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第7話 学生生活
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その後レナンがエリックと婚約を結び、一緒に登校した事で快適な学校生活を送ることができた。
幾人かの令息令嬢がいなくなっていたが、気づかなかったことにして。
月日は経ち、本日はティタンとミューズの入学式。
マオも一緒に制服を来て隣を歩く。
普段着慣れないスカートが嫌だそうで、不機嫌だ。
「ミューズ、マオ」
入学式の会場に向かう途中、エリックとレナンが立っていた。
その後ろには笑いをこらえたニコラと、新たな従者キュアが立っている。
エリックは卒業後立太子し、今は王太子として勉強中である。
ニコラも卒業してしまったため、まだ学生であるレナンを守るためキュアが従者として遣わされたそうだ。
黄緑色の髪と、茶色の目をした、女性だ。
魔力がずば抜けて高いが女性にしか懐かない。
エリックは二人を見て微笑む。
「とても素敵な制服姿だ。今度城へ来たときはぜひ着たところを父と母に見せてほしい」
「本当によく似合っているわ。二人共とても可愛らしい」
「ミューズ様はほんとによく似合っています。マオは、うん、がんばった」
笑いをこらえるニコラ。
殺気を出してマオは睨みつける。
「ほんとにお二人共素敵ですわ!ミューズ様もマオも。食べちゃいたいくらい可愛い」
不穏な発言をするキュア。
皆ニコニコと二人の制服姿を褒める。
「それでティタンは?」
弟の姿が見えないとキョロキョロしている。
「あの、ティタン様はですね。制服の寸法が合わなくなってしまい、急遽作成中ですの」
「大きめに作ったのですが、トレーニングのし過ぎか成長が早すぎるからか、作成してたものが合わなくなったのです」
一緒に登校したいと駄々をこねていたが、こればかりは仕方がない。
「今急いで作ってらっしゃるので三日後には完成されるそうです」
ミューズも少し残念な気持ちにはなったが仕方がない。
「よほど鍛えてるんだな。それ程までに大きくなったか」
せっせと城の騎士に混じり訓練していたのは覚えている。
だが制服が合わなくなるほどとは思わなかった。
「まぁ仕方ない。後日改めて見せてもらうとする。今日は首席合格のミューズの挨拶をしっかり聞いていくかな」
「止めてください、恥ずかしくてもう、心臓がドキドキしてるのですから」
入学時のテストにて最高得点を出したミューズは代表挨拶を任された。
点数ごとに編成されるクラスわけでは一番上のAクラスとなり、ティタンやマオも一緒になった。
ティタンはエリックには及ばぬものの、そこまで成績が悪いわけではない。
マオは何事もソツなくこなすため、上位にくいこんでいる。
「緊張した……」
教室に案内されグッタリとする。
身内に見守られながら、全校生徒の前で挨拶したのだから、緊張と恥ずかしさでたまらなかった。
会場では他の者にも王太子がいることが知られ、ざわざわとしていたが、無事に挨拶出来てよかった。
王太子は最後まで式を見届けてから、レナンと離れることを惜しみつつ、城へと戻っていった。
「お疲れ様なのです。ティタン様へも見せたかったのです」
マオは従者ということでミューズの隣だ。
ある程度爵位があるものは護衛をつれたり、従者を従えていたりする。
生徒として一緒に入学したものは同じクラスだったりするが、明らかに頭脳が足りないものは別なクラス、学校に通うものでなければ廊下で待機していたりする。
今は空白だがミューズの後ろにはティタンの席がある。
早く一緒に登校できるといいな。
「田舎くさい挨拶でしたわね」
クスクスと笑う声と侮蔑の言葉に机から顔を起こし、キョロキョロとする。
見るとどこかの令嬢がこちらをちらちらと見て仲間内で笑いあっている。
こちらを見下す顔に内心面倒くさいと思いながらマオに視線を移す。
「ミラ=マジェロ公爵令嬢です。二つ上の姉がいます。その姉はエリック様の婚約者候補までなったのですが、報われず、レナン様に嫉妬で嫌がらせをした後、エリック様によって叩き潰されてます」
ひそひそと情報を貰う。
どうやらとばっちりで嫌がらせを受けそうだが、無視すればやがて飽きるだろう。
「ひど過ぎる羽虫はぼくが叩きますのでご心配なく」
「そうね、マオがいれば安心だわ」
目線を逸らし、なるべく関わらないようにしようと思ったのだが、どうやら目をつけられたようだ。
幾人かの令息令嬢がいなくなっていたが、気づかなかったことにして。
月日は経ち、本日はティタンとミューズの入学式。
マオも一緒に制服を来て隣を歩く。
普段着慣れないスカートが嫌だそうで、不機嫌だ。
「ミューズ、マオ」
入学式の会場に向かう途中、エリックとレナンが立っていた。
その後ろには笑いをこらえたニコラと、新たな従者キュアが立っている。
エリックは卒業後立太子し、今は王太子として勉強中である。
ニコラも卒業してしまったため、まだ学生であるレナンを守るためキュアが従者として遣わされたそうだ。
黄緑色の髪と、茶色の目をした、女性だ。
魔力がずば抜けて高いが女性にしか懐かない。
エリックは二人を見て微笑む。
「とても素敵な制服姿だ。今度城へ来たときはぜひ着たところを父と母に見せてほしい」
「本当によく似合っているわ。二人共とても可愛らしい」
「ミューズ様はほんとによく似合っています。マオは、うん、がんばった」
笑いをこらえるニコラ。
殺気を出してマオは睨みつける。
「ほんとにお二人共素敵ですわ!ミューズ様もマオも。食べちゃいたいくらい可愛い」
不穏な発言をするキュア。
皆ニコニコと二人の制服姿を褒める。
「それでティタンは?」
弟の姿が見えないとキョロキョロしている。
「あの、ティタン様はですね。制服の寸法が合わなくなってしまい、急遽作成中ですの」
「大きめに作ったのですが、トレーニングのし過ぎか成長が早すぎるからか、作成してたものが合わなくなったのです」
一緒に登校したいと駄々をこねていたが、こればかりは仕方がない。
「今急いで作ってらっしゃるので三日後には完成されるそうです」
ミューズも少し残念な気持ちにはなったが仕方がない。
「よほど鍛えてるんだな。それ程までに大きくなったか」
せっせと城の騎士に混じり訓練していたのは覚えている。
だが制服が合わなくなるほどとは思わなかった。
「まぁ仕方ない。後日改めて見せてもらうとする。今日は首席合格のミューズの挨拶をしっかり聞いていくかな」
「止めてください、恥ずかしくてもう、心臓がドキドキしてるのですから」
入学時のテストにて最高得点を出したミューズは代表挨拶を任された。
点数ごとに編成されるクラスわけでは一番上のAクラスとなり、ティタンやマオも一緒になった。
ティタンはエリックには及ばぬものの、そこまで成績が悪いわけではない。
マオは何事もソツなくこなすため、上位にくいこんでいる。
「緊張した……」
教室に案内されグッタリとする。
身内に見守られながら、全校生徒の前で挨拶したのだから、緊張と恥ずかしさでたまらなかった。
会場では他の者にも王太子がいることが知られ、ざわざわとしていたが、無事に挨拶出来てよかった。
王太子は最後まで式を見届けてから、レナンと離れることを惜しみつつ、城へと戻っていった。
「お疲れ様なのです。ティタン様へも見せたかったのです」
マオは従者ということでミューズの隣だ。
ある程度爵位があるものは護衛をつれたり、従者を従えていたりする。
生徒として一緒に入学したものは同じクラスだったりするが、明らかに頭脳が足りないものは別なクラス、学校に通うものでなければ廊下で待機していたりする。
今は空白だがミューズの後ろにはティタンの席がある。
早く一緒に登校できるといいな。
「田舎くさい挨拶でしたわね」
クスクスと笑う声と侮蔑の言葉に机から顔を起こし、キョロキョロとする。
見るとどこかの令嬢がこちらをちらちらと見て仲間内で笑いあっている。
こちらを見下す顔に内心面倒くさいと思いながらマオに視線を移す。
「ミラ=マジェロ公爵令嬢です。二つ上の姉がいます。その姉はエリック様の婚約者候補までなったのですが、報われず、レナン様に嫉妬で嫌がらせをした後、エリック様によって叩き潰されてます」
ひそひそと情報を貰う。
どうやらとばっちりで嫌がらせを受けそうだが、無視すればやがて飽きるだろう。
「ひど過ぎる羽虫はぼくが叩きますのでご心配なく」
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