白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする

夏生 羽都

文字の大きさ
13 / 31

13 ヘンリックとローゼリア

しおりを挟む
 ヘンリックは自分がどうやって王太子宮の近くまでたどり着いたのかを覚えていなかった。王妃の暮らす離宮は王太子宮とは距離はあったので移動には馬車を使っていたが、どちらも王宮の敷地内にあるので歩いて戻れる距離でもあった。

 いつもなら馬車がやってくるまで玄関で待つのだが、今日は馬車を待たずにヘンリックは歩いて王太子宮の近くまで戻った。途中、道ではない草や木の多い場所も歩いたような記憶もうっすらあったが、そんな事はもうどうでも良かった。

 下を向きながらとぼとぼと一人で歩くヘンリックのすぐそばに二人乗りの小さな馬車が止まった。

 誰とも話をしたくなかったので、それでもヘンリックは止まらずに歩いていたのだが、後ろから声を掛けられてしまった。

「お一人でどうなされたのです?」

 声がした方を振り返ると、目の前にローゼリアがいた。王太子宮から本宮まで彼女はいつも馬車で移動をしていて、今はおそらく執務を終えて帰るところだったのだろう。

「狭いですが、とりあえずお乗りください」

 ローゼリアに言われるままにヘンリックは馬車に乗り込む。ヘンリックには隣に座る彼女の顔を見るような勇気はなく、ずっと俯いていた。

 しかし、こんな時でも身に付けた習慣というものは抜けきらないようで、ヘンリックは馬車が止まると自分が先に降りて自然に体が動くままローゼリアをエスコートしていた。

「まあ、殿下どうなさいましたの!?」

 王太子宮の侍女たちがヘンリックの姿を見て驚く。今の彼は足元が泥だらけで、体のいたるところに草や葉を付けていて、普段の彼とはまるで違う様子だったのだ。

「まずは湯浴みをなさいましょう、その後はすぐにお食事をご用意致します」

「……ああ、頼む。……食事は、いらない」

 侍女にそれだけ答えるとヘンリックは肩を落とし、力の抜けた様子で浴場へと歩いて行った。いつもと違うヘンリックの様子にローゼリアは驚いていた。

 湯浴みを終えた後、ヘンリックは自室に籠り、寝室の寝台の上にただ座っていた。汚れを落としたので身体はすっきりしたが、頭の中は混乱から抜け出せないままだった。

 どれだけそうやっていたのか分からなかったが、何度もドアをノックする音でヘンリックは我に返った。ノックの音は夫婦の寝室に繋がる側のドアからしていた。このドアを使ったのは結婚式の夜だけで、あの日から一度も使われていないドアだった。

 ヘンリックの私室の間取りは応接室と寝室の二部屋で、寝室のドアを閉めてしまうと廊下へと繋がる応接室のドアをノックしても音はあまり聞こえない。そしてこの王太子宮の主であるヘンリックが許さない限り、誰もヘンリックの自室へは入ってくることは出来ないのだ。

 ヘンリックはのろのろと立ち上がって寝室のドアを開ける。ドアの先にはローゼリアがいた。ヘンリックの普段とは違う様子を気遣うような雰囲気はなく、いつもと同じ表情を浮かべているが、今はその方が良かった。ここで優しくされたら、自分が壊れてしまいそうなそんな気がしていた。

「……少しだけお話をしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、すまない。灯を用意させる」

 湯浴みを終えてから自室に籠り始めたのは夕方で、部屋に入れなかった侍女はランプに火を灯す事ができなかったため、ヘンリックの部屋は応接室も寝室も真っ暗だった。

「大丈夫ですわ、こちらでお話を……」

 そう言ってローゼリアはヘンリックを灯の点けられた夫婦の寝室へと招き入れた。

「ひどいお顔ですわ、どうなされたの?」

 ローゼリアはヘンリックの顔をじっと見つめる。ヘンリックは相変わらず俯いたままだった。

「……私は、王太子を退こうと思う」

「王妃様に何か言われましたの?」

 あまりにおかしなヘンリックの様子に、ローゼリアはヘンリックが午後何をしているのかを侍従に確認していた。

「愚かにも私は自分という存在が間違いであった事を今日知った。真実を知れば誰もが間違いは正すべきだと思うだろう」

 ローゼリアに促されるように寝台に腰掛けたヘンリックは、思いつめた表情で小さくそう言った。

「……殿下は知って仕舞われたのですね」

 ヘンリックは隣に座るローゼリアを見る事もなく、無言で頷く。

「殿下は退く必要はございませんのよ」

「真実というものはいつか知られてしまうものだ。ならば私は戴冠前の今、ここで退きたい」

 ヘンリックは落ち着かない様子でまた小刻みに震え出した。頭では理解できたが、まだ信じられないという感情もあるし、これからのヘンリックへの処遇を思うと、彼の未来は明るくない。王位の簒奪には死罪もあり得るし、覚悟はしても怖いものは怖い。

「ええ、確かに疑いを持っている者はいるでしょう。けれども誰にも殿下の治世を揺るがす事はできませんわ」

「そのような事、私は耐えられない」

 そう言ってヘンリックは辛そうな表情を浮かべながら何度も首を横に振る。

 これまで自分をそのように思っていた者が一定数いるなんて思った事もなかった。誰がいつ真実を暴こうとするのかと思うと、これからはそれに怯える日々になるだろう。

「この国には王位継承権の順位はございませんが、殿下の次に王位にふさわしい人物を考えて下さい」

 そう言われてヘンリックは王家の家系図を頭に思い浮かべる。今の国王に兄妹はいなかったが、前国王には姉が一人いた。その姉の嫁ぎ先は……。

「フォレスターか?」

 ヘンリックはやっと顔を上げてローゼリアの顔を見た。

「ええ、私の曾祖母は先の陛下の姉君に当たります。血縁をたどると王家に最も近いのがフォレスターなのです。私にはどの貴族よりも濃いランゲル王家の血が流れていますから、殿下がフォレスターを裏切らない限りフォレスターは殿下の側におりますわ」

「でもそれではキミの御父上や兄上が納得されないだろう」

「父は野心とは無縁の性格ですわ。それに父を玉座に座らせたら民たちに施しをし過ぎて王家はきっと破産してしますわね。兄は私が王家に嫁いでいる限りは支えてくれるでしょうし、兄が国を治めたらランゲルを解体してしまいそうな気がしますの。どちらも私の思う国にはなりませんわ」

「キミの思う国?」

「ええ、私はまず国力を付けさせたいと思っていますの。それに港をもっと開発させて他国と交流を持つべきだと思いますわ。ランゲル人には民族としての誇りがあるのでしょうが、技術は日々進歩していますのよ。私はこれまであまり外には出してもらえませんでしたが、これからは国内の様々な領地を視察してランゲルが他国と競える何かを探したいと思っていますの。例えば東部のオルコット領は紙の産地ですが、エルランドの職人を呼んでもっと質の高い紙を作り出してもいいと思いますのよ」

「そのような事は、……私もしたいと思っていた」

「兄は先の国王陛下のエルランドとの融和政策を進めたいと思っていますの。ランゲルという国を開き、他国の人間をこの国に多く受け入れる。私もそれには賛成なのですが、それは少しずつでいいと思っていますの。ランゲルのような保守的な国を急に変えようとすると反発も多いのでしょうから、それだけ私たち王家への風当たりも強くなりますもの。兄は強い人ですからそのような風も退けてしまうのでしょうが、私たちはそうでなくても良いと思いますわ」

「やはり、私は頼りないのだろうか?」

「あの兄とご自分を比べる事はしない方がいですわ。例えばこの部屋に突然賊が押し入るような事がありましたらどうされますか? 殿下でしたらまず人を呼ぼうとしますでしょう? それは正しいと私は思います。しかし兄は人を呼ぶと同時に、自らも応戦しようとしますわ。兄は子供の頃から自分の寝室の枕元には、騎士が持つような剣を置いていますのよ。それで枕の下には祖父から譲られた短剣を隠していますの。危ないから仕舞うように言っても、武門の家であるフォレスターの次期当主として正しい姿だと言って聞いてくれませんのよ。なのに武官を目指すのではなく文官を目指していたのですから、おかしな話ですわよね」

 そう言ってローゼリアはころころと笑った。ヘンリックはローゼリアが素で笑う姿を初めて間近で見た。

「キミは、美しいな」

 ヘンリックは思ったままを素直に言葉にしたのだが、意外にもローゼリアは頬を染めた。

「ご冗談はおっしゃらないで、この国で私の容姿を褒めるのは家族だけですのに」

 もしもローゼリアがあのような化粧と髪型をしていなかったらきっと美しい令嬢として評判だっただろう。ランゲル人の好む容姿とはタイプが違うが、ローゼリアは目鼻立ちが整っている。

 大きな瞳に筋が通っている小さな鼻、口も小さいが薄紅色の唇はぽってりとしていて青い瞳との対比が彼女をより魅力的に見せる。白金色の髪はふわふわとしていて、触ってみたい衝動に駆られる時もあるし、いつも複雑な編み込みをしていて彼女の美しさを引き立てていた。

「王妃殿下の件はこれまで気付けなくて済まなかった。私が愚かであったばかりにキミには長い間辛い思いをさせていた。ああ、でも今はもう本来のキミの姿を他の者には見せたくない」

「殿下、お酒でもお飲みになりましたの?」

 ローゼリアは不審な者を見るように眉根を寄せる。そんな表情ですら小柄な彼女がすると可愛いと思えてしまう。

「いいや、自分の部屋に戻ってからは酒どころか水も飲んでいない。本当は王太子の立場を退くと同時に私はキミと離縁をしようと思っていたんだ。……でも今はキミを離したくない」

 そう言ってヘンリックはローゼリアを強く抱きしめた。突然の事にローゼリアはあわあわと焦り出す。

「ちょっ、ちょっとおやめになって下さる? 私、こういった事に慣れていませんのよっ」

「私も女性とこのようにするのは初めてだっ」

 ヘンリックの頭に先日のヴィルタとの事が一瞬だけ思い出され、すぐに頭の隅へと追いやった。彼にとって誰かとあんなに身体を密着させたのはあれが初めての事だった。

「殿下には最愛様がいらっしゃったでしょう!」

 ローゼリアは力の限りヘンリックを押しのけようとした。しかし意外にも彼はローゼリアよりも力が強く、簡単には離れてくれない。

「マリーナとは隠れて会う事はあったが、彼女とは食事や買い物をするくらいの付き合いしかしてこなかった」

 確かにマリーナとの恋愛は楽しかった。彼女はエスコートをするヘンリックに自ら身を寄せて、時には抱きつこうとしていたがヘンリックはそういう事は結婚をしてからだと思っていたので過度な接触は控えていた。

「でもっ、その食事も買い物も私はしたことがありませんのよ!」

 そう声を上げたら、突然ヘンリックの腕の力が緩んでローゼリアはやっと開放された。

 社会的には彼らは夫婦ではあるが実情は違う。夫婦らしい事どころか、婚約者らしい事すらロクにした事がなかったのだ。本来ならば婚約者時代に当たり前のようにしていた事をヘンリックはずっと拒否してきたのだから。

「……そうか、順番が違っていた。キミは今、私に望んでいる事はあるか?」

 これまで何もしてこなかったので、ヘンリックは自分の妻がどういうものを好むのかを知らなかった。今ならば彼女が望めば自分は何でもするだろう、だから知りたかった。

 しかしヘンリックの期待に反して彼女の返答は素っ気ないものだった。

「……何も、望んではいませんわ。……殿下に何かしていただくなんて幼い頃に諦めていましたから」

 幼い頃、そんなにも早い時期からローゼリアはヘンリックに見切りをつけていたのだと言われてしまったヘンリックは、自分たちの関係が救い難いものである事を思い知らされたのだった。

「そうか……」

 力なくそれだけ言うとヘンリックは立ち上がり、再び肩を落としてとぼとぼと自分の部屋へと戻ってしまった。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

ここだけの話だけど・・・と愚痴ったら、婚約者候補から外れた件

ひとみん
恋愛
国境防衛の最前線でもあるオブライト辺境伯家の令嬢ルミエール。 何故か王太子の妃候補に選ばれてしまう。「選ばれるはずないから、王都観光でもしておいで」という母の言葉に従って王宮へ。 田舎育ちの彼女には、やっぱり普通の貴族令嬢とはあわなかった。香水臭い部屋。マウントの取り合いに忙しい令嬢達。ちやほやされてご満悦の王太子。 庭園に逃げこみ、仕事をしていた庭師のおじさんをつかまえ辺境伯領仕込みの口の悪さで愚痴り始めるルミエール。 「ここだけの話だからね!」と。 不敬をものともしない、言いたい放題のルミエールに顔色を失くす庭師。 その後、不敬罪に問われる事無く、何故か妃選定がおこなわれる前にルミエールは除外。 その真相は? ルミエールは口が悪いです。言いたい放題。 頭空っぽ推奨!ご都合主義万歳です!

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

【完結】愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた

迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」  待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。 「え……あの、どうし……て?」  あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。  彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。 ーーーーーーーーーーーーー  侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。  吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。  自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。  だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。  婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。 第18回恋愛小説大賞で、『奨励賞』をいただきましたっ! ※基本的にゆるふわ設定です。 ※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます ※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。 ※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。 ※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)  

婚約破棄されたけれど、どうぞ勝手に没落してくださいませ。私は辺境で第二の人生を満喫しますわ

鍛高譚
恋愛
「白い結婚でいい。 平凡で、静かな生活が送れれば――それだけで幸せでしたのに。」 婚約破棄され、行き場を失った伯爵令嬢アナスタシア。 彼女を救ったのは“冷徹”と噂される公爵・ルキウスだった。 二人の結婚は、互いに干渉しない 『白い結婚』――ただの契約のはずだった。 ……はずなのに。 邸内で起きる不可解な襲撃。 操られた侍女が放つ言葉。 浮かび上がる“白の一族”の血――そしてアナスタシアの身体に眠る 浄化の魔力。 「白の娘よ。いずれ迎えに行く」 影の王から届いた脅迫状が、運命の刻を告げる。 守るために剣を握る公爵。 守られるだけで終わらせないと誓う令嬢。 契約から始まったはずの二人の関係は、 いつしか互いに手放せない 真実の愛 へと変わってゆく。 「君を奪わせはしない」 「わたくしも……あなたを守りたいのです」 これは―― 白い結婚から始まり、影の王を巡る大いなる戦いへ踏み出す、 覚醒令嬢と冷徹公爵の“運命の恋と陰謀”の物語。 ---

婚約破棄ありがとう!と笑ったら、元婚約者が泣きながら復縁を迫ってきました

ほーみ
恋愛
「――婚約を破棄する!」  大広間に響いたその宣告は、きっと誰もが予想していたことだったのだろう。  けれど、当事者である私――エリス・ローレンツの胸の内には、不思議なほどの安堵しかなかった。  王太子殿下であるレオンハルト様に、婚約を破棄される。  婚約者として彼に尽くした八年間の努力は、彼のたった一言で終わった。  だが、私の唇からこぼれたのは悲鳴でも涙でもなく――。

貴方なんて大嫌い

ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い

もう演じなくて結構です

梨丸
恋愛
侯爵令嬢セリーヌは最愛の婚約者が自分のことを愛していないことに気づく。 愛しの婚約者様、もう婚約者を演じなくて結構です。 11/5HOTランキング入りしました。ありがとうございます。   感想などいただけると、嬉しいです。 11/14 完結いたしました。 11/16 完結小説ランキング総合8位、恋愛部門4位ありがとうございます。

【受賞&本編完結】たとえあなたに選ばれなくても【改訂中】

神宮寺 あおい
恋愛
人を踏みつけた者には相応の報いを。 伯爵令嬢のアリシアは半年後に結婚する予定だった。 公爵家次男の婚約者、ルーカスと両思いで一緒になれるのを楽しみにしていたのに。 ルーカスにとって腹違いの兄、ニコラオスの突然の死が全てを狂わせていく。 義母の願う血筋の継承。 ニコラオスの婚約者、フォティアからの横槍。 公爵家を継ぐ義務に縛られるルーカス。 フォティアのお腹にはニコラオスの子供が宿っており、正統なる後継者を望む義母はルーカスとアリシアの婚約を破棄させ、フォティアと婚約させようとする。 そんな中アリシアのお腹にもまた小さな命が。 アリシアとルーカスの思いとは裏腹に2人は周りの思惑に振り回されていく。 何があってもこの子を守らなければ。 大切なあなたとの未来を夢見たいのに許されない。 ならば私は去りましょう。 たとえあなたに選ばれなくても。 私は私の人生を歩んでいく。 これは普通の伯爵令嬢と訳あり公爵令息の、想いが報われるまでの物語。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 読む前にご確認いただけると助かります。 1)西洋の貴族社会をベースにした世界観ではあるものの、あくまでファンタジーです 2)作中では第一王位継承者のみ『皇太子』とし、それ以外は『王子』『王女』としています →ただ今『皇太子』を『王太子』へ、さらに文頭一文字下げなど、表記を改訂中です。  そのため一時的に『皇太子』と『王太子』が混在しております。 よろしくお願いいたします。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 誤字を教えてくださる方、ありがとうございます。 読み返してから投稿しているのですが、見落としていることがあるのでとても助かります。 アルファポリス第18回恋愛小説大賞 奨励賞受賞

処理中です...