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サラサラと小川の流れる音がする。むっと苔蒸した空気が、鼻腔から胸を満たしていく。グーッ、グーッと、くぐもった牛蛙の声が土の中から聞こえる。道祖神の黒い影が周囲を囲み、目の前には色褪せた鳥居が立っていた。
何も無い空間から草太は戻ってきた。ここは、禍津町の源の鳥居駅の東側。セフィロトでの戦闘を経て一反木綿の明彦の背に乗り、紬と共にこの鳥居を抜けたのだったが、今は鳥居の向こうに無機質な岩肌が見えるだけで、辺りにはただ夜の野山の奏でる音たちが静かに流れているだけだった。
草太はしばらく茫洋として佇んだ後、やがて北へ続く道に足を向ける。つづら折りに蛇行する山道は舗装されておらず、もう何年も人が踏み歩いていないように枯れ葉や折れた枝が山積し、草太の知る綺麗な車道とはかけ離れていた。そして丘の頂上まで辿り着いた時、草太は毛を粟立たせた。そこにあっははずのノワールの建物も大家のモダンハウスも跡形もなく、ただ荒れたハゲ地と、その北側に鬱蒼とした竹林が広がっているだけだった。呆然としながらも、荒れ地から竹林に入る小道を見つけて入ってみる。ノワールの裏庭があったはずの小道を抜けると、見覚えのある小さな祠があった。草太の背丈ほどの祠の、おもちゃのような階段の上にある社の扉の両横には白い瀬戸物の狐が互いに向かい合っている。草太はその扉をそっと開いた。あった。そこには両横の狐より少し大き目の、九尾の狐の置き物がしっかりと鎮座していた。どこかホッとした気持ちで見ていると、置き物から眩い光が発される。目が眩み、顔を背けた。ザッと風が吹き、竹林の葉がザワザワと鳴る。枯れ葉を踏む音がし、目線を戻すと、すぐ横に赤い人影があった。びっくりして飛び退き、改めてまじまじと見つめると、煌びやかな十二単姿の少女が、ニンマリとした表情で立っていた。
「じゃーん!どおどお?かぐや姫バージョンだよ」
少女は十二単の裾を持ち上げ、得意顔で首を傾げる。草太はその少女の登場に、目を潤ませた。ちょっと前に会ったはずなのに、郷愁に似た感情が襲ってきた。
「紬!どこ行ってたっすか!」
草太が鼻声で問うと、少女はケラケラと笑った。
「どんだけ泣くの草太は。きっとおしっこも目から出ちゃってるよ」
草太は涙を拭いながら、グスっと鼻を鳴らす。
「だって、みんないなくなっちゃうから……みんな、僕の前からいなくなっちゃったっすよ!」
草太が紬に寄ろうとすると、紬は同じ距離だけ後退った。
「あ、だめだめ、鼻水ついちゃうから」
心無い言葉に、草太は紬を恨めしそうに睨む。紬はコホンと咳をし、神妙な顔を作った。
「さて草太どの、わらわは今から、泣き虫草太どのに特典を遣わすぞよ」
真面目なのかチャラけているのか分からない紬の言葉に、草太はクスっと笑う方を選んだ。草太のその選択に、紬はちょっとムッとした顔をした。
「特典…て、何すか?」
「うん、本来さ、あたしみたいな立場の者は、必要以上に人の世界に介入しちゃいけないんだ。でも今回は小次郎に力を貸したあたしの責任もあったからさ、草太には悪いけど、君の感情を取り除かせてもらったりした。結果的に君は何年も感情なしで生きなければいけなくなったわけだからね、あたしからちょっとしたアドバンテージを授けようってわけ」
「アドバンテージ…すか?」
「そそ。だからね、草太にはこれから生きる世界線のルートを選ばせてあげようと思ってさ」
紬の言う言葉の内容が具体的に分からず、草太は首を傾げる。草太の表情を察し、紬は言葉を次いだ。
「うん、だからね、草太たちのお陰で将門が支配する未来が消えたわけでしょ?だから、草太には感情が無くなる前に戻ってやり直すルート選択もできるよってわけ。分かる?」
いつか、天冥たちが話していた。時間は一方向に流れるものではなく、唯一のものでもないが、作られていない未来のシナリオに飛ぶことは出来ない。未来は、開拓されて初めて辿ることが出来るようになるのだと。そして今、怨霊化した将門が顕現しない未来が拓けた。紬はきっと、人が妖化しない未来を選択する権限を与えてくれているのだと理解する。
「もし、選び直したら、またみんなと暮らせるっすか?」
「う~ん、そだね~、平安時代に戻って、何とか桔梗と竹丸が生き残る道まではあたしが面倒みてあげるとして、そこからは生き方次第じゃないかな?またみんなで暮らせるかもしれないし、暮らせないかもしれない」
歯切れの悪い紬の言い方に、草太は眉を寄せる。
「もし、その選択をしたとして、今日までの記憶はどうなるっすか?」
草太のその質問に、紬は眉の端を下げ、ハァ~っと長いため息をついた。
「そこ聞いちゃうかぁ~。それはね、もちろん、リセットされるよ。こっちの時代にはアニメとかで前世の記憶を持ったまま転生するなんて話が流行ってたりするけどさ、そんなのは絶対に許されないんだよ。今の草太なら分かるんじゃない?もしそんなチート能力があったとしてもさ、それで楽勝の人生を生きてなんになるの?陽の世界の者も、陰の世界の者も、みんな人界に行きたがるのは何でだと思う?みんな、この世界の物理法則に則って生きて、そこから生まれる喜怒哀楽を楽しみたいからなんだよ。例え大した能力なんて無くて苦労ばっか背負い込んだとしても、そうでなきゃ生まれない感情だってあって、みんなそれを味わいたいんだ。だからね、チート能力なんて意味ないんだよ」
紬には珍しく、言葉に力がこもっていた。草太はそれを聞き、逡巡した。すると次々に、さっきの空間で聞いたみんなの言葉が蘇ってきた。
「どうかたくさんの悲しみを背負い、それでも立ち上がって、あなたの生を充実したものにしていって下さい」と言った母の言葉。
「腹が立ったら怒れ。自分が納得するまで怒りをぶつけるんだ。そうすれば、また強くなれる」という弾正の言葉。
「たくさんたくさん驚いて、自分の世界を広めていって。そしてこの先もずっと、草太が幸せに暮らせますように」と言ってくれた乃愛の言葉。
「たくさんの人と、信頼を築くんだぞ。草太ならきっと大勢の人から信頼してもらえるから」という、明彦がくれた言葉。
「楽しいことをいっぱい探して、生きることを目一杯楽しんで」と励ましてくれた朱美の言葉。
「これからも、おかしいと思ったことはとことん疑え。そして真実を突き止めていくんだ」という傑の言葉。
「怖いのは、いろんなことが分からないからなんでつ。そして分からないことがあるから、楽しく生きていけると思うんでつね。草太、分からないことがいっぱいあるこの世界を、たくさん楽しんで下さい」と諭してくれた駿佑の言葉。
「皆、あなたの感情とともにいます。そして、あなたならきっとまた、たくさんの仲間たちに巡り会えます。生きて生きて、またあなたの成長した姿を見せて下さい」と言ってくれた天冥の言葉は、まさに今の草太を勇気づけてくれる。
そして……
これからもお前の生を、満喫しろ!
父の去り際にかけてくれた言葉……
これらの言葉は今、草太の心の中にあり、草太の心に光を与えてくれている。この言葉たちを、そしてみんなと生きた思い出を、絶対に失いたくない。
「僕は、父と戦ったことを、一緒に戦った兄弟姉妹たちのことを、これからも忘れずに生きて行きたいっす!」
朝焼けが町に訪れる。サラサラの揺れる笹の葉からの木漏れ日が、草太の頬をキラキラと煌めかせていた。
何も無い空間から草太は戻ってきた。ここは、禍津町の源の鳥居駅の東側。セフィロトでの戦闘を経て一反木綿の明彦の背に乗り、紬と共にこの鳥居を抜けたのだったが、今は鳥居の向こうに無機質な岩肌が見えるだけで、辺りにはただ夜の野山の奏でる音たちが静かに流れているだけだった。
草太はしばらく茫洋として佇んだ後、やがて北へ続く道に足を向ける。つづら折りに蛇行する山道は舗装されておらず、もう何年も人が踏み歩いていないように枯れ葉や折れた枝が山積し、草太の知る綺麗な車道とはかけ離れていた。そして丘の頂上まで辿り着いた時、草太は毛を粟立たせた。そこにあっははずのノワールの建物も大家のモダンハウスも跡形もなく、ただ荒れたハゲ地と、その北側に鬱蒼とした竹林が広がっているだけだった。呆然としながらも、荒れ地から竹林に入る小道を見つけて入ってみる。ノワールの裏庭があったはずの小道を抜けると、見覚えのある小さな祠があった。草太の背丈ほどの祠の、おもちゃのような階段の上にある社の扉の両横には白い瀬戸物の狐が互いに向かい合っている。草太はその扉をそっと開いた。あった。そこには両横の狐より少し大き目の、九尾の狐の置き物がしっかりと鎮座していた。どこかホッとした気持ちで見ていると、置き物から眩い光が発される。目が眩み、顔を背けた。ザッと風が吹き、竹林の葉がザワザワと鳴る。枯れ葉を踏む音がし、目線を戻すと、すぐ横に赤い人影があった。びっくりして飛び退き、改めてまじまじと見つめると、煌びやかな十二単姿の少女が、ニンマリとした表情で立っていた。
「じゃーん!どおどお?かぐや姫バージョンだよ」
少女は十二単の裾を持ち上げ、得意顔で首を傾げる。草太はその少女の登場に、目を潤ませた。ちょっと前に会ったはずなのに、郷愁に似た感情が襲ってきた。
「紬!どこ行ってたっすか!」
草太が鼻声で問うと、少女はケラケラと笑った。
「どんだけ泣くの草太は。きっとおしっこも目から出ちゃってるよ」
草太は涙を拭いながら、グスっと鼻を鳴らす。
「だって、みんないなくなっちゃうから……みんな、僕の前からいなくなっちゃったっすよ!」
草太が紬に寄ろうとすると、紬は同じ距離だけ後退った。
「あ、だめだめ、鼻水ついちゃうから」
心無い言葉に、草太は紬を恨めしそうに睨む。紬はコホンと咳をし、神妙な顔を作った。
「さて草太どの、わらわは今から、泣き虫草太どのに特典を遣わすぞよ」
真面目なのかチャラけているのか分からない紬の言葉に、草太はクスっと笑う方を選んだ。草太のその選択に、紬はちょっとムッとした顔をした。
「特典…て、何すか?」
「うん、本来さ、あたしみたいな立場の者は、必要以上に人の世界に介入しちゃいけないんだ。でも今回は小次郎に力を貸したあたしの責任もあったからさ、草太には悪いけど、君の感情を取り除かせてもらったりした。結果的に君は何年も感情なしで生きなければいけなくなったわけだからね、あたしからちょっとしたアドバンテージを授けようってわけ」
「アドバンテージ…すか?」
「そそ。だからね、草太にはこれから生きる世界線のルートを選ばせてあげようと思ってさ」
紬の言う言葉の内容が具体的に分からず、草太は首を傾げる。草太の表情を察し、紬は言葉を次いだ。
「うん、だからね、草太たちのお陰で将門が支配する未来が消えたわけでしょ?だから、草太には感情が無くなる前に戻ってやり直すルート選択もできるよってわけ。分かる?」
いつか、天冥たちが話していた。時間は一方向に流れるものではなく、唯一のものでもないが、作られていない未来のシナリオに飛ぶことは出来ない。未来は、開拓されて初めて辿ることが出来るようになるのだと。そして今、怨霊化した将門が顕現しない未来が拓けた。紬はきっと、人が妖化しない未来を選択する権限を与えてくれているのだと理解する。
「もし、選び直したら、またみんなと暮らせるっすか?」
「う~ん、そだね~、平安時代に戻って、何とか桔梗と竹丸が生き残る道まではあたしが面倒みてあげるとして、そこからは生き方次第じゃないかな?またみんなで暮らせるかもしれないし、暮らせないかもしれない」
歯切れの悪い紬の言い方に、草太は眉を寄せる。
「もし、その選択をしたとして、今日までの記憶はどうなるっすか?」
草太のその質問に、紬は眉の端を下げ、ハァ~っと長いため息をついた。
「そこ聞いちゃうかぁ~。それはね、もちろん、リセットされるよ。こっちの時代にはアニメとかで前世の記憶を持ったまま転生するなんて話が流行ってたりするけどさ、そんなのは絶対に許されないんだよ。今の草太なら分かるんじゃない?もしそんなチート能力があったとしてもさ、それで楽勝の人生を生きてなんになるの?陽の世界の者も、陰の世界の者も、みんな人界に行きたがるのは何でだと思う?みんな、この世界の物理法則に則って生きて、そこから生まれる喜怒哀楽を楽しみたいからなんだよ。例え大した能力なんて無くて苦労ばっか背負い込んだとしても、そうでなきゃ生まれない感情だってあって、みんなそれを味わいたいんだ。だからね、チート能力なんて意味ないんだよ」
紬には珍しく、言葉に力がこもっていた。草太はそれを聞き、逡巡した。すると次々に、さっきの空間で聞いたみんなの言葉が蘇ってきた。
「どうかたくさんの悲しみを背負い、それでも立ち上がって、あなたの生を充実したものにしていって下さい」と言った母の言葉。
「腹が立ったら怒れ。自分が納得するまで怒りをぶつけるんだ。そうすれば、また強くなれる」という弾正の言葉。
「たくさんたくさん驚いて、自分の世界を広めていって。そしてこの先もずっと、草太が幸せに暮らせますように」と言ってくれた乃愛の言葉。
「たくさんの人と、信頼を築くんだぞ。草太ならきっと大勢の人から信頼してもらえるから」という、明彦がくれた言葉。
「楽しいことをいっぱい探して、生きることを目一杯楽しんで」と励ましてくれた朱美の言葉。
「これからも、おかしいと思ったことはとことん疑え。そして真実を突き止めていくんだ」という傑の言葉。
「怖いのは、いろんなことが分からないからなんでつ。そして分からないことがあるから、楽しく生きていけると思うんでつね。草太、分からないことがいっぱいあるこの世界を、たくさん楽しんで下さい」と諭してくれた駿佑の言葉。
「皆、あなたの感情とともにいます。そして、あなたならきっとまた、たくさんの仲間たちに巡り会えます。生きて生きて、またあなたの成長した姿を見せて下さい」と言ってくれた天冥の言葉は、まさに今の草太を勇気づけてくれる。
そして……
これからもお前の生を、満喫しろ!
父の去り際にかけてくれた言葉……
これらの言葉は今、草太の心の中にあり、草太の心に光を与えてくれている。この言葉たちを、そしてみんなと生きた思い出を、絶対に失いたくない。
「僕は、父と戦ったことを、一緒に戦った兄弟姉妹たちのことを、これからも忘れずに生きて行きたいっす!」
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