8分間のパピリオ

横田コネクタ

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6.学園祭

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「姉は私を嫌っている。私が母を殺したから」

 屋上にある展望スペースで華山先輩が背中を向けたまま告げた。夏の空は嫌味なほどに晴れ渡っていて、遠くまで広がる、東京とは思えないほど美しい緑たちを照らす。僕はそれ以上は何も聞けなかった。

「先輩、ディズニーシー行きません?」

 気づけば僕は、先輩を元気づけようと、自分でもよくわからないことを言っていた。自分の口から出た言葉を己の耳で聞いて、初めてその意味を確認した感じ。とりあえず、ソ対機から離れた楽しい場所を思い浮かべたつもりだったが、唐突すぎるし、そんなことを言うタイミングでもないし、なぜランドではなくシーなのかもわからないし、

「……あはは。私、彼氏としか行かないよ」

 そもそも付き合ってもいない異性が2人きりで行く場所でもない。あほか。僕は「もちろんヨウジロウも一緒ですよ」とか取り繕ったが、華山先輩は「ありがとう」と言って、施設の中に戻った。さっきまで背中から感じていた、薄い影みたいなものは少し和らいでいた。

 処置室に戻ると、掃討実験はすでに終わっていた。操縦チームは初参戦となる韓国の民間企業だったらしいが、ソレウス構造体を8分以内に掃討できず、残念ながら失敗だった。掃討実験を見学していたゲストたちはもう解散していて、その後、華山リナには会うことはなかった。

 先輩の複雑な心情を聞いたあとだったが、やっぱり憧れの人ではあったので、少し話してみたい気持ちもあったのは事実だ。仕方あるまい。先輩は気分を持ち直したようで、佐藤主任と笑顔で話している。

 全ての予定を終え、帰り支度を始めた頃。ヨウジロウは喫煙室へ、先輩はお手洗いへ行ってしまい、手持ち無沙汰の僕がひとりロビーのソファーに座っていると、佐藤主任が隣に腰掛けた。ソファーにすっぽりと収まった彼女は、ひとつため息をついた。

「ベイリー所長の宿題についてだけど」

 佐藤主任は腕組みをして高い天井を見上げる。

「所長は個々のソレウス体がネットワークで繋がってるとか言ってたけどさ、私はそうは思わない。私たち人間が、勝手に知性を見出しているだけで。君たちが倒したソレウス体は確かに特殊だったけれど、1つイレギュラーな事案があったからといって、それを全体にまでこじつけるのは考えすぎな気がするの。まあ、またああいう個体が出てきたら、私も考えを改めるけどね」

 佐藤主任が言うことも一理ある。しかし、やはり僕は、ソレウス構造体が等間隔に出現している事実、そしてそれに偏りが生じ始めているというデータに、ある種の“作為”のようなものを感じていた。何かきっと理由があるはずだ。ここで考えるのをやめてしまうのは、悔しかった。これでもソレウス構造体への知識には、少なくとも“蒲生里で一番”であるという自信がある。華山先輩とヨウジロウが揃ったところで、佐藤主任が立ち上がる。

「今日はお疲れ様でした。最後にお知らせがあります」

 年上のお姉さんの意地悪な笑顔というのは、自分も気づかなかったマゾヒズムを突かれる気がして、変な気分だった。僕らは佐藤主任からのお土産(ベイリー所長からの宿題で、十分手一杯なのに)は、結構、重かった。



「無理なものは無理って言うこと! 先輩たちお人好しすぎません?」

 東京から帰った次の日の部室にて、マドカに毎度のごとく叱られた。やっぱり対外交渉担当者が不在だと、こういうことが起きる。佐藤主任から告げられた“お土産”というのは、次回の掃討実験の予定繰り上げだった。参加予定だったチームに仮想フィールド構築に関する重大な欠陥が見つかったらしく、参加が見送られたそうだ。そのため、その空いた穴を実績のある僕らに任せたいとの打診。

 散々試験を課しておいてそういう欠陥を見抜けなかったソ対機に責任があるのに、しがない大学生である僕らに押し付けられた形だ。別に予定が繰り上がること自体には問題はない。先輩の怪我も完治していたし。問題はその日程で、告げられた日が学園祭当日と重なったのだ。

 学園祭といったって僕ら操縦研は毎年大したことをしない。別にコスプレをしてタピオカジュースの屋台を出店しないし、ヒップホップダンスのステージパフォーマンスがあるわけでもない。講義室を一室借りて、パネル展示をしたり、掃討実験のVR体験コーナーを開催したり。訪問者だって少ない。

 VR体験なんかは子供が喜びそうなものだが、オープンワールド形式のVRゲームが当たり前の時代に、高々4メートル四方の殺風景なフィールドに閉じ込められる体験をしたい子供はいない。しかも、ソレウス構造体を倒すのはなかなかに難度が高く、制限時間は8分しかないから、大抵の人はフラストレーションを溜めたまま、不貞腐れて帰っていく。

 だけれど、今年僕らは学園祭の企画展に結構気合を入れていた。自分たちでいうのもなんだが、報道で取り上げられ、我が操縦研に対する世間の関心は高いだろうから、来客数は例年より多いはず。だから受け入れる側としてはそれなりのものを用意おきたい。

 それだけではない。僕らは、世間の注目を浴びると同時に、ソレウス構造体の認知度の低さを痛感していた。どうにか僕らがやっていること、ソ対機のこと、病に苦しんでいる人々のことを知ってもらいたかった。だから、今年、僕らは例年とは比べものにならないほどの熱意を持って企画展の準備を進めてきた。

 それに学園祭の実行委員会は(少し)怖いので、今更、「やりません」とは言えない。それを実行委員会に伝えるのはやっぱりマドカだし。これ以上、マドカに何かを頼むのは、実行委員会より怖いことになりそうだった。

 エアコンの音と4人が唸る音だけがする部室。沈黙に耐えられないかのように、隣の山岳部の荷物が崩れる音がした。すると、久しぶりに部室にやってきていた華山先輩がぼそりと呟く。

「……学園祭で掃討実験やればいいんじゃない」

「いいかもです! 先輩」と叫んだマドカだったが、すぐさま「ソ対機になんて言われるか……」と頭を抱え出す。

 けれど、まあ、それしかない。無理を押し付けてきたのはソ対機だし、少しぐらいの“やんちゃ”は見逃してもらおう。みんなにソレウス構造体掃討実験を知ってもらう方法として、これ以上のものはない。僕は俄然、やる気が増してきた。ヨウジロウが早速、学内のWi-Fi状況の確認を始める。

 学園祭実行委員会と大学事務局に伝えたところ、僕らの予想に反して大歓迎された。やはり、みな関心はあるようだった。実行委員会側も「客寄せパンダになるぞ」と算盤をはじき出し、大学事務局も大学の宣伝になると喜んでいた。正直、複雑な気持ちだったが、とにかく、掃討実験の周知という大義名分を1番に考える。

 ソ対機には、当日どこどこでアクションフィールドを展開すると言った情報は濁しておいた。そもそも僕ら操縦研は直前にならなければ何も決められないということを、前回、前々回の掃討実験で、ソ対機側も痛いほど理解したようで、何も言われなかった。



 さて学園祭当日。8月最終週の日曜。学内だけ、内輪で盛り上がっていただけの前日とは打って変わり、一般にも開放されたお祭り会場には多くのお客さんで賑わう。うちの大学も元気があった頃は、敵対するサークルの屋台を闇討ちしたなんて話を聞いたけれど、今は全くそんなことはなく、平和で楽しい学園祭。焼きそばがあればクレープもあるし、手品の観られる喫茶店にメイドカフェ、軽音部のライブをやってる隣の部屋ではグリークラブが歌っている。

 僕らの企画展にも予想通り、朝から大勢の見物客がやってきた。B館の204講義室の入り口を入るとまず受付。一応アンケートを渡される。回答項目はありきたりだけど。“どこでこの企画展を知りましたか?”とか“展示物の見やすさはいかがでしたか?”とか。最初のエリアにはソレウス構造体関連の情報を書いたパネル。前年まで使っていたパネルは処分して、新たに業者に頼んで作ってもらった。ここからも僕らの気合の入りようは伝わるかな。

 それから、これまでの予備実験や実際の掃討実験のデータから起こした仮想ヴィジュアルの映像。ヨウジロウが慣れない映像編集ソフトを駆使して、編集してあるから結構見応えがある。“イントゥ・ブラッド”の映像には劣るけどね。

 そして1番奥には4メートル四方のアクションフィールドと掃討実験に実際に使う器具たち。体験したいとの申し出があれば、もちろん“遊ぶ”こともできる。今、体験希望者がいなくても、あとで出番があるわけで、すぐに稼動できるようスタンバイは完了している。

 今日は来場者に全てを見てもらえるよう、コンピュータも部室から持ってきて、講義室の机に据えた。絶対禁煙の講義室でヨウジロウはコンピュータの相手をしなくちゃならない。「今日だけだからな」と1日限りの禁煙を受け入れてくれた。

 掃討実験の予定は15時半。まだまだ時間はある。僕らは交代で受付を担当し、空きの時間は学園祭を楽しむことにした。でも、どうせなら4人で回りたいなと思っていると、顧問の柳田先生がやってきて「ここは俺に任せて、お前らは早く、行け!」なんて中2くさいセリフを吐きながら、受付にどかっと座った。「ほんとは奥さんと娘さんから解放されたかっただけ」とマドカは笑った。自分の職場の学園祭に家族を連れてくるのは確かにしんどいかもしれない。

 お陰で僕ら4人は存分に学園祭を楽しむことができた。サッカー部の押し売り部隊に絡まれて死んだ目をするヨウジロウを見て笑い、ぼったくり価格のクリームソーダをわざわざ屋台で買った華山先輩を見て笑い、メイドカフェでネコ耳をつけてノリノリで踊るマドカを見て笑った。一生分笑って操縦研の企画展に戻ると、見知った顔がちらほらと。

 蒲生里大操縦研のOBが数人。もう大学を卒業して立派な社会人になった先輩たち。彼らは僕らを心から褒めてくれた。正直、嬉しかった。同時に感謝した。やっぱり先輩たちのお陰で、僕らの成功がある。その旨を伝えると先輩たちは謙遜したが、やっぱり嬉しそうではあった。それを見てまた嬉しくなる。

「さっさと卒業しろよ」と弄られて、華山先輩が不貞腐れる。

「石立はどこか就職したい業種とかあるのか」

 VR体験をしている子供たちを眺めながら、山下先輩が言った。あまり将来のことを考えていなかった。「潰しがきくから」と親や高校の担任に言われ、あまり考えもせず法学部へ入学した。掃討実験に挑戦する会社に興味こそあったが、就職する気にはなれない。日本の民間企業はことごとく掃討実験に失敗している。多分、就職したとして、今以上のやりがいを感じることはないだろう。

 そもそも華山先輩という超人的な操縦者がいるから、うちの掃討実験は成功しているのであり、華山先輩がいないチームには魅力を感じない。

「なんだったらうちの会社に来るといい。まだ僕はペーペーだけど、上に話くらいは」

 山下先輩の就職先ってどこだったっけ。そう思っていると、雑司ヶ谷が訪ねてきた。今日も黒のワークキャップに、いつにも増して生い茂ったヒゲ。旧友の存在に気づき「しまった」という顔をわずかに見せる。彼に気づいたOBたちが周りを囲む。「お前生きてたんか」とか「今何してんだ」とか。

 みんな楽しそうに思い出話しに花を咲かせる。雑司ヶ谷も幾分若返ったように、年相応の無邪気な笑顔を見せていた。僕は少し離れたところから聞き耳をたてる。

「まだ華山と付き合ってんのか」

 人山の中で誰かが言った。僕はその言葉を聞いて、華山先輩が雑司ヶ谷に会いたがらない理由をなんとなく察した。やっぱり華山先輩のことは知らないことの方が多いと気づかされる。なぜだか居た堪れない気持ちになって、教室から抜け出す。

 学園祭は昼を過ぎて、混雑と賑わいのピークにあった。ペンシルバルーンのウサギを大切そうに持った女の子とその家族。ジャズ喫茶から腕を組んで出て来るカップル。野外ステージでは下手くそなコピーバンドのボーカルがシャウトして、屋台ではおちゃらけた体育会系のサークル部員が呼び込みをしていた。

 その様子を見るともなしに眺めながら、歩いていると後ろから声をかけられた。華山先輩だった。「あいつらうるさいから」とOBたちを評する。手に持ったたこ焼きを勧めてきた。1つだけもらって頬張る。嫌にしょっぱいたこ焼きだったが、華山先輩は大事そうにゆっくり食べていた。そのまま2人で歩く。

「ちょっと付き合って」と言われ、2人で奇術研究会のマジック喫茶へ。ここではお菓子とドリンク、それから部員のテーブルマジックが提供される、うちの学園祭で上位人気の企画だ。しばらく待たされて、席に案内される。僕らの担当マジシャンはまだ1年生らしく、見てるこちらが心配してしまうほど緊張していた。でも内容自体は素晴らしく、ことごとく騙された。

 さっきまで何も入っていなかったはずの真鍮のカップから、大きくて香りの良いレモンが2つ出てきたときには、思わず声を上げて驚いてしまった。断りもせずレモンを手に取り、タネがないかと探り出した僕を見て華山先輩が笑う。先輩はタネを見破ろうなんて無粋な見方をせず、マジシャンが無意識のドヤ顔を見せれば、微笑みながら拍手をする。楽しい時間だった。

 マジック喫茶を後にして、ふらふらと散策しているとキャンパスの外れの方まで着いた。人はまばらだった。少し高台になっている理系エリアから学園祭の様子を眺める。連なる屋台から煙が流れてくる。焼き鳥の油と炭の匂い。華山先輩が芝に腰を下ろした。黒いコートが暖かい地面に扇のように広がった。

「今日、うまくいかない気がする」

 華山先輩は立てた膝に額をつけて伏せっていた。先輩が弱音を吐くのを初めて聞いた。

「どうしてそんな風に思うんですか」

「わかんない。……予感っていうか」

 予感か。それはさっきマジック喫茶で、トランプの予言マジックを見たからではないのか、なんて思う。きっと大丈夫ですよ、と励ますと、

「そうだね」

と言って立ち上がった。先輩の顔はもういつものクールな顔で、長い髪がぬるい風に流されて、きらきらと光を弾く。

 失敗したっていいじゃないですか、とは軽々しく言えなかった。医療実験である以上、その向こうには患者がいるわけで、彼らやその家族、知人のことを思うと、そんなことは言えない。でも先輩はいろんなものをひとりで背負い過ぎているし、少しくらい誰かに弱さを見せても良いと思う。

 そろそろ掃討実験の予定時刻が迫ってきた。

「行きましょうか」

 その言葉に軽く頷いて、先輩はゆっくりと歩き出す。黒いコートが風に揺れる。つむじ風に抗う黒いアゲハのように見えた。
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