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3章 3.新たなる標的3
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昔から真面目で正義感が強く、父親の勧めで小学校から始めた剣道のせいもあってか勝気な性格の美鈴。両親の影響で教師になったが、警察官の方が向いているのではと言われる事も…
朝の亜紀の話に仕事も手につかず、授業の間の休みに少し亜紀と話し、状況を整理しながら、普段そこまで接点は無いものの、廊下や職員室で顔を合わせるとこちらを値踏みする様に、見る目が気持ち悪く同時に怒りが込み上げる。
(あの男...本当に気持ち悪い。まさか生徒に手を出すなんて...それも脅しと言う卑劣な手を使って...出来るなら警察官に突き出してやりたい。でも、そうすると、佐藤さんの事や、学校自体の評価や評判が悪くなるのも事実。今の世の中そんな話が出れば、ネットに取り上げられ、全然関係ない事まで噂の対象にされる事は想像が付く。明日からのゴールデンウィーク、折角ゆっくり出来ると思ったのに...)
色々と頭で考えるが、どうすればいいのか考えが纏まらないまま時間だけが過ぎる。時計を見ると丁度昼休みのチャイムが鳴る。その音を聞けば、思いったった様に立ち上がると、職員室を出て校庭端の用務員室へと向かうのであった。
昼休み明け、会議の予定もある為、時間はそんなにある訳では無いが、相談された以上何とかしてあげたいと思うと、用務員室のドアをノックした。
「はい?誰ですか?」
ノックの音に中から返事が聞こえると、一旦気持ちを落ち着かせる美鈴...
「沢木です。2年の学年主任の...」
興奮して話せば、頭に血が上り冷静な対応が出来ないと思い、普段の様に静かな口調で名前を言う。
「あぁ~...どうぞ開いてますよ」
「少し田中さんにお話が有りまして」
開いているとの返しに、ドアを開けると、話しを切り出す。
「実は、生徒から相談を受けまして...田中さんの事で...」
「はぁ?そうなんですかぁ~」
とぼけた顔でニヤニヤと入り口に立つ沢木を見ると間の抜けた返事をする田中。
「何か心当たりとか無いですか?女子生徒なんですが...2年の…」
「へぇ~...さぁなんの事だか?」
「ちゃんと思い出して下さい!私は事情を知ってるんです!」
「いや~、全然覚えが無いですよぉ~何の事です?」
半笑いの顔を見ていると段々と苛立ちを覚えだす美鈴
「佐藤...佐藤亜紀、この名前に覚えが有りますよね?」
「だから何を言ってるのか分かりませんよ。」
「貴方この生徒を脅してるんでしょ!知ってるんです!」
「だから...なんの事だか...それとも何か証拠でも有るんですか?その...佐藤さんでしたっけ?その子を私が、脅してるって...まさか相談されたからってだけで私を疑って、乗り込んで来たとか?」
「えっ...そ、その...」
確かに田中の言う通りだ、亜紀から話は聞いたが証拠は無い、余りに衝撃的な内容だったので、既に冷静さを欠いてしまってたのかも知れない。そう思いながらも乗り込んだ以上何か話しを付けなくては...言葉を詰まらせる沢木をニヤニヤと見ると
「まさか、聞いた話だけで私を疑うとか...佐藤さんが私を陥れようとしてるって事もありますよねぇ~。一方的にこっちを疑うって言うのも酷い話じゃ無いですか」
「そ、それは...」
完全に言葉を詰まらせ勢いが無くなる沢木を煽る様に、側に近寄り自分より背の高い沢木の顔を下から覗き込み、勝ち誇った様な顔で笑う。
その顔、話し方に顔をキッと睨むと
「スマホ、スマホを見せなさい。証拠はスマホにある筈です。」
「じゃあもし何も無かったらどうしてくれるんです?いきなり現れて、犯人扱いされ、プライベートのスマホまで覗かれるんだ、何も無い時の覚悟ぐらい有るんでしょうねぇ~沢木先生...」
「そ、その時は何も無かったで良いじゃないですか!怪しい行動を取る貴方にも問題があったって事じゃ無いですか!」
「良かった。なんてそんな事じゃこっちの気が収まりませんよ...もし何も無かったらキッチリ謝って下さいね。約束ですよ。」
「分かったわ!何も無かったら謝ります。だからスマホを見せなさい!」
睨みながら捲し立てる沢木に、ロックを外したスマホを渡すと、動画や画像、メールを開き確認する美鈴は目を見開き、動かなくなる。
「何か見つかりました?証拠になる様な画像とか...あったなら見せて下さいよ沢木先生…」
沢木に渡したスマホを取ると、悔しそうな顔をする沢木を、薄ら笑いを浮かべながら見る。
「すみません...証拠は無かったです。」
小さな声で謝る美鈴...
(絶対おかしい、こんなはず無い。もしかして消したとか?私は今日の朝、聞いて突然ここに来た。だから準備して消しておく事も出来ない...なんで?)
「ん?何か言いましたか?聞こえませんよ~。それに、そんな態度で謝ってるつもりですか?」
腕を組みニヤニヤと笑う顔を睨むと
「疑ってすみませんでした。私の早とちりだったみたいです。本当に申し訳ありませんでした。」
田中の目の前で頭を深々と下げ謝る美鈴。
(絶対に何かある...佐藤さんが嘘を付く分けない。)
「まぁ誰にでも間違いはありますよぉ~。反省してくれてるなら今回は許してあげますよ沢木先生」
(なんで、こんな太ったデブオヤジに頭を下げなきゃいけないのよ。しかも許してあげるって...)
屈辱的な状況に感情を抑えながら、頭を上げると、会議の時間までもうすぐで...何も言わず部屋を後にする。
(へへへっ、俺に頭を下げる時の顔...唆るねぇ~あの性格、また来るのは間違いない。予定通りだ。今度はもっといい表情にしてやるよ)
朝の亜紀の話に仕事も手につかず、授業の間の休みに少し亜紀と話し、状況を整理しながら、普段そこまで接点は無いものの、廊下や職員室で顔を合わせるとこちらを値踏みする様に、見る目が気持ち悪く同時に怒りが込み上げる。
(あの男...本当に気持ち悪い。まさか生徒に手を出すなんて...それも脅しと言う卑劣な手を使って...出来るなら警察官に突き出してやりたい。でも、そうすると、佐藤さんの事や、学校自体の評価や評判が悪くなるのも事実。今の世の中そんな話が出れば、ネットに取り上げられ、全然関係ない事まで噂の対象にされる事は想像が付く。明日からのゴールデンウィーク、折角ゆっくり出来ると思ったのに...)
色々と頭で考えるが、どうすればいいのか考えが纏まらないまま時間だけが過ぎる。時計を見ると丁度昼休みのチャイムが鳴る。その音を聞けば、思いったった様に立ち上がると、職員室を出て校庭端の用務員室へと向かうのであった。
昼休み明け、会議の予定もある為、時間はそんなにある訳では無いが、相談された以上何とかしてあげたいと思うと、用務員室のドアをノックした。
「はい?誰ですか?」
ノックの音に中から返事が聞こえると、一旦気持ちを落ち着かせる美鈴...
「沢木です。2年の学年主任の...」
興奮して話せば、頭に血が上り冷静な対応が出来ないと思い、普段の様に静かな口調で名前を言う。
「あぁ~...どうぞ開いてますよ」
「少し田中さんにお話が有りまして」
開いているとの返しに、ドアを開けると、話しを切り出す。
「実は、生徒から相談を受けまして...田中さんの事で...」
「はぁ?そうなんですかぁ~」
とぼけた顔でニヤニヤと入り口に立つ沢木を見ると間の抜けた返事をする田中。
「何か心当たりとか無いですか?女子生徒なんですが...2年の…」
「へぇ~...さぁなんの事だか?」
「ちゃんと思い出して下さい!私は事情を知ってるんです!」
「いや~、全然覚えが無いですよぉ~何の事です?」
半笑いの顔を見ていると段々と苛立ちを覚えだす美鈴
「佐藤...佐藤亜紀、この名前に覚えが有りますよね?」
「だから何を言ってるのか分かりませんよ。」
「貴方この生徒を脅してるんでしょ!知ってるんです!」
「だから...なんの事だか...それとも何か証拠でも有るんですか?その...佐藤さんでしたっけ?その子を私が、脅してるって...まさか相談されたからってだけで私を疑って、乗り込んで来たとか?」
「えっ...そ、その...」
確かに田中の言う通りだ、亜紀から話は聞いたが証拠は無い、余りに衝撃的な内容だったので、既に冷静さを欠いてしまってたのかも知れない。そう思いながらも乗り込んだ以上何か話しを付けなくては...言葉を詰まらせる沢木をニヤニヤと見ると
「まさか、聞いた話だけで私を疑うとか...佐藤さんが私を陥れようとしてるって事もありますよねぇ~。一方的にこっちを疑うって言うのも酷い話じゃ無いですか」
「そ、それは...」
完全に言葉を詰まらせ勢いが無くなる沢木を煽る様に、側に近寄り自分より背の高い沢木の顔を下から覗き込み、勝ち誇った様な顔で笑う。
その顔、話し方に顔をキッと睨むと
「スマホ、スマホを見せなさい。証拠はスマホにある筈です。」
「じゃあもし何も無かったらどうしてくれるんです?いきなり現れて、犯人扱いされ、プライベートのスマホまで覗かれるんだ、何も無い時の覚悟ぐらい有るんでしょうねぇ~沢木先生...」
「そ、その時は何も無かったで良いじゃないですか!怪しい行動を取る貴方にも問題があったって事じゃ無いですか!」
「良かった。なんてそんな事じゃこっちの気が収まりませんよ...もし何も無かったらキッチリ謝って下さいね。約束ですよ。」
「分かったわ!何も無かったら謝ります。だからスマホを見せなさい!」
睨みながら捲し立てる沢木に、ロックを外したスマホを渡すと、動画や画像、メールを開き確認する美鈴は目を見開き、動かなくなる。
「何か見つかりました?証拠になる様な画像とか...あったなら見せて下さいよ沢木先生…」
沢木に渡したスマホを取ると、悔しそうな顔をする沢木を、薄ら笑いを浮かべながら見る。
「すみません...証拠は無かったです。」
小さな声で謝る美鈴...
(絶対おかしい、こんなはず無い。もしかして消したとか?私は今日の朝、聞いて突然ここに来た。だから準備して消しておく事も出来ない...なんで?)
「ん?何か言いましたか?聞こえませんよ~。それに、そんな態度で謝ってるつもりですか?」
腕を組みニヤニヤと笑う顔を睨むと
「疑ってすみませんでした。私の早とちりだったみたいです。本当に申し訳ありませんでした。」
田中の目の前で頭を深々と下げ謝る美鈴。
(絶対に何かある...佐藤さんが嘘を付く分けない。)
「まぁ誰にでも間違いはありますよぉ~。反省してくれてるなら今回は許してあげますよ沢木先生」
(なんで、こんな太ったデブオヤジに頭を下げなきゃいけないのよ。しかも許してあげるって...)
屈辱的な状況に感情を抑えながら、頭を上げると、会議の時間までもうすぐで...何も言わず部屋を後にする。
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