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本編・アリスティアの学園生活
華、咲き乱れる夜※微表現有り注意
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その後、ジークハルトの目の前に、バスタオル姿のアリスティアが。そのまま現れた。
風呂上がりの紅潮した絹の様な彼女の肌と
彼女から仄かに香る華の甘く芳しき匂いが
ジークハルトの脳裏に突き刺さる。
「うぁ…あ…?…アリ…スッ!?」
「二人きりだから、何も問題ないはずです!」
「いや、しかし…それは、あまりにも…!」
ジークハルトの胸の鼓動はとても早くなって、アリスティアから顔を背けた。
よもやその様な姿のアリスティアが、自分の目の前に現れるとは、ジークハルトも予想だにしていなかったのだ。
「…ジーク…知ってるとは思いますが、今日も明日も、二人だけですよ?」
アリスティアの目は据わっていた。
ジークハルトは生唾を飲み込む。
「…はい」
「…ですから、二人だけで、いろんな事、ジークもしたいですよね?」
「…はい」
頬を染め上げながら、視線をアリスティアから彼方の方へと背ける、ジークハルトの潤んだ瞳、アリスティアはそれを自分のものだけにしたいと、彼女の中でも欲望が膨れ上がっていく。
アリスティアは、そっぽを向くジークハルトの顔を覗き込んで微笑む。
「…ねえ、ジーク…。寝室で…先に行って、少し待ってて欲しいの…。」
「!!」
「…今夜は、二人っきりだから…。ね、良いでしょ?あ・な・た♡」
とても妖艶に囁くアリスティアに、ジークハルトは無言で頷いた。
彼も一人の男である、アリスティアの誘いにジークハルトも腹を括る。
大きく深呼吸をして覚悟を決めた。
窓の外は無数の星達と鋭い三日月が煌々と輝き、闇夜を切り裂く様に照らしていた。月の光に照らされた、薄暗がりの部屋の中で、お互いを見つめ合う二人の輪郭がくっきりと映し出される。
「本当に…良いのですか?アリス…。」
「ジーク、今更、やめるなんて無しですよ?私、もう我慢出来ません。」
「アリスにこの様な格好をさせてしまっているのに、逃げるなんて出来ませんよ」
顔を真っ赤にしてアリスティアを見つめるジークハルト、彼女は、その身にまとうベビードールの肩紐に指を掛けて艶やかに微笑む。
「…ジーク…私の純潔を、私の全てをあなたに差し上げます…。ですので、あなたの全てを私に下さい。」
「…アリス、私の心はずっと昔からあなたのモノですよ、私はずっとアリスだけをみていたのだから…。」
「…でしたら、ジークがまだ知らない、私の姿のを…しっかりと、その目に焼き付けてくださいね。」
アリスティアは身に付けていた純白のベビードールをその場で脱ぎ落とすと、月光の元に光に照らされた素肌を晒す。
ジークハルトの眼には、全裸のアリスティアの姿が、まるで一枚の絵画を切り出したかの様に映った。
「…こんな…なんて…美しい…」
ジークハルトはアリスティアの産まれたままの姿に、ただ茫然と見惚れていた。
少し恥ずかしくなったアリスティアは勢いに任せて、ジークハルトの胸へとそのまま飛び込んだ。
ジークハルトはアリスティアの柔らかい肌の温もりを感じながらゆっくりと優しく抱きしめている。言い様もない多幸感が彼の中で溢れだした。
「アリス…二人にとって、今、この時間を忘れられない夜にしましょう…。」
「…はい…あの…ジーク…。優しく、して下さいね」
ジークハルトの琴線が、静かにプツリと切れると、アリスティアを抱き締めたまま、そのまま寝台へと二人纏めて、ゆっくりと沈み込んで行った。
「あっ…ジーク…♡」
「…ごめんなさい…もう我慢の限界です」
「…うん…私も…。」
ジークハルトの鋼の様な鍛えられた腕に抱かれたアリスティアは、心を落ち着かせながら、静かに全身の力を抜いて、ジークハルトの全てをその身に受け入れた。身体に走る微かな痛みがアリスティアに生きていると言う事を実感させた。
程よく育った果実を実らせ、美しく咲き乱れる華を、ジークハルトは己の腕の中で優しく慈悲深く、労わる様に愛でる、華の濃厚な甘い蜜と、芳しき眩い華の香りに誘われて、深く深く、奥へ奥へ、ジークハルトはアリスティアの奏でる夢幻の微睡へと堕ちていく。
蒸気の籠った熱い吐息が、艶やかな喘ぎと重なり合って、身も心もどろどろに溶け合う様に混じり合わせる。
お互いの欲求をぶつけ合い。貪り合う様に相手を心の奥底から求め合う。
時には流れに身を任せる様に、アリスティアはジークハルトが思うまま、彼の我儘にその身を任せた。
二人は見つめ合うたびに、切ない想いが言葉となって、相手の名を紡いで、唇からこぼれ落ちる。
一筋の涙がアリスティアの頬を流れると、ジークハルトはそれを唇で掬い取り、そして、彼女の唇と優しく重ね合わせた、湿った舌先が絡まり、唇の隙間から蒸気と艶やかな喘ぎが溢れた。
指先を絡ませて、二人はお互いの手をしっかりと握り合わた、二人は離れ離れにならない様に抱き合っていた。
※
龍は美しく咲き乱れた花園をゆっくり進む。
時々、色とりどりに咲き誇る花達は蜜を蓄え、揺れている。龍はたまに背後を振り向きながら、たまに立ち止まりながら、ゆっくりゆっくりと前へ進む。
そして、花園の一番奥で見つけた、花に囲まれ隠された様な小屋。
龍は鼻先で、小屋の小さな入り口の扉を優しくノックする。
トントン、トントンと優しくノックする。
小屋の中から返事はなかった。
口先でゆっくりと優しく丁寧に、扉を開けて覗いてみると、部屋の中には誰もいなかった。
龍は雄叫びを上げると息を強く吸い込み、小屋の中へと勢い良く熱い息吹を吐き出した。すると小屋の中はとても暖かくなって、しばらく龍は、その小屋の様子をじっくりと眺めていた。やがて、満足した龍は花園の中で腰を落ち着けてうずくまり、ゆっくりと眠りに堕ちていった。
※
いったいどれ程の時間が経ったのだろうか。
窓からは穏やかな陽光が差し込み、小鳥の囀りや風に木々が撫でられて、微かに音を奏でた。
心地の良い倦怠感と、愛する人の温もりを肌で感じ、かつてないほどの幸福感に包まれる。
二人は産まれたままの姿で毛布に潜り込んでいた。
アリスティアとジークハルトは、汗ばんだ身体のまま、身も心も繋げ合い、愛おしく抱き合う様に眠る。今日の二人は寝台から起き上がる気配が一切なかった。
風呂上がりの紅潮した絹の様な彼女の肌と
彼女から仄かに香る華の甘く芳しき匂いが
ジークハルトの脳裏に突き刺さる。
「うぁ…あ…?…アリ…スッ!?」
「二人きりだから、何も問題ないはずです!」
「いや、しかし…それは、あまりにも…!」
ジークハルトの胸の鼓動はとても早くなって、アリスティアから顔を背けた。
よもやその様な姿のアリスティアが、自分の目の前に現れるとは、ジークハルトも予想だにしていなかったのだ。
「…ジーク…知ってるとは思いますが、今日も明日も、二人だけですよ?」
アリスティアの目は据わっていた。
ジークハルトは生唾を飲み込む。
「…はい」
「…ですから、二人だけで、いろんな事、ジークもしたいですよね?」
「…はい」
頬を染め上げながら、視線をアリスティアから彼方の方へと背ける、ジークハルトの潤んだ瞳、アリスティアはそれを自分のものだけにしたいと、彼女の中でも欲望が膨れ上がっていく。
アリスティアは、そっぽを向くジークハルトの顔を覗き込んで微笑む。
「…ねえ、ジーク…。寝室で…先に行って、少し待ってて欲しいの…。」
「!!」
「…今夜は、二人っきりだから…。ね、良いでしょ?あ・な・た♡」
とても妖艶に囁くアリスティアに、ジークハルトは無言で頷いた。
彼も一人の男である、アリスティアの誘いにジークハルトも腹を括る。
大きく深呼吸をして覚悟を決めた。
窓の外は無数の星達と鋭い三日月が煌々と輝き、闇夜を切り裂く様に照らしていた。月の光に照らされた、薄暗がりの部屋の中で、お互いを見つめ合う二人の輪郭がくっきりと映し出される。
「本当に…良いのですか?アリス…。」
「ジーク、今更、やめるなんて無しですよ?私、もう我慢出来ません。」
「アリスにこの様な格好をさせてしまっているのに、逃げるなんて出来ませんよ」
顔を真っ赤にしてアリスティアを見つめるジークハルト、彼女は、その身にまとうベビードールの肩紐に指を掛けて艶やかに微笑む。
「…ジーク…私の純潔を、私の全てをあなたに差し上げます…。ですので、あなたの全てを私に下さい。」
「…アリス、私の心はずっと昔からあなたのモノですよ、私はずっとアリスだけをみていたのだから…。」
「…でしたら、ジークがまだ知らない、私の姿のを…しっかりと、その目に焼き付けてくださいね。」
アリスティアは身に付けていた純白のベビードールをその場で脱ぎ落とすと、月光の元に光に照らされた素肌を晒す。
ジークハルトの眼には、全裸のアリスティアの姿が、まるで一枚の絵画を切り出したかの様に映った。
「…こんな…なんて…美しい…」
ジークハルトはアリスティアの産まれたままの姿に、ただ茫然と見惚れていた。
少し恥ずかしくなったアリスティアは勢いに任せて、ジークハルトの胸へとそのまま飛び込んだ。
ジークハルトはアリスティアの柔らかい肌の温もりを感じながらゆっくりと優しく抱きしめている。言い様もない多幸感が彼の中で溢れだした。
「アリス…二人にとって、今、この時間を忘れられない夜にしましょう…。」
「…はい…あの…ジーク…。優しく、して下さいね」
ジークハルトの琴線が、静かにプツリと切れると、アリスティアを抱き締めたまま、そのまま寝台へと二人纏めて、ゆっくりと沈み込んで行った。
「あっ…ジーク…♡」
「…ごめんなさい…もう我慢の限界です」
「…うん…私も…。」
ジークハルトの鋼の様な鍛えられた腕に抱かれたアリスティアは、心を落ち着かせながら、静かに全身の力を抜いて、ジークハルトの全てをその身に受け入れた。身体に走る微かな痛みがアリスティアに生きていると言う事を実感させた。
程よく育った果実を実らせ、美しく咲き乱れる華を、ジークハルトは己の腕の中で優しく慈悲深く、労わる様に愛でる、華の濃厚な甘い蜜と、芳しき眩い華の香りに誘われて、深く深く、奥へ奥へ、ジークハルトはアリスティアの奏でる夢幻の微睡へと堕ちていく。
蒸気の籠った熱い吐息が、艶やかな喘ぎと重なり合って、身も心もどろどろに溶け合う様に混じり合わせる。
お互いの欲求をぶつけ合い。貪り合う様に相手を心の奥底から求め合う。
時には流れに身を任せる様に、アリスティアはジークハルトが思うまま、彼の我儘にその身を任せた。
二人は見つめ合うたびに、切ない想いが言葉となって、相手の名を紡いで、唇からこぼれ落ちる。
一筋の涙がアリスティアの頬を流れると、ジークハルトはそれを唇で掬い取り、そして、彼女の唇と優しく重ね合わせた、湿った舌先が絡まり、唇の隙間から蒸気と艶やかな喘ぎが溢れた。
指先を絡ませて、二人はお互いの手をしっかりと握り合わた、二人は離れ離れにならない様に抱き合っていた。
※
龍は美しく咲き乱れた花園をゆっくり進む。
時々、色とりどりに咲き誇る花達は蜜を蓄え、揺れている。龍はたまに背後を振り向きながら、たまに立ち止まりながら、ゆっくりゆっくりと前へ進む。
そして、花園の一番奥で見つけた、花に囲まれ隠された様な小屋。
龍は鼻先で、小屋の小さな入り口の扉を優しくノックする。
トントン、トントンと優しくノックする。
小屋の中から返事はなかった。
口先でゆっくりと優しく丁寧に、扉を開けて覗いてみると、部屋の中には誰もいなかった。
龍は雄叫びを上げると息を強く吸い込み、小屋の中へと勢い良く熱い息吹を吐き出した。すると小屋の中はとても暖かくなって、しばらく龍は、その小屋の様子をじっくりと眺めていた。やがて、満足した龍は花園の中で腰を落ち着けてうずくまり、ゆっくりと眠りに堕ちていった。
※
いったいどれ程の時間が経ったのだろうか。
窓からは穏やかな陽光が差し込み、小鳥の囀りや風に木々が撫でられて、微かに音を奏でた。
心地の良い倦怠感と、愛する人の温もりを肌で感じ、かつてないほどの幸福感に包まれる。
二人は産まれたままの姿で毛布に潜り込んでいた。
アリスティアとジークハルトは、汗ばんだ身体のまま、身も心も繋げ合い、愛おしく抱き合う様に眠る。今日の二人は寝台から起き上がる気配が一切なかった。
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