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第十二幕 転生歌姫と謎のプリンセス
第十二幕 3 『婚活』
しおりを挟む「えっ!?……ヨルバルトさん、レティに告白したんですか?」
予想外の爆弾発言にビックリして、思わず聞き返してしまう。
「ええ、まぁ……とは言っても、いま彼女と話している者たちは大抵はそうしてるんじゃないですかね」
「はぁ……」
「もともと隣領のお嬢様ということで気にはなってたのですが……類稀なる才媛、容姿も素晴らしく人当たりも良い。今まで婚約者がいないのが不思議ですよ」
それは過去の『やらかし』のせいみたいだけど。
まぁ、概ね彼の言う通りだ。
「恋愛的な意味でも好ましく思いましたので。私も今まではあまり結婚などは深く考えてなかったのですがね……まぁ、今はこう言う立場になったので」
なるほどね。
確かに領主に就任したとあっては、そういうところも気にしないとだね。
何かと行事なんかで夫人と同伴する機会も多くなるだろうし、跡継ぎも必要だし。
「……あと、これは噂で聞いただけなんですが。鉄道が開通した暁には、彼女に爵位が与えられ……どうもフィラーレ地域が領地として与えられる、と」
まぁ、あくまで噂なんだけど。
それが本当なら、もともと自分のところの領地だったから気になるよねぇ……
そして、彼はどこか探るような目で私に視線を向けてくるが……
「すみません、生憎と私はその辺の話には絡んでないので……」
「その話は事実だな」
と、近くで別の人と話をしていた父様母様が話に加わってきた。
さっ、と臣下の礼をとって挨拶する一同。
て言うか、そんなにあっさり認めちゃって良いの?
「あぁ、まだ正式な話じゃないから他言せぬようにな。だが、もともと自領で気になるであろうから、貴殿には…な」
「ご配慮いただきありがとうございます。確かに気になってはいたので……ですが、彼女が領主になるなら安心ですね」
閣下たちは表情から察するに知っていたみたいだね。
「実は事前にレティシア嬢には打診していてな。それで、おそらくは子爵位が与えられる事になると思うのだが……領地の希望を聞いたら迷いもせずフィラーレが良い、とな」
そっか~、レティはフィラーレの領主になるのかぁ~……
と言うか、そこを選んだのは温泉があるからだよね。
やはり前世日本人としては外せないか。
……いいなぁ~。
ん?そう言えば、今は王家の直轄領なんだっけ。
じゃあ、視察と称して……はっ、いかんいかん!
公私混同は良くないね!
でも、レティが領主になったら遊びに行こっ!
そろそろレティの周りのお客さんも減ってきたみたいだから、私もルシェーラと一緒に行ってみようかな。
「ママ~!」
と、そこにテオに連れられて、ミーティアがやって来た。
「あ、テオにミーティア。もう料理は良いの?」
「……少し食べ過ぎかと思って止めさせた」
「……もっと食べたかった」
あはは……その光景は目に浮かぶよ。
やや不満気だけど、ちゃんと言うことは聞くんだよね。
以前、「おデブになるよ?」と言ったのも効いてるかもしれない。
「ちょっと俺も挨拶周りに行ってこようと思うのだが……」
あぁ、彼は私の婚約者!ですからね。
身内で話ししてるだけならともかく、そうでない人たちに挨拶に回るなら婚約者同士は一緒のほうが良いだろう。
ルシェーラは……あぁ、リュシアンさんは父様母様の警護に当たってるのか。
「だったら、主催者のとこに行こうか。そろそろ空いてきたし」
「そうだな」
「レティお姉ちゃんとお話するの!」
そうして、私達はレティの元へと向かうのであった。
「レティ!」
「あ、カティア!」
他の人の話が一段落したのを見計らって声をかけた。
私とレティが親友同士と言うのは割と知られてるので、気を利かせてもくれたみたい。
ごめんなさいね。
「中々大変だったみたいだね?」
「ふふふ!ど~よ!これが私の本当の実力なんだよ!」
どうやらモテ期到来なのは、レティ的には嬉しかったらしい。
いや、実際には誰かとくっつきたいわけじゃなくて、プライドの問題だったみたいだけど。
チラッとリディーさんの方を見ると、何とも言えない複雑そうな表情を浮かべていた。
まぁ、彼にとっては面白くないだろうね。
以前ルシェーラが言った通り、引く手数多な状況を目の前で見せられたのだから……
でも、これでリディーさんには火がつくかもしれないね。
「あれ?ミーティアちゃん……可愛いお人形さんをもってるね」
と、レティはミーティアが肩から下げている鞄を見ながら言う。
そこには、蓋の隙間からちょこんと顔を覗かせた……
『お初にお目にかかるでありんす。わっちはミロンと申しんす。よろしくお願いしんす』
「シャベッタアアアァッ!?」
お~、驚いてるねぇ……
と言うか何故に日本語(花魁語)で挨拶したの?
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