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第四篇 ~蘇芳に染まらない情熱の空~
98項
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某時刻。王都より南部のとある町。
そこは都市部ほどではないが、集団移動用車の街道もあるからか、比較的賑やかな町だ。だが、今日は早朝からいつも以上に騒々しい状態が続いていた。
「号外! 号外だー!」
というのも、王都で配られていた号外の新聞がこの町にも流れ着き、ばらまかれていたからだ。
「朝から号外、号外と騒がしいのう……一体何の騒ぎや?」
騒がしい人だかりに、さらに次から次へと人々が群がっていく。
すると、一人の男が怪訝そうな表情を浮かべながら、号外を読む中年男性に尋ねた。
「どうやら王都の門が完全封鎖状態にあるらしいな」
中年男性は号外の記事を読みながら男の質問に答える。
すると今度は、顰めた顔をした中年女性が二人のもとへ近づいてきた。
「でも、本当かしらねえ。記事には『手配犯の極悪人が王都へ向かっているせいだ』なんて書いてあるけど……そんな極悪人、実在するのか怪しいもんだわ」
記事に対して否定的な意見を漏らす中年女性。どうやら彼女はこの中年男性と顔見知りのようだった。
「まさか……新聞が、しかも号外なのに嘘を書くわけないだろ」
「そうやで? 貴重な情報源を頭ごなしに疑っちゃああかんて」
中年男性と共に、なぜか見ず知らずの男も会話に加わる。
しかし中年男性と中年女性は気にせず会話を続けた。
「そうは言ってもねえ……その極悪人って、目撃者は一人残らず消してるって言うじゃない。なのになんでその極悪人の情報がこんなに細かく書かれているのさね」
女性の素朴な疑問を耳にしながら、男は地面に落ちていた号外の新聞を拾った。
新聞の文面には『灰燼の怪物、目指すは王都か』という見出しが書かれていた。
「そう言われりゃあ確かに。記事には『灰燼の怪物は二十代半ばの男で目深に被った帽子と黒衣が特徴』とか……俺なんて、もし目撃してもそんなことまで一々覚えてられるかどうか……」
「だからさ、実はこの情報は偽もので……王都の門が封鎖されたってのには別の理由があるんじゃないかって思うのよ!」
「は? 例えば?」
「二十二年前の再来とか! 少数民族の組織の……なんつったか……そうだっ、『トオゼキ』だかがまた攻めてきたんじゃないのか?」
「そんなまさか……」
会話は徐々に他の町民たちも参加していき、大いに盛り上がっていった。
彼らは一様に不安そうな面持ちで語っているが、真に不安なわけではなく、単なる他愛のない雑談のつもりであった。
と、それまで黙々と新聞を眺めていた男が、そんな彼らの会話に割って入った。
「まあ確かに、しょーもない作り話を盛り込んで注目を集めたろ言う新聞も中にはおるけど……ここの新聞は信用してもええで。なんせ―――この新聞社と灰燼の怪物は繋がっとるんやからな」
そう言ってケタケタと笑う男。
一方で町民たちは彼の唐突な発言に困惑し、顰めた顔を見合わせていく。
「どういう意味だ?」
「新聞っちゅーのはホンマ便利なもんやで。たくさん並んだ文章をうまーく利用しながら、ホンマに伝えたい相手にだけ秘密の伝言を伝えることも可能なんやからなあ」
男はそう話しながら文面を指先でなぞって見せる。
すると、突如一人の町民が何かに気づいたのか、大きな声を出した。
「あっ! あ……」
その町民は目を丸くしながら、震えた指先で目の前の男を指差す。
「どうした、ジョージ……」
彼の怯えきった異様な姿に困惑する他の町民たち。
だが、彼が顔面蒼白していく理由に気づいた瞬間、そこにいた者たち全員が言葉を失った。
「なっ……目深に被った帽子に、黒い衣服―――!」
震えた声でそう言いかけた中年男性は直後、その男によって口を塞がれた。
「はっは……ようやっと気づいたようやな」
次の瞬間。
口を塞がれていた中年男性は一瞬にして炎に包まれた。
突如噴き出た炎に全身を焼かれた中年男性は悲鳴すら上げることもできず、瞬く間に消し炭と化して地面に転がった。
「わ、わあぁぁッッ!!」
「キャアアァッ!!!」
突然の事態に、ある者は悲鳴を上げて逃げ出し、ある者は声も上げられず尻餅をつく。多種多様な驚愕の仕方で町民たちは逃げ惑い始めた。
町の広場が先ほどとはまた別の、騒然とした空気に呑まれていく。
「あ……あ……こ、こいつが……灰燼の怪物……!?」
腰が抜けてしまい逃げられないでいる女性は、絞り出した声でそう呟く。
そんな彼女へ近づく男―――もとい灰燼の怪物はゆっくりと彼女の目前で屈み込んだ。
「大正解やで。あー、せっかくやしおばちゃんには特別に教えたるわ」
そう言うと灰燼の怪物は女性の眼前で掌を翳す。
紅く熱を放つその手からは掌大の火球が生み出される。
不可思議な現象を目の当たりにした女性はそれだけで既に放心状態となっていた。
と、その火球は女性目掛けて放たれた。
が、それは彼女の頭を掠め、後方の民家に衝突する。直後、民家は轟音と爆風を巻き上げながら爆発した。
「別にオレは誰彼構わず殺しとるわけやない。気に食わん奴と、いらんこと知ってもうた奴だけをやってるんや。やから、ちゃあんと中には生かした奴もおるんやで? まあ……目撃情報がやけに詳細なんは灰燼の怪物と繋がっとる新聞社が余計に書いとるせいなんやけどな」
灰燼の怪物が語りかける女性は生憎と白目を剥いて卒倒してしまっていた。
当然、彼の言葉など聞こえているはずもなく。仕方なく彼はため息交じりにその場から立ち上がった。
「って、聞いとらんのかい……ま、ええわ。次の目的も決まったし……さっさと向かわんと」
気づけば辺りには誰もおらず、無惨に踏みつけられた新聞だけが虚しく散乱していた。
そんな紙屑を踏みつけながら、灰燼の怪物は意気揚々と歩き出す。
「にしても『狢と共に王の目前で暴れろ』て……いくら何でもめちゃくちゃな命令やな。しかも『鍵』はもうええみたいやし。ちゅーか、これ確実に死亡フラグとちゃうか? ……まあ、それならそれでもええけどな」
独り言を語りながら、灰燼の怪物は不気味に口角を吊り上げる。
「―――ロゼ、お前に会えるんやったらそこが死に場所でももう構わんわ……オレをたっぷりと楽しませとくれや……」
彼は空を仰ぎ、高らかに笑い声を上げる。
そしてそのまま、灰燼の怪物はどこかへと消え去っていった。
そこは都市部ほどではないが、集団移動用車の街道もあるからか、比較的賑やかな町だ。だが、今日は早朝からいつも以上に騒々しい状態が続いていた。
「号外! 号外だー!」
というのも、王都で配られていた号外の新聞がこの町にも流れ着き、ばらまかれていたからだ。
「朝から号外、号外と騒がしいのう……一体何の騒ぎや?」
騒がしい人だかりに、さらに次から次へと人々が群がっていく。
すると、一人の男が怪訝そうな表情を浮かべながら、号外を読む中年男性に尋ねた。
「どうやら王都の門が完全封鎖状態にあるらしいな」
中年男性は号外の記事を読みながら男の質問に答える。
すると今度は、顰めた顔をした中年女性が二人のもとへ近づいてきた。
「でも、本当かしらねえ。記事には『手配犯の極悪人が王都へ向かっているせいだ』なんて書いてあるけど……そんな極悪人、実在するのか怪しいもんだわ」
記事に対して否定的な意見を漏らす中年女性。どうやら彼女はこの中年男性と顔見知りのようだった。
「まさか……新聞が、しかも号外なのに嘘を書くわけないだろ」
「そうやで? 貴重な情報源を頭ごなしに疑っちゃああかんて」
中年男性と共に、なぜか見ず知らずの男も会話に加わる。
しかし中年男性と中年女性は気にせず会話を続けた。
「そうは言ってもねえ……その極悪人って、目撃者は一人残らず消してるって言うじゃない。なのになんでその極悪人の情報がこんなに細かく書かれているのさね」
女性の素朴な疑問を耳にしながら、男は地面に落ちていた号外の新聞を拾った。
新聞の文面には『灰燼の怪物、目指すは王都か』という見出しが書かれていた。
「そう言われりゃあ確かに。記事には『灰燼の怪物は二十代半ばの男で目深に被った帽子と黒衣が特徴』とか……俺なんて、もし目撃してもそんなことまで一々覚えてられるかどうか……」
「だからさ、実はこの情報は偽もので……王都の門が封鎖されたってのには別の理由があるんじゃないかって思うのよ!」
「は? 例えば?」
「二十二年前の再来とか! 少数民族の組織の……なんつったか……そうだっ、『トオゼキ』だかがまた攻めてきたんじゃないのか?」
「そんなまさか……」
会話は徐々に他の町民たちも参加していき、大いに盛り上がっていった。
彼らは一様に不安そうな面持ちで語っているが、真に不安なわけではなく、単なる他愛のない雑談のつもりであった。
と、それまで黙々と新聞を眺めていた男が、そんな彼らの会話に割って入った。
「まあ確かに、しょーもない作り話を盛り込んで注目を集めたろ言う新聞も中にはおるけど……ここの新聞は信用してもええで。なんせ―――この新聞社と灰燼の怪物は繋がっとるんやからな」
そう言ってケタケタと笑う男。
一方で町民たちは彼の唐突な発言に困惑し、顰めた顔を見合わせていく。
「どういう意味だ?」
「新聞っちゅーのはホンマ便利なもんやで。たくさん並んだ文章をうまーく利用しながら、ホンマに伝えたい相手にだけ秘密の伝言を伝えることも可能なんやからなあ」
男はそう話しながら文面を指先でなぞって見せる。
すると、突如一人の町民が何かに気づいたのか、大きな声を出した。
「あっ! あ……」
その町民は目を丸くしながら、震えた指先で目の前の男を指差す。
「どうした、ジョージ……」
彼の怯えきった異様な姿に困惑する他の町民たち。
だが、彼が顔面蒼白していく理由に気づいた瞬間、そこにいた者たち全員が言葉を失った。
「なっ……目深に被った帽子に、黒い衣服―――!」
震えた声でそう言いかけた中年男性は直後、その男によって口を塞がれた。
「はっは……ようやっと気づいたようやな」
次の瞬間。
口を塞がれていた中年男性は一瞬にして炎に包まれた。
突如噴き出た炎に全身を焼かれた中年男性は悲鳴すら上げることもできず、瞬く間に消し炭と化して地面に転がった。
「わ、わあぁぁッッ!!」
「キャアアァッ!!!」
突然の事態に、ある者は悲鳴を上げて逃げ出し、ある者は声も上げられず尻餅をつく。多種多様な驚愕の仕方で町民たちは逃げ惑い始めた。
町の広場が先ほどとはまた別の、騒然とした空気に呑まれていく。
「あ……あ……こ、こいつが……灰燼の怪物……!?」
腰が抜けてしまい逃げられないでいる女性は、絞り出した声でそう呟く。
そんな彼女へ近づく男―――もとい灰燼の怪物はゆっくりと彼女の目前で屈み込んだ。
「大正解やで。あー、せっかくやしおばちゃんには特別に教えたるわ」
そう言うと灰燼の怪物は女性の眼前で掌を翳す。
紅く熱を放つその手からは掌大の火球が生み出される。
不可思議な現象を目の当たりにした女性はそれだけで既に放心状態となっていた。
と、その火球は女性目掛けて放たれた。
が、それは彼女の頭を掠め、後方の民家に衝突する。直後、民家は轟音と爆風を巻き上げながら爆発した。
「別にオレは誰彼構わず殺しとるわけやない。気に食わん奴と、いらんこと知ってもうた奴だけをやってるんや。やから、ちゃあんと中には生かした奴もおるんやで? まあ……目撃情報がやけに詳細なんは灰燼の怪物と繋がっとる新聞社が余計に書いとるせいなんやけどな」
灰燼の怪物が語りかける女性は生憎と白目を剥いて卒倒してしまっていた。
当然、彼の言葉など聞こえているはずもなく。仕方なく彼はため息交じりにその場から立ち上がった。
「って、聞いとらんのかい……ま、ええわ。次の目的も決まったし……さっさと向かわんと」
気づけば辺りには誰もおらず、無惨に踏みつけられた新聞だけが虚しく散乱していた。
そんな紙屑を踏みつけながら、灰燼の怪物は意気揚々と歩き出す。
「にしても『狢と共に王の目前で暴れろ』て……いくら何でもめちゃくちゃな命令やな。しかも『鍵』はもうええみたいやし。ちゅーか、これ確実に死亡フラグとちゃうか? ……まあ、それならそれでもええけどな」
独り言を語りながら、灰燼の怪物は不気味に口角を吊り上げる。
「―――ロゼ、お前に会えるんやったらそこが死に場所でももう構わんわ……オレをたっぷりと楽しませとくれや……」
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