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1.森の中の変人さん(俺)

15.5 おじ様とアーノロウティ

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ーヴァルドゥルブー

山村生き残りである子供を早々に寝かしつけ私はあのレインモンスターのところへ再び向かう

「たしか、このへんであったと思うが…」

探すが見当たらない

「まさか、死んではいなかったか?」

「んーん、ちゃんと倒してたよ?」

「ーっ!」

背後からの声に飛び退く

「や、おじ様」

「アーノロウティ君?」

顔見知りにホッと胸を撫で下ろす。話は通じる相手…のはずだ

「で~、どったのおじ様?」

「いやなに、あれは珍しい魔物だ、研究や素材としての価値がある。ギルドで売れなくともつてがあるのでな提供元がるのだ。だから残っていたら回収をと思ってな」

落ち着け、アーノロウティは敵ではないし実際に言葉通りだ嘘もないから問題はないはずだ…だがなぜこんなにも冷や汗が止まらない!?

「ふ~ん」

「……(ゴクリ)」

思わず唾を飲み込んでしまう、彼女の空気がユウ君がいるといないとでは、余りにも違い過ぎる

ユウ君がいれば明るく元気だがいないと不機嫌だったり面倒くさく感じているのを隠しもしない

「まあ…いいけど、いるの?」

「なに?」

「ほしいのかって、聞いてんの」

「もらえるのであれば」

「はい」


アーノロウティは、そう言うと何処からともなくレインモンスターを出現させた。

一体どこから?
全長5メートルもあるレインモンスターが、そのまま入るアイテムポーチなんてものは、私は知らないぞ!?

「……どうしたの?」

「いや、何でもない…全部もらっていいのか?」

「うん、どうぞ」

素っ気ないものだ、私はアイテムポーチから剥ぎ取り用のナイフを取り出し、入るように切って入れていく

「……」

「……どうかしたのか?」

じっと見つめてくるので沈黙に耐えきれずに聞く

「いや、アイテムポーチについての疑問がねー」

「うん?、アイテムポーチは基本、容量は入る1空間の重量が決まっているし、空間の数も決まっている。君も知っているだろう?」

当たり前のことを聞く意味とはなんだ?

「んー、意味はないよ、暇だったから?」

「そっそうか、それはすまない」


そして私は必要な分を取り終わった。まだ残っているがこれ以上は持ってはいけない、だがもともと全部持っていくつもりはなかった

「これだけで十分だ、ありがとう」

「ん」

出した時と同様一瞬でレインモンスターが消える

「おじ様」

「なんだい?」

「あれの秘密ちゃんと守ってね」

他の者とここに来たときに無理やりさせられた約束か
ただ、『ユウちゃんは訳ありということ秘密に』…何を秘密にしたいか分からないが黙っていろと言われたユウ君に関するすべてを黙っている必要があるもし話せば目の前の女の子は躊躇いもなく命を奪いに来るだろう

「秘密はもちろん守るが1つ腕試しがしたい」

「腕試し~?」

アイテムポーチから剣を取り出し構える

「勝てないと分かっていても、どれほどの差があるかこの身を持って理解して絶対に話したくないと思わせる……悪くないだろ?」

私は純粋に知りたいのだ。この子の本気を、ほんの一部でも見れば自分だけではなく他にもいた場合警告がしやすくなるからだ

「………分かった」

おお、有りがた……むぅ、早まったか?
私がちゃんと生きて帰れるか?

そう思うのは瞬きの間に距離が開いていたのだ

「じゃあ準備して?」

その言葉に雨が止む…いや、止むだけではないむしろ降っていた痕跡すらなく足元のぬかるみ葉っぱにあるであろう雨粒それらすべてがなかった

「………」

「本気出すにはこの方がいいでしょう?」

こともなげにいう

「ふふふ」

やはり早まったようだ、一様知りたかったに過ぎないのだが、神のごとく天候を操るだけでも恐ろしいというのに。この空間のみか……空は雨が降っているがココには降ってこないどういう原理、魔法なのだろう

「?」

神を相手にするのと同じなのだろうな

「何でもない…少し待ってくれ」

「ん」

アイテムポーチから装備を取り出し腕や脚に付けていく
最後に魔力を流し動作確認し剣を構える

「では、行くぞ!」

「おいで」

結果は言うまでのもなく惨敗であった。遊ばれているそう思えるほどにであった


「ハァハァハァ」

「もういい?」

「ああ、ありがとう」

木にもたれかかり休憩する。震える手でタバコを吸おうと煙管を取り出し葉を…うまく入らない

「…はぁ」

アーノロウティ君が私の咥えた煙管に葉を詰めてくれて火をつけた

「ありがとう」

「くれぐれもよろしくね、ここは後1時間後に元の空間になるようにしたから。それじゃ」

そう言ってアーノロウティ君は立ち去った。

「攻撃は全て合わせ受け流され遠近両方とも得意分野…勝ち目はこれっぽちもないか」

私は絶対に敵対しないと誓いながら一服した後に宿へ帰ったのだった
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