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18 それぞれの計略
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その夜、王太子の私室の応接セットのソファに座る兄弟がいた。片方の王子には杖が必要なので、ソファには杖が立て掛けられている。
使用人は下がらせたので、密談にはぴったりの状況。兄が2つのグラスにワインを注いで弟に差し出す。
「この前毒入りワインを飲まされたのに、よく飲む気になれますね。私はあれでワインが嫌いになりましたよ」
「あの時置いてあったものは全て入れ替えたから大丈夫さ。毒が怖くてワインが飲めないなんて、未来の国王としてはつまらないし、器の小さな男だと思われたくないからね」
そう言いながら兄はグラスの中の赤いワインを飲み干す。
「いいですよ私は、つまらなくても。気の弱い第二王子ですから、器も小さいですし、毒入りワインを怖がって笑われても気になりませんね」
「気が弱い割には、今回の計画をかなり変えてくれたみたいだね」
兄のフレデリックの目がスッと細められる。
「当たり前でしょう。第二王子を身を挺して庇う婚約者なんて美談はいりません」
「あれは正確には、車椅子の第二王子を命懸けで庇う婚約者にしたかったんだがね」
フレデリックが立てた計画では、暴漢に襲われるのはフィリアになるはずだった。
雇った役者崩れの男には、貴族の女を刺せと指示していたのに、蓋を開けてみたら、役者崩れの男はクリフォードに買収され、クリフォードの手の者が暴漢役をしていた上に、騎士団へ引渡す前にどこかへ消えてしまっていた。
「兄上はそんなに私とポナーを敵にしたいのですか」
「まさか、ただ私の計画の方がより民を味方につけられる」
「生前、母上がおっしゃってましたよ。兄上が無謀な計略を立てようとしたら止めなさいと」
「そうだったな。まあ私は計略を立てるのは好きだが、それをお前がどう判断して、どこまで私を欺こうとしているのかを考えるのも面白いよ」
クリフォードはため息をついた。
「いい加減、弟をおもちゃにするのは止めて下さい」
「体が思うように動かないから、つい色々考えてしまうのかな」
フレデリックは青い瞳を輝かせながらも口許を歪ませるように笑う。
「あなたはそうなる前からいつも私を使ってばかりだったでしょう。大した用が無いのでしたら帰りますよ、一応私は重体なのですから」
「待て、『婚約者を庇う第二王子』の美談を出来るだけ迅速に広めて欲しい。もしかしたら引っ掛かってくれるかもしれない」
「第二王子としての私の人気が出てもいいのですか?」
「大丈夫さ。今回の計画が上手くいけば、王太子としての私の存在をアピールする計画がある」
「わかりました。それと私は今は重体なので、執務をこちらへ回すような事は止めて下さい。周りがあなたの頭を疑いますよ」
そう言ってクリフォードは、至急と書かれているチェックが終わった書類の束を、テーブルの上にばさりと置く。
いつもはイーサンか別の誰かに届けさせるのだが、今日のように言いたい事がある時は、直接届けるようにしている。
「可愛げの無い弟だな」
「可愛げなんてとうの昔に捨てましたから」
そう言うとにっこりと笑い、侍従の扮装をしたクリフォードは部屋から出て行った。
王子達の密談があった数日後、ギレット公爵は自分の屋敷にいた。そして、執務室の大きな椅子に座り、重厚でしっかりした机の上に置いてある新聞を忌々しそうに見ていた。
しばらくそうしていたが、ドアのノック音がしたので、入れとだけ答える。
「失礼します」
遠慮がちな声と共に公爵令嬢のマレーネが入室してきた。
「マレーネ、今日の新聞は読んだか?」
「いいえ、まだですが、どうかなさいましたか」
マレーネには新聞を読む習慣は無かったが、それを言えるような雰囲気ではなかった。
「この記事はどういう事だ?」
新聞には『奇跡の愛!第二王子、暴漢から身を挺して婚約者を守る!』と大きく書かれていた。
「……これはっ!」
マレーネはワナワナと震える手で新聞を読む。新聞には『奇跡と軌跡』の観劇を終えた第二王子と婚約者が暴漢に襲われたが、勇敢な第二王子が自分の体を盾にして婚約者を守った。これこそ奇跡の愛に違いない、と書かれていた。
「第二王子は噂通り弱腰の腑抜けで、傀儡にもなれそうもない、と言っていたな。お前たちの真実の愛もこの二人の奇跡の愛に塗り替えられるぞ。せっかくランドルフ殿下の人気を上げようと、お前たちの劇まで作らせたのに、これでは台無しだっ!」
「こ、これは何かの間違いですわっ」
「この事件は見ていた者が多数いて、皆が王子の勇敢さを称えていたそうだ。お前はあの王子の何を見ていたのだっ!お前がランドルフ殿下の方が見込みがあると言うから、第二王子と婚約解消をしたのだぞ!……遠縁の寄り子だから引き取ったのに、所詮は男爵令嬢だなっ!」
そう言って公爵はマレーネの顔に向かって新聞を投げつける。
「っ!、申し訳ありません」
「ランドルフ殿下が王太子や第二王子よりも下のままでは、お前にも未来はないからな。……美しいだけで養子にと選んでしまったが、そこそこの容姿でも、もっと賢い女を養子に選ぶべきだったな。少しでも長くこの家の娘でいたかったら、ランドルフ殿下から我々にとって有益になりそうな王太子の情報を少しでも聞き出す事だっ!」
実の親子ではないギレット公爵と養女であるマレーネとの関係は、親子というよりも上司と部下のような関係に近い。
マレーネを自室へ下がらせた後、公爵は
ふと昔の事を思い出していた。
公爵という地位では飽き足らず、更なる権力を望み、7年程前に自分の養女であるマレーネと王太子の婚約話を画策した。
しかし、前王妃によってその話は潰されてしまい、王太子は隣国の王女と婚約をしてしまった。
ランドルフが生まれた頃に、当時はどの派閥にも属していなかった側妃の実家を自分の派閥へと組み込み、前王妃が亡き後は側妃を正妃に押し上げる事に成功し、第二王子とマレーネを婚約させる事までは出来た。
しかしここで公爵の計画が崩れる。
第二王子の社交界での評判が悪過ぎたのだ。何度もみ消しても第二王子が無能だという噂が消えない。
これでは第二王子を使って王太子を凌ぐ勢力を作れない。そして、いつまでも内向的で人を寄せ付けようとしない第二王子には公爵も嫌気が差していた。
公爵の思い通りにならない王子たちに見切りを付けたのが一年ほど前。彼らはその2ヶ月後、毒に苦しむ事になる。
王太子を狙ったハズが、たまたまその場にいた、出来損ないの第二王子が先に毒入りのワインを飲んでしまったので、王太子は無事だった。
王太子の私室の掃除を担当していたメイドに毒を仕込ませたが、あちらは実行犯の゙特定までしか出来なかった。
おそらくこちらを疑っているハズ。さすがにもう同じ手は使えないので、次の手を考えないといけない。
しかし、あちらも警戒をしているので、時間を開けないといけない。
今回は第二王子を使って上手く煽ってはきたが、今は動く時ではない。
(前王妃もその息子たちも、忌々しい奴らだ)
「どういう事なのよっ!」
「ひいぃっ」
自室に戻ったマレーネは、侍女に向かってティーカップを投げつけて当たり散らす。
「あなただって一緒にいたから知っているでしょう!クリフォード殿下はいつもオドオドしていたわ。それにあの侍従に頼り切りで、ロクな会話も出来ない人なのよ!今回の事はきっと王太子殿下が何かされたのだわ。そうでないとあんな事はあり得ないわ!」
カップを投げだだけでは足りないマレーネは、ベッドまでツカツカと歩くと絹のクッションを鷲掴んで、何度も乱暴に壁や家具に叩きつける。
叩きつけられたクッションがどこかに引っ掛かって破れ、辺りを白い羽毛が舞う。
「これでは私とランドルフ様の美しい真実の愛が台無しよ!」
何度も叩きつけられたクッションの残骸にマレーネは更に爪を立てて強く握る。
「……それにあの枯葉女、ランドルフ様に見向きもされなかったくせに生意気だわ。……許せない、こんなことは許される事ではないわ……。こうなったら見ていなさい。この私が罰を与えるわ」
羽毛にまみれながらベッドの隅に座り込み、マレーネはブツブツと何事かを一人で話していたが、侍女には何を呟いているのかまでは聞き取れなかった。
乱れた美しいプラチナブロンドの間から見える顔の表情はどこか虚ろで、薄い水色の瞳は暗く濁っていた。
使用人は下がらせたので、密談にはぴったりの状況。兄が2つのグラスにワインを注いで弟に差し出す。
「この前毒入りワインを飲まされたのに、よく飲む気になれますね。私はあれでワインが嫌いになりましたよ」
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そう言いながら兄はグラスの中の赤いワインを飲み干す。
「いいですよ私は、つまらなくても。気の弱い第二王子ですから、器も小さいですし、毒入りワインを怖がって笑われても気になりませんね」
「気が弱い割には、今回の計画をかなり変えてくれたみたいだね」
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「当たり前でしょう。第二王子を身を挺して庇う婚約者なんて美談はいりません」
「あれは正確には、車椅子の第二王子を命懸けで庇う婚約者にしたかったんだがね」
フレデリックが立てた計画では、暴漢に襲われるのはフィリアになるはずだった。
雇った役者崩れの男には、貴族の女を刺せと指示していたのに、蓋を開けてみたら、役者崩れの男はクリフォードに買収され、クリフォードの手の者が暴漢役をしていた上に、騎士団へ引渡す前にどこかへ消えてしまっていた。
「兄上はそんなに私とポナーを敵にしたいのですか」
「まさか、ただ私の計画の方がより民を味方につけられる」
「生前、母上がおっしゃってましたよ。兄上が無謀な計略を立てようとしたら止めなさいと」
「そうだったな。まあ私は計略を立てるのは好きだが、それをお前がどう判断して、どこまで私を欺こうとしているのかを考えるのも面白いよ」
クリフォードはため息をついた。
「いい加減、弟をおもちゃにするのは止めて下さい」
「体が思うように動かないから、つい色々考えてしまうのかな」
フレデリックは青い瞳を輝かせながらも口許を歪ませるように笑う。
「あなたはそうなる前からいつも私を使ってばかりだったでしょう。大した用が無いのでしたら帰りますよ、一応私は重体なのですから」
「待て、『婚約者を庇う第二王子』の美談を出来るだけ迅速に広めて欲しい。もしかしたら引っ掛かってくれるかもしれない」
「第二王子としての私の人気が出てもいいのですか?」
「大丈夫さ。今回の計画が上手くいけば、王太子としての私の存在をアピールする計画がある」
「わかりました。それと私は今は重体なので、執務をこちらへ回すような事は止めて下さい。周りがあなたの頭を疑いますよ」
そう言ってクリフォードは、至急と書かれているチェックが終わった書類の束を、テーブルの上にばさりと置く。
いつもはイーサンか別の誰かに届けさせるのだが、今日のように言いたい事がある時は、直接届けるようにしている。
「可愛げの無い弟だな」
「可愛げなんてとうの昔に捨てましたから」
そう言うとにっこりと笑い、侍従の扮装をしたクリフォードは部屋から出て行った。
王子達の密談があった数日後、ギレット公爵は自分の屋敷にいた。そして、執務室の大きな椅子に座り、重厚でしっかりした机の上に置いてある新聞を忌々しそうに見ていた。
しばらくそうしていたが、ドアのノック音がしたので、入れとだけ答える。
「失礼します」
遠慮がちな声と共に公爵令嬢のマレーネが入室してきた。
「マレーネ、今日の新聞は読んだか?」
「いいえ、まだですが、どうかなさいましたか」
マレーネには新聞を読む習慣は無かったが、それを言えるような雰囲気ではなかった。
「この記事はどういう事だ?」
新聞には『奇跡の愛!第二王子、暴漢から身を挺して婚約者を守る!』と大きく書かれていた。
「……これはっ!」
マレーネはワナワナと震える手で新聞を読む。新聞には『奇跡と軌跡』の観劇を終えた第二王子と婚約者が暴漢に襲われたが、勇敢な第二王子が自分の体を盾にして婚約者を守った。これこそ奇跡の愛に違いない、と書かれていた。
「第二王子は噂通り弱腰の腑抜けで、傀儡にもなれそうもない、と言っていたな。お前たちの真実の愛もこの二人の奇跡の愛に塗り替えられるぞ。せっかくランドルフ殿下の人気を上げようと、お前たちの劇まで作らせたのに、これでは台無しだっ!」
「こ、これは何かの間違いですわっ」
「この事件は見ていた者が多数いて、皆が王子の勇敢さを称えていたそうだ。お前はあの王子の何を見ていたのだっ!お前がランドルフ殿下の方が見込みがあると言うから、第二王子と婚約解消をしたのだぞ!……遠縁の寄り子だから引き取ったのに、所詮は男爵令嬢だなっ!」
そう言って公爵はマレーネの顔に向かって新聞を投げつける。
「っ!、申し訳ありません」
「ランドルフ殿下が王太子や第二王子よりも下のままでは、お前にも未来はないからな。……美しいだけで養子にと選んでしまったが、そこそこの容姿でも、もっと賢い女を養子に選ぶべきだったな。少しでも長くこの家の娘でいたかったら、ランドルフ殿下から我々にとって有益になりそうな王太子の情報を少しでも聞き出す事だっ!」
実の親子ではないギレット公爵と養女であるマレーネとの関係は、親子というよりも上司と部下のような関係に近い。
マレーネを自室へ下がらせた後、公爵は
ふと昔の事を思い出していた。
公爵という地位では飽き足らず、更なる権力を望み、7年程前に自分の養女であるマレーネと王太子の婚約話を画策した。
しかし、前王妃によってその話は潰されてしまい、王太子は隣国の王女と婚約をしてしまった。
ランドルフが生まれた頃に、当時はどの派閥にも属していなかった側妃の実家を自分の派閥へと組み込み、前王妃が亡き後は側妃を正妃に押し上げる事に成功し、第二王子とマレーネを婚約させる事までは出来た。
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公爵の思い通りにならない王子たちに見切りを付けたのが一年ほど前。彼らはその2ヶ月後、毒に苦しむ事になる。
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おそらくこちらを疑っているハズ。さすがにもう同じ手は使えないので、次の手を考えないといけない。
しかし、あちらも警戒をしているので、時間を開けないといけない。
今回は第二王子を使って上手く煽ってはきたが、今は動く時ではない。
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「ひいぃっ」
自室に戻ったマレーネは、侍女に向かってティーカップを投げつけて当たり散らす。
「あなただって一緒にいたから知っているでしょう!クリフォード殿下はいつもオドオドしていたわ。それにあの侍従に頼り切りで、ロクな会話も出来ない人なのよ!今回の事はきっと王太子殿下が何かされたのだわ。そうでないとあんな事はあり得ないわ!」
カップを投げだだけでは足りないマレーネは、ベッドまでツカツカと歩くと絹のクッションを鷲掴んで、何度も乱暴に壁や家具に叩きつける。
叩きつけられたクッションがどこかに引っ掛かって破れ、辺りを白い羽毛が舞う。
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何度も叩きつけられたクッションの残骸にマレーネは更に爪を立てて強く握る。
「……それにあの枯葉女、ランドルフ様に見向きもされなかったくせに生意気だわ。……許せない、こんなことは許される事ではないわ……。こうなったら見ていなさい。この私が罰を与えるわ」
羽毛にまみれながらベッドの隅に座り込み、マレーネはブツブツと何事かを一人で話していたが、侍女には何を呟いているのかまでは聞き取れなかった。
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