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序章
邂逅
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視界がぼんやりしている。
視界の半分が明るく見え、視界の半分が暗く見えた。
周りには何も無い。体の感覚はひどくふわふわした者もので、まるで現実味がない。ここはどこだろう。無駄だと思いながらも、辺りを見回す。
(何もないな)
そう、見切りをつけようとした時、視界の端に何かをとらえた。
慌ててその場所に視線を向ける。
そこには人型をした、光のもやのようなものと、黒いもやのようなものがあった。立っていたのかもしれない。
何しろギリギリで人型とわかるような曖昧なものだったので、どんな体勢でいるのかが全くわからなかった。
そのもやは何かを言っている。何を言っているかはわからない。
一体何を伝えたいのだろう。知りたい。そう思うと自然とそこに向かって足が動いていき……、
パチリ。
と、目が覚めた。さっきのは夢だったようだ。だからあんなに体の感覚が浮ついたものだったのか。
しかし妙な夢だったな。なんだったのだろう。さっきのが夢だってことは、あの変な異能バトルも夢だったのだな、と思いたかったところだが目の前の不思議な風景を見て、そんな希望もたやすく打ち砕かれる。
地面は普通に土だが辺りを見回すと全体が雲に囲まれている。
しかも、服がビリビリになっていた。よくわからない力で高速で逃げた時にこうなったのだろう。
まったくふざけている。大体なんなんだここは。こんな島は聞いたことがない。魔の三角地帯と言うやつの中か?
「やっと起きたな」
不意に聞き覚えのある声が聞こえ、そちらを見ると先ほどの少女がいた。先ほどと言ってもどうやら眠っていた(気絶?)ので詳しい時間はわからないのだが。少女はミニスカートであぐらをかき、だるそうにしながらこちらを見ている。見えそうですよ。
「少し強く殴りすぎたか」
ぽつりとそんな物騒なことをつぶやく。
「だが、仕方か無かったのだ。お前を気絶させる以外あの発光を止める手段がなかった」
そう言われ体を見ると確かに光が止まっていた。やはりあれは現実だったのか。
じゃあ急に記憶が途絶えているのは、ぶん殴られて意識が無くなってからなのか。随分と無茶をするものだ。
……でもまぁ、あの場面でその行動は
「助けて……くれたんですよね?」
「そう言う恩着せがましく厚かましい言い方は嫌いなんだが……、一応はそう言うことだな」
「……ありがとうございました」
「礼を言われるほどではないのだが。まぁいい。それじゃあなんだ、……善は急げだ。回りくどいのは嫌いでな。とにかく自己紹介から始めるぞ。……私は風切楓。呼び方は何でもいい。仕事がお前らのような、分かりやすく言えば『異能』を持つ者の中の……警察? 自衛隊?のような者だ。本質的にはまったく違うのだが。話が突拍子もすぎてすまないが、よろしく頼む。ちなみに敬語はしなくていいぞ。そして、そこにいるのが……」
と、言いながら俺の後ろを指さす。
その指にしたがって後ろを向くと、これまた美少女が3人立っていた。こんな奴らいたのか。まったく気付かなかった。そいつらは右から眼鏡を掛けたおさげの少し青みがかった髪をした女の子、不機嫌そうに斜め下を向いた黒髪ロングの女の子、元気よくニコニコ笑っている赤みがかった髪のポニーテールをした女の子。見るからに癖がありそうな連中だな。
「初めまして。私は永井氷子です。呼び方はお好きなようにどうぞ」
「……地由巫乃。地由でいい」
「こんにちわー! 保能穂乃華でーす。ほのほのって呼んでねー!」
3人とも個性を主張しまくった自己紹介をする。名前が分かったところでこいつらが何者かは分からないんだが。
一応俺も自己紹介しとかないと失礼だな。
「……黒崎光だ。よろしく」
「あぁそれと、ちなみに永井と保能は異能者が集まる学校の生徒だ」
……は? 異能者の学校? なんだそれは。ただでさえ頭の中ごちゃごちゃになってんのに、訳のわからないこと言われても困るんですけど。
「私は学級委員長をやらせていただいています」
永井が微笑みながら言う。そんなのもあるのか。普通に学校みたいだな。
「もっとも、今は私達はそこに入れないんだが」
風切さんがうんざりした顔をして言う。
「……?? あのどういう……」
「あぁそうだな。すまない。今の状況を説明しよう。光にとっては何が何だかわからないだろう」
いきなり名前で呼ぶのか。まぁいいけれど。
「まずは光。お前なんであの時体が光ってたんだ?」
光だけに、なんて心の中で茶化してみる。
「なんでって……わからない」
「まぁそうだろうな。なら光り始めた時はどういう状況だった?」
「……死ぬと感じたな」
本当に死ぬと感じていた。命の終わりを感じていた。
「そうだろうな。お前の能力にある超感覚で感じ取ったのだろう。危機を感じ取り無意識に自分の力を発動させた」
俺の中にそんな力が合ったのか? 命のピンチに覚醒とか……。信じられないな。ゲームじゃないのだし。
「ただお前のあの力は、あの瞬間に母親から受け取ったものだ。お前のその力はもともと母親のものだ。あれが起きる5秒前まで光、恐らくお前はただの人間だった。異能の力なんて無い。超感覚も無い、普通のな」
? ……どういうことだ? 話がまるで見えてこない。力の受け渡し? 母さんから? 母さんも普通の人間だろう。
普通の人間……のはずだ。
「光。ここでお前に説明しておくことがある」
「なんですか。急に」
「お前らで言う『異能』には二つの種類がある。能力の種類ではなくどういう風に受け継がれるか、だ。一つは両親からの遺伝だ。これがごく一般的なものだ。こんな別世界のこと、知らなかったと思うが。ただ稀に、違うケースがある」
「……なんですか」
「力が移動するタイプのものだ。持ち主が死んだらその持ち主が継承者を決めて力を移動させる。継承されるたびに強くなっていく、そう言う継承方法の能力は、同じタイプのものはあるが、全く同じ能力は世界に二つと無い。そしてここにいる全員がそのタイプの異能であり、全員親から受け継いでいる」
「お、おい……。待て……」
一気に心臓の鼓動が速くなる。体全体が震え出す。冗談だろ。
その話を整理すると、つまり、…………
「そうだ。ここにいるもの全員、
……親が死んでいる」
視界の半分が明るく見え、視界の半分が暗く見えた。
周りには何も無い。体の感覚はひどくふわふわした者もので、まるで現実味がない。ここはどこだろう。無駄だと思いながらも、辺りを見回す。
(何もないな)
そう、見切りをつけようとした時、視界の端に何かをとらえた。
慌ててその場所に視線を向ける。
そこには人型をした、光のもやのようなものと、黒いもやのようなものがあった。立っていたのかもしれない。
何しろギリギリで人型とわかるような曖昧なものだったので、どんな体勢でいるのかが全くわからなかった。
そのもやは何かを言っている。何を言っているかはわからない。
一体何を伝えたいのだろう。知りたい。そう思うと自然とそこに向かって足が動いていき……、
パチリ。
と、目が覚めた。さっきのは夢だったようだ。だからあんなに体の感覚が浮ついたものだったのか。
しかし妙な夢だったな。なんだったのだろう。さっきのが夢だってことは、あの変な異能バトルも夢だったのだな、と思いたかったところだが目の前の不思議な風景を見て、そんな希望もたやすく打ち砕かれる。
地面は普通に土だが辺りを見回すと全体が雲に囲まれている。
しかも、服がビリビリになっていた。よくわからない力で高速で逃げた時にこうなったのだろう。
まったくふざけている。大体なんなんだここは。こんな島は聞いたことがない。魔の三角地帯と言うやつの中か?
「やっと起きたな」
不意に聞き覚えのある声が聞こえ、そちらを見ると先ほどの少女がいた。先ほどと言ってもどうやら眠っていた(気絶?)ので詳しい時間はわからないのだが。少女はミニスカートであぐらをかき、だるそうにしながらこちらを見ている。見えそうですよ。
「少し強く殴りすぎたか」
ぽつりとそんな物騒なことをつぶやく。
「だが、仕方か無かったのだ。お前を気絶させる以外あの発光を止める手段がなかった」
そう言われ体を見ると確かに光が止まっていた。やはりあれは現実だったのか。
じゃあ急に記憶が途絶えているのは、ぶん殴られて意識が無くなってからなのか。随分と無茶をするものだ。
……でもまぁ、あの場面でその行動は
「助けて……くれたんですよね?」
「そう言う恩着せがましく厚かましい言い方は嫌いなんだが……、一応はそう言うことだな」
「……ありがとうございました」
「礼を言われるほどではないのだが。まぁいい。それじゃあなんだ、……善は急げだ。回りくどいのは嫌いでな。とにかく自己紹介から始めるぞ。……私は風切楓。呼び方は何でもいい。仕事がお前らのような、分かりやすく言えば『異能』を持つ者の中の……警察? 自衛隊?のような者だ。本質的にはまったく違うのだが。話が突拍子もすぎてすまないが、よろしく頼む。ちなみに敬語はしなくていいぞ。そして、そこにいるのが……」
と、言いながら俺の後ろを指さす。
その指にしたがって後ろを向くと、これまた美少女が3人立っていた。こんな奴らいたのか。まったく気付かなかった。そいつらは右から眼鏡を掛けたおさげの少し青みがかった髪をした女の子、不機嫌そうに斜め下を向いた黒髪ロングの女の子、元気よくニコニコ笑っている赤みがかった髪のポニーテールをした女の子。見るからに癖がありそうな連中だな。
「初めまして。私は永井氷子です。呼び方はお好きなようにどうぞ」
「……地由巫乃。地由でいい」
「こんにちわー! 保能穂乃華でーす。ほのほのって呼んでねー!」
3人とも個性を主張しまくった自己紹介をする。名前が分かったところでこいつらが何者かは分からないんだが。
一応俺も自己紹介しとかないと失礼だな。
「……黒崎光だ。よろしく」
「あぁそれと、ちなみに永井と保能は異能者が集まる学校の生徒だ」
……は? 異能者の学校? なんだそれは。ただでさえ頭の中ごちゃごちゃになってんのに、訳のわからないこと言われても困るんですけど。
「私は学級委員長をやらせていただいています」
永井が微笑みながら言う。そんなのもあるのか。普通に学校みたいだな。
「もっとも、今は私達はそこに入れないんだが」
風切さんがうんざりした顔をして言う。
「……?? あのどういう……」
「あぁそうだな。すまない。今の状況を説明しよう。光にとっては何が何だかわからないだろう」
いきなり名前で呼ぶのか。まぁいいけれど。
「まずは光。お前なんであの時体が光ってたんだ?」
光だけに、なんて心の中で茶化してみる。
「なんでって……わからない」
「まぁそうだろうな。なら光り始めた時はどういう状況だった?」
「……死ぬと感じたな」
本当に死ぬと感じていた。命の終わりを感じていた。
「そうだろうな。お前の能力にある超感覚で感じ取ったのだろう。危機を感じ取り無意識に自分の力を発動させた」
俺の中にそんな力が合ったのか? 命のピンチに覚醒とか……。信じられないな。ゲームじゃないのだし。
「ただお前のあの力は、あの瞬間に母親から受け取ったものだ。お前のその力はもともと母親のものだ。あれが起きる5秒前まで光、恐らくお前はただの人間だった。異能の力なんて無い。超感覚も無い、普通のな」
? ……どういうことだ? 話がまるで見えてこない。力の受け渡し? 母さんから? 母さんも普通の人間だろう。
普通の人間……のはずだ。
「光。ここでお前に説明しておくことがある」
「なんですか。急に」
「お前らで言う『異能』には二つの種類がある。能力の種類ではなくどういう風に受け継がれるか、だ。一つは両親からの遺伝だ。これがごく一般的なものだ。こんな別世界のこと、知らなかったと思うが。ただ稀に、違うケースがある」
「……なんですか」
「力が移動するタイプのものだ。持ち主が死んだらその持ち主が継承者を決めて力を移動させる。継承されるたびに強くなっていく、そう言う継承方法の能力は、同じタイプのものはあるが、全く同じ能力は世界に二つと無い。そしてここにいる全員がそのタイプの異能であり、全員親から受け継いでいる」
「お、おい……。待て……」
一気に心臓の鼓動が速くなる。体全体が震え出す。冗談だろ。
その話を整理すると、つまり、…………
「そうだ。ここにいるもの全員、
……親が死んでいる」
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