11 / 62
本編
変質者?!
しおりを挟む
「おはよ、伊織。私もう行くね」
「ふわぁ…はよ。随分早くない?何かあるの?」
「何も起きないようにする為に早く行くのよ!」
「はぁ?意味わからん。ほら、弁当忘れんなよ」
「わ、伊織ありがとう!」
いつもより30分早く起きて身支度を整え、いざ学校へ!!「いってきます!」ガチャ。
「おはよう美優。今日は早いね」
「ひぃぃっ!!」バタン!!
今何か見えた気がする。
思わず玄関のドアを閉めてしまった…。
「美優、何してんの?忘れ物?」
伊織が訝しげな顔で聞いてくるけどそれどころじゃない。
何で?何で?何で?昨日より30分も早い時間なのに何でもう居るの?!そっとドアスコープを覗いて見る。…あれ?居ない…。さっきのは見間違い?
「なぁ、またストーカー居るの?」
伊織が後ろからグイッとドアスコープを覗き込む。
「うんん、見間違いだったみたい」
「心配なら送ってこうか?」
「大丈夫。ありがとう伊織。いってきます」
「気をつけてね」
ドアの前に誰も居ない事を確認して、私は足早に駅へと歩き出す。
家から数メートル、最初の十字路に差し掛かった時、路地の影から伸びてきた手に私は口を塞がれ捕らえられる。
「きゃっ!…んんんーっ!!」
なっ、何事!?後ろから羽交い締めされるような体勢で口を塞がれている為、くぐもった声が漏れる。
「シーッ。美優、俺だよ」
「んんっ!?」
チラリと視線を後ろへ向ければ、相澤くんの笑顔が間近に迫る。『俺だよ』の一言がこんなに恐怖を煽るなんて初めて。
「逃げないって約束するなら手を離してあげる」
耳元に唇を寄せられて囁かれるとムズムズする。私がコクコクと勢いよく頷いたのを確認して、爽やかな笑顔で相澤君は口から手を離す。
「ぷはっ!はぁ、はぁ…」
「おはよ、美優」
「おはよって…相澤君何してるの!?誘拐か変質者かと思ったよ!!」
「だって美優が逃げちゃうから」
ムスッとした表情を浮かべ、さも私が悪いという言い方はやめて欲しい。
「とりあえず…離してくれないかな?」
口を塞がれていた手は離してもらえたものの、未だ後ろから抱き締められている状況な訳で…。こんな所をご近所さんに見られでもしたら恥ずかし過ぎるっ!
「んー?嫌」
「は?」
「いーやっ」
駄々っ子のようにニヤリと笑う相澤君の手が、スルスルと私のウエストをなぞり、少しずつ上へと伸びていく。
「ちょっと!何して…」
「美優がいけないんだよ?」
相澤君の綺麗な指先が私の胸にツーッと触れる。私の何がいけないのかサッパリ解らない。
「やっ…やめてっ!」
「やめて欲しい?」
涙目になりながら私は頷き相澤君に懇願する。
「お願い…やめて」
「あー…美優のその目、めちゃくちゃゾクゾクする」
ハァハァと相澤君の息が荒くなり、耳に息がかかりくすぐったい。ヤバイ、ヤバイ。この人マジでヤバイ人なんじゃない?!
「美優、愛してる。俺と付き合うか、結婚するか、どっちがいい?」
「はぁ?!何よその二択!どっちも無理。」
「我が儘だなぁ。じゃあ今ここで俺に犯されるのと、付き合うのどっちがいい?」
「だから何なのよ!その二択はっ…!ひゃっ!ちょっと、どこ触って…!?」
相澤君の左手は胸を、右手は太股を撫で始めた。
「ほら、早く答えないと犯されちゃうよ?」
いいの?と囁きながら、太股を撫でる手が上へとゆっくり移動する。あと少しでショーツに触れてしまいそうな状況で…
「つ、付き合うから!!もうやめて!!」
「美優っ!嬉しいっ!」
相澤君はとびきり爽やかな笑顔をむける。
「その代わりっ!…仮だから」
「え?」
「彼氏(仮)!!」
「ふわぁ…はよ。随分早くない?何かあるの?」
「何も起きないようにする為に早く行くのよ!」
「はぁ?意味わからん。ほら、弁当忘れんなよ」
「わ、伊織ありがとう!」
いつもより30分早く起きて身支度を整え、いざ学校へ!!「いってきます!」ガチャ。
「おはよう美優。今日は早いね」
「ひぃぃっ!!」バタン!!
今何か見えた気がする。
思わず玄関のドアを閉めてしまった…。
「美優、何してんの?忘れ物?」
伊織が訝しげな顔で聞いてくるけどそれどころじゃない。
何で?何で?何で?昨日より30分も早い時間なのに何でもう居るの?!そっとドアスコープを覗いて見る。…あれ?居ない…。さっきのは見間違い?
「なぁ、またストーカー居るの?」
伊織が後ろからグイッとドアスコープを覗き込む。
「うんん、見間違いだったみたい」
「心配なら送ってこうか?」
「大丈夫。ありがとう伊織。いってきます」
「気をつけてね」
ドアの前に誰も居ない事を確認して、私は足早に駅へと歩き出す。
家から数メートル、最初の十字路に差し掛かった時、路地の影から伸びてきた手に私は口を塞がれ捕らえられる。
「きゃっ!…んんんーっ!!」
なっ、何事!?後ろから羽交い締めされるような体勢で口を塞がれている為、くぐもった声が漏れる。
「シーッ。美優、俺だよ」
「んんっ!?」
チラリと視線を後ろへ向ければ、相澤くんの笑顔が間近に迫る。『俺だよ』の一言がこんなに恐怖を煽るなんて初めて。
「逃げないって約束するなら手を離してあげる」
耳元に唇を寄せられて囁かれるとムズムズする。私がコクコクと勢いよく頷いたのを確認して、爽やかな笑顔で相澤君は口から手を離す。
「ぷはっ!はぁ、はぁ…」
「おはよ、美優」
「おはよって…相澤君何してるの!?誘拐か変質者かと思ったよ!!」
「だって美優が逃げちゃうから」
ムスッとした表情を浮かべ、さも私が悪いという言い方はやめて欲しい。
「とりあえず…離してくれないかな?」
口を塞がれていた手は離してもらえたものの、未だ後ろから抱き締められている状況な訳で…。こんな所をご近所さんに見られでもしたら恥ずかし過ぎるっ!
「んー?嫌」
「は?」
「いーやっ」
駄々っ子のようにニヤリと笑う相澤君の手が、スルスルと私のウエストをなぞり、少しずつ上へと伸びていく。
「ちょっと!何して…」
「美優がいけないんだよ?」
相澤君の綺麗な指先が私の胸にツーッと触れる。私の何がいけないのかサッパリ解らない。
「やっ…やめてっ!」
「やめて欲しい?」
涙目になりながら私は頷き相澤君に懇願する。
「お願い…やめて」
「あー…美優のその目、めちゃくちゃゾクゾクする」
ハァハァと相澤君の息が荒くなり、耳に息がかかりくすぐったい。ヤバイ、ヤバイ。この人マジでヤバイ人なんじゃない?!
「美優、愛してる。俺と付き合うか、結婚するか、どっちがいい?」
「はぁ?!何よその二択!どっちも無理。」
「我が儘だなぁ。じゃあ今ここで俺に犯されるのと、付き合うのどっちがいい?」
「だから何なのよ!その二択はっ…!ひゃっ!ちょっと、どこ触って…!?」
相澤君の左手は胸を、右手は太股を撫で始めた。
「ほら、早く答えないと犯されちゃうよ?」
いいの?と囁きながら、太股を撫でる手が上へとゆっくり移動する。あと少しでショーツに触れてしまいそうな状況で…
「つ、付き合うから!!もうやめて!!」
「美優っ!嬉しいっ!」
相澤君はとびきり爽やかな笑顔をむける。
「その代わりっ!…仮だから」
「え?」
「彼氏(仮)!!」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
『推しに転生したら、攻略対象が全員ヤンデレ化した件』
春夜夢
ファンタジー
「推しキャラが死ぬバッドエンドなんて認めない──だったら、私が推しになる!」
ゲーム好き女子高生の私が転生したのは、乙女ゲームの中の“推しキャラ”本人だった!
しかも、攻略対象たちがみんなルート無視で私に執着しはじめて……!?
「君が他の男を見るなんて、耐えられない」
「俺だけを見てくれなきゃ、壊れちゃうよ?」
推しキャラ(自分)への愛が暴走する、
ヤンデレ王子・俺様騎士・病み系幼なじみとの、危険すぎる恋愛バトルが今、始まる──!
👧主人公紹介
望月 ひより(もちづき ひより) / 転生後:ヒロイン「シエル=フェリシア」
・現代ではゲームオタクな平凡女子高生
・推しキャラの「シエル」に転生
・記憶保持型の転生で、攻略対象全員のヤンデレ化ルートを熟知している
・ただし、“自分が推される側”になることは想定外で、超戸惑い中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる