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4.

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ーナーナンー

私の貯蓄を使ったドラグ用ログハウスの床が踏み抜かれた

「……弁償」

何だろう前まではこんな事で悲しくなんて落ち込むなんて無かったのに…あっユウトがおいでって言ってる

「…ユウト」

ユウトに抱きしめられ頭を撫でられる。あっ角はダメだ

最近の私は少しおかしい気がするが自分では悪くないと思う、人の温もりを知ったゆえの変化だと思うからだ

昔は……いや、思い出すのはやめておこう今、色々と楽しませてくれたり、ユウちゃんになって癒やしをくれたりしているのだから

ユウト、だから角は今は駄目だってば!

「あの、それで…おいくらほどでしょうか」

アリシア・ホワイト・ルクディンが値段交渉に来たが

「あっ」

差し出されたお金は全て、白桜のお金だった。

「えっと少し待ってください、確かここに換金した王国金貨が…」

ゴソゴソと探すがその必要はない

「まて、どのみち国境を超えるからそのときに換金するといい」

手数料代も取られるしこの国のお金の価値はちょっと低いのだもらえるならガンダダ王国の硬貨が欲しいので

「ガンダダ王国硬貨で銀貨1枚」

「わかりました。必ずお支払いをいたします」

「私が直そうか?」

まったく、いったいアーノロウティは何処まで万能なのだろう、彼女に出来ない事はないのか?

「直せるのか?」

「うん」

「なら、修理費はいらない」

「そういう訳にはいきません!」

えっえぇ、律儀さんなんだな、いらないといったのに

「別に直るわけなんだが?」

「直るからといって、壊していいことではないですよね?」

それはそうだな

「わかった。ちゃんともらうよ」

「はい」

その後あっさりと直すアーノロウティに唖然としつつログハウスの近くで食事をとることに…ならなかった

ユウトが既に出来上がった料理をアイテムボックスとやらから出したのだ

「私もですか?」

ルクディンの言葉にキョトンとする。彼女は何を言っているのだろう

「当然だろう?」

少し前まで倒れてた人をよそに自分達だけ食べるとかどんな鬼畜なのだろう

「覚悟は少しあったほうがいい」

彼のお菓子は極上だった。ならば食事も…そう思うのは仕方がないだろう?

そして食事は案の定極上であった。
ついで感覚で、先程名乗らせておいてこっちは名前を言っていなかったことを思い出し軽く自己紹介もした。

「…モグモグモグモグモグモグモグモグモグ」

ルクディン、よく噛んでというよりも噛み過ぎだ

「「モグモグモグモグ!」」

クルファ、ミルファお前達もか!?
アーノロウティからもらったりはしなかったのか?

「……すげぇ噛んでる」

ユウトが3人の食いっぷりと言うか噛みっぷりに思わずそんなことを言う

「(ゴックン)…いえいえ、このようなお食事を出してもらいながら、おかわりをご所望するなどとんでもございません!ですが、わがままを言わせて頂くならば明日の朝食もこのようなお食事をご所望いたします」

クルファ…

「わ、わたしも同意見です!」

ミルファもか

「…とても言いづらいですがこのようなお食事は貴族で近衛騎士の私も食べた事がございませんし姫様の食事も……ここまでおしくございませんでした」

そんな……馬鹿な、宮廷のご飯よりも美味しいと言うのか!?

だが、ルクディンがそう言うならばそうなのだろうな
私もさっきから3人ほどではないがいつもより多く噛んでいる

「…ただのハンバーグなんだがな」

ふむ、彼にとってはこの食事が当たり前なのか…まぁ、彼は私に好意があるようだし、彼が私と離れたいとか嫌いとか言わない限りそばを離れる気がない

私も彼に好意は抱いているのだから、きっかけはちょっとした事なんだけど…

はぁ、人を好きになるって唐突なことも本当にあるんだな

「おかわりも出そう、腹を壊さない程度に好きに食え」

頂こう!

私は無言で空になった食器のプレートをユウトに付き出す

「おっおう、ナーナンさんもかわかった。すぐに出す」

すまない、いつか君の好きな事で返そう。だから、これからも素敵な味の…食に関することを私に提供してくれよ?


食後に体をグググと伸ばす。ほぼ下着姿の格好だがそうなるとユウトの視線が突き刺さる

「本当にこの脂肪の塊が好きなのだな?」

「当然さ!」

軽い問に全力で返される。
あの、女性みんな完全に羞恥が無いわけではないぞ?

どうでもいい相手に性的見られたら怒るし気持ち悪いが、好意がある相手に見られたら恥ずかしいぞ?

しかもユウトは、ちゃんと私と両思いになってからとか言っているし、いつ告白してくるとかちょっと期待している

実はちゃんと手順を踏んでくれる紳士的な相手は少なくそんな人から見られていると思うと

どんな冒険者も羞恥を抱くと思う

柔軟や軽い運動をして、外で水浴びのために樽をアイテムポーチから出して魔法で水を貯める

アーノロウティのおかげで準備を気軽にできるな
着替えなどは布を地面にしい……地面が乾いている!?
葉っぱに水滴がない!?

……気にしない気にしないあれは規格外あれは規格外

………………………………ふう

「…ナン姉」

「気にするな、アレは規格外だ」

「はい」

私が動かないことにクルファが疑問に思い、私に近づきクルファも気がついたようだ

こんなことは忘れよう布を敷いて着替えや装備をそこに置く

「これなんか魔力を感じるねー?」

っ!アーノロウティいつの間に?

「あっああ、これは持ち逃げ防止の魔法がかかっている、魔導具だ」

「持ち逃げ防止?」

「ああ、中に置いた本人以外の人物が持つ触る等すると電気の魔法が発動して痺れてしまうという訳だ」

兼ねてから問題であった。女が性沐浴中に男が持ち逃げや荷物を人質に変態要求等の事件が多発したことがあった

直接的な事は出来ないとはいえ、女性冒険者からは人格証明に手を加えて変態でも色が変化、もしくは変態ではないと証明する石を開発し首から下げてもらうべきかと本気で冒険者ギルドで議論されたほどだ

そんな中、新商品で発売された持ち逃げ防止布は発売と同時に購入者(女性)が長蛇の列を作った程だ、無論私も並んだ…

だって、5回程私も荷物を人質に変態要求をされた事がある主にこの乳を使った要求が多かった無論仕返しに魔法をぶっ放したが、なんで変態男性は減らないんだろうな?

「こんなのがあるんだね~」

「ああ、アイテムポーチがあれば男性冒険者の変態行為は覗きで済むが…」

「無いと下着や衣服がヤバい事に?」

アーノロウティの言葉に頷く

「ヤバい事ですか?」

クルファにも教えておくべきか……うん、教えておこう

いいかクルファ、ミルファもおいで汗を流しつつ教えてあげよう女性の沐浴中の危険はそばにもいることを

私も被害にあったり聞いた事だが男性はな、変態なんだ

知り合いの冒険者(女性)に聞いたが、スカート捲りの延長で羞恥で顔を赤くしたり命令道理にイヤラシイポーズをしてくれるのが興奮するとかなんとか

「それは…本当なのですか?」

「ユウト」

クルファの問に横で体を洗っているユウト聞くと

「…いや、まあ」

「アッハハハハ、男性にはいろんな性癖の人がいるからね~、一概にそんなことは無いとは言えないんだよ~」

何故かアーノロウティ答えるが、頷くユウトを見る限り合っているのだな

「いや、羞恥というか怒りがほとんどなんだぞ?ちなみに下着の匂いを嗅がれたときにはその下着ごと燃やしてやったわ!」

「なに、ご褒美を貰うやつがいたのか!?」

「ごっご褒美?」

「ああ…とある」

「いや、聞きたくない」

「……」

そっ…そんなションボリしても駄目だ!
変態の話は代償がつきまとうものだから

下着に関しては触られた物は身に付けたくもなかったし触りたくもない、だからそれ以来予備の数が大幅に増えたことは言うまでもない…と話が長くなったな

長くはなったがラドンちゃんがいるし狩りをする予定もないし…ユウトと同じ場所で寝るから少しだけ匂いのする石鹸使おうかな

…ふふふ、こんな事を私も考えるようになったのだな
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