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第26話 仕返し
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「お久しぶりです、ミューズ様」
「キュア!」
頼もしい人物にミューズは喜びを隠せない。
「どうしてこちらに? お姉様も一緒なの?」
キュアは王太子妃付の護衛術師だ。
その彼女が来ているという事はレナンも一緒なのだろうか。
「いいえ、本日はあたしだけです。何やら良くない噂を流されたと聞きまして、怒りでこちらに来てしまったのですよ」
ふふっと口元に笑みを浮かべながら、その拳が握られている。
「今あのオーランドが流したという確たる証拠を集めています、まぁ王家の諜報隊にかかればあっという間でしょうが。あの糞虫め、あたしの女神さまを脅かすとはただでは殺しません。後悔させてプチっと潰さねばなりませんからね」
「殺す?!」
さすがに物騒な言い方にミューズは声を上げ、マオがキュアを小突く。
「いえ、さすがにそんな事はしませんわ。ただ、契約違反として。表舞台から少し下りてもらうだけで。ミューズ様の見えるところで酷い事はしませんよ」
含みのある言葉で取り繕われる。
「何をするの……?」
さすがにあんまり酷い事はしてほしくない。
「大丈夫です。今度の諸外国との交流パーティで恥をかいてもらうだけですから」
にこりというキュアだが、それがどのような意味合いかミューズもさすがにわかる。
「それって、王族の方には致命的では?」
「我が国の王族であるティタン様の婚約者で、現王太子妃の妹であるミューズ様を貶したのですもの、国の威信をかけた報復です」
キラキラとした目でキュアは語りだした。
「噂を流したもの達も勿論罰します。ティタン様をただの貴族だと侮ったのでしょうが、そのような人を見下す連中は、いずれエリック様が治めるこのアドガルムにとっても要らないものです。金や権力でコロッといった責任はしっかりとってもらいますわ」
楽しそうに話すキュアだが、ミューズは不安でしかない。
「マオ、どういう事なの? 一体どんな話になっているの?」
また秘密裏に話しが進んでいて、ミューズは心が痛む。
知らぬ間に悪評は流され、知らぬ間に断罪劇の準備がされている。
頼もしいのだが申し訳ない、当事者だというのに把握できていない。
「ぼく達はミューズ様に穏やかな生活を送ってもらいたいのです。残念ですが周囲がそれを許さなかったので、ぼく達がミューズ様を守るために尽力すると決めたのです。要するにこれからも安心して過ごしてくださいという事なのです」
内容は教えられなかった。
守られているのは痛い程わかる、今までの騒動も皆がいなければ酷い目にあっていたはずだし、感謝も尽きない。
キュアがわざわざ話をしに来たのだって、ミューズを安心させる為に経過報告に来たのだろう。
あと何かあれば王太子妃付の護衛術師がこうして学校にくるのだと見せつける為だ。
大事にされている存在だと知らしめるために。
「いつも私は皆に守られてばかりね」
とんだお荷物で本当に申し訳ない。
「それだけ大事だという事です。ミューズ様、時には自然のまま流れに身を任せることも必要なのです」
余計な事はしなくていいという事なのだろう。
なぜ自分がここまでされるのかはわからないが、恵まれた環境にいることはわかる。
「ではミューズ様、今度の外交パーティで会えるのを楽しみにしていますわ」
「えっ?」
キュアの去り際の言葉に思わず固まってしまった。
「待って、学校は? それに外交パーティって私も参加なの?」
「オーランドにティタン様が本当にアドガルムの王族だと教えてあげるのです。そのために婚約者としてのミューズ様も参加するのです」
「あの王城に行くの?」
学校に入った年に社交界デビューは果たした。
大きなホール、沢山の煌びやかな人達、覚えたマナーは何とか披露できた。
だが途中で体調を崩し、挨拶もそこそこに退室してしまったので、細かいところを覚えていない。
そう言えばあの時ティタンも自分と共に退出した事を思い出した。
「もしかして、ティタンが王族として認知されていないのは私のせい?」
何だか重要な事を思い出した気がする。
「キュア!」
頼もしい人物にミューズは喜びを隠せない。
「どうしてこちらに? お姉様も一緒なの?」
キュアは王太子妃付の護衛術師だ。
その彼女が来ているという事はレナンも一緒なのだろうか。
「いいえ、本日はあたしだけです。何やら良くない噂を流されたと聞きまして、怒りでこちらに来てしまったのですよ」
ふふっと口元に笑みを浮かべながら、その拳が握られている。
「今あのオーランドが流したという確たる証拠を集めています、まぁ王家の諜報隊にかかればあっという間でしょうが。あの糞虫め、あたしの女神さまを脅かすとはただでは殺しません。後悔させてプチっと潰さねばなりませんからね」
「殺す?!」
さすがに物騒な言い方にミューズは声を上げ、マオがキュアを小突く。
「いえ、さすがにそんな事はしませんわ。ただ、契約違反として。表舞台から少し下りてもらうだけで。ミューズ様の見えるところで酷い事はしませんよ」
含みのある言葉で取り繕われる。
「何をするの……?」
さすがにあんまり酷い事はしてほしくない。
「大丈夫です。今度の諸外国との交流パーティで恥をかいてもらうだけですから」
にこりというキュアだが、それがどのような意味合いかミューズもさすがにわかる。
「それって、王族の方には致命的では?」
「我が国の王族であるティタン様の婚約者で、現王太子妃の妹であるミューズ様を貶したのですもの、国の威信をかけた報復です」
キラキラとした目でキュアは語りだした。
「噂を流したもの達も勿論罰します。ティタン様をただの貴族だと侮ったのでしょうが、そのような人を見下す連中は、いずれエリック様が治めるこのアドガルムにとっても要らないものです。金や権力でコロッといった責任はしっかりとってもらいますわ」
楽しそうに話すキュアだが、ミューズは不安でしかない。
「マオ、どういう事なの? 一体どんな話になっているの?」
また秘密裏に話しが進んでいて、ミューズは心が痛む。
知らぬ間に悪評は流され、知らぬ間に断罪劇の準備がされている。
頼もしいのだが申し訳ない、当事者だというのに把握できていない。
「ぼく達はミューズ様に穏やかな生活を送ってもらいたいのです。残念ですが周囲がそれを許さなかったので、ぼく達がミューズ様を守るために尽力すると決めたのです。要するにこれからも安心して過ごしてくださいという事なのです」
内容は教えられなかった。
守られているのは痛い程わかる、今までの騒動も皆がいなければ酷い目にあっていたはずだし、感謝も尽きない。
キュアがわざわざ話をしに来たのだって、ミューズを安心させる為に経過報告に来たのだろう。
あと何かあれば王太子妃付の護衛術師がこうして学校にくるのだと見せつける為だ。
大事にされている存在だと知らしめるために。
「いつも私は皆に守られてばかりね」
とんだお荷物で本当に申し訳ない。
「それだけ大事だという事です。ミューズ様、時には自然のまま流れに身を任せることも必要なのです」
余計な事はしなくていいという事なのだろう。
なぜ自分がここまでされるのかはわからないが、恵まれた環境にいることはわかる。
「ではミューズ様、今度の外交パーティで会えるのを楽しみにしていますわ」
「えっ?」
キュアの去り際の言葉に思わず固まってしまった。
「待って、学校は? それに外交パーティって私も参加なの?」
「オーランドにティタン様が本当にアドガルムの王族だと教えてあげるのです。そのために婚約者としてのミューズ様も参加するのです」
「あの王城に行くの?」
学校に入った年に社交界デビューは果たした。
大きなホール、沢山の煌びやかな人達、覚えたマナーは何とか披露できた。
だが途中で体調を崩し、挨拶もそこそこに退室してしまったので、細かいところを覚えていない。
そう言えばあの時ティタンも自分と共に退出した事を思い出した。
「もしかして、ティタンが王族として認知されていないのは私のせい?」
何だか重要な事を思い出した気がする。
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