絶対零度の悪役令嬢

コトイアオイ

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3.体験入学へ

色々な学び

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グレイはよっぽど少年のことが気に入らないのか、授業よりも彼の気配をチェックしているようだ。ナイフこそ出さないが、彼の周りは刺々しい空気である。



しかし、少年はそれを気にすることなく(気付いていないのか?)、授業の様子を見ている。眼鏡は伊達じゃない、彼は真面目な少年なのだ。口が悪いだけで。


かくいう私も、真剣に見学をしている。このクラスで学ぶことは、近い将来私も勉強しなければならないのだから。その時のために、授業のスピード・進め方を把握しておく。


ここ、1年次においては、魔法の基礎や心構えを中心に教えているようだ。まずは座学を極めてから、実践へという当然の流れだろう。

 
『始めは退屈そうじゃのう…』


セパルが心底嫌そうに呟く。地味な作業とか単調なことは苦手そうだもんなぁ。







 一コマ一時間の授業では、先生が板書したものを学生達が自分のノートに写していく。これだけ聞くと、前世での学校と同じように聞こえるが、その方法が大きく異なる。
先生が強調したいことは、黒板から文字が浮かび上がっているし、学生はいちいちペンを走らせることは無い。彼らは頭の中で文字を理解し、見たものをノートへ転写させているからだ。


こうして、日頃から魔法を用いることで、学生達は魔法力を磨き、同時にその底力を伸ばしていくのだ。この学園に入るのと入らないのでは、今後が全く違ってくるということを実感する。


授業の終了を告げる鐘の音が、教室に鳴り響く。授業が終わったところで、先生や学生達に見学させてもらったお礼を述べる。

今日の見学で得たものは大きかった。私はその結果に満足して、直前の一悶着のことを忘れ去っていた。そして、一悶着あろうが無かろうが、少年と一緒に回る必要もないので、すぐに教室を出ようとした。


だが、そんな私に少年は声をかけてきた。


「君、落としてるよ。しっかりしなよね全く」


そう言って、彼は1枚の紙を差し出す。



「え?あぁ、ありがとう…」



それは、校舎の全体像を表した地図だった。それを拡大した細かい地図は持っているが、全体像が無いと方向が掴めない。意外と親切な彼に驚いた。グレイも同じように目を見開いている。私達、今似たような顔してるんだろうな…。


少年は、失礼な顔をする私達を置いて教室を出ていった。


その後ろ姿を見送った後で、私達も教室から出て移動し始めたのだった。
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