俺と幼馴染だけ、異世界の別の場所に転移したそうです

ふじ

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第2章 俺と幼馴染と異世界

6.

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馬車の荷台での3時間、
俺たちはいつのまにか寝ていたようだ。

「シンジ、ユーリ、ついたぞ」

アルシュが声をかけてくれた。
どうやらオウマガヤ国に着いたらしい。

「「ありがとうございました」」

「誰しもが通る道だ。
冒険者試験、受かるといいな。幸運を祈っておくよ」

「「はい」」

そして、俺たちはオウマガヤ国に着いたのだ。

----------------

「はーい、通行手当をもってる人はこっち。
入国審査はこっちだよー」

恰幅のいいおっさんが案内してくれた。

(いよいよ着いたのか…)

隣で立っている悠理をみる。
悠理も感動しているのか目がキラキラしていた。

「よし、行くか」
「うん!」

どうやらこのタイミングでの入国審査は俺たちだけらしい。

入国審査はおっさんの前にある水晶に手を置いて、ステータスと呟くそうだ。

審査合格だと出てきているステータス画面の周りが緑色に光る。
不合格だと赤く光るそうだ。

俺も悠理も問題なく合格だった。

「入国審査の方、ちょっといいですか?」

審査を終えて部屋を出ようとしたら、
悠理は入国審査のおっさんに声をかけていた。

(ちょい、ちょい何してんだい??悠理さん??)

「私たちは森の奥深くの村から来たのですが、ここで冒険者を目指してます。
まずどこに行けばよいでしょうか。
お知恵をお貸しくださいませんか?」

「おう、お嬢ちゃん。
俺に聞くとはいいセンスしてるなぁ。
冒険者試験を受けたいならまずは冒険者ギルドに行くといいぞ。
混み具合ではその場で受けられるかもしれねぇなぁ。もしくは別日を指定されるからまずはギルドに行くといい。」

「試験とはどんな試験なのでしょうか?」

「簡単な口頭審問と、水晶による適性試験だな。どっちも受からなきゃ合格にならねぇ。


「適性とは何を見てるのでしょうか?」

「この話はちょっと長くなりそうだな。時間があるなら、こっちの部屋に来い。お前らのような貪欲な希望者は久しぶりだからよ。この国の事いろいろ教えてやるよ。」

(や、やったーーーー!これは何という幸運!)

「悠理すげぇじゃん。このおっさんに聞いたらいいって、どうしてわかったんだ??」

「こういった入国審査してる人って、この国にずーっと住んでる人じゃないと出来なさそうだなーって。いろんな人達を見なきゃいけない審査の人達なら仲良くしておいて損はないだろうし。それに不合格の人がいた場合に対処しなきゃいけないからそれなりに強くないといけないし、もしかしたらの可能性あるかなって思っただけよ」

悠理の推理を聞いて
審査のおっさんが大声で笑った。

「お嬢ちゃん、なかなか鋭いねぇ。そうだよ俺は生まれも育ちもここ、オウマガヤ国だ。それに元冒険者の身だ。足の怪我で引退はしたもののそれなりの動きはまだできると思っているよ。
お嬢ちゃん、冒険者もいいけど鑑定士なんかも出来るんじゃねーか。ガハハッ」

そのおっさんはジュベルという名前らしい。

審査室の隣の部屋で
ジュベルさんは色々と教えてくれた。

・この国はギルドの掛け持ちができる事
悠理は冒険者と商業ギルドの掛け持ちを勧められていた。
・冒険者試験の適性に関して、どうやら適性というのは心の強さを見ているらしいということ。
・この国は比較的冒険者に優しい国で、冒険者になるとプレートが貰えるらしく、それを見せるだけで恩恵がもらえる店もあるそうな。もちろんプレートに刷られたランクが高くなるにつれて恩恵も大きくなるとのこと。
・ここを拠点として活動するのであれば、早々に宿舎とする宿を決めて長期間で契約してしまう方が結果的に安く済むということ。基本的には半年以上いるのであれば得する計算らしい。
・モンスターや魔物を倒した場合には解体も必要となるため、解体屋とは仲良くしておいた方がいいということ。解体一つでギルドの買取金額が一桁変わることが多々あるらしい。
などなど…

(なんとも為になる話ばかりだ)

俺たちはもう使わないと思っていた授業ノートにメモしていた。

「俺はいつもここにいるから、何かあったらここにくるといい。なんでも教えてやるよ。」

「「ありがとうございます!」」

俺たちはお辞儀をして審査室を出る。

「まずは冒険者ギルドだな!」

「うん!」

俺たちは冒険者ギルドに向かったーーー。


----------------


(ユーリとシンジか、、、
ひっさしぶりに少しは骨のあるやつが来たなぁ。将来が楽しみで仕方ねぇ。)

「あいつらこれから冒険者ギルドに行くだろうからな。シンシアに伝えておくか」

ジュベルはとある所に電話をかけた。

[はい、冒険者ギルドです。]

「俺だぁ、ジュベルだ。シンシアはいるか?」

[おります。おつなぎいたしますね。]

[ジュベルさん、暇だからってむやみに電話をかけるのはやめてください。こちとら暇じゃないんですよ?]

「よう、シンシア。今日の入国審査でおもしれぇ奴がいたからよ。ちょっくら情報をと思ってな」

[ほぅ、ジュベルさんが興味を持つとは、の貴方が。さぞ骨のあるやつなんでしょうね]

「ユーリとシンジって2人組だ。まだまだひよっこだけどよぉ、育てたら強くなるぜ、ありゃ。多分これからそっちに行くんじゃねぇか。まぁ、よろしくしてくれよ」

ガチャ、ツーツーツー。


(ユーリとシンジ。ちょっと興味がありますね)

シンシアは眼鏡を直すと、受付にユーリとシンジなる者が来たら、シンシアに伝えるようにと連絡した。
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