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第一幕
14 ドミニオン・オブ・ソード.2◆
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「ちょ、ちょっと!馬鹿にしないでいただけますの!?もう少しお兄様に分かるよう、配慮した言い方をしますの!不親切ですの!」
俺を遮るアンナ。
どんな配慮だよ、お前の方が馬鹿にしてるだろ、それ。分からない訳ないだろ。
「ああ、そうだ。僕に分かるように話せ。会話の基本も理解していないのか貴様」
本当に理解してなかったのか……
お前が頭悪いのは俺の所為じゃないが──
「……この広い帝国を無事に出る為には、食料や生活用品、それと乗り物が必要です、検問も通過できるようにしなければならない。外へ出れても他の王族の捜索が及ばないように、他国の庇護下に入る必要があります」
「騎士隊や指揮官、それに脱出の全権とはなんだ?」
「追手の目を掻い潜るのに、囮がいります。全権は……ことが始まれば、そちらの指示を聞いていられないので。王族の勅令という大義名分が有れば、作戦に支障は無くなります」
何で交渉相手を諭さないと行けないんだ……?
俺は子供と話しているんじゃないんだぞ……?
「……なるほど。常識が違うと不幸なすれ違いが起こるものだな」
こいつの思考回路はどうなってるんだ……?
しかし、よくこれで王座を簒奪しようとか思ったな……どう考えても王の器じゃないだろう……
「流石、お兄様。学習が早いですの!」
「ふん、当然だ」
何故か得意げなハインリヒ。
「それで、それがお前の要求というわけだな?」
……は?こいつ話を聞いていなかったのか?
「前提です、これくらいは用意がないと要望通り行方不明、という結果にする事は出来ない」
……そうだ。それだけの手を掛けなければ、行方不明なんて結果を"作り出す"事は出来ない。
つまりは、既に行方不明となっている前王妃も同じような境遇の可能性がある。
聖女様が探そうとしている母親が、何処かで生きている可能性が。
「お前の言いたい事は理解できた」
「ならば──」
「だが、そこまで費用をかけるのなら殺した方が楽だ」
「……は?」
……何を言ってるんだ?必要最低限の事を言っただけで殺した方が早い?
これまで俺は何の話をしていたんだ?
「確かに、貴様らには褒美が必要なのは理解できたが、そこまでの手は掛けられん」
「褒美ではなく必要経費だと何度言えばっ……!」
「それを決めるのはお前ではない。こちらが保障する身の安全は、あくまでその命だけだ」
「申し訳ないですの。これ、私達王族からの命令であって、依頼ではありませんの。"わざわざ"お前に仔細な情報を直接伝えて、話までしている段階で我々からすれば、一方的ではありませんの」
……そうか、常識が違うというのは、そういうことか……
「……なら、褒美でも構いません、それほど手を掛けられないというのも承知しました。その上で、こちらから"お願い"するのは、亡命先の確保、当面の資金、そして旅に必要な"足"、通行証です」
「ふん、よかろう。最初からそのように言っていれば良いのだ。僕は用事があるからこれで。また追って連絡する、ではな」
勝ち誇ったような顔をして、ハインリヒは部屋を出て行った。
俺を遮るアンナ。
どんな配慮だよ、お前の方が馬鹿にしてるだろ、それ。分からない訳ないだろ。
「ああ、そうだ。僕に分かるように話せ。会話の基本も理解していないのか貴様」
本当に理解してなかったのか……
お前が頭悪いのは俺の所為じゃないが──
「……この広い帝国を無事に出る為には、食料や生活用品、それと乗り物が必要です、検問も通過できるようにしなければならない。外へ出れても他の王族の捜索が及ばないように、他国の庇護下に入る必要があります」
「騎士隊や指揮官、それに脱出の全権とはなんだ?」
「追手の目を掻い潜るのに、囮がいります。全権は……ことが始まれば、そちらの指示を聞いていられないので。王族の勅令という大義名分が有れば、作戦に支障は無くなります」
何で交渉相手を諭さないと行けないんだ……?
俺は子供と話しているんじゃないんだぞ……?
「……なるほど。常識が違うと不幸なすれ違いが起こるものだな」
こいつの思考回路はどうなってるんだ……?
しかし、よくこれで王座を簒奪しようとか思ったな……どう考えても王の器じゃないだろう……
「流石、お兄様。学習が早いですの!」
「ふん、当然だ」
何故か得意げなハインリヒ。
「それで、それがお前の要求というわけだな?」
……は?こいつ話を聞いていなかったのか?
「前提です、これくらいは用意がないと要望通り行方不明、という結果にする事は出来ない」
……そうだ。それだけの手を掛けなければ、行方不明なんて結果を"作り出す"事は出来ない。
つまりは、既に行方不明となっている前王妃も同じような境遇の可能性がある。
聖女様が探そうとしている母親が、何処かで生きている可能性が。
「お前の言いたい事は理解できた」
「ならば──」
「だが、そこまで費用をかけるのなら殺した方が楽だ」
「……は?」
……何を言ってるんだ?必要最低限の事を言っただけで殺した方が早い?
これまで俺は何の話をしていたんだ?
「確かに、貴様らには褒美が必要なのは理解できたが、そこまでの手は掛けられん」
「褒美ではなく必要経費だと何度言えばっ……!」
「それを決めるのはお前ではない。こちらが保障する身の安全は、あくまでその命だけだ」
「申し訳ないですの。これ、私達王族からの命令であって、依頼ではありませんの。"わざわざ"お前に仔細な情報を直接伝えて、話までしている段階で我々からすれば、一方的ではありませんの」
……そうか、常識が違うというのは、そういうことか……
「……なら、褒美でも構いません、それほど手を掛けられないというのも承知しました。その上で、こちらから"お願い"するのは、亡命先の確保、当面の資金、そして旅に必要な"足"、通行証です」
「ふん、よかろう。最初からそのように言っていれば良いのだ。僕は用事があるからこれで。また追って連絡する、ではな」
勝ち誇ったような顔をして、ハインリヒは部屋を出て行った。
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