうも、あたしの頭の近くから聞こえてるらしいの。おかしいなと思って、一度枕を振ってみたの。そしたらね…」
紬が弓削の顔に真剣な顔を寄せる。弓削はゴクンと唾を飲んだ。
「こーんなおっきいムカデがビローンって、枕の中から出てきたのー!!」
「ぎゃああああああー!!」
弓削は意外な落ちにビックリして後ろにもんどり打った。
「ねー、ゾッとしたでしょ?」
「したした!ていうか、今まで聞いた怖い話の中で一番ゾッとしたかも!」
胸を抑える弓削を見て、朱実は冷ややかな目を紬に向ける。
「あんた何回その話すんのよ。フーミンの動悸が上がって首が伸びたらあんたのせいだからね」
「だあって~、あたしだってあの時はすんごく怖かったんだからあ」
「いやあたしもお陰であの後眠れなくなったわ。あんたが起きてギャアギャア騒ぐからさあ」
怒られた猫のようにシュンとした顔になった紬を見て、朱実はプッと息を吐いた。釣られて弓削も笑い出す。その二人を見て、紬も笑った。まるで学生時代の合宿の夜のようだと弓削は懐かしさに包まれた。そしてこんな回想をする……
中学の時のバドミントンの合宿、おふざけで先輩と一緒の布団に潜り込み、お互いの体を触りっ子した。始めはほんのお遊びだった。だけど先輩の滑らかな肌に触れ、自分も先輩に触れられているうち、それまでに感じたことのない高揚感に身を熱くした。そして先輩の手が敏感な部分に触れた時、自分が断崖絶壁に立っている気がした。これ以上先に進むと、もう戻って来られなくなる、そんな気がした。あたしは先輩の手を取り、感極まって泣いていた。先輩はそんな自分を優しく抱きしめ、頭を撫でてくれた。その撫で具合が気持ちよく、結局そのまま寝てしまった。でもあの時、見てしまった。先輩の目も潤んでいたのを。今なら分かる、あの時の先輩の目は、動物の目だった。試合で相手を竦ませる鋭い目ではなく、メスの目だ。欲情した、メスの動物の目だったのだ……
「フーミン、顔が真っ赤になってるよ~」
紬の声にハッとする。
「あ、うん、ちょっと…ビールとお風呂でぼーっとしちゃったかな」
結局食事の時、一人でビールの大瓶を一本空けてしまった。
「え~、酔ってるっていうより、なーんか好きな人のこと考えてる顔だったー!」
紬が弓削の顔を指差し、鋭いことを言う。確かに酔いよりも先輩のことを考えて赤くなっていたのかもしれない。
「え、ないない!そんな人いないし」
慌てて手を振るも、紬のテンションはさらに上がる。
「ねーねー!みんなで恋バナしよーよー!恋バナ恋バナ!」
「何言ってんの。修学旅行じゃないっちゅーの」
「いいじゃん、あたしまだ眠くないし。女子が集まれば恋バナでしょー」
「いいってもう。あんたの恋バナは聞き飽きたっちゅーの!」
「じゃあコワバナにする?」
「やだよ、何だよさっきのキモバナは」
「ええ~、じゃあさじゃあさ、フーミンの恋バナ聞こうよー!」
朱実が適当にあしらっているが、紬はしつこく盛り上がろうとする。話の方向が弓削に向きそうになり、朱実が弓削の方を向き、急にドキンとすることを言った。
「フーミンってさ、好きな人、亡くしてるよね?」
「ああ、あの人らは暗くなるまでに戻らないといけないから」
と、朱美がすげなく答える。天冥もセフィロトまで着いて行き、住職は今頃町長たちとの会合で飲んだくれているのだろうと言う。ダイニングテーブルでは三人だけの食卓となった。時刻は8時を回ったところ。捜査員たちは一度K署に戻り、これから捜査会議を始めるだろう。抱えている事件も多くなり、きっと会議も長引くと思われる。浦安係長以下K署の強行犯係の主任たちはその後で飲みの名目で内々の情報交換をすると言っていた。自分はくだらないプライドのためにその飲み会を辞退したが、やはり一度みんなの顔を見ながら一連の報告は聞くべきだったかなとも思った。そういえばノワールの他の住民は何をやっているのだろう。全員一通り聴取はされたと思うが、拘置までは誰もされていないはずだ。何人かこっちに手伝いに来てくれたら自分ももう少し自由に動けるのに、そんな思いで聞いてみる。二人、特に紬は、カレーに惜しみなく入れた高級肉の味に顔を綻ばせてすでにスプーンを運んでいた。食卓では朱実が冷蔵庫から取り出した茶色い瓶をグラスに傾け、いい感じに泡立たせたビールを弓削の前に置いた。
「お疲れさーん!食べよ食べよ」
「あたしもその麦のジュースがいい~!」
「あんたは未成年なんだからダメでしょ」
「いやーだー!あたしだって頑張ったもん!一杯だけ!ね?一杯だけー!」
駄々をこねる紬にため息をつき、一杯だけだからねと紬にもビールを注いでやる。二人を見ていると、仲のいい姉妹という感じがする。いや、ノワールの女性陣は皆、家族のように距離感が近い。天冥が長女、朱実が次女、乃愛が三女で紬が末っ子ってところか。
「「かんばーい!」」
二人が掲げたグラスに、弓削も合わせる。疲れているのか、一杯目が極上の喉越しだったが、浦安からの飲み会を断っているのだ。ほどほどにしないとと自分に言い聞かせる。くぅ~と喉を鳴らせ、二杯目を注いでくれる朱実にさっきの疑問をぶつける。
「ねえ、他のノワールの住人たちはこっちには来ないの?」
「うーん、こちとら手は多い方がいいのは山々なんだけどね、まず駿佑と乃愛はダメね。夏のコミケの準備で大わらわのはずだから」
「え、夏のコミケって?」
「知らない?コミックマーケットっていって、日本では結構有名な同人誌即売会なんだけどさ、これが夏と冬の二回あって、夏は盆と重なるのよ。駿佑ってばそのコミケの売り上げで一年の生計のほとんどを立ててるもんだからね、そこは外せないの。乃愛はその手伝いと、当日はコスプレして会場を賑わせるのよ。乃愛がいるといないでは売り上げ全然違うらしいよ」
「あたしも!あたしもコスプレして出たーい!」
「あんたはこっちにいなくちゃダメでしょ?あーまあ、でもこっちはその頃は祈祷だけか。ま、臨機応変ってとこね」
「やーりい!あたし、行くもんね~」
紬はカレーでギトギトにさせた唇を広げて笑う。鼻の頭にカレーを付けているのが可愛い。
「あとはあ、傑さんはさあ、あんな感じでマイペースでしょ?もしこっちに来たってどうせあーたらこーたらウンチク垂れて頭痛くなるからさ、好きにさせとけばいいのよ」
好きにさせとけば、と言われても四條畷も行確対象の一人なのだ。なんとかして彼にもコンタクトを取らなければならない。
「あの人って普段は何をやってるの?」
朱実に聞いてみるが、
「仕事は塾の講師でしょ?それ以外は山に入って岩石とか集めたりしてるみたいよ。草太もたまに突き合わされてるって。もともとあの人、すごい大学の講師だったのよ。で、そこの教授とトラブって追い出されたって。あんな性格だからね、研究は出来ても人付き合いは苦手なんじゃない?」
と、完全に他人事だ。
「あとは~あいつか。もう一人の変人、弾正ね。あいつはアキさんと結構仲良かったからね、今こそ探偵の本領を発揮してやるって、息巻いてるわ。自分の手で犯人を暴き出してやるって。きっと草太も今頃はあいつに助手として振り回されてるわね、可哀想に」
三国の名前が出て、チクッと胸が傷んだ。朱実も紬も同じ住人が一日前に亡くなったというのにあっけらかんとし過ぎではと違和感を覚えたが、天冥の話では二人とも今朝は大泣きしていたと言う。弾正のように直接犯人に憤りを感じているようには見えないが、やっていることは三国までも犠牲になった死の連鎖を自分たちなりに止めようとしている。天冥の言うようにもし今の科学を超越したことが起こっているなら、過去を掘り起こす刑事の仕事よりも今ここでこうやって神頼みしていることの方がよっぽど有効なのかもしれない。寺という場所の雰囲気に飲まれたのか、弓削は自分の仕事を否定してしまうような、そんなことを考えてしまっていた。
食事後は順番に風呂に入り、十畳ほどある母屋の客間に三つ並べて布団を敷いた。たまに修行に来た若い僧が泊まることもあり、客人用の寝泊まりの装備はまるで民宿並みだ。広い窓には遮光カーテンというよりも学校の視聴学室で使うような分厚い暗幕が引かれている。そうしないと部屋の電灯に引き寄せられて様々な虫が入りこんでくるらしい。三人は客用の簡易浴衣に袖を通し、川の字に敷いた布団の上にそれぞれあぐらをかいている。まるで旅行だねーとはしゃいでいた紬が、急に声のトーンを落として真顔になった。
「前に泊まった時のことなんだけどね、夜中にカタカタ、カタカタって乾いた音がして目が覚めたの。何かな~って辺りを見回しても何にもいなくてね、起き上がると音もしなくなるわけ。気のせいかと思ってまた寝るでしょ?そうするとまた、カタカタ、カタカタって。どうも、あたしの頭の近くから聞こえてるらしいの。おかしいなと思って、一度枕を振ってみたの。そしたらね…」
紬が弓削の顔に真剣な顔を寄せる。弓削はゴクンと唾を飲んだ。
「こーんなおっきいムカデがビローンって、枕の中から出てきたのー!!」
「ぎゃああああああー!!」
弓削は意外な落ちにビックリして後ろにもんどり打った。
「ねー、ゾッとしたでしょ?」
「したした!ていうか、今まで聞いた怖い話の中で一番ゾッとしたかも!」
胸を抑える弓削を見て、朱実は冷ややかな目を紬に向ける。
「あんた何回その話すんのよ。フーミンの動悸が上がって首が伸びたらあんたのせいだからね」
「だあって~、あたしだってあの時はすんごく怖かったんだからあ」
「いやあたしもお陰であの後眠れなくなったわ。あんたが起きてギャアギャア騒ぐからさあ」
怒られた猫のようにシュンとした顔になった紬を見て、朱実はプッと息を吐いた。釣られて弓削も笑い出す。その二人を見て、紬も笑った。まるで学生時代の合宿の夜のようだと弓削は懐かしさに包まれた。そしてこんな回想をする……
中学の時のバドミントンの合宿、おふざけで先輩と一緒の布団に潜り込み、お互いの体を触りっ子した。始めはほんのお遊びだった。だけど先輩の滑らかな肌に触れ、自分も先輩に触れられているうち、それまでに感じたことのない高揚感に身を熱くした。そして先輩の手が敏感な部分に触れた時、自分が断崖絶壁に立っている気がした。これ以上先に進むと、もう戻って来られなくなる、そんな気がした。あたしは先輩の手を取り、感極まって泣いていた。先輩はそんな自分を優しく抱きしめ、頭を撫でてくれた。その撫で具合が気持ちよく、結局そのまま寝てしまった。でもあの時、見てしまった。先輩の目も潤んでいたのを。今なら分かる、あの時の先輩の目は、動物の目だった。試合で相手を竦ませる鋭い目ではなく、メスの目だ。欲情した、メスの動物の目だったのだ……
「フーミン、顔が真っ赤になってるよ~」
紬の声にハッとする。
「あ、うん、ちょっと…ビールとお風呂でぼーっとしちゃったかな」
結局食事の時、一人でビールの大瓶を一本空けてしまった。
「え~、酔ってるっていうより、なーんか好きな人のこと考えてる顔だったー!」
紬が弓削の顔を指差し、鋭いことを言う。確かに酔いよりも先輩のことを考えて赤くなっていたのかもしれない。
「え、ないない!そんな人いないし」
慌てて手を振るも、紬のテンションはさらに上がる。
「ねーねー!みんなで恋バナしよーよー!恋バナ恋バナ!」
「何言ってんの。修学旅行じゃないっちゅーの」
「いいじゃん、あたしまだ眠くないし。女子が集まれば恋バナでしょー」
「いいってもう。あんたの恋バナは聞き飽きたっちゅーの!」
「じゃあコワバナにする?」
「やだよ、何だよさっきのキモバナは」
「ええ~、じゃあさじゃあさ、フーミンの恋バナ聞こうよー!」
朱実が適当にあしらっているが、紬はしつこく盛り上がろうとする。話の方向が弓削に向きそうになり、朱実が弓削の方を向き、急にドキンとすることを言った。
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