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ここから始まる僕らの物語
コボルト撃退作戦開始
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罠の検証にひと区切りついた頃には、焚き火は燻り明かりとしてはもう頼りにならなくなっていた。
代わりに眼を刺すように柔らかく射し込む陽の光が洞窟内と僕らの顔を優しく照らし始めていた。
たくさんの怪我を直して疲れていたのだろうヒーラー様と、たくさんの怪我人を運んでこちらもきっと疲れていたおじさんは、座りながら静かな寝息を立てている。
その足元では何か疲れることをしていたのかは分からない、ホブおじさんが大きなイビキをかいている。
僕は眠気も忘れ、トラップさんと罠の検証を夜通し延々と続けていたのだ。
僕もきっと眠気はあったんだと思う・・・けど、話を続けているうちに何だろう・・・楽しい──とは少し違う。面白い──のは面白いんだけど、僕の身体の奥の何かが満たされていくような・・・そんな満足感を感じて、いつのまにか眠気なんて忘れ去っていた。
「──コンナトコダロウ。ドウダ、納得ハイッタカ?」
トラップさんもさすがに疲れたのか、出そうになった欠伸を無理くり飲み込んだ。
「うん!ありがとう。これだけできるならコボルト達相手にも何とか善戦できそうだね。・・・でも、色々と準備や材料集めもしなきゃいけないし・・・」
朝まで時間をかけて検証をしたおかげで条件トラップに関して、まだまだ不思議なことは多いんだけど色んなことが分かった。
そのいち──
さっきホブおじさんが落ちた落とし穴は、トラップさんが地面に触れただけで作れるみたいなんだけど、大きさはちょうどホブおじさんがすっぽり埋まる2メートル四方の大きさが今は限界みたい。一度に作れる数は3個まで。
そのに──
矢とか石が飛んでくるタイプの罠は実際にそれを所持していないと作れないようだ。手ぶらで罠を仕掛けても何も飛んでこないってわけ。落とし穴より殺傷力は高いけどその分準備が必要になる。
ちなみに、落とし穴の中に杭を仕掛けたりする場合もやっぱり持っていないとダメなようだ。
そのさん──
罠は際限なく仕掛けられるわけではなく、矢とか石はひとつの罠に今のところ最大3つまで。材料の重さにも制限があるみたいで、こちらは現状トラップさんの体重の2倍くらいが最大のようだ。大体80キロくらいかな?
というわけで、万能な能力に思えたけど最大限に活用するには人手や時間がかかるってわけ。落とし穴3つだけじゃさすがに戦えない。
「──だけど、いちばんの問題はコボルト達が鉱脈に着く前に罠を仕掛け終えないといけないとこだね・・・。早いとこおじさん達を起こして動き出さないと──あっ!トラップさんは先に現地を見てきてもらえる?僕らが行くよりプロが見たほうがいいでしょ?」
「・・・プ、プ・・・ロ?」
材料集めは残りの子達にやってもらおう。罠を仕掛ける時間を考えると、すぐに出発して現地で調達したほうがいいね。僕はどうしようか──
「──・・・オイ」
「うえっ?!な、なに?」
頭のなかで行動を整理しつつ身体を動かそうと思った矢先、トラップに呼び止められる。危うく転ぶところだった。
「・・・オ前ハ、ナニヲ知ッテイルンダ?罠ノコトモ俺デサエ知ラナカッタコトヲ知ッテイタヨウダシ・・・。俺ヲ作ッタコトモソウダガ、オ前ハドウニモ頭ガヨスギル・・・」
トラップさんの目はなぜか、僕を疑うように見ていた。
「・・・う~ん。そう言われても、分からない・・・かな?」
「・・・分カラナイ・・・ダト?」
トラップさんの疑問はもっともだ。なぜ誰も知らなかったことを僕みたいな普通のゴブリンが、知っていたのか・・・。何かは分からないけど、これまでに口に出したこと以外にも知っている気もしている。
でも──分からない
「何て言えばいいのかな・・・。自然──なんだ」
「シゼン・・・?」
そう──自然だ
「うん。初めて聞く言葉でも、なぜか僕はそれを知っていたんだ。んん?正確にはそれまでは知らなかったのに、急に知ったって言ったほうがいいのかな?」
「・・・ハ・・・?」
トラップさんは納得いっていない顔をしている。でも、申し訳ないけどそうとしか言えない。自分でも分からないのだから。
「そんなことより、早く準備にかからないと!もたもたしてたらコボルト達に鉱脈を取られちゃうよ!」
おじさんとホブおじさんの頬を平手でペシペシと叩く。おじさんはすぐ眼を開いたけど、ホブおじさんは全然起きないからかなり強めに叩いてしまった。
ヒーラー様は優しく揺すって起こす。先に目を覚ましていたおじさんに睨まれたきがしたけど気にしない。ヒーラー様は2人とは違うのだ。
「皆、起きた?ゆっくりしてる時間はないよ。ほら動いた動いた!」
少し離れた場所で身を寄せあって寝ていた子達も優しく起こしていく。皆にも仕事があるからね。
「・・・ナンダナンダ?ナニゴトダ?」
「・・・勝手ガ分カラン。説明ヲ──」
寝起きの2人のおじさんは動きが悪い。僕もいつかはああなるのだろうか・・・。
「説明は、現地に向かいながらトラップさんに聞いて。おじさんとホブおじさんは──ああもうっ!おじさんおじさん呼びづらいなぁ」
「ナッ?!」
僕達ゴブリンだけでなく、魔物は基本名前を持たない。個々の意識よりも一族集団としての意識が強いせいもあるが、不思議と皆それを気にしていない。『ホブおじさん』とか『トラップさん』とか、通称を付けることすら稀なのだ。
でも、いつまでも『おじさん』と呼ぶのはそれはそれで分かりづらいし、悪い気もする・・・。おじさんはハンターだから・・・──
「よしっ!おじさんのことは今から『ハントさん』って呼ぼう!そういうわけでよろしくっ!」
我ながら素晴らしいネーミングセンスだ。ちなみに僕はなんだろう・・・。まぁ今はいいか。
「ヨ、ヨロシクッテ・・・。オ前ハドウスルンダ?」
このままだと『オマエ』って名前にされそうだ。これが片付いたら自分で何か考えるとしよう。
「僕はヒーラー様とやることがあるんだ。そっちは皆に任せるよ。終わったらすぐに向かうから、それまで頑張って!あ、ホブおじさんはついでに他に無事な人達が近くにいないか確認もよろしくね」
さあ!作戦開始だ──
代わりに眼を刺すように柔らかく射し込む陽の光が洞窟内と僕らの顔を優しく照らし始めていた。
たくさんの怪我を直して疲れていたのだろうヒーラー様と、たくさんの怪我人を運んでこちらもきっと疲れていたおじさんは、座りながら静かな寝息を立てている。
その足元では何か疲れることをしていたのかは分からない、ホブおじさんが大きなイビキをかいている。
僕は眠気も忘れ、トラップさんと罠の検証を夜通し延々と続けていたのだ。
僕もきっと眠気はあったんだと思う・・・けど、話を続けているうちに何だろう・・・楽しい──とは少し違う。面白い──のは面白いんだけど、僕の身体の奥の何かが満たされていくような・・・そんな満足感を感じて、いつのまにか眠気なんて忘れ去っていた。
「──コンナトコダロウ。ドウダ、納得ハイッタカ?」
トラップさんもさすがに疲れたのか、出そうになった欠伸を無理くり飲み込んだ。
「うん!ありがとう。これだけできるならコボルト達相手にも何とか善戦できそうだね。・・・でも、色々と準備や材料集めもしなきゃいけないし・・・」
朝まで時間をかけて検証をしたおかげで条件トラップに関して、まだまだ不思議なことは多いんだけど色んなことが分かった。
そのいち──
さっきホブおじさんが落ちた落とし穴は、トラップさんが地面に触れただけで作れるみたいなんだけど、大きさはちょうどホブおじさんがすっぽり埋まる2メートル四方の大きさが今は限界みたい。一度に作れる数は3個まで。
そのに──
矢とか石が飛んでくるタイプの罠は実際にそれを所持していないと作れないようだ。手ぶらで罠を仕掛けても何も飛んでこないってわけ。落とし穴より殺傷力は高いけどその分準備が必要になる。
ちなみに、落とし穴の中に杭を仕掛けたりする場合もやっぱり持っていないとダメなようだ。
そのさん──
罠は際限なく仕掛けられるわけではなく、矢とか石はひとつの罠に今のところ最大3つまで。材料の重さにも制限があるみたいで、こちらは現状トラップさんの体重の2倍くらいが最大のようだ。大体80キロくらいかな?
というわけで、万能な能力に思えたけど最大限に活用するには人手や時間がかかるってわけ。落とし穴3つだけじゃさすがに戦えない。
「──だけど、いちばんの問題はコボルト達が鉱脈に着く前に罠を仕掛け終えないといけないとこだね・・・。早いとこおじさん達を起こして動き出さないと──あっ!トラップさんは先に現地を見てきてもらえる?僕らが行くよりプロが見たほうがいいでしょ?」
「・・・プ、プ・・・ロ?」
材料集めは残りの子達にやってもらおう。罠を仕掛ける時間を考えると、すぐに出発して現地で調達したほうがいいね。僕はどうしようか──
「──・・・オイ」
「うえっ?!な、なに?」
頭のなかで行動を整理しつつ身体を動かそうと思った矢先、トラップに呼び止められる。危うく転ぶところだった。
「・・・オ前ハ、ナニヲ知ッテイルンダ?罠ノコトモ俺デサエ知ラナカッタコトヲ知ッテイタヨウダシ・・・。俺ヲ作ッタコトモソウダガ、オ前ハドウニモ頭ガヨスギル・・・」
トラップさんの目はなぜか、僕を疑うように見ていた。
「・・・う~ん。そう言われても、分からない・・・かな?」
「・・・分カラナイ・・・ダト?」
トラップさんの疑問はもっともだ。なぜ誰も知らなかったことを僕みたいな普通のゴブリンが、知っていたのか・・・。何かは分からないけど、これまでに口に出したこと以外にも知っている気もしている。
でも──分からない
「何て言えばいいのかな・・・。自然──なんだ」
「シゼン・・・?」
そう──自然だ
「うん。初めて聞く言葉でも、なぜか僕はそれを知っていたんだ。んん?正確にはそれまでは知らなかったのに、急に知ったって言ったほうがいいのかな?」
「・・・ハ・・・?」
トラップさんは納得いっていない顔をしている。でも、申し訳ないけどそうとしか言えない。自分でも分からないのだから。
「そんなことより、早く準備にかからないと!もたもたしてたらコボルト達に鉱脈を取られちゃうよ!」
おじさんとホブおじさんの頬を平手でペシペシと叩く。おじさんはすぐ眼を開いたけど、ホブおじさんは全然起きないからかなり強めに叩いてしまった。
ヒーラー様は優しく揺すって起こす。先に目を覚ましていたおじさんに睨まれたきがしたけど気にしない。ヒーラー様は2人とは違うのだ。
「皆、起きた?ゆっくりしてる時間はないよ。ほら動いた動いた!」
少し離れた場所で身を寄せあって寝ていた子達も優しく起こしていく。皆にも仕事があるからね。
「・・・ナンダナンダ?ナニゴトダ?」
「・・・勝手ガ分カラン。説明ヲ──」
寝起きの2人のおじさんは動きが悪い。僕もいつかはああなるのだろうか・・・。
「説明は、現地に向かいながらトラップさんに聞いて。おじさんとホブおじさんは──ああもうっ!おじさんおじさん呼びづらいなぁ」
「ナッ?!」
僕達ゴブリンだけでなく、魔物は基本名前を持たない。個々の意識よりも一族集団としての意識が強いせいもあるが、不思議と皆それを気にしていない。『ホブおじさん』とか『トラップさん』とか、通称を付けることすら稀なのだ。
でも、いつまでも『おじさん』と呼ぶのはそれはそれで分かりづらいし、悪い気もする・・・。おじさんはハンターだから・・・──
「よしっ!おじさんのことは今から『ハントさん』って呼ぼう!そういうわけでよろしくっ!」
我ながら素晴らしいネーミングセンスだ。ちなみに僕はなんだろう・・・。まぁ今はいいか。
「ヨ、ヨロシクッテ・・・。オ前ハドウスルンダ?」
このままだと『オマエ』って名前にされそうだ。これが片付いたら自分で何か考えるとしよう。
「僕はヒーラー様とやることがあるんだ。そっちは皆に任せるよ。終わったらすぐに向かうから、それまで頑張って!あ、ホブおじさんはついでに他に無事な人達が近くにいないか確認もよろしくね」
さあ!作戦開始だ──
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