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ダン兄が怪童と言われてるよ、師匠の俺は?ダラけ王子

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ダン兄に課題を渡してから、二年が経ち俺も七歳となった。

ダン兄は最近、怪童と言われている。すげー強いんだってさ。

その師匠である俺は、さぞかし凄い呼び名なんだろうな。

ダン兄は学園入学前までもう少しなので、課題を早く終わらせたいらしい。まぁ、頑張れ。

「アル様、ダンフォード様が最近、なんと呼ばれているか知っておりますか?」

「知ってる知ってる、怪童だろ?すぎた名前だよな。」

怪童と呼ばれても、調子に乗らないダン兄は凄いと思うが、名前に負けている気がする。

体はまだ大きく無いし、それに顔が普通にカッコいいんだよな、嫉妬しちゃうよ。怪童なんかじゃないよ、怖くないもん。 

「では、アル様はなんと呼ばれているか知っておりますか?」

「え?俺もダン兄みたいに呼び名あるの?照れるなぁ。」

「ダラけ王子または、引きこもり王子と呼ばれております。」

「え、マジ?」

「マジです。」

うっそーん、そんな呼び名かっこ悪いじゃん。正しいことには、違いないけど。

でもさぁ、その呼び名は俺のことをバカにし過ぎじゃん。だから最近は生まれた俺の妹に合わせてもらえないのか?可哀想な俺だ。

それにしてももうちょっと、オブラートに包んで欲しいよ。例えば、自室警備王子とかさ。ダサいから無しか。

コンコン、

「アル!」
 
「怪童さん、どうしたんですか、ダラけ王子に何か用ですか」

俺はいじけたように言った。

「明日、学園の試験発表されるんだ。よかったら一緒に行かないか?俺はアルのおかげで今があるからさ!」

試験終わってたんだ。知らなかった。いつの間に試験勉強していたんだよ!俺の与えた課題しかやってないだろう。

でも俺はアルのおかげで今があるだって!!

もう、ダン兄優しっ!!どこまでもついていきますぜアニキ!!

それにしても、行ってみるのも面白そうだな。

「俺が行っていいの?」

「いいだろう、別に。保護者も来る奴もいると聞くし。兄弟で行っても何も問題は無いはずだ。」

「アル様、行くのですか?」

「えっ、だって面白そうじゃん。バカな貴族がさ、平民に暴力をふるって俺が助けるとかどう?これで名誉挽回できると思わない?」

「それで、ついて行くわけですか。」

少し呆れた表情になった。だって、そんなふうに呼ばれるの嫌だもん。

やる事ないから、自室に居るだけだから。うん、そうだと信じたい。

まぁ、いいやとりあえず久々の昼間の外出でもしよう。というか、これ初めてか?

俺は夜の散歩意外に外に出た事がないからな。

まぁ、いい。初めて昼の外出だ!!

翌日

コンコン

「アル、行くぞー」

「あいよー、何で行くの?」

「馬車だろ。」

「初めて乗るんだが、」

「まじかよ、お前。」

「マジだ。」

俺の移動手段は歩きか、転移か、空を飛ぶかしかない。馬車なんて豪華なもの使ったことないぜ。

俺は豪華な馬車にダン兄とセバスと乗り、学園に向かった。

学園でかい!それに、人多っ!!なんだこの人の数は!!こんなに試験受けたのかよ。

「この中で半分くらいしか受からない筈だ。」

ええ、倍率2倍かよ意外に高いな。俺もここに通うとなると、すでに憂鬱だ。

俺は馬車を降りて、ダン兄と共に結果が書かれているところへ向かった。

「おお、ゴール久しぶりだな。」

「お久しぶりですね、」

そうか、ここは学園だから、セバスの知り合いもいるのか。まぁ、旧友との再会とか良い場面じゃないか。

「お前は誰かに仕えているのか?」

「ええ、アルフレッド様の執事をしております。」

「アルフレッド様って、あの、ダラけ王子とかいう、ハズレ引いたな。」

それを俺の前で言うか?普通?いや待てよ、俺が外出しないから、ここの人たちは俺の顔を見た事ないのか。

パーティーにも参加した事ないし、親父と宰相さんに面倒だから、欠席と言ったら、いつも了承してくれるし。

「貴方、今なんと言いました?アル様を侮辱しました?」  

おいおい、急に背筋が寒くなったぞ。こりぁ、怒ってるよ。

「す、すまない、今の言葉を取り消す。」

「それなら、良いのです。では、失礼します。」

こいつ、ヤベェ奴と周りに思われたんじゃないのか?

「アル、あいつは他人を見てもないのに見下すとはダメな奴だな。アルはダラけて、引きこもっているが、父上がアルは必要不可欠だと言っていたし、俺も助かっている。気にすることはない。」

気にすることはないって、貴方俺のことをダラけてるとか言ってんじゃん。慰めになってないよ!!

そして、歩いて結果があるところまで来た。というか俺たちが歩くと勝手に道ができる。やはり、王族ってすげえ。

「おお、アル!!一番だったぞ!!」

「試験の勉強したの?」

「そんなものするわけないだろう、アルから貰った課題しかやってないぞ!!」

ここの学園大丈夫かよ、ダン兄には才能がある。それもとびきりのだ。だけどさぁ、頭の方は普通なんだよ。

なのに、負けるってどうしたもんかね。いや、王族だからって贔屓されてんの?

「ダン兄とりあえず、おめでとう。」

「おう、あと入学式まで少しの期間しかないが課題をやって、強くなるぞ!!」

なんか、喜びがちがう方向に向いてる気がするけど、速く強くなって俺を養ってくれ。

「そういえば、アル。エリックも課題をやりたいそうだ。というか、俺のやつを偶に一緒にやってる。だから、エリックにも渡してやってくれ。」

「じゃあ、俺の部屋に来るように言って。それなら、渡すから。」

「分かった、エリックはなんかお前に引け目を感じているから優しくしてやってくれ。」

「俺が全く関わらなかったのが、悪いんだ。そこまで気にしなくていいって、伝えて。」

100%俺のせいだ、というか俺のせい以外考えられない。闘技場には行かないし、食事でも殆ど俺はしゃべらないからな。

「分かった、伝えておく。」

そして、俺は再び自室に戻った。とういか俺何しに行ったんだっけ、ダン兄の結果見て、貶されて来ただけじゃん。

あー、引きこもろ。

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