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3.海辺の王国ヴェルドニア

12.選ぶ権利は俺にある

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ーユウト(とある目的の為物色中)ー

さーて、どうしたものか

今回1人で街歩きとはいっても、魔力感知でアーノとルナさんが近くにいるのはわかっているんだけどね

でだ、どうしたものかというのは屋敷である以上掃除、洗濯、料理等雑用を俺がしたくないというものであるから(どのみちしないしほかがやると思うけど)誰か雇おうにも異世界だし人間性がどこまであるか不明なので

ぶっちゃけ奴隷を買うか恩義で忠誠だよな

と思いつつも先のイーリンの提案通り拾うことにしたんだが

「都合よく行くかはイーリンサーチにかかっている」

『はい、そして見つけましたマイマスター』

おお、でどこだ?

イーリンナビに従い歩いていく、その最中に話を聞く

『ミルミ、6歳は普通のストリートチルドレンですね栄養失調、不衛生、飢餓等です。それプラス彼女は肺の病気にかかった妹を抱き抱え神に祈っています』

幼女神、祈られれるぞ!

『んぁ?』

『ゴホンッ、誰か…誰か助けて、神でも悪魔でもいいからこの地獄から救ってください私の命でも魂でもあげるから妹を救ってください病気を治してあげて……と』

そうかい、だったら今悪魔が行きますよー



***ミルミ***


「グスン……グスン…なんで、治らないの?」

スリで集めたオカネでどうにか薬を買ったのに、妹は治らなかった

「おねぇ、ゴホッゴホッ……ちゃん」

「もっと、もっとお金があれば……」

そう思い立とうとしたが妹に袖を掴まれる

「おねぇちゃん…」

「ーっ」

また集めてもダメかもしれない…それよりも私もお腹が空いた妹の薬代で私はどれだけ食べれた?

「!」

ダメダメ、そんな考えはだめ!
もう一度!もう一度だけお金を集めてー
「ゴホッゴボッ!」
ー………それで助かるの?

妹が血を吐いた。えっ血を吐くって大丈夫なの?いや、駄目だよね?咳が続いて、つらそうにしてたし、何日も咳が続いたから薬を買ったのに

これは…治る病気?
治らない病気?

私が薬を買ったのは………無意味?

「………ゴホッ、ヒュー、ヒュー、ヒュー」

「今度はなに?」

風が隙間を通るような音が妹の口から聞こえる。もう意味がわからない何をどうすればいいの?

金がなく汚い私達はそもそもお医者様に見てもらえない、薬だってかなり高かったし何より偽物だったかもしれない





……………………………もう、いや






神様………………助けてください、このままじゃ妹を嫌いになりそう、そんなのは嫌だ、何もできない私も嫌だ

誰か…いっそ誰でもいい

「誰か…誰か助けて、神でも悪魔でもいいからこの地獄から救ってください私の命でも魂でもあげるから妹を救ってください病気を治してあげて」

「助けてやろうか?」

私の悲痛な声に答えてくれた人が、いつの間にか後ろにいた



***ユウト***


………いいタイミンだ流石イーリン

『恐れ入りますマイマスター』

助けてといった瞬間に現れるイイネ!

「あなたは?」

「無駄な会話やめよう。君は今の状況から助けてほしいか?」

「……それは………………」

なにか悩むように俯く……………ふむ、ならいいか

「そうか、それが答えかじゃあな」

俺はすぐさま来た道を戻ろうと

「待ってください!」

「しらん」

切羽詰まって迷えるなら余裕がある証拠だ、そんなやつはまだ生きていける。残念ながら、俺が求めるのは病んでしまうほどの忠誠心

俺が空は緑といえば緑だと意見を変え、死ねといえば死ぬ人材、それを求めているのでな

「そんな…待って、待ってください!」

残念だったな俺がお人好し主人公じゃなくて、イーリン次

『イエス、マイマスター、次はルナと同じ猫獣人の名無しさんです回収できれば名前がつけられますよ』

そりゃ楽しみだ


「ああそうだ、ルナさん?」

呼ぶと、もともといたかのように横に並んで歩いている

「何かしら?」

「これ、ルナさんに任せる」

そう言ってっこの国の銀貨10枚と先程の子の妹の病気に聞く薬をルナさんに渡した

「あたしに任せる?」

「ああ、ただ置いてくだけでもいいし、なにか助言するもよし部下にするもよし、ルナさんの侍女にするもよし、お金だけルナさんがもらってのいい…」

本当に好きにしてくれればいい

「分かったわ」


***名無し***


「………空腹……何日目?」

与えられた仕事に失敗、腕を折られた。それでも仕事は可能

次も失敗、もう片方の腕も折られた。でも仕事は可能

またも失敗両足折られ廃棄と言われ
体中痛いところがないぐらいに殴られ蹴られた

「………死ぬの?」

体を動かせない、ご飯を食べれない、喉も乾いた

「………生きたい、まだ、死にたくない」

美味しいものをお腹いっぱい食べたかった

「生き……たい」

もう一度、一回だけ見た白い尻尾をつけた星を見たかった

「死に…たく…ない…」

「ならば俺が生かしてやろうか?」

誰?誰でもいいか、私は死にたくないのだから



***ユウト***


「しかし対価は要求させてー」
「なんでも全部あげる。だからお願い」
「ーも…了解した」

いいね、これだよこの決断の速さを求めていた

俺はアイテムボックスから全回復するポーションを取り出し猫獣人にかけると、折れて変なふうにくっついていた骨も元通り、きれいに治るすげえな

「さて…」

猫獣人はすぐさま平伏した

「ありがとうございます。生かしていただいて、あなたが望む…のならば?生かしてもらったこの命以外すべて捧げるしょぞん?……つもり?……つもりでございます」

「ゴホン、無理に難しい言葉を使わなくていい」

「あい」

「君に頼みたいことは難しいことではないが…こんなところにいたのだからすべて学びつつ役目を果たしてくれ」

「あい!」

して連れて帰り………

「名前はあるか?」

イーリンで知ってるけど一応聞く

ふるふると首を横に振るので

「好きなものはあるか?」

「星空」

ふーんじゃあ、プラネット?そこからなんかひねって…

「特になんか白い尻尾つけたやつをもう一度見たい」

「好きなのか?」

「わかんない、けどもう一度見たいとは思ってる」

「ふむ、じゃあコメットだな」

「コメット?」

「ああ、コメット白い尻尾をつけた星の名前と一緒でお前の名前だ」

確か彗星って、英語読みでそういったよね?

わざわざ英語読みしないからうろ覚えだ

「……コメット……コメット?コメット!」

「白い猫さん気に入ったか?」

猫獣人でもルナさんと違いこの子は白猫

「違う、私コメット!」

「はいはい、コメットさん名前気に入りましたか?」

「ん!」

1人ゲットだぜ、さっ、帰って色々と教えるか~と思ったが

「紹介しようシスティ、今日から君のお世話係のコメットちゃんだ、色々と教えて自分好みにカスタマイズだ!」

「カスタマイズって……拾った子を私のお世話係という所には感謝しますが…1から10まで教えるのが面倒になったんですよね?」

「いや、違うぞ?」

「え?」

システィは俺をなんだと思ってるんだ?

『突発的な謎の行動を起こす人と』

何たることだ

「確かに、突発的な謎の行動を起こすが」

「あれ、私口にして?」

「ないけど顔に書いてあるぞ?」

「まさかそんな!?」

顔を触るシスティ、本当はイーリンだよ?
でもイーリンについて誰にも話してないからな~そのうちはなすか?


「じゃあ、預けるからな~」

「あっ待って、待ってくださいよせめて説明を!」

ふんふ~ん、さて屋敷にはあと3人必要かな

「待てこらぁ!」

システィは時々口が悪くなるな~
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