222 / 683
第八幕 転生歌姫と母娘の絆
第八幕 17 『こころ』
しおりを挟む
シェラさんと『奇術師』の戦いが始まったのを横目に、私達はミーティアと対峙する。
…チラっと見たけど、とても割って入れるような戦いじゃないね、あれは。
とにかく、シェラさんがヤツを引き受けてくれているうちに、こっちを何とかしないと!
だが…
初撃はカイトが防いでくれたが、私はまだミーティア相手に刃を向けることを躊躇している。
「[炎槍・散]」
一旦間合いを離れたミーティアは、魔法により何本もの炎の槍を放ち、それを追うようにして再びこちらに向かってくる。
「ミーティアっ!!」
ぴくっ…
!!
今…反応した!?
キィンッ!
私の呼び掛けに一瞬反応を見せたと思ったが…そのままカイトと斬り結ぶ。
「ミーティア!!目を覚ませっ!!」
ぴくっ…
まただ!
カイトの言葉にも反応を見せた!
やっぱり気のせいなんかじゃない!!
何とかしてミーティアを止めることができれば…きっと何とかなる!
「ミーティアちゃん~、ごめんねぇ~…[雷縛鎖]!!」
カイトから離れた瞬間を狙って、姉さんが魔法を放つ。
雷撃系の攻撃魔法だが、殺傷力が低い捕縛目的のものだ。
だが…
「[幽幻転生]」
ミーティアに直撃すると思われた雷撃は…すっ、と彼女をすり抜けた!?
なに…あの魔法…?
「うそ~…神代魔法よ~、あれ~」
やっぱり…以前も転移魔法とか使ってたし、基本スペックが段違いだ…!
「[輪転霧消]!!」
ティセラさんが放ったのは、相手の支援魔法を打ち消す魔法だ。
これであのすり抜け効果はなくなる…か?
ミーティアは気にした様子もなく、再び双剣で向かってくる。
「ミーティア!!聞こえてるんでしょう!?」
「ミーティア!!」
「ミーティアちゃんっ!!」
きっと、私達の声は彼女の心に届いてる。
そうじゃなければ…今のあの娘の力はこんな物じゃない…もっと強力な魔法や本気の斬撃を振るえば、今頃私達はもっと甚大な被害を被ってるはずだ。
私達を忘れたわけじゃない…あの娘も闘ってるんだ!!
「……うぅ…ま、ま…」
!!
ミーティアが苦しそうなうめき声をあげる。
しかし、それでも彼女は剣を振るって戦うことをやめない。
あと…あともう少しなのに…!!
あの娘の心に届かせるにはどうしたら…
心……魂……
そうだ、私はどうやってあの娘の居場所を突き止めた?
魂を結ぶのは…正に今この時なんじゃないか?
あの時、ミーティアを探そうとして印を発動させるために歌った歌を再び口ずさむ…
あの娘のお気に入りの歌…
暖かな金銀の光が私から溢れ出し、リル姉さんの印が発動する。
ミーティアが私に向かってきた。
「カティアっ!!」
「…大丈夫だよ。ミーティア…ママはここにいるよ」
双剣を私に振るおうとするミーティアに対して、私は両手を広げて迎え入れる。
「あぁ……ああっ!!」
ミーティアは一層苦しそうな声を上げてその歩みを止め、剣を取り落とした。
「大丈夫…大丈夫だよ…」
あなたと私の絆は、誰にも断ち切ることなんてできやしない。
魂を分けた娘なのだから…
そして、私はミーティアを優しく抱きしめて…
私の意識は白く染まっていくのだった。
…ここは?
ふと気がつくと、あたり一面は暗闇に閉ざされていた。
「よう、やっと来たか」
「っ!?」
唐突にかけられた声に驚くが、それは聞き覚えのある声だった。
声のする方向に向き直ると、予想通りの人物が。
「ゼアルさんっ!」
「おう」
「何故ここに?……いえ、ここはどこなんです?」
「ここはミーティアの心の中だ」
「ミーティアの…」
そうか、私は印を発動して…ミーティアの魂と繋がったのか。
「それで、ゼアルさんは……」
「ああ…ミーティアが心を閉ざしてしまったんでな。表に出られなくなっちまったんだ」
もう、なんて役に立たない…
「…お前、いま役立たず、とか思わなかったか?」
ギクッ!
何故分かる……?
「い、いいえ?…でも、心を閉ざしてるって、いったい何故……」
今日私をお見送りしてくれたときは別に変わった様子はなかったけど。
そうすると、やっぱりあの『調律師』とやらの異能のせいなのか?
「突然な、声が聞こえたんだ…『己の本分を思い出せ』とかなんとか」
己の本分…?
まさか…
この世界に寄る辺なき迷い子だった彼女。
それを思いださせられた…そういう事なのか?
なんて事を…
でもね……ミーティア、今のあなたはもうこの世界の一員なんだよ?
あなたは一人じゃないでしょう?
それを、教えてあげないと。
「ここはミーティアの心の中なんだよね?あの娘と話をするにはどうしたらいいの?」
「この世界の何処かに、ミーティアの魂の核があるはずだ。先ずはそれを探さねぇと。……頼んだぜ、俺が幾ら呼びかけても反応がねえんだ。だが、お前ならきっと……」
魂の核…
とにかくそれを探し出して、教えてあげないと。
あなたには、あなたの事を大切に思う人達が沢山いるんだってことを。
…チラっと見たけど、とても割って入れるような戦いじゃないね、あれは。
とにかく、シェラさんがヤツを引き受けてくれているうちに、こっちを何とかしないと!
だが…
初撃はカイトが防いでくれたが、私はまだミーティア相手に刃を向けることを躊躇している。
「[炎槍・散]」
一旦間合いを離れたミーティアは、魔法により何本もの炎の槍を放ち、それを追うようにして再びこちらに向かってくる。
「ミーティアっ!!」
ぴくっ…
!!
今…反応した!?
キィンッ!
私の呼び掛けに一瞬反応を見せたと思ったが…そのままカイトと斬り結ぶ。
「ミーティア!!目を覚ませっ!!」
ぴくっ…
まただ!
カイトの言葉にも反応を見せた!
やっぱり気のせいなんかじゃない!!
何とかしてミーティアを止めることができれば…きっと何とかなる!
「ミーティアちゃん~、ごめんねぇ~…[雷縛鎖]!!」
カイトから離れた瞬間を狙って、姉さんが魔法を放つ。
雷撃系の攻撃魔法だが、殺傷力が低い捕縛目的のものだ。
だが…
「[幽幻転生]」
ミーティアに直撃すると思われた雷撃は…すっ、と彼女をすり抜けた!?
なに…あの魔法…?
「うそ~…神代魔法よ~、あれ~」
やっぱり…以前も転移魔法とか使ってたし、基本スペックが段違いだ…!
「[輪転霧消]!!」
ティセラさんが放ったのは、相手の支援魔法を打ち消す魔法だ。
これであのすり抜け効果はなくなる…か?
ミーティアは気にした様子もなく、再び双剣で向かってくる。
「ミーティア!!聞こえてるんでしょう!?」
「ミーティア!!」
「ミーティアちゃんっ!!」
きっと、私達の声は彼女の心に届いてる。
そうじゃなければ…今のあの娘の力はこんな物じゃない…もっと強力な魔法や本気の斬撃を振るえば、今頃私達はもっと甚大な被害を被ってるはずだ。
私達を忘れたわけじゃない…あの娘も闘ってるんだ!!
「……うぅ…ま、ま…」
!!
ミーティアが苦しそうなうめき声をあげる。
しかし、それでも彼女は剣を振るって戦うことをやめない。
あと…あともう少しなのに…!!
あの娘の心に届かせるにはどうしたら…
心……魂……
そうだ、私はどうやってあの娘の居場所を突き止めた?
魂を結ぶのは…正に今この時なんじゃないか?
あの時、ミーティアを探そうとして印を発動させるために歌った歌を再び口ずさむ…
あの娘のお気に入りの歌…
暖かな金銀の光が私から溢れ出し、リル姉さんの印が発動する。
ミーティアが私に向かってきた。
「カティアっ!!」
「…大丈夫だよ。ミーティア…ママはここにいるよ」
双剣を私に振るおうとするミーティアに対して、私は両手を広げて迎え入れる。
「あぁ……ああっ!!」
ミーティアは一層苦しそうな声を上げてその歩みを止め、剣を取り落とした。
「大丈夫…大丈夫だよ…」
あなたと私の絆は、誰にも断ち切ることなんてできやしない。
魂を分けた娘なのだから…
そして、私はミーティアを優しく抱きしめて…
私の意識は白く染まっていくのだった。
…ここは?
ふと気がつくと、あたり一面は暗闇に閉ざされていた。
「よう、やっと来たか」
「っ!?」
唐突にかけられた声に驚くが、それは聞き覚えのある声だった。
声のする方向に向き直ると、予想通りの人物が。
「ゼアルさんっ!」
「おう」
「何故ここに?……いえ、ここはどこなんです?」
「ここはミーティアの心の中だ」
「ミーティアの…」
そうか、私は印を発動して…ミーティアの魂と繋がったのか。
「それで、ゼアルさんは……」
「ああ…ミーティアが心を閉ざしてしまったんでな。表に出られなくなっちまったんだ」
もう、なんて役に立たない…
「…お前、いま役立たず、とか思わなかったか?」
ギクッ!
何故分かる……?
「い、いいえ?…でも、心を閉ざしてるって、いったい何故……」
今日私をお見送りしてくれたときは別に変わった様子はなかったけど。
そうすると、やっぱりあの『調律師』とやらの異能のせいなのか?
「突然な、声が聞こえたんだ…『己の本分を思い出せ』とかなんとか」
己の本分…?
まさか…
この世界に寄る辺なき迷い子だった彼女。
それを思いださせられた…そういう事なのか?
なんて事を…
でもね……ミーティア、今のあなたはもうこの世界の一員なんだよ?
あなたは一人じゃないでしょう?
それを、教えてあげないと。
「ここはミーティアの心の中なんだよね?あの娘と話をするにはどうしたらいいの?」
「この世界の何処かに、ミーティアの魂の核があるはずだ。先ずはそれを探さねぇと。……頼んだぜ、俺が幾ら呼びかけても反応がねえんだ。だが、お前ならきっと……」
魂の核…
とにかくそれを探し出して、教えてあげないと。
あなたには、あなたの事を大切に思う人達が沢山いるんだってことを。
11
あなたにおすすめの小説
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる