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本編
ファーストキス
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「うん……好きみたい…」
わぁ~『みたい』って…
恥ずかしくなって、素直に言えなかった…
声も小さくなっちゃったし…
「美優……」
「は、はいっ!!」
名前を呼ばれただけなのに、ドキドキと鼓動が速くなる。繋がれた手が熱い…。
「甘音美優さん、好きです。付き合ってください」
蓮はとびきり優しい笑顔で何度目かの告白をしてくれた。
「っ……はい。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げると、蓮におもいっきり抱き締められる。
「美優、美優…。嬉しい、やっと俺だけの女の子になってくれた。美優大好き」
「蓮……私も、好きだよ」
もう一度、ちゃんと想いを伝える。
蓮の背中に手をまわし、ぎゅっと抱き締め返した。
「俺の方が何億倍も好き」
「ふふ、何それ」
クスクスと笑いあった後、蓮が真剣な眼差しを向ける。
「美優、キスしてもいい?」
「ぅえっ!?」
うわ、声が裏がえっちゃった…
恥ずかしいっ…
「だめ?」
私をじっと見つめながら首をコテンと傾げる
あぁ~、蓮に耳としっぽが見える…
このワンコのような仕草に弱いんだよね。
「だめじゃ…ない…」
初めてのキス
私はぎゅっと目を閉じた
「美優…大好き」
むにゅっと唇に生暖かい感触が伝わる。
うわぁぁ…男の子の唇ってこんなに柔らかいの?!
私は緊張で固まったまま、微動だに出来ずにいた。
まるで時間が止まったかのよう…
…………ぇ?な…長くない?
5秒?いや10秒くらい経った気がする。
キスってこんなに長くするものなの?
初めてだから解らない…
い…息ってどうすれば…?
鼻呼吸したら間近にいる蓮の顔にかかりそうで、とてもじゃないけど出来ない。
く…苦しい……
ぎゅっと蓮の制服の胸元を掴むと、蓮が察してくれたのか、漸く長い長いファーストキスが終わった。
「ぅ…はっぁ……」
蓮に気づかれないように息を整える。
蓮は初めてじゃないから…キスくらいであたふたしてたら面倒くさい女って思われちゃいそう。
それにしても…この唇が私の唇に重なったのよね…。柔らかくて…本当に綺麗。
思わず、じっと蓮の唇を見つめてしまう。
「美優、どうかした?」
「え!?…あ、あの…えーっと…。そういえば、キスって何も味しないんだね。レモン味じゃなかったなぁ。唇を食べる訳じゃないんだもん、当たり前だよね……あはは」
照れ隠しで、私は思いついた言葉を口に出してしまった。
この言葉が蓮の狼スイッチを押すなんて思ってもみなかった。
わぁ~『みたい』って…
恥ずかしくなって、素直に言えなかった…
声も小さくなっちゃったし…
「美優……」
「は、はいっ!!」
名前を呼ばれただけなのに、ドキドキと鼓動が速くなる。繋がれた手が熱い…。
「甘音美優さん、好きです。付き合ってください」
蓮はとびきり優しい笑顔で何度目かの告白をしてくれた。
「っ……はい。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げると、蓮におもいっきり抱き締められる。
「美優、美優…。嬉しい、やっと俺だけの女の子になってくれた。美優大好き」
「蓮……私も、好きだよ」
もう一度、ちゃんと想いを伝える。
蓮の背中に手をまわし、ぎゅっと抱き締め返した。
「俺の方が何億倍も好き」
「ふふ、何それ」
クスクスと笑いあった後、蓮が真剣な眼差しを向ける。
「美優、キスしてもいい?」
「ぅえっ!?」
うわ、声が裏がえっちゃった…
恥ずかしいっ…
「だめ?」
私をじっと見つめながら首をコテンと傾げる
あぁ~、蓮に耳としっぽが見える…
このワンコのような仕草に弱いんだよね。
「だめじゃ…ない…」
初めてのキス
私はぎゅっと目を閉じた
「美優…大好き」
むにゅっと唇に生暖かい感触が伝わる。
うわぁぁ…男の子の唇ってこんなに柔らかいの?!
私は緊張で固まったまま、微動だに出来ずにいた。
まるで時間が止まったかのよう…
…………ぇ?な…長くない?
5秒?いや10秒くらい経った気がする。
キスってこんなに長くするものなの?
初めてだから解らない…
い…息ってどうすれば…?
鼻呼吸したら間近にいる蓮の顔にかかりそうで、とてもじゃないけど出来ない。
く…苦しい……
ぎゅっと蓮の制服の胸元を掴むと、蓮が察してくれたのか、漸く長い長いファーストキスが終わった。
「ぅ…はっぁ……」
蓮に気づかれないように息を整える。
蓮は初めてじゃないから…キスくらいであたふたしてたら面倒くさい女って思われちゃいそう。
それにしても…この唇が私の唇に重なったのよね…。柔らかくて…本当に綺麗。
思わず、じっと蓮の唇を見つめてしまう。
「美優、どうかした?」
「え!?…あ、あの…えーっと…。そういえば、キスって何も味しないんだね。レモン味じゃなかったなぁ。唇を食べる訳じゃないんだもん、当たり前だよね……あはは」
照れ隠しで、私は思いついた言葉を口に出してしまった。
この言葉が蓮の狼スイッチを押すなんて思ってもみなかった。
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