【完結】運命の人が敵対企業の専務だったので、ビジネスも恋も全部奪いました

砂原紗藍

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【第一章】その夜の出会いが、全てを変えた

4.“初めて”の君 ※R

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京介がぼんやりしたまま自分の唇を指でなぞっている。
さっきまで俺の舌と唇が触れていた部分を。

その仕草に、理性が飛びそうになる。
ふと京介が顔を上げて、俺を見つめていた。

「うわ、何?! なんでそんな見てんだよ」
「……京介、それ、わざとやってる?」
「は?」
「名残惜しそうに唇に触ってるから」
「いや……なんかジンジンしてるなって」

この人、ちょっと天然なのかな。
今度は京介が俺の唇に目を向けた。

「なに?」
「慧の唇、触っていい?」
「ん? どういうこと?」
「こうやって……」

恐る恐る、京介の人差し指が俺の唇をすぅっとなぞる。
ふにふに、と柔らかい感触を確かめるように突いてくる。
くすぐったい。でも、興奮する。

「きもちいい?」
「ん……くすぐったいかな」

嘘だ。気持ちいい。
京介の指が、俺の唇を行ったり来たりする。

「……もう一回キスする?」

囁くように聞いた。

「え、あ……いや」

京介がソファに後ずさる。でも、追い込んで逃がさない。

「逃げるの、かわいいね」
「……だまれイケメン」

その反抗的な表情も、好きだ。

気が付いたら、京介を押し倒していた。
俺の腕が京介の両脇について、完全に覆いかぶさっている。
顔を近づけて、唇が触れ合う寸前で止めた。

「なぁ、先に謝っとくけど」
「あ? 何……を……?」
「ごめん、キスだけで終われない……かも」
「え……?」

京介が綺麗な顔でぽかんとしている。
その顔に見惚れてしまって。そのまま唇を塞いだ。

「んっ……ん……」

さっきより深く。舌を入れて、京介の口内を擦り上げる。
唇を離せば、京介が肩を押し返してきた。

「待って、慧……」
「ん?」
「なんでそんな……」
「京介が可愛いから」

左手を京介のシャツの裾から滑り込ませる。
柔らかい肌に触れた瞬間、京介の身体がびくっと震えた。

めちゃくちゃ温かい。もっと触りたい。

そのまま手のひらで胸を優しく撫でると、京介の身体が跳ねる。

「っ……!」

京介が声を押し殺そうとしてる。
もっと聞かせてほしいのに。

「ほら、ちゃんと反応してるじゃん。かわいい」

耳元で囁くと、京介の身体がまたびくっと震えた。

「っ……あ、待っ……」
「待たない」

京介の額に自分の額を合わせた。
至近距離で、京介の瞳を見つめる。

……綺麗だ。

「大丈夫。怖くないようにするから」

そのまま、首筋に唇を触れさせた。
柔らかく吸うと――

「んっ……そこ……っ」
「気持ちいい、でしょ?」
「っ……言わせんな……」

京介の顔が真っ赤だ。可愛すぎる。
胸の先を指で転がすと、京介の腰が揺れた。

「っ……あ、……ん……、変だって……」
「変じゃない。男でも普通に感じるから」

シャツをめくり上げたら、京介の胸元が完全に露わになる。
あまりに綺麗で、見惚れてしまう。

顔を近づけて、胸の先端に口づけを落とす。

「んっ……あ……」

京介の声が部屋に響く。

この声、もっと聞きたい。
もっと京介を乱したい。

もう片方も同じように口に含んで、指と舌で同時に弄る。

ズボンのベルトに触れた瞬間――。

「……待って」

京介が俺の手を掴んだ。
見ると、京介が少し怖そうな顔をしていた。
どうやら、焦りすぎたらしい。

「……ごめん。やっぱり、まだ怖い」

京介の正直な言葉に、俺は我に返った。
そうだ。京介にとって、これは初めてなんだ。
男に触れられるのもこんなに感じるのも、全部。

「そっか。ごめん、急ぎすぎた」

京介の身体から離れて隣に座った。
深呼吸する。落ち着け、俺。

「いや、慧は悪くない。俺が……初めてだから」

“初めて”。
その言葉が、胸に響いた。



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