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砂漠の遺跡(下)
23。
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「チェリス・・・」
「待ってましたよ、あなた方を。聖堂に入る悪しき者達は、神官でさえ剣を持ち、戦う事。
それがこの聖堂の掟です。ここから先へは行かせません」
シェルは腰にさしていた短剣を抜いた。
「一つ教えなさい。貴方たちを操っているのは誰なの?」
操っている・・・?
「どういう事?シェル」
「彼からはこの間とは違った、もっと力の強いものが注がれているわ」
「そう、その通り。私達に力をお与え下さるのはここの教祖ヴェンディール様だ」
「ヴェンディール!あの偉大なる狂った教祖!!」
「黙れ!ヴェンディール様を馬鹿にする者は許さんっ!!」
そう叫ぶとチェリスはシェルめがけて斬りつけてきた。
「シェル!」
「大丈夫よ、ロムル」
今はうまく避けたけど、シェルは女の人だ。そのうち押されてしまうだろう。
その時、僕の頭の中にウェルザの言葉がよぎった。
―これで貴方に対して害を与える闇の者はほとんど近づけません。召喚の言葉によっては攻撃になります―
闇の者はウィルウォー・ウィスプに触れない・・・。てことは僕から近づいていけばあちらは消滅するはず。
そうとなったら・・・。
「ラクナス」
僕はマントからラクナスを出した。ラクナスはきょとんとした顔で僕を見つめる。
「危ないからここにいて」
そうしてラクナスを地面に置くと、僕はチェリスめがけて思いっきり突っ込んだ。
「ロムル!!」
シェルが叫んだのと同時に激しい痛みが僕の左肩を貫いた。
チェリスが剣で突き刺したようだった。
が、すでに僕はチェリスの身体に体当たりしていた。
チェリスは鋭く叫び、声を上げ、そして消えていった。
最後に「ヴェンディール様万歳!」と叫びながら。
チェリスと戦ったあと、僕はシェルに手当をしてもらった。
その後、少し歩いたところでウォーク達と合流した。
「俺らのところにも来たぜ、クレアが」
「彼女もやはりヴェンディールから力をもらったと言っていました。と、言う事はこの中にまだあのヴェンディールが残っているということですね」
「きっと・・・聖堂よ。何となくだけど・・・。それでも行かなくては」
シェルのその決意にウェルザは頷いて。
「・・・いいでしょう。では聖堂へ」
「あ、その前にウェルザ、肩治して」
僕が情けない声でウェルザに縋ると、ウェルザは驚いた。
「え!?どうしたのですか?」
「実は・・・」
事情を説明すると、
「・・・ふむ、ウィルウォー・ウィスプをもう一度召喚する時間がなく、捨て身の攻撃をしたのですね」
僕は頷いた。
「分かりました。とりあえず痛み止めはかけておきます。ウィルウォー・ウィスプがいるので大丈夫だとは思うのですが、仮にも悪霊の攻撃を受けたのです。剣にどんな作用があるか分かりませんので治療は明るいところでしましょう」
そう言うとウェルザは服の上から魔法をかけてくれた。
「・・・どうです?痛みの方はもうないでしょう?」
「うん。ありがとう」
「じゃ、いくか」
そうして僕らは再び歩き出した。
「待ってましたよ、あなた方を。聖堂に入る悪しき者達は、神官でさえ剣を持ち、戦う事。
それがこの聖堂の掟です。ここから先へは行かせません」
シェルは腰にさしていた短剣を抜いた。
「一つ教えなさい。貴方たちを操っているのは誰なの?」
操っている・・・?
「どういう事?シェル」
「彼からはこの間とは違った、もっと力の強いものが注がれているわ」
「そう、その通り。私達に力をお与え下さるのはここの教祖ヴェンディール様だ」
「ヴェンディール!あの偉大なる狂った教祖!!」
「黙れ!ヴェンディール様を馬鹿にする者は許さんっ!!」
そう叫ぶとチェリスはシェルめがけて斬りつけてきた。
「シェル!」
「大丈夫よ、ロムル」
今はうまく避けたけど、シェルは女の人だ。そのうち押されてしまうだろう。
その時、僕の頭の中にウェルザの言葉がよぎった。
―これで貴方に対して害を与える闇の者はほとんど近づけません。召喚の言葉によっては攻撃になります―
闇の者はウィルウォー・ウィスプに触れない・・・。てことは僕から近づいていけばあちらは消滅するはず。
そうとなったら・・・。
「ラクナス」
僕はマントからラクナスを出した。ラクナスはきょとんとした顔で僕を見つめる。
「危ないからここにいて」
そうしてラクナスを地面に置くと、僕はチェリスめがけて思いっきり突っ込んだ。
「ロムル!!」
シェルが叫んだのと同時に激しい痛みが僕の左肩を貫いた。
チェリスが剣で突き刺したようだった。
が、すでに僕はチェリスの身体に体当たりしていた。
チェリスは鋭く叫び、声を上げ、そして消えていった。
最後に「ヴェンディール様万歳!」と叫びながら。
チェリスと戦ったあと、僕はシェルに手当をしてもらった。
その後、少し歩いたところでウォーク達と合流した。
「俺らのところにも来たぜ、クレアが」
「彼女もやはりヴェンディールから力をもらったと言っていました。と、言う事はこの中にまだあのヴェンディールが残っているということですね」
「きっと・・・聖堂よ。何となくだけど・・・。それでも行かなくては」
シェルのその決意にウェルザは頷いて。
「・・・いいでしょう。では聖堂へ」
「あ、その前にウェルザ、肩治して」
僕が情けない声でウェルザに縋ると、ウェルザは驚いた。
「え!?どうしたのですか?」
「実は・・・」
事情を説明すると、
「・・・ふむ、ウィルウォー・ウィスプをもう一度召喚する時間がなく、捨て身の攻撃をしたのですね」
僕は頷いた。
「分かりました。とりあえず痛み止めはかけておきます。ウィルウォー・ウィスプがいるので大丈夫だとは思うのですが、仮にも悪霊の攻撃を受けたのです。剣にどんな作用があるか分かりませんので治療は明るいところでしましょう」
そう言うとウェルザは服の上から魔法をかけてくれた。
「・・・どうです?痛みの方はもうないでしょう?」
「うん。ありがとう」
「じゃ、いくか」
そうして僕らは再び歩き出した。
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