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第27話 狼の国 実態
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マオに食事を振る舞い、一息ついたところで話を切り出す。
「マオは何故この国に来たの?」
「この国が目的ではないのです。ぼくは人を探して各国を回っていたのですが、お金が無くなり途方に暮れていたのです。助けてもらえたことは本当に感謝しているです」
深々と頭を下げ、感謝を述べる。
このようにお腹いっぱいの食事などしばらくぶりだ。
「人探しか。それはどのような人?」
「豹族の特徴を持った人で、薄茶色の髪をした、目つきの鋭い人なのです。見かけた事はないですか?」
マオにとって、とても大事な人だ。
「うーん、僕はしらないなぁ。カミュは」
リオンの問いに顔を横に振る。
一緒に話を聞いていた侍女たちも顔を横に振った。
「そうなのですか……」
耳がぺたんと下がり、尻尾も力を失くす。
獣人と言うものは身体での感情表現がわかり過ぎるなとリオンは思わず苦笑した。
「もし見かけたら教えてあげるよ。良かったら僕も探してあげる」
「リオン様?」
カミュの方が驚いた。
リオンにはそのような事をしている時間はない。急いですることが山のようにあるのだ。
「いいじゃないか。それにこの国に長居するのは危ない。それなら手伝って早く出国してもらった方がいいだろ?」
「この国に、何か問題があるですか?」
マオはキョトンとした顔をする。
「うん。今凄く危ないの。下手したら戦争だ」
絶やさぬ笑顔のままリオンは爆弾発言をした。
「恥ずかしながら、今のこの国は治安が悪い」
リオンは諦めの表情だ。
「王が病気で死に、王太子は消えた。その王太子に子はいるけれどまだ小さい。しっかりとした後見人もいない。ならば後見人という立場、実質の次の王の座を二人の者が狙っている。王太子の弟である第二王子と、亡くなった国王の実の弟。二人は仲が悪く、貴族の派閥も同力程度に割れている」
リオンは二人の為や国の為に何かをしようという気概が薄い。
いなくなった王太子こそ国王に相応しいとリオンは今も思っているから、それ以外の者が王位についても支えようという気がないのだ
誇り高いと言われた狼族がこうして平気で他の国の者や獣人を襲っているという事実に、軽い失望はしているが、そうなるのも納得な気持ちがある。
絶対的な信頼を集めていた王太子の兄がいなくなり、大きな歪みが生まれてしまった。
今では権力争いと税金の過剰徴収が横行している。止める者がいないとこんなことが平気で行なわれるのかと驚いた
第二王子や王弟が代わりに指揮を揮っても立ち直れるかはわからない程荒廃している。
それでも誰かが支えなくてはいけないのだが、お互いが足を引っ張り合うから、この不安定な情勢が長引いている。
それに巻き込まれたくなくて、リオンはここ最近は王城に戻る事をせずに、街にある別邸にて過ごしているのだ。
王族の義務を放棄しているとも言われるが、リオンもまた第三王子として微妙な立ち位置で苦悩していた。第二王子派と王弟派のどちらに付くかを何度も言われてきたので、頭が痛く、嫌なのである。
(兄様がいればな)
実直で真面目な長兄が一番良かったとリオンは思う。
ずっとリオンは兄が国王になると思って支えてきたし、彼のような男になりたかった。
「この国の為に共に頑張ろう。リオンの力が必要だ」
長兄にそう言われ、頼りにされていると思ったからこそずっと頑張ってきた。
体も小さく、力の弱いリオンの事も認めてくれ、言葉も意見も取り入れてくれて、見下されることもなかった。
優しく、そして頼りになる兄が大好きだ。
そんな兄が急に姿を消した。理由もわからず、生死もわからない。
「僕は国を捨てる気だ」
そもそも長兄以外にリオンは認められていない。
王族に生まれたのに小柄な体で威厳もないとよく言われる。
「狼? 狐だろ?」
強いものの威を借る者と揶揄され、小賢しいだけで王族に到底相応しくないと馬鹿にされていた。
リオンは国を捨てると言ったが、先にリオンを捨てたのは国だと思っている。
こんな事態になるまで見向きもされたなかったのだから。
今更国の為になれだなど言われても、死んでもごめんだ。
「マオは何故この国に来たの?」
「この国が目的ではないのです。ぼくは人を探して各国を回っていたのですが、お金が無くなり途方に暮れていたのです。助けてもらえたことは本当に感謝しているです」
深々と頭を下げ、感謝を述べる。
このようにお腹いっぱいの食事などしばらくぶりだ。
「人探しか。それはどのような人?」
「豹族の特徴を持った人で、薄茶色の髪をした、目つきの鋭い人なのです。見かけた事はないですか?」
マオにとって、とても大事な人だ。
「うーん、僕はしらないなぁ。カミュは」
リオンの問いに顔を横に振る。
一緒に話を聞いていた侍女たちも顔を横に振った。
「そうなのですか……」
耳がぺたんと下がり、尻尾も力を失くす。
獣人と言うものは身体での感情表現がわかり過ぎるなとリオンは思わず苦笑した。
「もし見かけたら教えてあげるよ。良かったら僕も探してあげる」
「リオン様?」
カミュの方が驚いた。
リオンにはそのような事をしている時間はない。急いですることが山のようにあるのだ。
「いいじゃないか。それにこの国に長居するのは危ない。それなら手伝って早く出国してもらった方がいいだろ?」
「この国に、何か問題があるですか?」
マオはキョトンとした顔をする。
「うん。今凄く危ないの。下手したら戦争だ」
絶やさぬ笑顔のままリオンは爆弾発言をした。
「恥ずかしながら、今のこの国は治安が悪い」
リオンは諦めの表情だ。
「王が病気で死に、王太子は消えた。その王太子に子はいるけれどまだ小さい。しっかりとした後見人もいない。ならば後見人という立場、実質の次の王の座を二人の者が狙っている。王太子の弟である第二王子と、亡くなった国王の実の弟。二人は仲が悪く、貴族の派閥も同力程度に割れている」
リオンは二人の為や国の為に何かをしようという気概が薄い。
いなくなった王太子こそ国王に相応しいとリオンは今も思っているから、それ以外の者が王位についても支えようという気がないのだ
誇り高いと言われた狼族がこうして平気で他の国の者や獣人を襲っているという事実に、軽い失望はしているが、そうなるのも納得な気持ちがある。
絶対的な信頼を集めていた王太子の兄がいなくなり、大きな歪みが生まれてしまった。
今では権力争いと税金の過剰徴収が横行している。止める者がいないとこんなことが平気で行なわれるのかと驚いた
第二王子や王弟が代わりに指揮を揮っても立ち直れるかはわからない程荒廃している。
それでも誰かが支えなくてはいけないのだが、お互いが足を引っ張り合うから、この不安定な情勢が長引いている。
それに巻き込まれたくなくて、リオンはここ最近は王城に戻る事をせずに、街にある別邸にて過ごしているのだ。
王族の義務を放棄しているとも言われるが、リオンもまた第三王子として微妙な立ち位置で苦悩していた。第二王子派と王弟派のどちらに付くかを何度も言われてきたので、頭が痛く、嫌なのである。
(兄様がいればな)
実直で真面目な長兄が一番良かったとリオンは思う。
ずっとリオンは兄が国王になると思って支えてきたし、彼のような男になりたかった。
「この国の為に共に頑張ろう。リオンの力が必要だ」
長兄にそう言われ、頼りにされていると思ったからこそずっと頑張ってきた。
体も小さく、力の弱いリオンの事も認めてくれ、言葉も意見も取り入れてくれて、見下されることもなかった。
優しく、そして頼りになる兄が大好きだ。
そんな兄が急に姿を消した。理由もわからず、生死もわからない。
「僕は国を捨てる気だ」
そもそも長兄以外にリオンは認められていない。
王族に生まれたのに小柄な体で威厳もないとよく言われる。
「狼? 狐だろ?」
強いものの威を借る者と揶揄され、小賢しいだけで王族に到底相応しくないと馬鹿にされていた。
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