【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

O.T.I

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後日談3 学園祭狂詩曲〈ラプソディー〉

モンスター・メイズ(2)

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 いよいよ『モンスター・メイズ』の攻略に乗り出したカティアたち。
 一番最初のダンジョンエリアは、人工的な石壁の通路が延々と続く迷路となっていた。

 フローラが説明していた通り、迷路自体はそれほど複雑なものではないようだ。
 誤った道を行くとすぐに行き止まりとなっていたので、一行は特に悩むこともなく進んでいくが……その一方で、多くの魔物たちが彼らの行く手に待ち受け襲いかかってくるのだ。



「はぁっ!!……カイト、そっちお願い!!」

「任せろ!!」

「レティ、下がれ!!」

 次々と襲いかかってくる魔物たちを、カティアとカイト、そしてリディーが撃退する。


「わわっ!?……ふぅ、リディーありがとう」

 レティシアは自分に向かってきた魔物に驚き戸惑っていたが、間に割って入ったリディーがそれを撃破すると、彼に礼を言った。


 ここはあくまでも学園の中なので、攻撃魔法の類は禁止されている。
 もちろん武器類も持ち込めない。
 なので、魔物に対抗するには事前にフローラから渡されていた模擬剣(やわらか素材)を用いることになっていた。


「よし、取り敢えず一掃したね。……リディーさん、剣の心得があったんですね」

 先程までの彼の戦いぶりを振り返って、カティアは感心したように言った。
 リディーはリーゼと同じくアスティカント学院の魔法科の出身……魔導師であると思っていたので、彼がかなりの剣椀を発揮したことが意外だったのだ。


「いえ、実剣だったら重くてこうはいかないですよ」

「でも、リディーってこう見えて意外と武闘派なんだよね~。必殺技はイナズマパンチ」

 リディーは謙遜するが、レティシアはどこか嬉しそうに言った。
 なお、その必殺技とやらは実際に魔法の雷撃を纏った拳打だったりする。


「それじゃこの調子で、3人でレティを護りながら進みますか。でも、これ結構難易度高くない?さっきの魔物もそこそこ強かったし……危険性は無いって事だけど、戦闘経験ないとキツいんじゃないかな?」

 学園祭のアトラクションの割には、思った以上に魔物の攻撃が激しい。
 そう思ったカティアは案内役のフローラに視線を向けた。


「それはですね……どんな方にもハラハラ・ドキドキ感を味わってもらうために、挑戦する方の能力・技量を読み取って自動的に難易度を調整する仕組みになってるんですよ。リーゼ先生がそんな術式を考えてくださったとか」

「能力を読み取って……あれかな?」

 カティアが思い出したのは、王都ダンジョンの『克己の試練』でのこと。
 それは自分自身のコピーと戦うというものだったのだが……リーゼは戦う前に自身のコピーと一緒になって魔法陣の解析をしていたとか。
 おそらくはそれを応用したのではないか?と彼女は考えたのだ。


「しかし、俺達の能力を読み取って、ということは……」

「私やリディーはともかく、こっちにはカティアとテオさんがいるから……難易度Maxになってる?」

 なんと言っても邪神征伐の英雄たちである。
 最終決戦に向けて神々から授かった加護の力こそ失われているが、その強さはこの世界でも最上位の部類だろう。

「そうですね……一応、判定は皆さんの平均レベルでされるはずです」

「じゃあ私とリディーの分で、一応ハンデが付いてるってことか」

 彼女たちも魔導師としての実力は相当なものだが、このアトラクションでは魔法禁止のためそれは判定には考慮されていないとのことだった。


「なるほど、そんなところも凝ってるんだね……。まあ、少しは手応えがあったほうが面白いかな?」

「そうだな。いい運動になりそうだ」

 久しく冒険者の活動もしてないし魔物と戦う機会も最近はほとんど無くなっているから、たまの運動には丁度いい。
 そんなふうに二人は気軽に考えていたが……ステラとフリードの疲弊した様子は忘れてしまったのだろうか。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 攻略開始してから十数分くらい経過しただろうか。
 制限時間を考えれば一つのエリアにかけられる時間はそれほどない。
 そろそろダンジョンエリアは抜けたいところだった。
 攻略そのものは順調そうで、時々襲ってくる魔物も無難に撃退を続け、4人ともまだ被弾はしていない。

 つい先程も魔物の群れを倒した一行は、少し足早に迷宮を進んでいたのだが……


「ん~……」

 レティシアが何事か唸るような声を出す。
 何か考え事をしているようだ。

「?……どうしたの、レティ?」

「いやさ、このアトラクション……凄い本格的じゃない?学園祭だけで終わらせるのはもったいないな~
って」

「ああ、それは確かにね。なになに?モーリス商会でテーマパークでも作るとか?」

「……それもアリかも。鉄道の収益向上も期待できたりして」

「ふむ……」


 カティアは半ば冗談で言ったのだが、レティシアは真面目に考え始めた様子。
 モーリス商会副会長のリディーも興味を示したらさい。


(え?この世界にディ○○ーラ○ドが!?)

(ミッ○ーはいないよ)


 どうやらこの世界に新たな大規模娯楽施設が出現する日が近い……かもしれない。





 それから何度か魔物との戦いを経てから、一行は次のエリアに到達するのだった。

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