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3話
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【王女side】
王女は魔法使いに言われた言葉を考えた。魔法使いが言っていた真実の愛は永遠ではない、という言葉に王女は心の中で強い反発心を覚えていたのだ。
王女は生まれた時から愛に囲まれていた。国王である父親も、王妃である母親も、王子である兄もみんなが王女を可愛がって愛してくれた。家族はこれまでもこれからも、変わらずに王女を愛し続けてくれる。魔法使いは孤児として育ったから、愛され続けるという事が分からないのだ。王女はそう思う事にした。
侍女たちはいつも王女の事を「大変お美しい」と褒めてくれるし、パーティーに出ると王女を見た令息たちは頬を赤く染め、令嬢たちですら王女を羨望の眼差しで見つめるのだ。時々王女の事を悪く言う令嬢や令息はいたが、それ以上に王女を美しいと褒める者の方が多かった。
魔法使いには言わなかったが、婚約者の侯爵令息が王女を悪く言っていたのは、彼が友人だと話していた令嬢と部屋で二人きりでいる時だった。
その日王女は公務があったので、昼間に開かれるそのパーティーに参加をする予定はなかった。しかし公務が思っていたよりも早く終わったので、侯爵令息に会いたかった王女は遅れてパーティーに参加をしたのだった。
パーティー会場で侯爵令息を見つけられなかった王女は、休憩室の近くを歩いていた。そこで休憩室の扉のひとつが少しだけ開いているのを見つけてしまったのだ。すぐにその扉から離れようと思ったのだけれど、部屋の中から侯爵令息らしき声が聞こえてしまったので、悪いことだと分かっていても耳を傾けてしまった。
二人は楽しそうに王女の事を悪く言って笑い合っていた。
そして次に会った時、侯爵令息は王女を罵ったのと同じ口で王女に愛を囁いたのだった。
◆◆◆
王女は王都の外れにある森の中をひとりきりで歩いていた。
王女は以前、魔法使いから王都の東に広がる森の中には魔女が住んでいるのだと聞いたことがあった。王女は森の入口に馬車を待たせて、魔女の家を目指して歩いていた。
森の中をしばらく歩いていたら、一軒の小さな家を見つけた。煙突からは煙が立ち上り、窓には干した草がカーテンのようにたくさん掛けられているのを見て、ここが魔女の家なのだと王女は思った。
王女が遠慮がちにトントンとドアをノックすると「どうぞ」と女性の声が聞こえてドアが開いた。中から姿を見せたのは、赤毛で中年の女だった。
「私に、何か用かい?」
「あなたは魔女さまでしょうか?」
「ああ、そうだよ」
「実はお願いがございます」
そう言って王女は袋に入った金貨を魔女に見せるのだった。その金貨は王女がこれまでお小遣いだと与えられていたのを貯めていたお金だった。
◆◆◆
それからひと月ほど経ったある満月の晩、王女の部屋の窓をコツコツと何かで叩くような音がしたので、王女は窓を開けた。すると窓の手すりの上に真っ黒なカラスがいたのだった。
カラスの足には小さな小瓶がくくりつけられていた。王女が小瓶を受け取ると、カラスはひと声だけ鳴いて夜の空へと消えていった。
翌日の朝、王女の世話を担当している侍女がいつものように王女を起こそうと王女のベッドまでやってきた。毎朝している事なので、侍女にとっては日常の風景だったはずだったが、その日はいつもとは違っていた。
「ぎゃあああぁ!」
王女の掛け布をめくった侍女は、城中に聞こえるかと思えるほどの大きな叫び声を上げたのだった。
王女の寝台には王女の寝間着を着て、王女と同じ金色の髪を持ったヒキガエルの顔をした女が気持ち良さそうに眠っていたのだから。
王女は魔法使いに言われた言葉を考えた。魔法使いが言っていた真実の愛は永遠ではない、という言葉に王女は心の中で強い反発心を覚えていたのだ。
王女は生まれた時から愛に囲まれていた。国王である父親も、王妃である母親も、王子である兄もみんなが王女を可愛がって愛してくれた。家族はこれまでもこれからも、変わらずに王女を愛し続けてくれる。魔法使いは孤児として育ったから、愛され続けるという事が分からないのだ。王女はそう思う事にした。
侍女たちはいつも王女の事を「大変お美しい」と褒めてくれるし、パーティーに出ると王女を見た令息たちは頬を赤く染め、令嬢たちですら王女を羨望の眼差しで見つめるのだ。時々王女の事を悪く言う令嬢や令息はいたが、それ以上に王女を美しいと褒める者の方が多かった。
魔法使いには言わなかったが、婚約者の侯爵令息が王女を悪く言っていたのは、彼が友人だと話していた令嬢と部屋で二人きりでいる時だった。
その日王女は公務があったので、昼間に開かれるそのパーティーに参加をする予定はなかった。しかし公務が思っていたよりも早く終わったので、侯爵令息に会いたかった王女は遅れてパーティーに参加をしたのだった。
パーティー会場で侯爵令息を見つけられなかった王女は、休憩室の近くを歩いていた。そこで休憩室の扉のひとつが少しだけ開いているのを見つけてしまったのだ。すぐにその扉から離れようと思ったのだけれど、部屋の中から侯爵令息らしき声が聞こえてしまったので、悪いことだと分かっていても耳を傾けてしまった。
二人は楽しそうに王女の事を悪く言って笑い合っていた。
そして次に会った時、侯爵令息は王女を罵ったのと同じ口で王女に愛を囁いたのだった。
◆◆◆
王女は王都の外れにある森の中をひとりきりで歩いていた。
王女は以前、魔法使いから王都の東に広がる森の中には魔女が住んでいるのだと聞いたことがあった。王女は森の入口に馬車を待たせて、魔女の家を目指して歩いていた。
森の中をしばらく歩いていたら、一軒の小さな家を見つけた。煙突からは煙が立ち上り、窓には干した草がカーテンのようにたくさん掛けられているのを見て、ここが魔女の家なのだと王女は思った。
王女が遠慮がちにトントンとドアをノックすると「どうぞ」と女性の声が聞こえてドアが開いた。中から姿を見せたのは、赤毛で中年の女だった。
「私に、何か用かい?」
「あなたは魔女さまでしょうか?」
「ああ、そうだよ」
「実はお願いがございます」
そう言って王女は袋に入った金貨を魔女に見せるのだった。その金貨は王女がこれまでお小遣いだと与えられていたのを貯めていたお金だった。
◆◆◆
それからひと月ほど経ったある満月の晩、王女の部屋の窓をコツコツと何かで叩くような音がしたので、王女は窓を開けた。すると窓の手すりの上に真っ黒なカラスがいたのだった。
カラスの足には小さな小瓶がくくりつけられていた。王女が小瓶を受け取ると、カラスはひと声だけ鳴いて夜の空へと消えていった。
翌日の朝、王女の世話を担当している侍女がいつものように王女を起こそうと王女のベッドまでやってきた。毎朝している事なので、侍女にとっては日常の風景だったはずだったが、その日はいつもとは違っていた。
「ぎゃあああぁ!」
王女の掛け布をめくった侍女は、城中に聞こえるかと思えるほどの大きな叫び声を上げたのだった。
王女の寝台には王女の寝間着を着て、王女と同じ金色の髪を持ったヒキガエルの顔をした女が気持ち良さそうに眠っていたのだから。
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