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第四部
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ノアはカーネルの領館の地下にある転送魔法陣で一瞬で王宮まで行けたことにかなり驚いていた。キラキラとした尊敬の眼差しでアレクを見つめていた。
「……こんな凄い魔法を使えるなら、シーニュなら筆頭魔法使いになれます」
「いやいやそれほどでも。でも、鳥の民の魔法は人族のとちょっと系統が違うから一概に比べられないんだよ」
純粋な目で褒められて嬉しかったのか、アレクは照れくさそうに頬を染めていた。
「とりあえず、長居したら仕事増やされるからさくっと用事だけ片付けようね」
今回の王都滞在は夜会出席が目的なので、荷物も随員も最低限だ。
一応は国王夫妻に到着の挨拶をしてから、夜会の準備に入る予定になっている。
すでにあちこちからお茶会や夜会の招待が届いているらしくて、それを侍従が持って来たらアレクはうんざりしたように顔をしかめて、ざっと見た後で一通だけを抜き出す。
「あとは全部断っといて」
侍従に残りを突き返すと、手にした一通をカミーユに差し出してきた。双頭の獅子の紋章が封蝋にあしらわれている。
「王立大学の紋章だよ」
「王立大学……?」
そこにはロラン王子が留学している。そして、学長の名前で有望な学生を王太子ご夫妻に紹介したいので、夜会の前にお時間をいただきたいと書かれていた。
……ロラン王子が書いてきたのはこのことだろうか。たしかに今夜の夜会には大学の上位成績者も招かれていたはずだ。その中にロラン王子とクリフ・ノエの名前もあった。
「なかなかあの殿下は聡明だね。代々王太子が王立大学の名誉顧問になってるのを知ってたんだ。了承の返事をしておくよ」
アレクにもノアのことでロラン王子と接触すると話してある。ロラン王子からの手紙の内容も。だから双頭の獅子、で大学が関係すると予想していたのかもしれない。
「名誉顧問……? でもアレクは大学には通っていないよね?」
王立大学の学生は年齢はまちまちだがおおよそカミーユたちとさほど歳格好が変わらないと聞いていた。ロラン王子が留学すると聞いて少し興味を持って調べたのだ。
「まあ、王族とか高位貴族は大学の講師を呼んで授業を受けるから学校に通うことはないよ。下々と成績で比べられたくないからじゃない? カミーユは学校に興味あるの?」
「わたしは学校に行ったこともないし学問はほとんどバルバラに教わったから」
離宮にいた頃は家庭教師が通いで来ていた。顔も思い出せないがあまりやる気がなさそうで、大して何かを教わった記憶がない。それに塔で取り寄せられる書物は限られていた。
今はカーネルの領館の図書室にカミーユ専用の読書机を置いてくれていて、自分が教養不足でアレクに恥をかかせるわけにはいかないと、妃教育以外の書物も読むようにはしている。
「そうかー。興味がある分野があったら講師を招いてあげるし、おちついたら大学にも通ってみるといいよ。王族でも大学に通った前例はあるし、途中編入とかもできるからね」
「……そんな。わたしは……」
アレクはカミーユを引き寄せて頬に口づけた。
「僕はカミーユのやりたいことを邪魔しないよ」
……それはきっとロラン王子と会うことも含んでいる? 他国の政治に関わることになりかねないことをしようとしているのに。
「君は君のやりたいことをしていいんだ。ドミニク三世に十三年分の恨み事を突きつけてぶん殴っても構わないんだよ? 君にはその権利がある。あ、でも君が殴ったら死んじゃうか」
そう無邪気に言われてカミーユは考え込んだ。
……多分殴ったくらいじゃ死なないと思う。人を本気で殴ったことなんてないからわからないけど。多分。
さすがに他国の王をぶん殴ったらカミーユの評判は「暴れん坊」くらいでは済まない。さすがバルバラの弟子とか言われたらもっと嫌だ。
王立大学の生徒との面談は夜会前に設けられた。学長は五人の学生を連れてきたけれど、そのうち二人はロラン王子と銀色の髪をした華奢な青年。おそらく彼がクリフだろう。カミーユの後ろに控えたノアを凝視していたから。
あと三人は黒いガウンに双頭の獅子の紋章があしらわれた大学の制服を着ていた。けれど、ジョエルたちロラン王子の護衛らしい。
学長はすぐに席を外した。アレクがノアに一度振り向いてから、ロラン王子に向き直った。
「この子がノアだ。カミーユからお話が通っていると思うけれど、もしそちらの従者がこの子の身元を知っているなら教えて欲しいのだが」
「クリフから直接お話させてよろしいですか?」
ロラン王子はそう言ってから従者を促す。
「……クリフと申します。王太子殿下に感謝申し上げます。そこにいるノアは、幼い頃隣の家に住んでいた一家の末っ子で、しばらく同じ孤児院で過ごしていました」
「末っ子?」
「そうです。私も幼かったので記憶が曖昧ですが、確か四人ほど兄や姉がいたはずです。ただ、突然引き離されたあと、どこに連れて行かれたのかはわかりません」
そう答えてから彼がノアを呼ぶと、ノアは飛び出して彼の側に駆け寄った。
ノアが嬉しそうな顔を見せるのを微笑ましく見ながら、カミーユはロラン王子に向き直る。
カミーユはダルトワ侯爵からクリフがディマンシュの出身だと主張していると聞いていた。彼がロランに保護された経緯は定かではないけれど、ノアの話と総合すると彼もまた孤児院から鉱山に連れて行かれる前に逃げることができたのだろう。
彼らは運が良かった。先祖返りだから動物に化けて逃げることができたのだ。他の子供たちはおそらく鉱山に送られてしまった。
カミーユはそっと問いかけた。
「ノアはルフェーブルのリボーに住んでいたと言っていましたが、わたしは地図で見たことがありません。殿下はその街のことは?」
ルフェーブル領はカミーユが幽閉されていた塔のある辺境伯領と隣接していた。カミーユは塔の中で周辺の地図を見たことがあった。鉱山周辺は記載が大まかになっていて、おそらくは詳細を隠しているのだろうと感じた。
ロラン王子がカミーユに真剣なまなざしを向けてきた。
「リボーという地名はクリフからも聞いています。疫病騒ぎが会った頃から鉱山とその周辺は厳重な警備が敷かれていて、父が信頼する代官と鉱山ギルドが全て管理しています。地図には載せていないのです」
鉱山の内情はドミニク三世の実の息子であるロランすら知らされていなかった。
彼はずっと領地で育った。けれど肝心なことは何一つ教えてもらえない。それで父が自分を認めていないのだと感じるようになった。
ロランは偶然行き倒れていたクリフを保護して従者に取り立てた。それがきっかけで鉱山の内情に疑念を抱くようになった。
「クリフから話を聞いて孤児院にいるという他の子供たちも助けたかったのですが、それもなかなか叶わず……。そうしているうちに父に私が鉱山を探ろうとしていることが伝わってしまったのです。私は何もできませんでした」
無理もない。彼はカミーユと歳格好が変わらない。しかも領地で暮らしていたのなら頼れる人脈も少ないだろう。
「その子の親の消息も、お役に立てず申し訳ありません」
「ロラン殿下は本気でこの国においでになるおつもりなのですか?」
彼は将来亡命するつもりだと言っていた。けれど「今すぐ」ではない。それはつまり、何かを狙っているのではないかと思われる言い方だ。
ロランはヴェール越しにカミーユを見つめている。
「カミーユ様はダルトワ侯爵からいくらかお聞きなのではないですか? クリフのことはあまり表に出してはいなかったので。では、ご存じでしょう。私の父はどうやら多くの亜人たちを虐げていたようです。それを明らかにして、父の罪を私も償わなくてはなりません。それが終わったら国を出る、という意味です」
父の罪。それを聞いてカミーユの脳裏にはあの処刑場の後継が頭に浮かんだ。
「……あなたに罪は……」
「そうでしょうか。民を蔑ろにして亜人を虐殺したと先代国王は王子ともども処刑された。あなたも塔に幽閉された。……同じことでしょう」
カミーユは首を横に振った。確かに先例からすれば、ロラン王子も父と連座させられる可能性が高い。けれど。
「同じではなない。あなたは父君を告発しようとしているのだから」
「そうですね。だからそれに免じて国外追放くらいになればいいなと思ってます」
ロラン王子はふっと柔らかく微笑んだ。どこか諦観したような距離感を感じる笑みだった。
亡命というのは……そういう意味なのか。
ドミニク三世とその子供たちを処刑してしまったら、直系の王位継承権者がいなくなってしまう。王位争いで国が混乱するのではないだろうか。
「実はダルトワ侯爵からは釘を刺されています。妃殿下を巻き込むなと。だからご安心ください。今日はクリフとノアを会わせるために来ただけです」
「……一体何を始めるのですか」
「十三年前と同じことです……と言えばおわかりになるでしょう?」
ロランはそれだけ言ってから、部屋の隅でなにやら楽しそうに小声で話しているクリフとノアの姿に目を細めた。
「……こんな凄い魔法を使えるなら、シーニュなら筆頭魔法使いになれます」
「いやいやそれほどでも。でも、鳥の民の魔法は人族のとちょっと系統が違うから一概に比べられないんだよ」
純粋な目で褒められて嬉しかったのか、アレクは照れくさそうに頬を染めていた。
「とりあえず、長居したら仕事増やされるからさくっと用事だけ片付けようね」
今回の王都滞在は夜会出席が目的なので、荷物も随員も最低限だ。
一応は国王夫妻に到着の挨拶をしてから、夜会の準備に入る予定になっている。
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「あとは全部断っといて」
侍従に残りを突き返すと、手にした一通をカミーユに差し出してきた。双頭の獅子の紋章が封蝋にあしらわれている。
「王立大学の紋章だよ」
「王立大学……?」
そこにはロラン王子が留学している。そして、学長の名前で有望な学生を王太子ご夫妻に紹介したいので、夜会の前にお時間をいただきたいと書かれていた。
……ロラン王子が書いてきたのはこのことだろうか。たしかに今夜の夜会には大学の上位成績者も招かれていたはずだ。その中にロラン王子とクリフ・ノエの名前もあった。
「なかなかあの殿下は聡明だね。代々王太子が王立大学の名誉顧問になってるのを知ってたんだ。了承の返事をしておくよ」
アレクにもノアのことでロラン王子と接触すると話してある。ロラン王子からの手紙の内容も。だから双頭の獅子、で大学が関係すると予想していたのかもしれない。
「名誉顧問……? でもアレクは大学には通っていないよね?」
王立大学の学生は年齢はまちまちだがおおよそカミーユたちとさほど歳格好が変わらないと聞いていた。ロラン王子が留学すると聞いて少し興味を持って調べたのだ。
「まあ、王族とか高位貴族は大学の講師を呼んで授業を受けるから学校に通うことはないよ。下々と成績で比べられたくないからじゃない? カミーユは学校に興味あるの?」
「わたしは学校に行ったこともないし学問はほとんどバルバラに教わったから」
離宮にいた頃は家庭教師が通いで来ていた。顔も思い出せないがあまりやる気がなさそうで、大して何かを教わった記憶がない。それに塔で取り寄せられる書物は限られていた。
今はカーネルの領館の図書室にカミーユ専用の読書机を置いてくれていて、自分が教養不足でアレクに恥をかかせるわけにはいかないと、妃教育以外の書物も読むようにはしている。
「そうかー。興味がある分野があったら講師を招いてあげるし、おちついたら大学にも通ってみるといいよ。王族でも大学に通った前例はあるし、途中編入とかもできるからね」
「……そんな。わたしは……」
アレクはカミーユを引き寄せて頬に口づけた。
「僕はカミーユのやりたいことを邪魔しないよ」
……それはきっとロラン王子と会うことも含んでいる? 他国の政治に関わることになりかねないことをしようとしているのに。
「君は君のやりたいことをしていいんだ。ドミニク三世に十三年分の恨み事を突きつけてぶん殴っても構わないんだよ? 君にはその権利がある。あ、でも君が殴ったら死んじゃうか」
そう無邪気に言われてカミーユは考え込んだ。
……多分殴ったくらいじゃ死なないと思う。人を本気で殴ったことなんてないからわからないけど。多分。
さすがに他国の王をぶん殴ったらカミーユの評判は「暴れん坊」くらいでは済まない。さすがバルバラの弟子とか言われたらもっと嫌だ。
王立大学の生徒との面談は夜会前に設けられた。学長は五人の学生を連れてきたけれど、そのうち二人はロラン王子と銀色の髪をした華奢な青年。おそらく彼がクリフだろう。カミーユの後ろに控えたノアを凝視していたから。
あと三人は黒いガウンに双頭の獅子の紋章があしらわれた大学の制服を着ていた。けれど、ジョエルたちロラン王子の護衛らしい。
学長はすぐに席を外した。アレクがノアに一度振り向いてから、ロラン王子に向き直った。
「この子がノアだ。カミーユからお話が通っていると思うけれど、もしそちらの従者がこの子の身元を知っているなら教えて欲しいのだが」
「クリフから直接お話させてよろしいですか?」
ロラン王子はそう言ってから従者を促す。
「……クリフと申します。王太子殿下に感謝申し上げます。そこにいるノアは、幼い頃隣の家に住んでいた一家の末っ子で、しばらく同じ孤児院で過ごしていました」
「末っ子?」
「そうです。私も幼かったので記憶が曖昧ですが、確か四人ほど兄や姉がいたはずです。ただ、突然引き離されたあと、どこに連れて行かれたのかはわかりません」
そう答えてから彼がノアを呼ぶと、ノアは飛び出して彼の側に駆け寄った。
ノアが嬉しそうな顔を見せるのを微笑ましく見ながら、カミーユはロラン王子に向き直る。
カミーユはダルトワ侯爵からクリフがディマンシュの出身だと主張していると聞いていた。彼がロランに保護された経緯は定かではないけれど、ノアの話と総合すると彼もまた孤児院から鉱山に連れて行かれる前に逃げることができたのだろう。
彼らは運が良かった。先祖返りだから動物に化けて逃げることができたのだ。他の子供たちはおそらく鉱山に送られてしまった。
カミーユはそっと問いかけた。
「ノアはルフェーブルのリボーに住んでいたと言っていましたが、わたしは地図で見たことがありません。殿下はその街のことは?」
ルフェーブル領はカミーユが幽閉されていた塔のある辺境伯領と隣接していた。カミーユは塔の中で周辺の地図を見たことがあった。鉱山周辺は記載が大まかになっていて、おそらくは詳細を隠しているのだろうと感じた。
ロラン王子がカミーユに真剣なまなざしを向けてきた。
「リボーという地名はクリフからも聞いています。疫病騒ぎが会った頃から鉱山とその周辺は厳重な警備が敷かれていて、父が信頼する代官と鉱山ギルドが全て管理しています。地図には載せていないのです」
鉱山の内情はドミニク三世の実の息子であるロランすら知らされていなかった。
彼はずっと領地で育った。けれど肝心なことは何一つ教えてもらえない。それで父が自分を認めていないのだと感じるようになった。
ロランは偶然行き倒れていたクリフを保護して従者に取り立てた。それがきっかけで鉱山の内情に疑念を抱くようになった。
「クリフから話を聞いて孤児院にいるという他の子供たちも助けたかったのですが、それもなかなか叶わず……。そうしているうちに父に私が鉱山を探ろうとしていることが伝わってしまったのです。私は何もできませんでした」
無理もない。彼はカミーユと歳格好が変わらない。しかも領地で暮らしていたのなら頼れる人脈も少ないだろう。
「その子の親の消息も、お役に立てず申し訳ありません」
「ロラン殿下は本気でこの国においでになるおつもりなのですか?」
彼は将来亡命するつもりだと言っていた。けれど「今すぐ」ではない。それはつまり、何かを狙っているのではないかと思われる言い方だ。
ロランはヴェール越しにカミーユを見つめている。
「カミーユ様はダルトワ侯爵からいくらかお聞きなのではないですか? クリフのことはあまり表に出してはいなかったので。では、ご存じでしょう。私の父はどうやら多くの亜人たちを虐げていたようです。それを明らかにして、父の罪を私も償わなくてはなりません。それが終わったら国を出る、という意味です」
父の罪。それを聞いてカミーユの脳裏にはあの処刑場の後継が頭に浮かんだ。
「……あなたに罪は……」
「そうでしょうか。民を蔑ろにして亜人を虐殺したと先代国王は王子ともども処刑された。あなたも塔に幽閉された。……同じことでしょう」
カミーユは首を横に振った。確かに先例からすれば、ロラン王子も父と連座させられる可能性が高い。けれど。
「同じではなない。あなたは父君を告発しようとしているのだから」
「そうですね。だからそれに免じて国外追放くらいになればいいなと思ってます」
ロラン王子はふっと柔らかく微笑んだ。どこか諦観したような距離感を感じる笑みだった。
亡命というのは……そういう意味なのか。
ドミニク三世とその子供たちを処刑してしまったら、直系の王位継承権者がいなくなってしまう。王位争いで国が混乱するのではないだろうか。
「実はダルトワ侯爵からは釘を刺されています。妃殿下を巻き込むなと。だからご安心ください。今日はクリフとノアを会わせるために来ただけです」
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