ラブコメ主人公に憑依したニート

秋刀魚

文字の大きさ
1 / 2

第一話

しおりを挟む
「うーん……」起き上がり目を覚ますが何かがおかしい。
なんか目がぱっちりして、体もスッキリ、いつもなら目が覚めてもベットの中で数時間は起きることができないのに。
いや、今までがおかしかっただけでこれが普通なのか?
そう思っていると下の階がドダドタうるさいことに気がついた。
あれ?両親はいつも朝早く仕事してるからこの時間は居ないはずだけど……?
俺は時計を見ようとベットの横に目をやるが、「え……?」そこには壁しかなかった。
驚いて辺りを見回すも、「何処だ……ここ?」確かに俺の部屋に似てるが微妙に違う。

もしかして……あれか!俺のニート生活に我慢できなくなった両親が引き出し屋に頼んで俺を拉致したのか!?
寝てる間に俺を拉致して……ってことはここはどっかの施設?
いや……まさかと思い治すが、じゃあ本当になんだ……? その時階下のドタドタ音が上がってきていることに気がついた。
俺は咄嗟に壁を背中にくっつけ、息を殺しながら扉をガン見する。扉は勢いよく開かれ、
「お兄ちゃーーん!おっはよーーう!!」と叫びながら金髪の少女が入ってきた。

??? 理解できずに固まる俺を見ながら少女が続ける。「ん?どうしたのお兄ちゃん、起きてるなら返事くらいしてよねー」
もしかしてお兄ちゃんって俺のことか?でも俺に妹なんていないし、両親からも何も聞いていない。
俺はとりあえず確認のために人差し指を自分に向け、「お兄ちゃん……?」と聞いてみた。
すると「何してるのお兄ちゃん?当たり前でしょ」
そこでもしかして……?と考えが浮かび急いで扉に向かい、「ごめんっ!」と、驚く少女を横にどけ、一階に降りる。
一階は全て見覚えがある……と思い洗面所の扉を開けようとするも、ドアノブの位置が変わっていた。
ゾッとするも、すがるような勢いでドアノブを開けて洗面所に入り、鏡を見る。
しかしそこに居たのは俺の知らない男だった。



「なんだこれ……?」何度瞬きしても変わらない。何度見ても俺の知らない男が写っている。
童顔で高校生ぐらいの顔。イケメンではないがブサイクでもないし髭も一切生えてない。
目も輝いていて、眉毛も整えられている。
虚な目をして生気がなく、髭も生えっぱなしで鏡を見る度にゾンビかと思うような俺の顔とは大違いだ。

俺は立っていられなくなり座り込んで頭を抱える。
考え事で辛くなった時にやる俺の癖だが、いつもならばベタベタの髪がサラサラしていることに更に苦しくなる。
本当になんなんだこれ……? 眠ってる間に整形手術でも受けたのか?
いやそんなわけないだろ。短時間でここまで変えられるわけがないし、何よりメリットがない。
別人と入れ替わってしまったのか……?現実的じゃないけどそれが一番あり得る。
よく知らないけどあれか?なろう小説の転生ってやつなのか? 
意味わかんねぇよ……何が起きてるんだ……?
いつも通りに朝起きたら知らない人間になってるって……

「兄さん……?大丈夫、体調悪い……?」
顔を上げるとさっきの少女が立っていた。「えっと……その……誰?」俺が指を指すとその少女は驚いた顔をした。
「私、白水咲だよ!覚えてないの……?」そう言い詰め寄ってくる少女に、俺はどう答えれば良いか分からなかった。
俺の事を話せば良いのか?この体はなんだ?白水なんて聞いたことないし知らない。
「う……う、えっと」
何か言わなきゃと思うものの、吃ってただ言葉にならないことを言うだけ。完全にテンパってしまい頭の中はぐちゃぐちゃ。
何か喋っている少女の言葉も理解できなくなっていき、思考停止状態に陥った脳。
全身を掻きむしりたくなる。何が起きてるのか何を話せばいいのかわからない
「え……え…もう……何なんだよ……」

そして更に近づいてくる少女に俺は、どうすれば良いか分からなくて、泣き出してしまった


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。

エース皇命
青春
 高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。  そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。  最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。  陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。  以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。 ※表紙にはAI生成画像を使用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない

七星点灯
青春
 雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。  彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。  しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。 彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

処理中です...