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第8話 嫌味な級友
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次の日から嫌味なのか悪口なのかひそひそと聞こえる。
授業で体調が悪くなり、医務室へ向かおうとすると、
「授業も受けないなんて、本当は難しすぎて理解できないからではないかしら」
などと。
夏の話し合い以来つけられた家庭教師とがっつり勉強していて履修済みだし、体が弱いのは学校にも相談済だ。
主治医の意見書も提出してる。
嫌味なのか何なのか、わざわざひそひそと話をしているのがたちが悪い。
読みたい本を図書室から借りて教室で読めば、
「本も買えないのね、お可哀想に。」
と、小馬鹿にされ、しかもタイトルを見て、
「『栽培の基本ー薬草とは何かー』。あら?ここにいるのは貴族ではなくて平民かしら」
と。
確かに栽培は平民がするのが多いが、薬草学は貴族でも大事なのに。
素敵な中庭を見つけ、王室用の寮にて料理人に特別にサンドイッチを作ってもらい、お弁当として持ってったら、
「まさか、ご自分で作って持ってきたと? お金がない方はとかく大変ですのね」
と高笑いされたりと、イヤミが凄かった。
寮に個別のキッチンはないし、寮のを借りるにしても入学したてなのだから、こんな短期間で手続き出来るわけもない。
支離滅裂なイヤミだ。
まぁミューズは王室専用のところから通っているし、寮にはたくさんの生徒がいるから気づいていないのだろう。
「んんん、面倒くさい!」
ミューズはさすがにマオに愚痴を言った。
「今から秘密裏に処理してきますか?」
それがどんな意味なのか。
物騒な事を言い出すマオに、慌てて首を横に振る。
「あの人、僕にもうるさいのです。黒髪黒目など平民の証って」
マオは全無視して返事もしないが、うるさいのはうるさい。
「マオまで言われるなんて、ひどいわ。何とかしないと」
「明日になれば公開処刑になると思います。ティタン様が登校するので」
そういえば今日には制服が出来るはず。
帰ったら見せてもらおう。
「やっと一緒に登校出来る!」
帰るなり、制服姿のティタンがぎゅっと抱きしめてきた。
三日間置いてきぼりだったので、寂しかったようだ。
ぎゅうぎゅうと厚い胸板に圧され、幸せながら軽く押し返す。
「く、苦しい…」
「すまない!」
急いでミューズから離れおろおろしている。
「ティタン様は馬鹿力です、加減しないとミューズ様が潰れてしまうのです」
ジト目でマオにも咎められ、しゅんとなる。
「でも、よく似合ってるわ。かっこいい」
息を整えてティタンを見ると、さっぱりとしてかっこよかった。
これからを考え大きめにしてもらっているが、そこまでの違和感はない。
「やっとミューズの隣を歩ける。嬉しいなぁ」
「あっティタン様は大きいので僕たちの後ろを歩いてください。幅取るので邪魔です」
ピシャリとマオに言われた。
「エスコートの際は別ですが、基本僕が隣を歩きます。後ろでは見えません。何かあれば教えて下さい」
ようやくミューズとの楽しい学校生活が送れると思ったのに、としょげてしまった。
「で、でもそばにいてくれるの嬉しいわ。席も私の後ろなの。一緒に行けるのとても楽しみ」
「そうだな、クラスも一緒なのだから楽しみだな。授業とか、クラスの雰囲気とかはどうだ? 誰かと話をしたか?」
その質問に二人は困ったように顔を見合わせた。
授業で体調が悪くなり、医務室へ向かおうとすると、
「授業も受けないなんて、本当は難しすぎて理解できないからではないかしら」
などと。
夏の話し合い以来つけられた家庭教師とがっつり勉強していて履修済みだし、体が弱いのは学校にも相談済だ。
主治医の意見書も提出してる。
嫌味なのか何なのか、わざわざひそひそと話をしているのがたちが悪い。
読みたい本を図書室から借りて教室で読めば、
「本も買えないのね、お可哀想に。」
と、小馬鹿にされ、しかもタイトルを見て、
「『栽培の基本ー薬草とは何かー』。あら?ここにいるのは貴族ではなくて平民かしら」
と。
確かに栽培は平民がするのが多いが、薬草学は貴族でも大事なのに。
素敵な中庭を見つけ、王室用の寮にて料理人に特別にサンドイッチを作ってもらい、お弁当として持ってったら、
「まさか、ご自分で作って持ってきたと? お金がない方はとかく大変ですのね」
と高笑いされたりと、イヤミが凄かった。
寮に個別のキッチンはないし、寮のを借りるにしても入学したてなのだから、こんな短期間で手続き出来るわけもない。
支離滅裂なイヤミだ。
まぁミューズは王室専用のところから通っているし、寮にはたくさんの生徒がいるから気づいていないのだろう。
「んんん、面倒くさい!」
ミューズはさすがにマオに愚痴を言った。
「今から秘密裏に処理してきますか?」
それがどんな意味なのか。
物騒な事を言い出すマオに、慌てて首を横に振る。
「あの人、僕にもうるさいのです。黒髪黒目など平民の証って」
マオは全無視して返事もしないが、うるさいのはうるさい。
「マオまで言われるなんて、ひどいわ。何とかしないと」
「明日になれば公開処刑になると思います。ティタン様が登校するので」
そういえば今日には制服が出来るはず。
帰ったら見せてもらおう。
「やっと一緒に登校出来る!」
帰るなり、制服姿のティタンがぎゅっと抱きしめてきた。
三日間置いてきぼりだったので、寂しかったようだ。
ぎゅうぎゅうと厚い胸板に圧され、幸せながら軽く押し返す。
「く、苦しい…」
「すまない!」
急いでミューズから離れおろおろしている。
「ティタン様は馬鹿力です、加減しないとミューズ様が潰れてしまうのです」
ジト目でマオにも咎められ、しゅんとなる。
「でも、よく似合ってるわ。かっこいい」
息を整えてティタンを見ると、さっぱりとしてかっこよかった。
これからを考え大きめにしてもらっているが、そこまでの違和感はない。
「やっとミューズの隣を歩ける。嬉しいなぁ」
「あっティタン様は大きいので僕たちの後ろを歩いてください。幅取るので邪魔です」
ピシャリとマオに言われた。
「エスコートの際は別ですが、基本僕が隣を歩きます。後ろでは見えません。何かあれば教えて下さい」
ようやくミューズとの楽しい学校生活が送れると思ったのに、としょげてしまった。
「で、でもそばにいてくれるの嬉しいわ。席も私の後ろなの。一緒に行けるのとても楽しみ」
「そうだな、クラスも一緒なのだから楽しみだな。授業とか、クラスの雰囲気とかはどうだ? 誰かと話をしたか?」
その質問に二人は困ったように顔を見合わせた。
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