4 / 17
通園
しおりを挟む
ぼくたちが夜起きないで眠るようになった頃、今度はアカネが生まれた。
やっとお母さんが眠れるようになって、元気になってきたところだったのに、またつわりでご飯が食べられなくなって、大きなおなかを抱えてよく眠れなくなった。
無事に生まれたと思ったら、今度はまた一日中赤ちゃんアカネのお世話。そして僕たちもいる。
でもお母さんは「女の子は本当に楽ね!」なんて友達に話すくらい、ぼくたちのときよりも元気に見えた。そうそう、ママ友っていう大人の友達もできたんだ。支援センターっていうところに僕たちを連れて行って、いつもそこで会う人と仲良くなった。
そういうのもあるからか、お母さんが笑っていることが増えるようになった。
だけどアカネが生まれて半年、僕たちが二歳半の頃、お母さんは仕事に戻ることになった。
それで僕たちは保育園に行くことになったんだ。
この頃のことは、ぼくも覚えている。
アカネは抱っこ紐、僕たちはベビーカーに乗せられて、おかあさんはいつも一心不乱に走っていた。
電車が三十分に一回しか来ないから、それを逃すと遅刻なんだって。
夜もよく眠れないから朝起きるのも大変で、やっと起きたらお弁当を作らなくちゃいけない。アカネを着替えさせて、保育園に持って行くものも準備しなくちゃいけない。
前の日に準備しておけばいいのに、って保育園の友達のママは言ってたけど、その「前の日」なんて既にあっという間に終わってる。
お母さんは保育園から帰った後は、ぼくたちにご飯を食べさせて、お風呂に入れて、ぼくたちを寝かせて、その後一人で起き出して片づけをして、またアカネの夜泣きに付き合って、気づいたら朝だもん。「前の日」だって当日だって、いつもその時やらなきゃいけないことでいっぱいいっぱい。
何年か経って、保育園の友達がたくさんできたとき、ママたちに言われたんだって。
抱っこ紐の赤ちゃんとベビーカーを押して激走してたの、見たことあるわ。って
周りにどう見られてるかなんて気にする余裕がないくらい、おかあさんはいつでも一生懸命だった。
家でも、会社でも。
やっとお母さんが眠れるようになって、元気になってきたところだったのに、またつわりでご飯が食べられなくなって、大きなおなかを抱えてよく眠れなくなった。
無事に生まれたと思ったら、今度はまた一日中赤ちゃんアカネのお世話。そして僕たちもいる。
でもお母さんは「女の子は本当に楽ね!」なんて友達に話すくらい、ぼくたちのときよりも元気に見えた。そうそう、ママ友っていう大人の友達もできたんだ。支援センターっていうところに僕たちを連れて行って、いつもそこで会う人と仲良くなった。
そういうのもあるからか、お母さんが笑っていることが増えるようになった。
だけどアカネが生まれて半年、僕たちが二歳半の頃、お母さんは仕事に戻ることになった。
それで僕たちは保育園に行くことになったんだ。
この頃のことは、ぼくも覚えている。
アカネは抱っこ紐、僕たちはベビーカーに乗せられて、おかあさんはいつも一心不乱に走っていた。
電車が三十分に一回しか来ないから、それを逃すと遅刻なんだって。
夜もよく眠れないから朝起きるのも大変で、やっと起きたらお弁当を作らなくちゃいけない。アカネを着替えさせて、保育園に持って行くものも準備しなくちゃいけない。
前の日に準備しておけばいいのに、って保育園の友達のママは言ってたけど、その「前の日」なんて既にあっという間に終わってる。
お母さんは保育園から帰った後は、ぼくたちにご飯を食べさせて、お風呂に入れて、ぼくたちを寝かせて、その後一人で起き出して片づけをして、またアカネの夜泣きに付き合って、気づいたら朝だもん。「前の日」だって当日だって、いつもその時やらなきゃいけないことでいっぱいいっぱい。
何年か経って、保育園の友達がたくさんできたとき、ママたちに言われたんだって。
抱っこ紐の赤ちゃんとベビーカーを押して激走してたの、見たことあるわ。って
周りにどう見られてるかなんて気にする余裕がないくらい、おかあさんはいつでも一生懸命だった。
家でも、会社でも。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる