65 / 91
水の竜の王の憧憬
秘密の工場
しおりを挟む
ちょっとでもずれていたら儂までこうなっていたな・・・。
相変わらずとんでもない破壊力だ。
「おいっ!俺まで巻き込むつもりか!?」
「・・・ちゃんと狙った。それに当たってないじゃない」
一応ミリアーナに苦情を言ってはみたが何となくそう言われるとは思っていた。この辺りも相変わらずか。
「総隊長・・・ご、ご無事ですか?」
カインは確りと儂の無事を確認してくれる。その武技もさることながら、隊長としての責任感やこういった人柄も非常に好感が持てる。
儂が引退しても王都の守護は安泰だろうな。
今度、旨い酒を飲みに連れていってやろう。
「ああ。なんとかな・・・それよりどうしてここに?」
「ええと、それはですね──
#カイン
宿で黒ずくめ達の襲撃にあった後、総隊長の指示でミリアーナ様の無事を確認するために部屋まで来ると、その扉は開かれていた。
中から物々しい気配を感じたため確認もせずに飛び込んだのが良くなかった。
「ミリアーナ様っ、ご無事です・・・か?」
部屋の中は静寂に包まれており、目の前には二体の氷付けの彫像とその間に頭を垂れ静かに佇むミリアーナ様が居た。
「ミ、ミリアーナ・・・様?」
無事──?のようだが、どこかお怪我でもされたのだろうか。
確認しようと一歩踏み出そうとすると、ミリアーナ様がゆっくりと顔を上げた。
「・・・新手?また私の眠りを邪魔する気?」
「──っ!?」
背後の窓から射し込む星明りで表情は見えなかったのだが、暗闇に不気味に光る猫の様な瞳に凄まじい怖気を感じ本能的に横に飛び退いた瞬間──
一瞬でそれまで自分の居た場所が空間ごと氷付けになった。
「ミ、ミリアーナ様っ!!わ、私は敵ではありません!フェンス総隊長の守護隊に所属しているカ、カインですっ!王都からご一緒させてもらった者ですっ!!」
「・・・む」
さ、流石魔王討伐の勇者のおひとり。
先のスタンピードの時もおひとりで魔人を倒されたというから、その魔法の威力やそれを操る精度も人並外れている。
そんな人物に怪しむような視線を向けられると、生きた心地がまるでしない。
総隊長が気を付けろと言ったのはこれのことだったか。
「・・・いた、かも?」
なんとか分かって頂けたようなので、現在の状況を簡単に説明しようと思ったが、ミリアーナ様は宿に着くなり部屋に籠られてしまっていたので、街長のゴルドバのことから再開発計画の不正疑惑、謎の工場の噂から現在の襲撃まで事細かに話すことになってしまった。
うんうんと頷いていらっしゃったがご理解頂けただろうか。
「・・・で?そのゴル・・・」
「ゴルドバです」
「・・・そう。そのドバをやっつけたらいいの?」
「えっ!?」
あくまでも疑惑や噂があるため調査を行うと伝えたつもりだったが、何故その結論に至ったのだろうか。
な、何かしら魔法の力で全てお見通しなのだろうか。
凡人の自分などでは想像もつかない。
その時、開いたままの扉の外から何人かの話し声が聴こえた。
「──火事だって!?こっちまで回ってこないだろうな」
「分からんが爆発音も聴こえたらしいぞ」
火事?爆発?何かが起こったのだろうか。
「・・・何かあった?」
「分かりませんが、とりあえず総隊長のところに行きましょう」
部屋を出て自分達の部屋に戻ることにする。ここでの襲撃以外にも何かが起こっているのは確か。総隊長に指示を仰ぐべきだ。
廊下には騒ぎで目を覚ました宿泊客が何人か出てきており、剣を持った私の姿をギョッとした目で見ると慌ててまた部屋に逃げ込んでいく。
総隊長の部屋の前に差し掛かったとき、突然──
部屋の中から眩い閃光が溢れ、遅れて凄まじい爆音と建物を揺らすほどの衝撃が起こった。
「なっ、何だ!?」
続けて部屋から真っ黒な何か──黒ずくめの男が飛び出てきた。
「ミリアーナ様っ!下がってくださいっ!」
慌てて剣を構えたが、男はこちらを一瞬見ただけで、背を向け足をふらつかせながらも廊下に出ていた宿泊客をなぎ倒しつつ走り去っていった。
「・・・逃げた。どこに?」
「奴等が街長のゴルドバの差金であるならば、この宿の裏手にあるという屋敷でしょうか?」
ミリアーナ様は返事もせずスタスタと歩き出す。
「!ミ、ミリアーナ様、どちらへ?」
「・・・後を追う」
まさか本当にゴルドバを倒してしまうつもりなのだろうか。そもそも追うとはいっても、もう男の姿は見えないが場所を知っているのだろうか。
「や、屋敷の場所はご存知で・・・?」
「・・・・・・」
ミリアーナ様はピタリと立ち止まるとくるりと首だけをこちらに向けた。
「・・・案内、して?」
#フェンス
そのようなことをカインが早口で簡単に説明する。
「それで、私も正確な場所は分からなかったので屋敷を探していたところ総隊長の姿を見かけたので後を追いかけたのですが、大勢に囲まれていたのを見るなりミリアーナ様が・・・」
「・・・なるほどな」
まぁ、そのお陰で助かったがそれを言うとミリアーナが調子に乗りそうなのでやめておくことにする。
しかし、あれほどの威力だ。ゴルドバも巻き込まれてしまっただろうか。
ゴルドバが居た辺りに目をやるがその姿は見えない。吹き飛ばされたりもしていないようだ。
「チッ!逃げられたか」
どさくさに紛れて逃げられてしまったようだ。行き先は裏手の工場だろう。
「カイン!ゴルドバを追いかけるぞ。付いてこいっ!」
「ハ、ハッ!」
工場で何をするかは分からんが執事の姿が見えないのも気になる。
魔道剣だけではない何かがあるのだろうか。
相変わらず嫌な予感しかしない。
屋敷の裏手は整備の行き届いた広大な庭になっており、中央には大きな池、その手前に小さな小屋があった。
小屋の扉は開いていて中には魔道具のランプに照らされた地下へと続く階段が見えていた。奥からは何かが唸るような低く腹に響く音が聴こえてくる。
「階段ですね。工場というのは地下にあるんでしょうか」
階段はかなり深く、池の方へと伸びている。
よくこれだけのものを作ったものだ。
「・・・行くぞ」
階段を降りようと一歩踏み出したその時──
地鳴りと共に地面が揺れ階段下から聴こえた唸るような低音が大きく響いた。
「じ、地震っ!?」
池の水がやたらと大きな音を立てて揺れているのを不思議に思った途端、池の水が真っ二つに割れ大きな穴が開いた。
つい先程も似たような光景を見た覚えがあるな。
「そ、総隊長っ!な、何か巨大なものが出てきますっ!!」
「なっ、なんだこれは!?」
池の底からせり上がってきたそれは、魔法によって生み出された雨曇もいつの間にか綺麗に晴れ満天に輝く星明りを反射し、白銀に煌めく三階建ての建物程の大きさの鋼鉄の巨人だった──
「ククク・・・ヴェロスクード・・・。貴様のせいでかなり計画が狂ってしまったがまあいい。ここでの最低限の研究は出来たからもう用はない。街もろとも貴様も潰してやる」
鋼鉄の巨人の手のひらには黒服の執事が乗っていた。
よく見ると頭部にはゴルドバが居る。乗っているというよりはその頭部から生えているかのようで意識もないように見える。
「ククク・・・この汚ならしいブタも案外金以外でも役に立ったな。さあ!ゴルドバ──いや、魔道ゴーレムよっ!全てを破壊するがいいっ!!」
「ウォォォオオオオォォォ!!!」
唸るような低音がより大きく夜空に響いた──
相変わらずとんでもない破壊力だ。
「おいっ!俺まで巻き込むつもりか!?」
「・・・ちゃんと狙った。それに当たってないじゃない」
一応ミリアーナに苦情を言ってはみたが何となくそう言われるとは思っていた。この辺りも相変わらずか。
「総隊長・・・ご、ご無事ですか?」
カインは確りと儂の無事を確認してくれる。その武技もさることながら、隊長としての責任感やこういった人柄も非常に好感が持てる。
儂が引退しても王都の守護は安泰だろうな。
今度、旨い酒を飲みに連れていってやろう。
「ああ。なんとかな・・・それよりどうしてここに?」
「ええと、それはですね──
#カイン
宿で黒ずくめ達の襲撃にあった後、総隊長の指示でミリアーナ様の無事を確認するために部屋まで来ると、その扉は開かれていた。
中から物々しい気配を感じたため確認もせずに飛び込んだのが良くなかった。
「ミリアーナ様っ、ご無事です・・・か?」
部屋の中は静寂に包まれており、目の前には二体の氷付けの彫像とその間に頭を垂れ静かに佇むミリアーナ様が居た。
「ミ、ミリアーナ・・・様?」
無事──?のようだが、どこかお怪我でもされたのだろうか。
確認しようと一歩踏み出そうとすると、ミリアーナ様がゆっくりと顔を上げた。
「・・・新手?また私の眠りを邪魔する気?」
「──っ!?」
背後の窓から射し込む星明りで表情は見えなかったのだが、暗闇に不気味に光る猫の様な瞳に凄まじい怖気を感じ本能的に横に飛び退いた瞬間──
一瞬でそれまで自分の居た場所が空間ごと氷付けになった。
「ミ、ミリアーナ様っ!!わ、私は敵ではありません!フェンス総隊長の守護隊に所属しているカ、カインですっ!王都からご一緒させてもらった者ですっ!!」
「・・・む」
さ、流石魔王討伐の勇者のおひとり。
先のスタンピードの時もおひとりで魔人を倒されたというから、その魔法の威力やそれを操る精度も人並外れている。
そんな人物に怪しむような視線を向けられると、生きた心地がまるでしない。
総隊長が気を付けろと言ったのはこれのことだったか。
「・・・いた、かも?」
なんとか分かって頂けたようなので、現在の状況を簡単に説明しようと思ったが、ミリアーナ様は宿に着くなり部屋に籠られてしまっていたので、街長のゴルドバのことから再開発計画の不正疑惑、謎の工場の噂から現在の襲撃まで事細かに話すことになってしまった。
うんうんと頷いていらっしゃったがご理解頂けただろうか。
「・・・で?そのゴル・・・」
「ゴルドバです」
「・・・そう。そのドバをやっつけたらいいの?」
「えっ!?」
あくまでも疑惑や噂があるため調査を行うと伝えたつもりだったが、何故その結論に至ったのだろうか。
な、何かしら魔法の力で全てお見通しなのだろうか。
凡人の自分などでは想像もつかない。
その時、開いたままの扉の外から何人かの話し声が聴こえた。
「──火事だって!?こっちまで回ってこないだろうな」
「分からんが爆発音も聴こえたらしいぞ」
火事?爆発?何かが起こったのだろうか。
「・・・何かあった?」
「分かりませんが、とりあえず総隊長のところに行きましょう」
部屋を出て自分達の部屋に戻ることにする。ここでの襲撃以外にも何かが起こっているのは確か。総隊長に指示を仰ぐべきだ。
廊下には騒ぎで目を覚ました宿泊客が何人か出てきており、剣を持った私の姿をギョッとした目で見ると慌ててまた部屋に逃げ込んでいく。
総隊長の部屋の前に差し掛かったとき、突然──
部屋の中から眩い閃光が溢れ、遅れて凄まじい爆音と建物を揺らすほどの衝撃が起こった。
「なっ、何だ!?」
続けて部屋から真っ黒な何か──黒ずくめの男が飛び出てきた。
「ミリアーナ様っ!下がってくださいっ!」
慌てて剣を構えたが、男はこちらを一瞬見ただけで、背を向け足をふらつかせながらも廊下に出ていた宿泊客をなぎ倒しつつ走り去っていった。
「・・・逃げた。どこに?」
「奴等が街長のゴルドバの差金であるならば、この宿の裏手にあるという屋敷でしょうか?」
ミリアーナ様は返事もせずスタスタと歩き出す。
「!ミ、ミリアーナ様、どちらへ?」
「・・・後を追う」
まさか本当にゴルドバを倒してしまうつもりなのだろうか。そもそも追うとはいっても、もう男の姿は見えないが場所を知っているのだろうか。
「や、屋敷の場所はご存知で・・・?」
「・・・・・・」
ミリアーナ様はピタリと立ち止まるとくるりと首だけをこちらに向けた。
「・・・案内、して?」
#フェンス
そのようなことをカインが早口で簡単に説明する。
「それで、私も正確な場所は分からなかったので屋敷を探していたところ総隊長の姿を見かけたので後を追いかけたのですが、大勢に囲まれていたのを見るなりミリアーナ様が・・・」
「・・・なるほどな」
まぁ、そのお陰で助かったがそれを言うとミリアーナが調子に乗りそうなのでやめておくことにする。
しかし、あれほどの威力だ。ゴルドバも巻き込まれてしまっただろうか。
ゴルドバが居た辺りに目をやるがその姿は見えない。吹き飛ばされたりもしていないようだ。
「チッ!逃げられたか」
どさくさに紛れて逃げられてしまったようだ。行き先は裏手の工場だろう。
「カイン!ゴルドバを追いかけるぞ。付いてこいっ!」
「ハ、ハッ!」
工場で何をするかは分からんが執事の姿が見えないのも気になる。
魔道剣だけではない何かがあるのだろうか。
相変わらず嫌な予感しかしない。
屋敷の裏手は整備の行き届いた広大な庭になっており、中央には大きな池、その手前に小さな小屋があった。
小屋の扉は開いていて中には魔道具のランプに照らされた地下へと続く階段が見えていた。奥からは何かが唸るような低く腹に響く音が聴こえてくる。
「階段ですね。工場というのは地下にあるんでしょうか」
階段はかなり深く、池の方へと伸びている。
よくこれだけのものを作ったものだ。
「・・・行くぞ」
階段を降りようと一歩踏み出したその時──
地鳴りと共に地面が揺れ階段下から聴こえた唸るような低音が大きく響いた。
「じ、地震っ!?」
池の水がやたらと大きな音を立てて揺れているのを不思議に思った途端、池の水が真っ二つに割れ大きな穴が開いた。
つい先程も似たような光景を見た覚えがあるな。
「そ、総隊長っ!な、何か巨大なものが出てきますっ!!」
「なっ、なんだこれは!?」
池の底からせり上がってきたそれは、魔法によって生み出された雨曇もいつの間にか綺麗に晴れ満天に輝く星明りを反射し、白銀に煌めく三階建ての建物程の大きさの鋼鉄の巨人だった──
「ククク・・・ヴェロスクード・・・。貴様のせいでかなり計画が狂ってしまったがまあいい。ここでの最低限の研究は出来たからもう用はない。街もろとも貴様も潰してやる」
鋼鉄の巨人の手のひらには黒服の執事が乗っていた。
よく見ると頭部にはゴルドバが居る。乗っているというよりはその頭部から生えているかのようで意識もないように見える。
「ククク・・・この汚ならしいブタも案外金以外でも役に立ったな。さあ!ゴルドバ──いや、魔道ゴーレムよっ!全てを破壊するがいいっ!!」
「ウォォォオオオオォォォ!!!」
唸るような低音がより大きく夜空に響いた──
0
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる