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本編
相澤蓮元カノ組合
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お気に入りの服屋さんで新作のワンピースを見ていたら、バッチリメイクのお姉さんに声をかけられた。
店員さんかなと思い笑顔で振り向いたら「ちょっと顔かしな」って怖い顔で言われた時は息が止まるかと思った。
「はぁ?!蓮があんたに誑かされてるってグループトークに情報は上がってるんだからね!!」
ズイッ!と見せられたスマホはメッセージアプリ《talk》のグループ画面が表示されていた。
【相澤蓮元カノ組合(抜駆け禁止)】というグループ名のトーク画面には、『蓮君を誑かした女をついに発見!』『名前は甘音美優』の言葉とともに、相澤君と登校した今朝の写真が添付されていた。
「これ!あんたでしょ?」
「そう…ですね…」
「やっぱり付き合ってるんじゃない!」
「いえ…今日は偶然(?)一緒になったっていうか…。相澤君とはただのクラスメイトで、付き合ってません」
「そんな訳ないじゃない!蓮がこんな顔するなんて…クラスメイトだなんて信じらんない!」
「そう言われましても…」
確かに写真の相澤君は眩しい程の笑顔で、アイドル顔負けのキラキラオーラを纏っていた。対する私はすごく嫌そうな顔してる。コレ、幸せカップルには全然見えないんですけど…。
「あんたのせいで蓮は私達と一切連絡を取らなくなったのよ!?大人しい顔して、どんな手を使って蓮を誘惑したのよ!」
「し…してませんっ!!私…相澤君とは昨日初めて会ったばかりですし…」
「はぁ?蓮がおかしくなったのは1年前からなのよ!?昨日初めて会ったとか嘘ついてんじゃないわよ!」
「嘘じゃないですっ…」
「あんた…ふざけてんの?!」
ぶたれる!お姉さんの真っ赤なネイルの手が振り上げられた瞬間、私はぎゅっと目を閉じた。
………。覚悟していた痛みが訪れず、そっと目を開けてうかがえば、お姉さんの腕を掴んで殺気を放つ相澤君がいた。
「あ…いざわ…くん?」
「ねぇ、美優に何してんの?殺すぞ」
「いっ、痛っ!!蓮っ、痛い!」
「気安く名前呼ぶんじゃねーよ。俺の名前は美優が呼ぶ為にあるんだけど」
「なっ…何よ!何回も抱いてくれたじゃない!ねぇ蓮、あんなお子様みたいな子より私の方が蓮を気持ちよくさせてあげられるよ?」
「はぁ?お前なんか覚えてねーよ。俺の美優を貶してんじゃねー。マジでウザイ。消えて」
「…っ!!」
涙目のお姉さんがバタバタと走り去っていく。
「美優…。ごめん、大丈夫?」
優しい声で振り向く相澤君はさっきまでとは別人の様で…、私は一歩後退り足を下げた所、ガクッとバランスを崩してしまう。
「危なっ!!大丈夫?」
「あ…ありがとう。ごめん、腰が抜けちゃったみたい…」
相澤君が咄嗟に抱き留めてくれたから転ぶのは免れたけど、ガクガクと震える足は力が入らない。
「あぁ、クソッ!本当ごめん。もっと早く止めに入れば良かった…。ごめん美優」
ぎゅうぅと抱き締める腕に力が込められ、私と相澤君の隙間は無くなりピッタリくっついてしまう。
「あ、あの…苦しいっ…」
ギブ、と背中をポンポン叩き
「もう、大丈夫だから離して」と伝えるけれど、私の顔を見た相澤君はまたぎゅっと抱き締めた。
「美優泣いてるじゃん…」
「え…」
私は自分が泣いてる事にも気付かなかった。
だってこんな修羅場みたいな出来事は、漫画やドラマだけだと思ってたから。まさか自分に振りかかるなんて思わなかったんだもん。
「ヤバイ。ごめん、泣き顔も超可愛い。そんな顔、他の奴に見せらんないから、泣き止むまで俺に抱き締められてて。お願い、そうしないと美優の泣き顔見た奴を片っ端から殺しちゃいそうだから」
「ちょっ…何それ、怖いから…。ぷっ、あはは」
「ふふ、良かった、笑ってくれた。でも俺、本気だからね。だから大人しくこうしてて」
相澤君の腕の中は、大人っぽい香水の香りがした。
店員さんかなと思い笑顔で振り向いたら「ちょっと顔かしな」って怖い顔で言われた時は息が止まるかと思った。
「はぁ?!蓮があんたに誑かされてるってグループトークに情報は上がってるんだからね!!」
ズイッ!と見せられたスマホはメッセージアプリ《talk》のグループ画面が表示されていた。
【相澤蓮元カノ組合(抜駆け禁止)】というグループ名のトーク画面には、『蓮君を誑かした女をついに発見!』『名前は甘音美優』の言葉とともに、相澤君と登校した今朝の写真が添付されていた。
「これ!あんたでしょ?」
「そう…ですね…」
「やっぱり付き合ってるんじゃない!」
「いえ…今日は偶然(?)一緒になったっていうか…。相澤君とはただのクラスメイトで、付き合ってません」
「そんな訳ないじゃない!蓮がこんな顔するなんて…クラスメイトだなんて信じらんない!」
「そう言われましても…」
確かに写真の相澤君は眩しい程の笑顔で、アイドル顔負けのキラキラオーラを纏っていた。対する私はすごく嫌そうな顔してる。コレ、幸せカップルには全然見えないんですけど…。
「あんたのせいで蓮は私達と一切連絡を取らなくなったのよ!?大人しい顔して、どんな手を使って蓮を誘惑したのよ!」
「し…してませんっ!!私…相澤君とは昨日初めて会ったばかりですし…」
「はぁ?蓮がおかしくなったのは1年前からなのよ!?昨日初めて会ったとか嘘ついてんじゃないわよ!」
「嘘じゃないですっ…」
「あんた…ふざけてんの?!」
ぶたれる!お姉さんの真っ赤なネイルの手が振り上げられた瞬間、私はぎゅっと目を閉じた。
………。覚悟していた痛みが訪れず、そっと目を開けてうかがえば、お姉さんの腕を掴んで殺気を放つ相澤君がいた。
「あ…いざわ…くん?」
「ねぇ、美優に何してんの?殺すぞ」
「いっ、痛っ!!蓮っ、痛い!」
「気安く名前呼ぶんじゃねーよ。俺の名前は美優が呼ぶ為にあるんだけど」
「なっ…何よ!何回も抱いてくれたじゃない!ねぇ蓮、あんなお子様みたいな子より私の方が蓮を気持ちよくさせてあげられるよ?」
「はぁ?お前なんか覚えてねーよ。俺の美優を貶してんじゃねー。マジでウザイ。消えて」
「…っ!!」
涙目のお姉さんがバタバタと走り去っていく。
「美優…。ごめん、大丈夫?」
優しい声で振り向く相澤君はさっきまでとは別人の様で…、私は一歩後退り足を下げた所、ガクッとバランスを崩してしまう。
「危なっ!!大丈夫?」
「あ…ありがとう。ごめん、腰が抜けちゃったみたい…」
相澤君が咄嗟に抱き留めてくれたから転ぶのは免れたけど、ガクガクと震える足は力が入らない。
「あぁ、クソッ!本当ごめん。もっと早く止めに入れば良かった…。ごめん美優」
ぎゅうぅと抱き締める腕に力が込められ、私と相澤君の隙間は無くなりピッタリくっついてしまう。
「あ、あの…苦しいっ…」
ギブ、と背中をポンポン叩き
「もう、大丈夫だから離して」と伝えるけれど、私の顔を見た相澤君はまたぎゅっと抱き締めた。
「美優泣いてるじゃん…」
「え…」
私は自分が泣いてる事にも気付かなかった。
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「ちょっ…何それ、怖いから…。ぷっ、あはは」
「ふふ、良かった、笑ってくれた。でも俺、本気だからね。だから大人しくこうしてて」
相澤君の腕の中は、大人っぽい香水の香りがした。
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