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3章 2.新たなる標的2
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朝、普段よりも早く起きると学校の準備を済ませる亜紀。6時半には学校の中に入ると生徒の居ない廊下を歩き、職員室の前に立つとドアを開け、中を覗くと部屋を見渡す。(居ないみたい...)そう思った瞬間、背後からの声に驚きながら振り返る。
「おはようございます。佐藤さん、こんなに早く誰かに用ですか?」
「アッ、おはようございます沢木先生...」
振り返り、少し顔を見上げると頭を下げて挨拶を返す亜紀。頭を上げもう一度顔を見ると緊張した顔つきで
「あ、あの...先生にお話...と言うか...少し相談したいことが...」
俯きながら、緊張で震えそうになる身体を抑える様に手をグッと握る。その様子を見ると何かを察したのか、顔を亜紀に近づけると、
「もしかしてここだと話しづらい事かな?隣の部屋誰も来ないからそっちに行きましょうか。」
優しい口調で周りに聞こえない様に耳元で言う沢木に頷くと、隣の部屋に一緒に移動する。部屋に置かれた椅子に向かい合わせに座ると、亜紀の目を見る。
「どうしたの佐藤さん。相談って?」
「あ、あの...先生、先に...約束して欲しいんです...誰にも話さない...って...」
緊張した面持ちで膝に手を揃え少し震える声で話しかける様子に只事ではないかもしれないと思いながら、亜紀の手に自分の手をそっと置くと
「大丈夫よ。今から佐藤さんが話す事は誰にも言いません。約束します。ゆっくりでいいから話してみて...」
自分を心配する様に話しながら、握られる手に一度深呼吸する亜紀...
「その...えっと...私...」
「落ち着いて。大丈夫だから。」
「私、少し前に.......万引きをしてしまったんです。」
俯きながら、声を震わせ話し出す亜紀の言葉に少し驚いた。真面目で大人しい佐藤からの突然の報告。だが、先ずは話しを全て聞くのが先決だと判断しゆっくりと、頷く。
「それは私が悪かったんです。流されて、と言うか意思が弱くて...友達に虐められてとかでも無いんです。本当に...」
「そうなのね。」
「その後なんです...」
相槌を打つように返事をした沢木の後に続く様に話しを続ける亜紀。
「そのあと...この学校の用務員の男が、私の所に来て...」
話し始めると、あの時の事が頭をよぎり目に涙が溜まる。
「佐藤さん、落ち着いて...ね?」
握る手をもう一度握り返すと、嫌な事が頭を巡る。(まさか、そんな事が?もし想像通りだとしたら許される事ではない。約束はしたが、校長や警察にも...)
「どうやって手に入れたのかは分からないけど、万引きした動画を見せて来て.....脅されて...その...」
俯く亜紀に身体を寄せ肩から背中に手を回す。
「大丈夫、もう話さなくても...大丈夫だから...」
「先生、絶対に誰にも言わないで下さい。バレたら私、私...」
「大丈夫だから、私に任せて。この事は絶対に言わないし何とかしてあげるから...ね。」
涙を流しながら話す亜紀を落ち着かせながら、女子生徒を脅し更には身体を求める様な男に怒りを覚える。許す事は出来ない…いや、許して良いはずがない。そう思うとこの子を何とかしてあげたい。私が助けてあげる。そう決意するのであった。
「おはようございます。佐藤さん、こんなに早く誰かに用ですか?」
「アッ、おはようございます沢木先生...」
振り返り、少し顔を見上げると頭を下げて挨拶を返す亜紀。頭を上げもう一度顔を見ると緊張した顔つきで
「あ、あの...先生にお話...と言うか...少し相談したいことが...」
俯きながら、緊張で震えそうになる身体を抑える様に手をグッと握る。その様子を見ると何かを察したのか、顔を亜紀に近づけると、
「もしかしてここだと話しづらい事かな?隣の部屋誰も来ないからそっちに行きましょうか。」
優しい口調で周りに聞こえない様に耳元で言う沢木に頷くと、隣の部屋に一緒に移動する。部屋に置かれた椅子に向かい合わせに座ると、亜紀の目を見る。
「どうしたの佐藤さん。相談って?」
「あ、あの...先生、先に...約束して欲しいんです...誰にも話さない...って...」
緊張した面持ちで膝に手を揃え少し震える声で話しかける様子に只事ではないかもしれないと思いながら、亜紀の手に自分の手をそっと置くと
「大丈夫よ。今から佐藤さんが話す事は誰にも言いません。約束します。ゆっくりでいいから話してみて...」
自分を心配する様に話しながら、握られる手に一度深呼吸する亜紀...
「その...えっと...私...」
「落ち着いて。大丈夫だから。」
「私、少し前に.......万引きをしてしまったんです。」
俯きながら、声を震わせ話し出す亜紀の言葉に少し驚いた。真面目で大人しい佐藤からの突然の報告。だが、先ずは話しを全て聞くのが先決だと判断しゆっくりと、頷く。
「それは私が悪かったんです。流されて、と言うか意思が弱くて...友達に虐められてとかでも無いんです。本当に...」
「そうなのね。」
「その後なんです...」
相槌を打つように返事をした沢木の後に続く様に話しを続ける亜紀。
「そのあと...この学校の用務員の男が、私の所に来て...」
話し始めると、あの時の事が頭をよぎり目に涙が溜まる。
「佐藤さん、落ち着いて...ね?」
握る手をもう一度握り返すと、嫌な事が頭を巡る。(まさか、そんな事が?もし想像通りだとしたら許される事ではない。約束はしたが、校長や警察にも...)
「どうやって手に入れたのかは分からないけど、万引きした動画を見せて来て.....脅されて...その...」
俯く亜紀に身体を寄せ肩から背中に手を回す。
「大丈夫、もう話さなくても...大丈夫だから...」
「先生、絶対に誰にも言わないで下さい。バレたら私、私...」
「大丈夫だから、私に任せて。この事は絶対に言わないし何とかしてあげるから...ね。」
涙を流しながら話す亜紀を落ち着かせながら、女子生徒を脅し更には身体を求める様な男に怒りを覚える。許す事は出来ない…いや、許して良いはずがない。そう思うとこの子を何とかしてあげたい。私が助けてあげる。そう決意するのであった。
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