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悪い夢
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ロゼッタはありのまま話して様子を見ることにした。
「そうか……」
ルアネドはしばし考え込んだ。
「リッカの事を少し調べてみるが、証拠が見つかるまでは不当な扱いはしない。冤罪が心配で言えなかったのだろう?」
何故かすんなり信じてもらえたようで、婚約破棄はなさそうだ。
だがこれでルアネドの命は守られると思うと、今はそれで充分だ。
「他に気になる点はあるか? 何か見たとか聞いたとか?」
あの時の映像をもう一度思い出してみる。
「リッカはちらちらとある方を見てました……ごめんなさい、名前が出てこないのです。見たことのある顔なのに」
「来賓者のリストを見てみよう、今シュゼットに持ってきてもらう」
「ロゼッタ様大丈夫ですか? そしてルアネド様、いかが致しましたか?」
呼び鈴の音にすぐ駆けつけてくれる。
ロゼッタの顔色が良さそうなのを見て安心した表情にもなる。
「ロゼッタは大丈夫だが、大事をとって今日はこのまま休んでもらう。俺の残りの執務は明日に回してくれ、このまま付き添いたい。夕食もこちらへ運ぶよう伝えてくれ。それと」
すらすらと命じていく。
「婚約パーティの招待客リストが欲しい。ロゼッタがそのパーティで俺が暗殺されるという夢を見たそうだ」
「はっ?!」
シュゼットが顔を顰めた。
待ってほしい。
まさか妄想のような話をシュゼットにまで言うなんて。
ロゼッタはオロオロしてしまった。
シュゼットは怪訝な顔をしている。
「暗殺とは穏やかではないですね……すぐお持ちいたします」
「頼む」
ロゼッタが言い訳するより早く、シュゼットが出ていってしまった。
「どうしてシュゼットにまで言ったのですか? 私の妄想かもしれないじゃないですか?!」
「シュゼットの協力は必要だろ? 俺は君の言ったことを信じる」
シュゼットが持ってきてくれたリストを見ると、ロゼッタが見たのは先代の王弟ールアネドの叔父にあたる人のようだ。
「叔父が何故……俺を王にと後押ししてくれたのに」
さすがのルアネドもショックなようだ。
パルスでの後継者争いでルアネドの叔父、カルサスはルアネドの支援をしてくれた。
王弟で大公という地位にいたカルサスの後押しは功を奏し、無事に王位を継げた。
争ったルアネドの兄弟達は臣下に下ったり、暗殺を謀ったものは断種の末追放した。
争いの種を摘み、ようやくルアネドも婚約者を取る算段となったのに。
「落ち着いた今だから動き出したのでしょうか」
シュゼットも沈痛な面持ちだ。
王弟であったが、後継者争いの中では順位が低かったカルサス。
しかし貴族としての社交性は高く、カルサスがいたから周囲の賛同を得られたのだ。
ルアネドにとって感謝してもしきれない恩人である。
「やはり、私の気の所為です。カルサス様がそんな事をするとは思いませんし」
ロゼッタは自分の一言が波乱を生んでしまったと後悔している。
(やはり言わなければよかった)
ルアネドが震えるロゼッタに気づき、頭を撫でる。
「ロゼッタが言ってくれなければ俺は死んでたかもしれない、ありがとう。夫婦になるんだから、気になったことは隠さず伝えて欲しい」
優しい笑顔を向けられ、ロゼッタはほっとする。
「すぐにカルサス殿とリッカの調査を。時間がないから急いでくれ」
「はい!」
シュゼットが出ていく。
「俺も君に内緒にしている事がある。滞りなく婚約パーティが終わったら、ぜひ聞いてくれ」
「そうか……」
ルアネドはしばし考え込んだ。
「リッカの事を少し調べてみるが、証拠が見つかるまでは不当な扱いはしない。冤罪が心配で言えなかったのだろう?」
何故かすんなり信じてもらえたようで、婚約破棄はなさそうだ。
だがこれでルアネドの命は守られると思うと、今はそれで充分だ。
「他に気になる点はあるか? 何か見たとか聞いたとか?」
あの時の映像をもう一度思い出してみる。
「リッカはちらちらとある方を見てました……ごめんなさい、名前が出てこないのです。見たことのある顔なのに」
「来賓者のリストを見てみよう、今シュゼットに持ってきてもらう」
「ロゼッタ様大丈夫ですか? そしてルアネド様、いかが致しましたか?」
呼び鈴の音にすぐ駆けつけてくれる。
ロゼッタの顔色が良さそうなのを見て安心した表情にもなる。
「ロゼッタは大丈夫だが、大事をとって今日はこのまま休んでもらう。俺の残りの執務は明日に回してくれ、このまま付き添いたい。夕食もこちらへ運ぶよう伝えてくれ。それと」
すらすらと命じていく。
「婚約パーティの招待客リストが欲しい。ロゼッタがそのパーティで俺が暗殺されるという夢を見たそうだ」
「はっ?!」
シュゼットが顔を顰めた。
待ってほしい。
まさか妄想のような話をシュゼットにまで言うなんて。
ロゼッタはオロオロしてしまった。
シュゼットは怪訝な顔をしている。
「暗殺とは穏やかではないですね……すぐお持ちいたします」
「頼む」
ロゼッタが言い訳するより早く、シュゼットが出ていってしまった。
「どうしてシュゼットにまで言ったのですか? 私の妄想かもしれないじゃないですか?!」
「シュゼットの協力は必要だろ? 俺は君の言ったことを信じる」
シュゼットが持ってきてくれたリストを見ると、ロゼッタが見たのは先代の王弟ールアネドの叔父にあたる人のようだ。
「叔父が何故……俺を王にと後押ししてくれたのに」
さすがのルアネドもショックなようだ。
パルスでの後継者争いでルアネドの叔父、カルサスはルアネドの支援をしてくれた。
王弟で大公という地位にいたカルサスの後押しは功を奏し、無事に王位を継げた。
争ったルアネドの兄弟達は臣下に下ったり、暗殺を謀ったものは断種の末追放した。
争いの種を摘み、ようやくルアネドも婚約者を取る算段となったのに。
「落ち着いた今だから動き出したのでしょうか」
シュゼットも沈痛な面持ちだ。
王弟であったが、後継者争いの中では順位が低かったカルサス。
しかし貴族としての社交性は高く、カルサスがいたから周囲の賛同を得られたのだ。
ルアネドにとって感謝してもしきれない恩人である。
「やはり、私の気の所為です。カルサス様がそんな事をするとは思いませんし」
ロゼッタは自分の一言が波乱を生んでしまったと後悔している。
(やはり言わなければよかった)
ルアネドが震えるロゼッタに気づき、頭を撫でる。
「ロゼッタが言ってくれなければ俺は死んでたかもしれない、ありがとう。夫婦になるんだから、気になったことは隠さず伝えて欲しい」
優しい笑顔を向けられ、ロゼッタはほっとする。
「すぐにカルサス殿とリッカの調査を。時間がないから急いでくれ」
「はい!」
シュゼットが出ていく。
「俺も君に内緒にしている事がある。滞りなく婚約パーティが終わったら、ぜひ聞いてくれ」
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