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第2章 俺と幼馴染と異世界
8.
しおりを挟む正直、悠理にとっては不利な状況だった。
女神の加護は数百年に一度の力であり
基本的には王族などが受ける加護だからだ。
その例がオウマガヤ国の姫の加護である。
こんなぽっと出の人間に女神の加護が付いているのだ。誰だって疑うだろう。
(やってしまった…どうしよう)
悠理の顔はどんどん悪くなっていく。
「俺たち、森の奥にある村から冒険者になりたくてここに来ました。なぜこの国なのかは、この国は比較的冒険者に優しい国だと行商のおっちゃんが教えてくれたからです。初級冒険者になる俺たちにとって、冒険者に優しい国の方が鍛えやすいと思い、このギルドのドアと叩きました」
真司がスラスラと答えた。
(いつもとっさの対応は私の役目だったのに…
やっぱり真司は凄いな。)
私の窮地の時にはいつも真司が助けてくれた。
シンシアもまさか真司が答えるとも思ってなかったようで素直に驚いてしまい、リアクションを隠す様に「そうですか」とだけ呟いて、部屋は静かになった。
(あれ、それっぽく言ってみたんだけど…なんかミスったか)
「わかりました」
シンシアさんが静かな雰囲気を崩していく。
「すみませんでしたね。ちょっとしたイジワル心でした。お二人ともいいステータスを持っていたので、これからが楽しみです。たぶんそろそろプレートができているかと思いますので下で受け取ってください。これからそのプレートは貴方がたの証明書の代わりにもなりますので大事にしてくださいね」
(なんだよー、もう。緊張したじゃねーか。)
俺と悠理は立ち上がりドアの方へ向かう。
「あぁ、そうだ。女性であるユーリさんはちょっと残ってもらえます?やはり女性ですし、冒険者というは危険がつきものなので、、、」
確かに!
「真司、先に受付に行ってて。」
「おう、わかった!一階で待ってるからな」
俺は先に部屋から出た。
階段を降りて一階の受付に向かう。
(それにしてもあの時のシンシアさん
《お二人ともいいステータスを持っていたので》って、いつ俺らのステータスを見たんだ?あれって他人のも観れることなんてあるのか??)
受付ではエルミンが出来上がった2人のプレートを持って待っていた。
「冒険者試験、合格おめでとうございます」
その言葉と一緒にプレートを渡される。
〔冒険者 シンジ ランクE級〕
おぉー、これがプレートかぁ。
なんかの硬い金属で出来ているようだ。
紐の部分はそこそこに長さがあるので俺は首からぶら下げることにした。
「冒険者となった皆様へは一通り冒険者ギルドのルールをお伝えしております。ユーリさんは待ちますか?」
「んー、いや、先に始めてくれますか。ユーリが来たらまた一から聞きたいです。俺バカだから2回聞きたいので」
エルミンからしたら手間になると分かっていても本音なのも確かだから最大級の笑顔を見せておいた。
「わかりました。それでは説明をはじめます」
エルミンには通用しなかった。
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