8 / 62
本編
天然記念物
しおりを挟む
「はぁ…。高校生活2日目なのに濃すぎない?」
「全部相澤のせいだね。美優、疲れた顔してる。大丈夫?」
帰り際、相澤君から一緒に帰ろうと言われたけど丁重にお断りした。
そのやり取りを見て上野君は「蓮がこんなに女の子に振られるのレア過ぎる!」ってまた爆笑していた。
レアってことは、今まで女の子に振られた事なんて無いんだろうな。まぁ、あれだけ顔が良くて背も高くてモテない訳ないよね。
どう考えても私とは住む世界が違う気がする。
そんな相澤君がなぜ私に告白をしてくれるのか本気で解らない。
昼休みの一件で私のあだ名は『天然記念物』になりつつある。サンタさんを信じる女子高生…。
クラスの人達からの印象が『相澤君を誑かす女』から『天然記念物』になったのは吉と出るか凶と出るか…。
とにかく高校生デビューを完全に失敗した事は確かだ。クラスの女の子とも仲良くなりたいのに、どこか遠巻きに見られている気がする。
「今日は家まで送ってこうか?」
由妃ちゃんは心配そうな顔で私の手をぎゅっと握ってくれる。
「うんん、大丈夫。ごめんね、由妃ちゃんに甘えたかっただけ。一人でちゃんと帰れるよ」
「あんまり無理しちゃ駄目だからね。美優が笑顔じゃないと私も悲しいし」
「由妃ちゃん…」
由妃ちゃんは本当に優しい。
小学生の頃からの親友で、今まで一度もケンカした事がない。
美人で、性格が良くて、頭も良い。
スタイルも抜群で私とは比べ物にならない。
モデルで芸能活動をしているのに全然気取らない雰囲気だし。
そんな由妃ちゃんが変わらず私と友達でいてくれる事に、本当に感謝している。
また明日ね、のハグを由妃ちゃんとして、私は駅前をブラブラすることにした。
モヤモヤした気分のまま帰りたくなくて、可愛い服や雑貨を見たらテンション上がるかなって。
ちょうど見たいお店もあるし、気分転換になるよね。
あぁ……
あの時の自分に言ってやりたい。
寄り道せずに早く帰りなさいって。
「ちょっと!なんとか言いなさいよ!」
女の人の罵声が響き渡る。
「あの、本当に私は相澤君と付き合ってなくて…。いろいろ誤解があると思います…」
私は今、駅前のビルの裏手にある小さな公園に呼び出されていた。
あぁ…どうしてこんなことになったんだろう。
「全部相澤のせいだね。美優、疲れた顔してる。大丈夫?」
帰り際、相澤君から一緒に帰ろうと言われたけど丁重にお断りした。
そのやり取りを見て上野君は「蓮がこんなに女の子に振られるのレア過ぎる!」ってまた爆笑していた。
レアってことは、今まで女の子に振られた事なんて無いんだろうな。まぁ、あれだけ顔が良くて背も高くてモテない訳ないよね。
どう考えても私とは住む世界が違う気がする。
そんな相澤君がなぜ私に告白をしてくれるのか本気で解らない。
昼休みの一件で私のあだ名は『天然記念物』になりつつある。サンタさんを信じる女子高生…。
クラスの人達からの印象が『相澤君を誑かす女』から『天然記念物』になったのは吉と出るか凶と出るか…。
とにかく高校生デビューを完全に失敗した事は確かだ。クラスの女の子とも仲良くなりたいのに、どこか遠巻きに見られている気がする。
「今日は家まで送ってこうか?」
由妃ちゃんは心配そうな顔で私の手をぎゅっと握ってくれる。
「うんん、大丈夫。ごめんね、由妃ちゃんに甘えたかっただけ。一人でちゃんと帰れるよ」
「あんまり無理しちゃ駄目だからね。美優が笑顔じゃないと私も悲しいし」
「由妃ちゃん…」
由妃ちゃんは本当に優しい。
小学生の頃からの親友で、今まで一度もケンカした事がない。
美人で、性格が良くて、頭も良い。
スタイルも抜群で私とは比べ物にならない。
モデルで芸能活動をしているのに全然気取らない雰囲気だし。
そんな由妃ちゃんが変わらず私と友達でいてくれる事に、本当に感謝している。
また明日ね、のハグを由妃ちゃんとして、私は駅前をブラブラすることにした。
モヤモヤした気分のまま帰りたくなくて、可愛い服や雑貨を見たらテンション上がるかなって。
ちょうど見たいお店もあるし、気分転換になるよね。
あぁ……
あの時の自分に言ってやりたい。
寄り道せずに早く帰りなさいって。
「ちょっと!なんとか言いなさいよ!」
女の人の罵声が響き渡る。
「あの、本当に私は相澤君と付き合ってなくて…。いろいろ誤解があると思います…」
私は今、駅前のビルの裏手にある小さな公園に呼び出されていた。
あぁ…どうしてこんなことになったんだろう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
『推しに転生したら、攻略対象が全員ヤンデレ化した件』
春夜夢
ファンタジー
「推しキャラが死ぬバッドエンドなんて認めない──だったら、私が推しになる!」
ゲーム好き女子高生の私が転生したのは、乙女ゲームの中の“推しキャラ”本人だった!
しかも、攻略対象たちがみんなルート無視で私に執着しはじめて……!?
「君が他の男を見るなんて、耐えられない」
「俺だけを見てくれなきゃ、壊れちゃうよ?」
推しキャラ(自分)への愛が暴走する、
ヤンデレ王子・俺様騎士・病み系幼なじみとの、危険すぎる恋愛バトルが今、始まる──!
👧主人公紹介
望月 ひより(もちづき ひより) / 転生後:ヒロイン「シエル=フェリシア」
・現代ではゲームオタクな平凡女子高生
・推しキャラの「シエル」に転生
・記憶保持型の転生で、攻略対象全員のヤンデレ化ルートを熟知している
・ただし、“自分が推される側”になることは想定外で、超戸惑い中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる