チートスキルと無限HP!〜いじめられっ子は最弱職業だが、実は地上最強〜

ボルメテウス

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第6章過去転移

106対化け物用

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 狩人……。
 その名の通り、獣を狩る事を生業としている者を表す。
 しかし異世界の狩人は少し違う。
 現実世界のように家に住み銃を整備して獣を狩る、のではなく、常にダンジョン内に住み続け化け物と対峙し続ける。


 その異様な生活スタイルは一般国民には理解されない。
 ガリア王国でも同様に奴隷スレイヴとはまた違う好奇の目で見られるのだ。


 では、どうやって狩人と判断するのか?
 それは弓使いのサシャが持つスキル、狩人の眼を有するか否かである。どの職業に選ばれたかは関係ない。


 特殊な目と過酷な生活スタイルを貫き続ける事。それが狩人と呼ばれる者達の条件なのだから。


 しかし、狩人と呼ばれる者達も今やほとんど居なくなった。
 化け物に狩られたわけではない。
 人に狩られたのだ。彼らのスキル、狩人の眼は死してもなお輝き続ける。
 なので彼らの眼には高価な値がつくのだ。


 もちろん。最初は一部の盗賊が彼らを襲っていただけだった。
 盗賊程度の実力ならば狩人には何ら問題ない。
 しかし、王国が軍率いて攻め行ったらどうだろうか?
 王国がご自慢の魔導部隊を投入したら?
 どうする事も出来ないだろう。


 王国の戦力投下によって狩人は絶滅の危機に瀕した。
 狩人達も何も対策をしなかったわけではない。ダンジョン内に隠れるようにひっそりと暮らしていたのだ。
 でも何故かあぶり出されてしまった。


 そんな王国が狩人を狩り続ける最中で、反対の声をあげたのがレイヴン公と勇者であった。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 サシャは狙いを蓮に定めるとさらに弓の弦を引っ張った。
 ギリギリとしなる音はサシャの手に力がこもっている事を示していた。
 その右手に出来ている小さな弓矢は魔力の塊である。


「ふぅ……」


 体力を消費するのか。サシャの呼吸が荒くなっていく。
 よく見ると額にも汗が浮かび上がってきた。


(勇者さん。あなたは優しすぎるのですよ)


 弓矢を構えながら彼女は昔を思い出していた。
 勇者と始めて出会った。
 幼き日の事を……。


 ―15年前・狩人の村―


 サシャが生まれ育ったのはガリア王国の端に位置する辺境の地であった。
 当時は既に狩人狩りが始まっていたが、王国から遠い事もあってサシャのいる村は平穏を保てていた。


 草木が生い茂る森、心地よい音を立てながら流れる川にさえずる鳥達。
 狩人にしては随分と平和な地どサシャ達、狩人は暮らしていたのだ。
 そんな場所でサシャは走り回っていた。


魔法マジック……。狩人の足!」


 サシャがそう叫ぶと幼い体にも強化が施された。
 彼女は森に住んでいるオオトカゲとかけっこをするのが好きだったのだ。
 いや、かけっこというよりも視界に入ったオオトカゲを追い回す。といったほうが正しいだろうか。


「待てぇー!」


 無邪気に追いかけるサシャ。
 彼女の足は早く。オオトカゲなどすぐに追いつかれてしまう。
  いきなり追いかけられるオオトカゲにとっては迷惑な話だが、サシャにとっては関係ない。
 悲鳴をあげながら走るオオトカゲ、それに彼女は追いついた。


「捕まえたっ!」
「ウギィィィィィ!」
   

 嫌がるオオトカゲの背中に飛び移ったのだ。
 普段なら体当たりをして終わりなのだが、この日のサシャは違った。


 いつもとは違う事がしたかったのだ。
 両親からこの村から出てはいけないと言われているので、森の中で刺激的な事を見つけるしかない。
 そんな軽いつもりでサシャはオオトカゲに飛び移った。


 彼女にとって本当に軽い気持ちだったのだ――。
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