チートスキルと無限HP!〜いじめられっ子は最弱職業だが、実は地上最強〜

ボルメテウス

文字の大きさ
78 / 123
第5章崩れゆく世界

77大将のスキル

しおりを挟む
 
「守り神の力……見せてやろうかの」


 石黒大将は少女を睨みつけていた。
 その表情はまさに鬼。怒りの感情が外に漏れ出ているような光景である。
 それを冷ややかな目で見つめるのはリリアンという少女であった。
 少女は俺から目を逸らし石黒の方を見つめる。


「守り神って。あなた達はただの人間でしょ? 人間はやがて老いて朽ちる……それだけの存在じゃない」
「違うぞ。お主は何も分かっていない」
「ははは。何が違うの? ほら。人間はこんなに脆(もろ)い。守り神なんて冗談でしょ」


 グググッ………。
 少女の腕が自衛官の腹部に近づいていき……。


「ガハッ……」


 ゆっくり貫通していく。
 俺はそれを止められなかったんだ。少女の体に触れようとしてもすり抜けて、何も掴めない。
 まるで空気に触れているみたいな……そんな感覚だった。
 彼女に貫かれた自衛官はグッタリとして動かなくなる。
 そして、徐々に体が薄くなっていくんだ。HPが0になったんだろう。


「全く……。人間なんてこんなものよ……。脆くて弱い。こんなんじゃ何も出来ないよ?」


 少女は消えていく自衛官をどこか悲しそうな表情で見つめていた。
 それとほぼ同時に残った隊員達が掌(てのひら)を一斉に石黒へ向け、言葉を発した。


「「転移魔法トランス・マジック……」」


 この魔法は俺が以前、火憐にかけてもらった魔法だ。
 術者のMPを任意に選択した相手に移譲する事が出来る魔法。
 隊員達は石黒の命令通りにMPを移譲するつもりなのだろう。


 すると彼らの掌が輝き出し石黒大将の口元が緩んだ。これでMPの移譲が完了したという事なのだ。


「最後の悪あがきかな? まぁ……足掻(あが)いてみせてよ」


 その光景を少女は腕を組みながら見ている。
 俺はそんな少女を見つめる事しか出来なかったんだ。触れようとしても何も掴めない。
 体ごと前に進んでも少女の体全体を通り抜けてしまうからだり


「リリアン。お前どうなってんだよ」
「あ! やっと名前で呼んでくれたねお兄ちゃん」


 少女は俺を不気味な笑顔で見つめてくる。そんな少女はある異変に気付いたようだ。


「あれ? 暑くなった?」


 少女の言う通り。確かに暑くなっているような気はしていた。
 すると石黒大将が少女を見つめて言葉を発したんだ。


「上を見ろ」


 俺と少女が天井に顔を向けると一面炎に埋め尽くされていた。このフロア全ての天井が赤く燃えている。
 俺らが呆然と上を見て、立ち尽くしていた時に石黒大将は小さく呟いた。


「いくぞ……魔法マジック炎雨えんう……」


 ボボボ……。


 天井に溜まっていた炎の粒が徐々に落ちてゆく。
 まるで雨のようだ。
 しかし迫り来る炎を目の当たりにしても、少女は涼しい顔で石黒をあざ笑っている。


「馬鹿じゃないの?  こんな広範囲の攻撃……味方まで巻き込むわよ」
「それなら心配に及ばんよ。儂のスキル……絶対確率パーフェクト・ゲームがあるからな」


絶対確率パーフェクト・ゲーム?」
「あぁそうじゃ……」


 続けて石黒を言葉を続けた。
 これまで見た事のないような冷たい表情で、振りかざした腕を振り下ろしながら。


「攻撃の命中率は常に100%じゃ。先程のように通り抜けるかのぅ?」


 ボボボボボボ!!!


 石黒の動きに反応し加速した炎の雨が少女を襲う。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

処理中です...