美的感覚が逆転してる国で醜いと言われ続け、全てが敵に回ったので私はまともな国で幸せに暮らします。

銀杏鹿

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04 立ち塞がる敵

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「渡る世間に敵ばかり。早くこんなところから出ないと」

 指で空間をなぞり、周囲を吹き飛ばそうと──

「ミザリー!助けに来たぞ!」

 丸々太った体に、真っ赤な服の男が飛び込んできた。

「このアカサギが来たからにはもう安心だ!」

「帰って。いや、帰れよ」

「何故だい?僕は君を助けに来たんだよ?」

「一ヶ月前に私を助け出すとか言って、金だけ持って逃げたのはどこの何奴だぁ?なぁ?忘れたのなら教えてあげましょうかァ?えぇ?」

「大丈夫!ようやく準備が整ったのさ、あとは脱出後の資金を亡命国のお金に変えないといけないから先ずは君の財産を僕に預け──」

「絶対詐欺じゃん」

「そこの男!今その女の財産は国が全て没収してるのよぉ!私達に協力すれば分け前を手に入れられるわよぉ?」

 ツボ・ネーが、大きな口から東の方の名産品である納豆のような香りを周囲に放ちながら言う。

「お兄ぃさん!こっちの方が得ですよ!お得!そんな化け物の味方なんて得しませぇん!そんなのより私と仲良くしませんかぁ?」

 ウザビッチが飛び出た歯をカチカチ鳴らしながらアカサギにウインクする。

「……悪いが俺は自分の美学に従う!」

 それらに対して、力強く宣言するアカサギ。

「──というわけだ、ミザリー」

 振り返って私に微笑むジャガイモみたいな顔。

「アカサギ……貴方……」

「これが俺の美学だぁ!!死ねぇぇ!!」

 そのまま私に飛びかかってきた。

「今よ!男とも共、化け物を殺しましょう!」

 便乗する聖女隊の一同が詠唱を──

「《──春風の音にし出なば、ありさりて、今ならずとも、君がまにまに》」

 私の短い詠唱が周囲に風を巻き起こし、風そのものが意思を持つように邪魔者達を自動的に薙ぎ払う。

「う、嘘!仕事じゃ全然魔力使えてなかったのに──!」

「雑魚でサボることだけが取り柄の先輩が──」

 聖女隊は吹き飛んでいった。

「聖女の仕事じゃ評価されない項目ですから」

「ミザリぃぃぃ!!金くれぇ!!金だよぉ!!」

 私の足元に必死にしがみついて風に吹かれているアカサギ。

「そんなに欲しけりゃくれてやりますよ、探してください、王宮に全部置いてきたので」

 その手元を軽く蹴飛ばす。

「やったぁぁぁぁ!!金!金!!俺の金ぇぇぇ!!」

 喜びながら王宮方面へ吹き飛ばされていった。

 今までなんでこの国にいたのか不思議になってきた。ここまで酷かったのに我ながらよく耐えたと思う。
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