不要な僕と化け物公爵様

たなぱ

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帰宅





害虫の駆除と収穫が完了し、無事に舞踏会も終わり、僕とフレイズ様は馬車に乗り夜更けに帰宅した


「アデリナ…みんな、ただいま!」

「おかえりなさいませ、奥様!旦那様!
ご無事に戻られて何よりです…!
事前の情報通り当屋敷に現れた賊は全て捕らえ、尋問用の地下室に収容しております
念の為メイドと執事が数名怪我をしたと王家へは報告しておりましたが上手く行きましたでしょうか?」


「ああ、全て計画通りに終わった
ガレット公爵家等が送り込んで来た武装私兵については尋問後、事件の真相に近いものはベゼルへ送る
それ以外はこちらで餌として飼う予定だ
苗床用の部屋も明日以降準備を頼む」

「かしこまりました、尋問の準備はヤジェが行っております故、情報は随時ご報告致します
お食事は済んでいるとの事でしたので、お風呂の準備をしてありますので…こちらへどうぞ」



ガレット公爵家達が仕向けた武装私兵を捕獲したって話は本当だと言う話を聞いて、屋敷の皆が無事か少し心配だったけど…屋敷に戻ったら皆が出迎えてくれてホッとした

武装私兵を相手にして、怪我無く捕まえるって食人花の皆は個人個人がすごく強いんだろうか…?
よくわからないけど、事件の真相…たぶん僕の母様の死とかに関係ない人達は餌としてルドレッド公爵家で幸せになれる機会を与えてくれるんだろう…
………やっぱり本当にフレイズ様はお優しい



もう夜も遅いとアデリナや他の使用人達は、作戦がうまくいった事を喜び、すごく嬉しそうに僕とフレイズ様から荷物を預かり、お風呂をさり気なく進めてくれる

その気遣いを受け入れ、僕はフレイズ様と一緒にお風呂に入る事にした





ゆったりとお風呂に浸かりながらなら…色々フレイズ様に聞けるだろうか…?
そう思いつつ…服を脱がせて下さるフレイズ様に甘え、今日は僕も脱がして差し上げたいとか模索していた
まさか地下で現在進行系で尋問が進んでいるとは思わず…







………………………
…………………
…………

Side ヤジェ





ぐちゅ…ぬちゅ……ぐちゅぐちゅ………


「ん゙ん゙ん゙ーーっ!!んん゙ーー!!ん゙ん゙っ、んンっーーー!!!」
「ん゙ん゙ーーー!!!ん゙ー!ん゙ー!ん゙ん゙っ、ん゙ーー、!!」


言葉にならない酷いうめき声と、奥をほじくる水音を聞きつつ、私は知らない内にため息をついていた

日中、捕らえたルドレッド公爵家を潰そうと甘く見ている害虫どもを捕獲し、尋問室に入れてからどれくらいの時間が経過しただろうか?


フレイズ様が住まうこの屋敷に土足で踏み入る輩が本当に存在するのかと今も信じたくはないが…
目の前で悶える害虫共がこれは現実だと伝えてくる為、ため息が止まらない
捕獲後、害虫共は脱走と自害を防く目的で食人花の根で何重にも拘束し、口にも喉まで枷を咥えさせている
ほんの僅かでも与えられる尋問の苦痛から逃れる事など出来ない…が、


素直に話せば直ぐにでも苦痛から救ってやると言っているのに、今の所誰一人口を割らない…そんな状況…
旦那様がお戻りになるまでに1人くらいは真相を知っているか知らないのか…判断したかったが…そこまでの時間は無いらしい




「ヤジェさん、たった今、旦那様と奥様がお戻りになりました
明日から尋問を…と指示がありましたが…貴方の事です、もうある程度進んでいますよね?」

「………ええ、仕事は早いに越したことはありませんので進めては居ましたが…
中々口を割らない者達のようで…これは骨が折れますよ…」

「……………ヤジェさん、賊の喉にまで根を咥えさせて頭すらも動かせない程、拘束しては自白どころか意思疎通も出来ないのでは?
はぁ………本日、我々は無傷でしたが、旦那様から受け取ったあの密偵だった男…彼が賊の手により怪我をしてしまった事…相当根に持っていますのね…?
手荒な真似は程々にして下さいませ…奥様…アレン様を怖がらせないように…頼みますよ?」

「…………ええ、勿論、分かっていますよ
今夜だけです、明日からはちゃんと自白を受け入れます」



分かっている…分かっては居るが、我々食人花は一度自分の物だと受け入れた者に対する愛情が深い生物なのだからある程度は許して欲しい…

この屋敷に忍び込んだ賊ではあったが、あの密偵の男は既に情報を全て吐き出し、自分が犯した罪を受け入れ食人花をも受け入れた…私の息子の妻となる存在…
受け入れの準備が間もなく完了する…それまでの間、ルドレッド公爵家で過ごしていたあの男を…この武装した賊は恐らく顔を知っていたのだろう…楽しそうに暮らす彼を見て化け物の一味だと勝手に決めつけ、容赦なく斬りつけた…


人は我々と違いかなり脆い…少しの怪我が命を落とす危険にも繋がるのを分かっていながら…!!
密偵だった男は現在治療中…命に別状は無いが…それでも許せぬものは許せない…

今夜だけ、今夜だけは私の゙好きにさせてもらう
今夜は旦那様様も奥様も夜会に参加した為、地下室には入って来ず、ゆっくりと休まれる…
だからこそ、今夜だけは私の時間だ


奥様の母君の死の真相…それに近い者はここに置いて置くことで奥様の心を傷付ける為、ツヴァイ侯爵家へ送るが…それ以外は恐らくルドレッド公爵家で飼う事になる
その際も、丁寧な対応を出来るよう今のうちに自らが犯した過ちを深く反省させるべきだ




アデリナがため息をつき、尋問室を出たのを確認し、私は再び尋問と言うなの仕置きを捕らえた賊へ行った













※スパイのおじさんは既に食人花の苗床として暮らすことを自ら望んでいます
ヤジェの息子さんとスパイのおじさんは顔合わせも済んでいて、互いに互いを受け入れてる状況…

これから家族になるぞ!孫も見れるぞ!と喜んでいたヤジェにとっては賊がやって来たこととおじさんが怪我した事は本気で許せない感じになっています



食人花は自分の物と選んだ相手に対しての愛情と執着と依存が物凄く高いという補足を踏まえたエピソードでした









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