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第一回富士ダンジョン探索
ビギナーズラッキークリティカルヒット
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ばっこ~ん!
ってかんじで私のスイングはゴブリンの顔面をジャストミートした。
後頭部を床に打ち、そのままグルンと後ろにでんぐり返りするゴブリン。
男を追っていたもう1匹の方が私の方にふり返る。
と、逃げていた男がゴブリンの背後から前蹴りをかました。
ツンのめって私の方に倒れかけるゴブリン。
「わっ、ちょっ、ちょっ…」 ゴン!!
突き出した私の棍棒に倒れてきたゴブリンのアゴが当たった。
2発ともまぐれ当たりのクリティカルヒットになったようだ。
むちうち状態でピクピクしている2匹のゴブリン。
私は最初にジャストミートした方のゴブリンに棍棒を何度か振り降ろしてダンジョンに吸収してもらった。
床にはとっても小さいが魔石がドロップした。
それを拾い上げて、もう1匹の方を見ると、走ってきた男が何度も何度もゴブリンにストンピングをくらわせて、こちらもダンジョンに吸収されていった。
男はそちらの方の魔石を拾うと
「すみませんでした。ありがとうございました」
と頭を下げた。
「あ、これもどうぞ」
と拾った魔石を差し出す男。
「え、いいの?」
差し出された魔石を私は受け取った。
「はい、どうぞ」
と言ったあと、男はコトの顛末を話し始めた。
「ゴブリン1匹と闘っていたら、気づかないうちに背後からもう1匹に襲われて、武器のナイフを落としてしまって… あ、ナイフ拾わないと! すみません。 ありがとうございました」
男はもう一度頭を下げると、顛末のテンマくらいで走ってきた方に走って戻って行った。
アイテムを落としたままにするとダンジョンに吸収されてしまう。
急いで拾いに戻りたい気持ちはよくわかる。
間に合ったかどうか見に行こうかとも思ったが、私は今、モンスターを1匹倒したのだ。
{ん? 1匹? 1匹半?}
まぁ、どっちでもいいか。
とりあえず一度最初の部屋に戻ろう。
小さな魔石をウエストポーチに入れると、私は来た道を戻り始めた。
魔石は売店の買い取り窓口でグラム 10円で買い取ってくれる。(スーパーで売っているすき焼き用の肉くらいか)
使い道は色々と研究されているようだが、単純にエネルギーとして使えることが既にわかっているので、魔石に関してはいくらでも買い取ってくれるのだ。
何か画期的な使い道が発見されれば、買取価格も上がるかも知れない。
逆に他のドロップアイテムは需要と供給で相場が変わる。
例えばさっきの棍棒やナイフの話だが、私のように初めてダンジョンに入るものにしてみれば1万円出しても欲しい物ではある。
が、これがどれぐらい手に入りにくいものかと言えば、棍棒はゴブリンがドロップするし、ナイフはコボルトがドロップするし、まぁまぁ低レベルのモンスターからドロップされるアイテムなので、かなり供給過多になっているのだ。
正直、私の周りにダンジョンに入っているような知り合いがいたなら、そんなもんいくらでもやるよってなもんである。
ま、周りにいないから売店で買ったんだけど。
なら、もう少し安く売っていても良さそうなものだが、最初の頃は高く買い取っていたものだから、値下げのタイミングがわからないようだ。
実際、私みたいに、この値段でも買う者もいたりするし。
ネットで売ってたりもするんだが、それが本当にダンジョン産なのかどうか中で使ってみないとわからないので、そこはやっぱりオフィシャルショップってことになる。
ドロップアイテムはモンスターを倒すたびに出るものではない。
が、魔石はモンスターを倒すたびに毎回出る。
レベルに合わせてモンスターの魔石は大きくなっていくが、しばらくはこの小さな魔石をチマチマと拾うことになる。
損益分岐点目指して頑張ろう。
ってかんじで私のスイングはゴブリンの顔面をジャストミートした。
後頭部を床に打ち、そのままグルンと後ろにでんぐり返りするゴブリン。
男を追っていたもう1匹の方が私の方にふり返る。
と、逃げていた男がゴブリンの背後から前蹴りをかました。
ツンのめって私の方に倒れかけるゴブリン。
「わっ、ちょっ、ちょっ…」 ゴン!!
突き出した私の棍棒に倒れてきたゴブリンのアゴが当たった。
2発ともまぐれ当たりのクリティカルヒットになったようだ。
むちうち状態でピクピクしている2匹のゴブリン。
私は最初にジャストミートした方のゴブリンに棍棒を何度か振り降ろしてダンジョンに吸収してもらった。
床にはとっても小さいが魔石がドロップした。
それを拾い上げて、もう1匹の方を見ると、走ってきた男が何度も何度もゴブリンにストンピングをくらわせて、こちらもダンジョンに吸収されていった。
男はそちらの方の魔石を拾うと
「すみませんでした。ありがとうございました」
と頭を下げた。
「あ、これもどうぞ」
と拾った魔石を差し出す男。
「え、いいの?」
差し出された魔石を私は受け取った。
「はい、どうぞ」
と言ったあと、男はコトの顛末を話し始めた。
「ゴブリン1匹と闘っていたら、気づかないうちに背後からもう1匹に襲われて、武器のナイフを落としてしまって… あ、ナイフ拾わないと! すみません。 ありがとうございました」
男はもう一度頭を下げると、顛末のテンマくらいで走ってきた方に走って戻って行った。
アイテムを落としたままにするとダンジョンに吸収されてしまう。
急いで拾いに戻りたい気持ちはよくわかる。
間に合ったかどうか見に行こうかとも思ったが、私は今、モンスターを1匹倒したのだ。
{ん? 1匹? 1匹半?}
まぁ、どっちでもいいか。
とりあえず一度最初の部屋に戻ろう。
小さな魔石をウエストポーチに入れると、私は来た道を戻り始めた。
魔石は売店の買い取り窓口でグラム 10円で買い取ってくれる。(スーパーで売っているすき焼き用の肉くらいか)
使い道は色々と研究されているようだが、単純にエネルギーとして使えることが既にわかっているので、魔石に関してはいくらでも買い取ってくれるのだ。
何か画期的な使い道が発見されれば、買取価格も上がるかも知れない。
逆に他のドロップアイテムは需要と供給で相場が変わる。
例えばさっきの棍棒やナイフの話だが、私のように初めてダンジョンに入るものにしてみれば1万円出しても欲しい物ではある。
が、これがどれぐらい手に入りにくいものかと言えば、棍棒はゴブリンがドロップするし、ナイフはコボルトがドロップするし、まぁまぁ低レベルのモンスターからドロップされるアイテムなので、かなり供給過多になっているのだ。
正直、私の周りにダンジョンに入っているような知り合いがいたなら、そんなもんいくらでもやるよってなもんである。
ま、周りにいないから売店で買ったんだけど。
なら、もう少し安く売っていても良さそうなものだが、最初の頃は高く買い取っていたものだから、値下げのタイミングがわからないようだ。
実際、私みたいに、この値段でも買う者もいたりするし。
ネットで売ってたりもするんだが、それが本当にダンジョン産なのかどうか中で使ってみないとわからないので、そこはやっぱりオフィシャルショップってことになる。
ドロップアイテムはモンスターを倒すたびに出るものではない。
が、魔石はモンスターを倒すたびに毎回出る。
レベルに合わせてモンスターの魔石は大きくなっていくが、しばらくはこの小さな魔石をチマチマと拾うことになる。
損益分岐点目指して頑張ろう。
応援ありがとうございます!
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