快楽の牢獄

真鉄

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闘争か逃走か

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「……欲しい、です」

  恥辱にまみれた蚊の鳴くような囁き声に依頼主はにやにやと笑い、細い腰を掴むと赤黒い肉茎をふっくらと張り出した会陰から陰嚢にかけてゆっくりと擦りつけた。外からの刺激はただただ切ないばかりで、スヴェンは潤んだ目で下卑た笑いを浮かべた依頼主をすがるように見つめた。

「なら先生、メイテイカズラの中で何をされたのか教えてくださいよ。全部教えてくれたら、こいつでイカせてあげますよ」
「……っ!」
「……スヴェン、答えなさい」

  上気した頬にはギルドマスターの屹立がなすりつけられ、前後する度に先端が唇や鼻先を掠めていく。美味しそうな雄の匂い。ほしい。ちぎれかけていたスヴェンの理性は湧き立つ本能に陥落した。

「……身体中、触手に撫で回されて、口の中に、いっぱい、出されて……」
「いい子だ。それで?」

  ギルドマスターの節ばった指がスヴェンの黒髪を撫でた。見せかけの優しさだと分かっていてもすがらずにはいられない。指と雄茎に自ら顔を擦りつけながら、スヴェンはたどたどしく言葉を紡ぐ。

「乳首、ちくちく刺されて、こんな……」
「こんないやらしい形のモロ感乳首になりました、と」
「ひっ、ン……!」

  太い指が固く勃ち上がった乳首を弾く。びりびりと切なく甘い電流が身体中を駆け抜け、スヴェンは身悶えた。依頼主の大きな掌が鼠蹊部から内腿にかけてをじっくりと撫で回しながら続きを促す。ぞくぞくと身をわななかせ、あの快楽の牢獄の中で触手にされたことを思い出し、スヴェンは唇を震わせた。

「それから……ペ、ペニスと、お尻の中を……」
「今更上品ぶらんでくださいよ。ちんぽとケツマン、でしょ。言って」
「そんな……」
「言えよ、先生」

  会陰をつつきながら依頼主が低い声で命令した。下品な言葉を強要される恥辱が更に身体の奥を疼かせる。テオドアもよく行為中にスヴェンの羞恥を煽ろうといやらしい言葉を囁きかけるが、言わせようとしたことはなかった。自らの意思でいやらしい言葉を吐くという行為は、理性や常識が高ければ高いほど拒否感が強い。そして、それ故に口にした時の背徳感も凄まじい。全身がじんじんと火照り、は、は、と犬のようにスヴェンは短い息を吐いた。

「ち……ちんぽと、ケツマン、の中を……ううっ、触手に……犯されて……」
「ハハ、それじゃちんぽの中にも入られたみたいじゃないですか」

  言い間違いを笑うように太い指がしとどに濡れた鈴口をくじる。直接的な強い刺激にスヴェンは身をくねらせ、回らぬ舌で必死に言い募った。本当に真実を話す必要などなかったが、快楽に霞む頭は全て話してご褒美を貰うことしか考えていなかった。

「ほんと、本当に……んんっ、ち、ちんぽの中を、触手が……」
「へぇ、そいつは面白いな……。そんで、ちんぽとケツマンの中を触手にズコズコされて、先生はいっぱいイッちまったんですか?」
「は、い……」

  荒い息をつきながら目を伏せて大人しく頷くスヴェンに対して満足気に目を細めると、依頼主は薄い腹に作られた水溜りを自らの屹立に塗りつけて、見せつけるようにしごいた。スヴェンの瞳が揺れ、物欲し気にごくりと喉が鳴る。

「じゃあ先生、そろそろご褒美をあげますよ。おねだりしてみてください」
「う、あ……」
「スヴェン、言ってごらん」

  唇と鼻先をギルドマスターの雄竿が掠めていく。顎のラインから鎖骨、胸元と乾いた指が辿り、それだけでぞくぞくと身体の奥が切なく疼いた。スヴェンは割り開かれた脚を自ら更に開くと、いやらしく腰を揺らめかせてわななく蕾を依頼主の肉茎に擦りつけ、目の前で揺れる雄竿に恭しく口づけた。

「お、お願いです。ちんぽで、私を、ちんぽで犯してください……!」

  たどたどしいスヴェンのおねだりの言葉に凌辱者たちは顔を見合わせると、たまらず吹き出し、身体を揺すって笑い出した。男たちの哄笑はそれに屈した情けない自身の立場を嫌というほどに突きつけ、酷い恥辱に鼻の奥がツンと痛んだ。涙が一粒こぼれ落ちていく。笑いの発作を治めたギルドマスターの節ばった指がスヴェンの黒髪を撫でた。

「ああ、泣くんじゃない、スヴェン」

  慰めるかと思われた髪を撫でる手に力がこもり、そのままそそり立つ上反りの肉茎の根元に顔面を強く押し付けた。鼻先が埋もれて雄の饐えた臭いが胸一杯に広がり、本能を掻き立てる原始的ないやらしい香りに目眩がする。

「鼻が塞がったら窒息しちまうからな」
「ぐ、うっ……!」

  かすかに開いた唇を割り開き、ギルドマスターの肉茎がスヴェンの口内に侵入した。抵抗のために押し当てた舌に口内を犯す固い熱がひどく甘い。上反りの先端が上顎に擦りつけられ、スヴェンはぞくぞくと身を震わせた。

「マスターのちんぽは美味いかい? 俺のもいっぱい頬張ってくれよ、な……っ!」
「んううううっ!」

  口内を犯されたスヴェンの肛孔を熱い塊が押し開き、まといつく媚肉を掻き分けて体内へと分け入った。引き出される度に張り出したエラが熟れた前立腺をこそぐ。依頼主の突き出た毛深い腹肉が、腰を前後させる度にスヴェンの屹立をぬるぬると擦り、中と外の両側から湧き出す甘い電流が身体中を痺れさせた。

  待ちわびていた物に両の口を遠慮なく犯されて、スヴェンはうっとりと目を細めた。掻きむしりたいほどの危機的な飢餓感は潤され、甘く熱い塊が体内を行き来する度に頭の中には快楽の靄がかかる。だが――足りない。

――もっと。

  もっと喉の、雄膣の奥深くを圧倒的な質量で征服される悦楽をスヴェンはもう知っている。身動きも取れないほどに抱きすくめられたまま絶頂する安心感を、口づけられたまま最奥に種付けされる喜悦を知ってしまっている。

「あの小生意気な口をきいた先生が今やこれだぜ。ケツマンの具合も最高だ。こりゃ間違いなく金になるぜ」
「ああ、本当にいやらしい顔をして……私のイチモツはそんなに美味いか? ん? ――ようやく人員が確保できた。明日には探索を開始できる」
「まずは確保が第一だ。そんで、分泌液を回収しよう」
「しかし、どうやって?」
「何、生きてる動物ならいいんだろう? ヤギかヒツジでも食わせてる間に回収するさ」
「なるほどな」
「それとな、先生の話を聞いてて閃いたんだが、本体自体にも使い途がありそうじゃねえか?」
「何だ、娼婦の仕込みを触手に任せようってか?」
「惜しい……かな? 袋の側面の一部を切り取ってガラスとかで覆ってよ、触手ショーみてえなのができねえかなって思ってよ。いい酒の肴になるぜ」
「いいな。だが、いずれにしろ色々と試すのは、我々の手で栽培する方法を確立してからじゃねえとな」
「ハハ、貴重品だからな、今は」

  スヴェンの喘ぎ声を背景に頭上で交わされる商売人の会話。彼らにとってスヴェンは、そしてこれから増えるであろうメイテイカズラの被害者たちは、締まり、吸い付くただのとろけた媚肉でしかないのだ。悲しい。気持ちいい。恋しい。スヴェンを抱きすくめてくれるあの太い腕がひどく恋しい。

「……ん、あ、もっと……んんっ……」

  口から屹立が抜けた合間にねだる言葉を口にする。だがそれもすぐに塞がれ、ギルドマスターの腰が動く度にだらしなく垂れ下がった陰嚢がべちゃべちゃと顎の辺りを打った。じゅぷじゅぷと湿った音を立てて掘り返される媚肉が間歇的に痙攣し、凌辱者を肉襞で舐めしゃぶる。

「んっ! んん! んうっ……!」
「ん、締まりすげえ……っ」

  スヴェンの細い腰がびくんと跳ね、我が物顔で媚肉を小突き回す雄竿を、とろけた肉壁がきゅうきゅうと断続的に締め付けた。内腿をぶるぶると震わせ、口内の肉茎を吐き出し、絶頂に首を仰け反らせる。涎が唇の端から大量に流れ落ちたがそんなことを気にしている余裕など今のスヴェンにはかけらもなかった。

「ハハ、先生、中にいっぱい出してあげますからね……!」
「ンあああっ……!」

  依頼主は数度腰を強く打ち付けた後、全身の肉を震わせた。媚肉の隘路の中、雄竿がびくびくと脈打ち、強い勢いで熱い精液を肉襞に叩きつけた。ヒクつく雄膣から肉茎が引き抜かれた端から、ギルドマスターの上反りの屹立が肉襞を掻き分けてスヴェンの中へと侵入する。

「あ、あ、もっと、んああっ!」
「は、これはたまらんな……」

  きゅんきゅんと絡みつく濡れた媚肉は高級娼婦もかくやの締め付けで、ギルドマスターは夢中になって腰を振る。代わりにスヴェンの背後を陣取った依頼主が太い指を胸に回し、熟れ切った乳首を指先で転がした。その度に薄い腹筋が痙攣しては肉襞がギルドマスターに強く絡みつき、奥へと引き込もうとする。

「あんっ、ああっ、あ、……は、ああっ……」
「全く、いやらしい顔だ……。こんなことなら、拾った時に男娼として売っちまえばよかった」

  あまりの気持ちよさから悔し紛れに吐いたギルドマスターの暴言に、依頼主がにやにやと笑いながら食いついた。

「何なら買い取ってやろうか? 顔もそんなに悪かねえし、少なくともここのギルドの野郎どもは喜んで買ってくれんじゃねえかな。お高く止まった先生が、はしたなくちんぽをねだってくるなんて、最高だろ」
「……ふん、そうかもな」
「ああ、あ、あ、ンふ、もっと……」

  もっと、とうわ言のようにねだるスヴェンの屹立から、腰を突き入れる度にとぷとぷと白濁が漏れ出し始めた。甘い声ととろけた顔、特にいつもは凛とした硬質の眼差しが快楽にとろりと溶けた様はギルドマスターを激しく燃え立たせた。最近は女に長時間奉仕させてやっと勃起するような有様だったのに、まるで若い頃に戻ったかのごとき湧き立つ欲求は、依頼主が言ったようにどちらによるものなのか自分でも分からなかった。

  汗ばんだスヴェンから匂い立つ甘い香りを胸に吸い込み、ギルドマスターはがむしゃらに腰を打ち付けた。排他的だが自分にだけは敬意を払い、いつも背筋を伸ばして真っ直ぐ前を見据えるあのスヴェンの見るに耐えない痴態は、ギルドマスターにとっては裏切りのように思えた。こんなにいやらしいのなら、もっと早く教えるべきだったのだ。そうすればさっさと若い実をもぎ取り、自分のものにしたのに――。

「は、出すよ、スヴェン……っ!」
「あっ、あっ、ああっ、あんん……っ!」

  絡みつく肉襞に勢いよく精液を叩きつけると、まるで最後の一滴まで搾り取るかのように媚肉が蠢き、余韻に脈打つ肉茎をきゅうきゅうと締め上げた。絶頂に震える媚肉が治まるのを待つ。ギルドマスターは過度の快感に熱い溜息を漏らしながら雄膣から萎えた肉茎を引き抜くと、ヒクつく蕾と濡れた先端に粘液の糸が細くかかった。

「……もっと……」

  だらしなく脚を開き切り、わななく雄膣と自身の屹立からこぽりと精液を漏らしながら、スヴェンは荒い息の中、うわ言のように呟いた。
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