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11話〜
レポート
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昼休み。
坊主頭の野球少年である近藤は、いつもこの時間は、友達のサトシとアルスとつるんでいる。
だが、今日は違った。
近藤「あぁ~、レポート出しにいかねぇとな...」
今日は物理のレポートの提出日。
単元が終わると、授業で学んだことをまとめたレポートを作成し、提出しなければならない決まりがあった。
今日中に出さなければ、テストの点数を引く...というので、未提出である近藤は、これから物理室にレポートを持っていかなければならない。
近藤「やべ、留めてねぇ」
急いで書いていたため、ホチキスで留めることを忘れていた。
近藤「杏姉、ホチキス持ってないか?」
白髪のショートヘアーに、ヘアバンドをつけた小柄な女子生徒、杏姉に歩み寄る。
杏姉「ありますよ。...と、どこいったかな...」
筆箱を漁り、ホチキスを取り出す。
杏姉「ありました、はい。」
近藤「サンキュー杏姉。」
近藤は差し出されたホチキスを受け取り、それで書類を留めた。
杏姉「物理のレポートですか?」
近藤の手元にある書類物に目を向けて尋ねてきた。
近藤「ああ。今日中に出さなかったらテスト終わるからな」
ホチキスを返しながら、近藤は話す。
近藤「これ以上下がったら赤点だ。」
杏姉「それ...余裕なくないですか?」
苦笑いをしながら、杏姉は受け取った。
杏姉「行くのでしたら私も一緒に行きたいです。よく分からない箇所がいくつかあったので聞きに行こうかと...」
引き出しの中からなにかを取り出そうとする杏姉。
近藤「相変わらず勉強熱心だな。」
杏姉「いえ、たまたまあっただけですので...」
杏姉が机の引き出しの中を覗き込む。
近藤「少しは俺に頼ってくれたっていいんだぞ」
声を低くし、キメ顔の近藤。
眉毛をクイっと上げ、口角を上げて歯を見せる。
杏姉「これ以上下がったらなんでしたっけ?」
さっきの冗談を手に取られ、胸に貫いた。
近藤「そ...それは...言わないお約束だぜ...」
杏姉「使い方間違えてません?」
近藤がレポート用紙で顔を隠す。
それを見て杏姉が微笑んだ。
近藤「てかいつまでノート探してるんだよ」
杏姉「すみません!ちょっとごちゃごちゃしてて...」
片付けの習慣がないのか苦手なのか、机の中から色々な教材や小物が出てくる。
やっとの思いでノートを見つけ出した様子。
それを引っ張り出して、椅子から腰を浮かす。
杏姉「でも、頼りたい時は頼りますからね。」
近藤の空いている手を取り、杏姉が囁く。
近藤「じゃあこの引き出しのガサツ感なんとかしようぜ。」
杏姉「えぇ...」
めちゃくちゃ嫌な顔した。
坊主頭の野球少年である近藤は、いつもこの時間は、友達のサトシとアルスとつるんでいる。
だが、今日は違った。
近藤「あぁ~、レポート出しにいかねぇとな...」
今日は物理のレポートの提出日。
単元が終わると、授業で学んだことをまとめたレポートを作成し、提出しなければならない決まりがあった。
今日中に出さなければ、テストの点数を引く...というので、未提出である近藤は、これから物理室にレポートを持っていかなければならない。
近藤「やべ、留めてねぇ」
急いで書いていたため、ホチキスで留めることを忘れていた。
近藤「杏姉、ホチキス持ってないか?」
白髪のショートヘアーに、ヘアバンドをつけた小柄な女子生徒、杏姉に歩み寄る。
杏姉「ありますよ。...と、どこいったかな...」
筆箱を漁り、ホチキスを取り出す。
杏姉「ありました、はい。」
近藤「サンキュー杏姉。」
近藤は差し出されたホチキスを受け取り、それで書類を留めた。
杏姉「物理のレポートですか?」
近藤の手元にある書類物に目を向けて尋ねてきた。
近藤「ああ。今日中に出さなかったらテスト終わるからな」
ホチキスを返しながら、近藤は話す。
近藤「これ以上下がったら赤点だ。」
杏姉「それ...余裕なくないですか?」
苦笑いをしながら、杏姉は受け取った。
杏姉「行くのでしたら私も一緒に行きたいです。よく分からない箇所がいくつかあったので聞きに行こうかと...」
引き出しの中からなにかを取り出そうとする杏姉。
近藤「相変わらず勉強熱心だな。」
杏姉「いえ、たまたまあっただけですので...」
杏姉が机の引き出しの中を覗き込む。
近藤「少しは俺に頼ってくれたっていいんだぞ」
声を低くし、キメ顔の近藤。
眉毛をクイっと上げ、口角を上げて歯を見せる。
杏姉「これ以上下がったらなんでしたっけ?」
さっきの冗談を手に取られ、胸に貫いた。
近藤「そ...それは...言わないお約束だぜ...」
杏姉「使い方間違えてません?」
近藤がレポート用紙で顔を隠す。
それを見て杏姉が微笑んだ。
近藤「てかいつまでノート探してるんだよ」
杏姉「すみません!ちょっとごちゃごちゃしてて...」
片付けの習慣がないのか苦手なのか、机の中から色々な教材や小物が出てくる。
やっとの思いでノートを見つけ出した様子。
それを引っ張り出して、椅子から腰を浮かす。
杏姉「でも、頼りたい時は頼りますからね。」
近藤の空いている手を取り、杏姉が囁く。
近藤「じゃあこの引き出しのガサツ感なんとかしようぜ。」
杏姉「えぇ...」
めちゃくちゃ嫌な顔した。
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