【完結】こじらせ半猫くんは、好きな人の前だけ可愛い―溺愛ダーリン×半猫化男子―

砂原紗藍

文字の大きさ
24 / 26
【最終章】僕の世界は、あなたでできてる

2.キッチンで愛を伝えたら ※R-18

しおりを挟む
「レン、どうした?」

僕は顔を伏せたまま、カナトさんの肩にそっと額を預けた。

「僕……頑張った……」

小さな声。子どもみたいで、情けない。

「知ってるよ。ありがとう、レン」

顔を上げると、カナトさんが微笑んでいる。

「仕事中なのに……ごめん」
「大丈夫だよ。ちょうど休憩しようと思ってたから」

カナトさんはそう言いながら、洗い物を始める。

「……せっかく、カナトさんのために作ろうと思ったのに」
「レンが?」
「うん……いつも色々してくれるから。たまには、僕も何かしたくて」

カナトさんの手が、ぴたりと止まった。

「……レン」
「な、なに……」
「可愛すぎる」
「は?」

カナトさんが僕を抱きしめた。

「ちょ、ちょっと……!」
「俺のために料理してくれるなんて。こんな嬉しいことないよ」
「で、でも……全然うまくできてないし」

カナトさんの声が、耳元で響く。

「……じゃあさ、一緒に作ろうか」
「一緒に?」
「ああ。俺が教えるから」

カナトさんが僕の隣に立つ。
距離が、近い。
肩が触れそうで、変に意識してしまう。

「まずは、野菜の切り方な」

包丁を持つ手元を、自然と目で追う。

「くし形切りは、こう」

……綺麗。
同じ玉ねぎなのに、さっきの僕のとは別物みたいだ。

「すごい……」
「慣れだよ。ほら、レンも」

言われた通りに、もう一度包丁を入れる。
さっきより、少しだけうまくいった。

「上手だよ」
「本当?」
「ああ。センスあるかもな」

それから二人で、料理を続けた。
野菜を炒めて、水を入れて、ルーを溶かす。

「いい匂い……」
「うん。ちゃんと美味しそうだ」

――結局その後、カナトさんが仕上げを手伝ってくれて、なんとかビーフシチューは完成した。

「いただきます」

二人で食卓を囲む。

「……どう?」

僕は恐る恐る聞いた。
カナトさんはスプーンを口に運んで、ゆっくりと味わった。

「……美味しい」
「本当?」
「ああ。すごく美味しいよ。レンが作ってくれたから、余計に美味しく感じる」
「……そんなの」
「本当だよ。愛情が最高の隠し味だね」

そう言って、カナトさんは嬉しそうにお代わりまでしてくれた。



食器を洗っていると、背後から温かい腕が回ってきた。

「わっ……!」
「レン、ありがとうな」
「え?」
「俺のために、色々してくれて」

その瞳が、さっきまでと違う色をしていた。
優しくて、どこか熱を帯びた視線。

「……カナトさ――」

言葉が続く前に、カナトさんが僕の顎に手を添えて、優しくキスをしてきた。

「んっ……」

すぐに、それは濃く長いものに変わる。
唇を開かされて、舌が入り込んでくる。
お互い何度も何度も口づけて、息が上がるまで交わす。

「はぁ……っ」

あ、と思った時には、身体が返されていた。
シンクに押し付けられて、動けなくなる。

え、ちょっと待って……。

「カナトさん……?」
「レン、可愛すぎるんだよ」

エプロンがめくられて、スルッとズボンと下着を下ろされる。
すごく、ドキドキした。

「嬉しそうな顔してる。そんなに欲しかった?」
「えっ……」

言い訳しようとした瞬間、尻尾に触れられた。

「ああっ……!」

声が勝手に出る。
ダメ、そこ触られたら……。

「可愛い声」

カナトさんが笑いながら、僕の腰を撫でた。

「……か、カナトさん?」

カナトさんの指が、ゆっくりと入ってくる。

「やっ、あっ……んんっ……」

指が動くたびに、変な声が出る。
恥ずかしい……。

「レン、すごく可愛い」

慣れた頃、カナトさんが腰を動かして位置を決める。

「苦しかったら、すぐ言ってね」

僕の腰を掴んでそう言う声は、優しくて色っぽい。

「ん……っ」

やっぱり、少し痛む。
でも、ぐっと奥に温かさを感じる。
そのまま、カナトさんのものが出たり入ったり。
そのたびに、足も耳もぴくぴく動いてしまう。

「あっ、ん……あ、あっ……」

奥まで突かれて、歓喜の声を上げながら腰を揺らす。

微かに聞こえる荒い吐息。
カナトさんも……気持ちいいんだ。

「あっ、カナトさん、奥……っ」
「気持ちいい?」
「うん……すごく……っ」
「良かった。俺も、すごく気持ちいいよ」

カナトさんの優しい声。

「はぁ、んっ、……やあ、っ……」
「レン、可愛い……大好きだよ」
「僕も……大好き……っ」

もう……限界……。

「レン、大丈夫?」
「うん……」
「お風呂、一緒に入ろう」

カナトさんの声が、甘く響いた。

「え……」

顔が一気に熱くなる。
ちょっと恥ずかしい……。

「ダメ?」

カナトさんが僕の耳元で囁く。

「……ダメじゃない」

小さく答えると、手を引かれて浴室へ。
カナトさんが先に服を脱ぎ始める。

「レン、早く」
「う、うん……」

僕も全部脱いで、浴室に入る。
シャワーの音。温度を確かめるカナトさんの手。

「ちょうどいいかな。レン、こっち来て」

言われた通りに近づくと、温かいお湯が体にかかる。

「わ……温かい」
「うん。気持ちいいでしょ」

カナトさんの手が、僕の背中にボディソープを伸ばしていく。

「自分で洗えるよ?」
「いいから。俺がやりたいの」

優しく撫でるような動き。
今さらこんなにドキドキして、どうしちゃったんだろう、僕。

髪も洗ってくれる。シャンプーの泡で、優しく頭皮をマッサージ。
そして、シャワーで泡を流してくれる。

「……カナトさん、ありがとう」
「俺はね、レンが可愛くてたまらないんだ」

その時、頭の上に猫耳が生えた。

「あ……」

また出ちゃった。

「本当に可愛いね」

耳を優しく撫でられる。尻尾も出てきて、ゆらゆら揺れた。

カナトさんが湯船に先に入って、僕を抱きかかえるように座らせてくれた。
背中がカナトさんの胸に当たる。

「気持ちいいね」
「うん」

……このまま、ずっとこの腕の中にいたい。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

αとβじゃ番えない

庄野 一吹
BL
社交界を牽引する3つの家。2つの家の跡取り達は美しいαだが、残る1つの家の長男は悲しいほどに平凡だった。第二の性で分類されるこの世界で、平凡とはβであることを示す。 愛を囁く二人のαと、やめてほしい平凡の話。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!

ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!? 「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??

可愛いがすぎる

たかさき
BL
会長×会計(平凡)。

タトゥーの甘い檻

マリ・シンジュ
BL
執着系わんこ攻(大学生)× 高潔な美形教授受(30代) どのお話も単体でお楽しみいただけます。 ​「先生、ここ……僕の瞳を入れるから。ずっと、僕だけを見てて」 ​真面目な大学教授・新城が、大学生の・羽生にだけ許した、あまりにも淫らな「わがまま」。 ​それは、誰にも見えない内腿の奥深くに、消えないタトゥーを刻むこと。 「下書き」と称して肌を赤く染めるペン先の冷たさ。 アトリエの無機質なライトの下、四つん這いで晒される大人の矜持。 ​ずっと年下の青年の、必死で、残酷で、純粋な独占欲。 愚かだと知りながら、新城はその熱に絆され、ゆっくりと「聖域」を明け渡していく――。 ​「……お前のわがままには、最後まで付き合う」 ​針が通るその時、二人の関係は一生消えない「共犯」へと変わる。 執着攻め×年上受け、密やかに刻まれる秘め事のお話。

義兄が溺愛してきます

ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。 その翌日からだ。 義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。 翔は恋に好意を寄せているのだった。 本人はその事を知るよしもない。 その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。 成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。 翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。 すれ違う思いは交わるのか─────。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

処理中です...