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1.5 道中1 次の国まで移動

3.

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ーユウトー

「おっと」

火を出したと思ったら、急にフラッとした次にはカクンと崩れ落ちそうになったクルファを支える

「よくある、魔力切れか?」

「そうだ、なれない者はよくこうなる…ユウトは?」

ナーナンさんが俺の頬に手をやり、顔を観察してくるが俺的には何ら問題はない…よな?

なぁ、アーノ?

ナーナンさんの手を取りアーノの方を向く

「バカ魔力のプレイヤーさんは、問題ないよ?」

バカ魔力って

「えっ!」

アーノの言葉にナーナンさんが驚き俺から距離を取る、何故!?逃さんよ?

「なんだ、どうして離れる?」

「まっ、魔力は…」

顔が真っ赤になり顔を背ける、ナーナンさんが言いづらい事って、なんか察した

「精力と繋がっているという噂もあるんだ…だから…」

だんだんと小声になる

「バカ魔力とアーノロウティに言われるユウトは、もうそれはそれは……それは~」

うん、魔力が精力にも直結しているのであれば、あっちの方もすんごい事になるんだろうな…

それをアーノ1人にぶつけるのは(チラッ)

「ふふん!」

両手を腰に当て胸を反らす。うん、どんと来いってことだね、了解そのうち耐久実験させてもらいますか。寝かさねぇよ?

「ゴホン!」

ナーナンさんが話題を変えるために咳払いをする

「それじゃあ魔法のことを少し理解したとこで、野営の準備をしますか」

理解…理解ねぇー

俺はまだ出来ないな、魔力という謎物質の動きなどは感じられなかった

「……」

「プレイヤーさん?」

困ったなー、バカ魔力か…極大魔法を放たない限り魔力の動きは分からないだろう

「なんでもない」

今はいいか、時間はあるんだそのうちな

「野営の準備は何をすれば?」

「…普通だったらかなり面倒だったが、アーノロウティ」

「ん?」

「この状態いつまで続く?」

「いつまでも」

「……そっそうか」

アーノのあっけらかんとした答えにまたも驚く

「では、初めての野営だからな、教えるからそのとおり動いてくれ……と言いたいのだが」

お、なんだ?

「アレがある」

そう言って指を指したのが現在、高床式住居のようになっているログハウス?

まあ念の為に火が中で使えないようになっていたけどな、当然か火事怖いし

「寝床はあるから、食事の用意だけか?」

「そうだ」

「…食事は俺が出そう中へ」



縄梯子を登って中へ入ると、白い子が起きていた

「助けていただき感謝いたします」

両膝を付き頭を下げる

「私は、白桜の帝国、第2近衛騎士隊隊長アリシア・ホワイト・ルクディン」

「は!?」

おっとナーナンさんどうした!?
白い子もといアリシアさん自己紹介しただけだぞ?

「白桜の出身で、ホワイトだと!?」

「はい、私は色の名を与えられております」

「…」

ナーナンさんは腕を組んで考え込む

「ご安心を、決して巻き込むことはいたしません。ただ、この付近でカーバンクルを見ませんでしたか?」

「カーバンクル?」

チラッと他を見るが皆首を横に振る

「そう……ですか」

すんっごく悲しそうな顔をする

「あ~その理由を聞いていいか?」

余計なこととは思いつつ、マップと解析さんをうまく使えば何とかならないだろうか

「カーバンクルが姫様なのです」

う~~ん?
……あ、呪いによるものかな?

でわでわ話を始めたアリシアさんには悪いけど

マップ、ア~ンド、解析さんお願いします

『了解です、マイマスター』

!?あの幼女神、途中保存しやがったな

『ご迷惑でしょうか?』

あっいや、大丈夫です。検索お願いします

『了解………』

なんか、俺以外がチートな気がする…

『発見、お探ししていると思われるカーバンクルの特異種』

おっ見つかったか

『はい、お話の通り呪われた姫が変化したカーバンクルと判明です』

その姫は白桜の帝国で合っている?

『はい』

じゃあ場所を教えてくれ

『了解……ここより北西に400キロメートル行った位置でございます』

アリシアさんにどういうふうに教えるかなー

『マイマスター、差し支えなければ近くの村で目撃されたとログにありましたので、国境を越えしばらく行ったところにある、カコマの村に目撃情報があったようなと伝えてみては?』

おお、そうか。ありがとな解析さん!

『ふふ、お役に立てて何よりです。また御用がありましたら何なりと』

有能なお方だ解析さん、では……ゴホン

「そういえば旅の途中、珍しいやつを見たという話を聞いたぞ、それがカーバンクルかどうかは知らないが」

「どちらで!?どちらでですか、教えて下さい!」

アリシアさんは、さっと立ち上がり俺の手を握り顔を思いっきり近づける、必死さがうかがえる

ピンクの瞳か、いいね!

「おっおお、えっと詳しくは思い出せなんだが、国境を越えたどこかの村だったと思うぞ?」

「国境をもう一つ越えて、と言うことはガンダダ王国の何処かに?」

「ああ、えっと何という村で聞いたかな。カ…カニ、カノ?」

「カコマじゃないか?」

おっ、ナーナンさん知っていた?
あっ、違った地図を開いていた。でもこの世界の食文化から考えても精密さはないよな?

「カコマだった気がするがー」

そう言いつつナーナンさんが広げている地図を見る。
おおお、首都と思わる場所と主要都市程度は元々描いてあったようだが、手描きがあるナーナンさんの字かな

丸文字で可愛らしい……あっ、あった

「うん、現在向かっている国境付近にカ、から始まる名前の村はカコマぐらいかな?」

「どっどこでしょうか」

横から覗き込む、フワリと桜をイメージした匂いがする。あれな、店とかで春によく売られる桜の匂いのやつあれと似たような匂いがしたんだ

「現在地はここ、この道をあっちに行くと国境で、そこからこう行くと、つくはずだ」

「わぁ、ありがとうございます。ありがとうございます。では私は」

何度も頭を下げた後、目つきが変わりすぐに出立し用とするのがわかったので止めるため

いつの間にか俺からクルファを取り寝かせていたアーノに頼む

「アーノ」
「ほい」

「なっ、すみませんがどいてくれませんか?」

どこからか現れたアーノに驚くがすぐに素手だが臨戦態勢をとる

「恩人に怪我をさせたくありません、どいてください」

「いやいや~、あ~んたさー、倒れてたんだよー今日というか後の時間はちょいと休憩でいいじゃん」

「……すみません!」

ザッと強い踏み込…めない

『バキッ!』

強者の強い踏み込みには、この高床式住居(仮)は耐えきれいのだった。

「あっ」

本人も予想だにしていなかったようだが、アリシアさん現在地ではなく、現在の場所を把握したほうが良かったようですね

「……弁償」

お、ナーナンさんが少しションボリしている、いいねぇ♪
俺がナデナデしてあげよう、おいで

「ああ、すみませんすみませんすみません」

俺がナーナンさんを抱きしめ頭を撫でなだめる横で、ひたすら謝罪するアリシアさんであった。
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