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第1章 ゲームと現実
05二人の王
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「蓮は【奴隷】だぞ!」
山中に響き渡る鮫島の声。
そう。鮫島のやつ。氷華の目の前で俺が『奴隷(スレイヴ)』だっていう事をバラしたんだ。
■□■□■□
「終わった……」
顔が徐々に崩れてゆくのが分かる。
それと同時に身体が地面へ崩れ落ちていく。立つ事が出来ないんだ。
職業が【奴隷(スレイヴ)】.という事実がバレてしまったのだから仕方ないだろう?
俺はずっと地面を見ていた。
怖くて氷華の方を見る事ができない。
あいつは今、どんな顔をしているだろうか?
騙されたことに怒り、眉間にしわを寄せてこちらを睨んでいるのか。
それとも『奴隷(スレイヴ)』と聞いて、憐れみの目でこちらを見ているのか。
どちらにせよ。今までの関係を続けることは出来ないだろう。
俺は目の前が真っ暗になった。憎しみの黒色だ。
鮫島め。俺の人生で唯一の楽しみだったんだぞ。
氷華と話す事が……唯一の……。
「ゔぅ……」
俺は誰にも聞こえない大きさで泣いた。
顔を下に向けたまま、片手で涙に濡れた顔を擦(こす)る。
「何よそれ……」
微(かす)かに聞こえる彼女の声。
しかし、どうやら俺が思っているほど、氷華は薄情じゃなかったようだ。
俺は地面に顔を向けていたので彼女の表情は分からない。けど大きく張り上げた声は聞こえた。
それは、俺に対する軽蔑(けいべつ)ではなく鮫島に対する怒りの咆哮だったんだ。
「そんなの知ってるわよ!」
彼女も鮫島と負けないくらい大きい。山中に響き渡る音だ。
鮫島も突然の反撃に顔を歪めて驚いているようだが、1番驚いたのは俺だった。
俺は顔をすぐさま上げて彼女の表情を確認したよ。
本当に氷華が言った言葉なのかって。
(俺が嘘ついてた事知ってたのか……)
氷華の視線は鮫島を睨みつけていた。あんな怖い表情を俺は見た事がない。
対する鮫島は、顔を歪めながら首を傾げていた。
まるで、氷華が嘘をついていると言わんばかりの口調で話しだしたんだ。
「なんで蓮の職業が分かるんだ。他人のステータスを見る魔法は、【王(キング)】にしか与えられてないんじゃねえのか?」
「簡単よ。私、【王(キング)】だから」
そう言うと氷華は、自身の胸に手を置いてステータスを空中に表示させた。
―――――――――――――――――――――――
●基本ステータス
・名前…安藤氷華
・性別…女
・年齢…17歳
●能力ステータス
・Lv.1
・職業→『王(キング)』
・魔法攻撃→『8000』
・物理攻撃→『1000』
・魔法防御→『9000』
・物理防御→『6800』
・知力→『9000』
↓↓↓↓↓ ―――――――――――――――――――――――
氷華の職業にはしっかりと【王(キング)】と記されていた。
俺はそれを見て驚いたよ。
登校中に教えてもらったとは言っても、直接見るのは初めてだからね。
でも、驚いているのは俺だけじゃなかった。松尾も鮫島も驚いている様子だ。
「おいおいマジかよ。お前も『王(キング)』か……ここで一戦しとくか?」
「いやいいわ。ダンジョンの方が優先だからね」
「あと!! 私達が先にダンジョンを攻略する。そして、安全にしておくから」
「ふん! 好きにしろ」
氷華達は再びダンジョン内へと入ろうとしたが、氷華だけは俺の方を振り向いて叫んだ。
「蓮~! 何で朝、嘘ついたの! また明日聞くからね」
その元気な声で、俺の気持ちは軽くなっていった。
氷華は俺が『奴隷(スレイヴ)』でも全く気にしないじゃないかって。
「分かったよ!」
「そう……じゃあ、またね!」
俺の声を聞いた氷華は、ホッとした表情をみせて再びダンジョンへと進んでいった。
ダンジョンの中へと――。
■□■□■□
そしてその10分後に鮫島、松尾、俺の3人がダンジョンへと挑戦する事になる。
意気揚々で乗り込む鮫島達だったが、この時はまだ誰も知らない。
通常の『王(キング)』ですら、ダンジョン攻略には全くの力不足であるということを。
山中に響き渡る鮫島の声。
そう。鮫島のやつ。氷華の目の前で俺が『奴隷(スレイヴ)』だっていう事をバラしたんだ。
■□■□■□
「終わった……」
顔が徐々に崩れてゆくのが分かる。
それと同時に身体が地面へ崩れ落ちていく。立つ事が出来ないんだ。
職業が【奴隷(スレイヴ)】.という事実がバレてしまったのだから仕方ないだろう?
俺はずっと地面を見ていた。
怖くて氷華の方を見る事ができない。
あいつは今、どんな顔をしているだろうか?
騙されたことに怒り、眉間にしわを寄せてこちらを睨んでいるのか。
それとも『奴隷(スレイヴ)』と聞いて、憐れみの目でこちらを見ているのか。
どちらにせよ。今までの関係を続けることは出来ないだろう。
俺は目の前が真っ暗になった。憎しみの黒色だ。
鮫島め。俺の人生で唯一の楽しみだったんだぞ。
氷華と話す事が……唯一の……。
「ゔぅ……」
俺は誰にも聞こえない大きさで泣いた。
顔を下に向けたまま、片手で涙に濡れた顔を擦(こす)る。
「何よそれ……」
微(かす)かに聞こえる彼女の声。
しかし、どうやら俺が思っているほど、氷華は薄情じゃなかったようだ。
俺は地面に顔を向けていたので彼女の表情は分からない。けど大きく張り上げた声は聞こえた。
それは、俺に対する軽蔑(けいべつ)ではなく鮫島に対する怒りの咆哮だったんだ。
「そんなの知ってるわよ!」
彼女も鮫島と負けないくらい大きい。山中に響き渡る音だ。
鮫島も突然の反撃に顔を歪めて驚いているようだが、1番驚いたのは俺だった。
俺は顔をすぐさま上げて彼女の表情を確認したよ。
本当に氷華が言った言葉なのかって。
(俺が嘘ついてた事知ってたのか……)
氷華の視線は鮫島を睨みつけていた。あんな怖い表情を俺は見た事がない。
対する鮫島は、顔を歪めながら首を傾げていた。
まるで、氷華が嘘をついていると言わんばかりの口調で話しだしたんだ。
「なんで蓮の職業が分かるんだ。他人のステータスを見る魔法は、【王(キング)】にしか与えられてないんじゃねえのか?」
「簡単よ。私、【王(キング)】だから」
そう言うと氷華は、自身の胸に手を置いてステータスを空中に表示させた。
―――――――――――――――――――――――
●基本ステータス
・名前…安藤氷華
・性別…女
・年齢…17歳
●能力ステータス
・Lv.1
・職業→『王(キング)』
・魔法攻撃→『8000』
・物理攻撃→『1000』
・魔法防御→『9000』
・物理防御→『6800』
・知力→『9000』
↓↓↓↓↓ ―――――――――――――――――――――――
氷華の職業にはしっかりと【王(キング)】と記されていた。
俺はそれを見て驚いたよ。
登校中に教えてもらったとは言っても、直接見るのは初めてだからね。
でも、驚いているのは俺だけじゃなかった。松尾も鮫島も驚いている様子だ。
「おいおいマジかよ。お前も『王(キング)』か……ここで一戦しとくか?」
「いやいいわ。ダンジョンの方が優先だからね」
「あと!! 私達が先にダンジョンを攻略する。そして、安全にしておくから」
「ふん! 好きにしろ」
氷華達は再びダンジョン内へと入ろうとしたが、氷華だけは俺の方を振り向いて叫んだ。
「蓮~! 何で朝、嘘ついたの! また明日聞くからね」
その元気な声で、俺の気持ちは軽くなっていった。
氷華は俺が『奴隷(スレイヴ)』でも全く気にしないじゃないかって。
「分かったよ!」
「そう……じゃあ、またね!」
俺の声を聞いた氷華は、ホッとした表情をみせて再びダンジョンへと進んでいった。
ダンジョンの中へと――。
■□■□■□
そしてその10分後に鮫島、松尾、俺の3人がダンジョンへと挑戦する事になる。
意気揚々で乗り込む鮫島達だったが、この時はまだ誰も知らない。
通常の『王(キング)』ですら、ダンジョン攻略には全くの力不足であるということを。
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