はい、形勢逆転♪

大人と子ども

「…やっぱ大人ってすごいね。こんな所に住んでるんだ…。」
「っそんな、全然。ワンルームだから大したことないよ！」



そんな談笑をしながら部屋に入った。
朝意気揚々と家を出たのにまた戻ってきてしまうとは。



「その辺座っていいよ。何か飲み物作ってくるね。」
「あざっす。」



そういってリクを一人リビングにおいてキッチンに立つ。
といっても私の家はワンルームなので
彼が何をしているのかすぐにわかる距離ではある。




「はい、コーヒーできたよ。」
「ん、ありがとうございます。」
「そういえばさ…。」
「ん？」
「…敬語、使わなくていいよ？」
「え、いや、なんか会ってみてチエさん大人だな～って思ったら
　なんか遣ってました。」
「私も、実際会ったら子どもだな～って思った（笑）」
「なんすか、それ。」
「だって、まさか学生服まで来てるとは思わなかったもん（笑）」
「…むぅ。」


私がリクをからかったのが気に入らなかったのか、両頬を膨らませるリク。
そういうところも幼くて可愛いと思ってしまう私。



「じゃあ、俺がちゃんと大人な所見てみる？」
「え？」



そういってソファの下に座っていた私の隣にきたリク。
思いのほか近くてドキドキしてしまう。